巻き上がる粉じんにエネルギーの残滓の中、弾が私の名前を呼ぶのが聞こえた。
愛しの人の声の叫び、それに私は応えずにライフルを構えたままの姿勢で見つめる。
無傷という訳ではない。実際、肩部装甲が剥がれ落ちて、中のインナーフレームがむき出しになっている。
敵はまだ生きていて、私はまだ戦える。そして、弾を撃った相手にどす黒い感情を抱いていた。
トリガーハッピーのように乱射はしない。確実に敵機だけを落とす。湧き出てきた恨みを抑えて、落ち着かせる。職務を果たす兵士としての感情と復讐に燃えた怒りの感情の二つを精神と集中力を砥ぐための道具にして、私は復讐の女神となっていた。
狙撃地点を見やる。
誰が仕組んだ偶然か、もしかしたら必然だったかもしれない。
最初に一発目を撃とうとして、スコープを覗いたとき、敵スナイパーはいつの間にかこちらの位置に気付いていた。
スコープ越しに視線が合った時、私も敵も引き金を引いていた。半実体弾のパルスライフルの弾丸とビームと言うべき光学兵器のエネルギー弾の二つが交差した時、互いに干渉しあって、弾道がねじまがった。
私の放った弾丸は後部のビットを収容するであろう部分に命中した。本来はライフルごと本体を狙ったはずが、大きく左にそれてしまったのだ。
そして飛来して来たエネルギーの塊は脇腹通り抜けて、装甲を焦がして赤熱させた。
スーツを着て、恐らくは火傷も追っていないことだろうが、熱は伝わり思わず顔をしかめつつもボルトを操作した。
外れたのは敵も同じで、それを承知している。なら第二射をより早く行った方が勝つ。
この場合不利なのは私だ。相手はセシリアと同タイプのライフルだと予測される以上、形式としてはセミオートマチックライフルと似ている。
つまり引き金さえ引けば、弾丸は発射される。対するコチラは昔ながらのボルトアクションライフルであり、一発撃つごとに排莢と薬室に装填という、操作をしなくてはならない。
向うの速く撃てるという事だ。これは余裕を作ることができる。向うは狙う、撃つの2アクションで完了だが、こちらはボルトの操作も加えて3アクション。
向うのスピードに勝つためにはボルト操作と狙う、の2アクションをできる限り短縮する必要がある。
さらにボルトアクションゆえか、スコープから一旦目を離さなくてはならないのだ。
だから、痛みになんか構っている暇はないのだ。
磨かれたボルトを操作して、排莢。地面に薬きょうがぶつかる前に次弾を装填し終えて、スコープを覗く、その時一瞬だが弾ともう一つの影が見えた。
「弾、下です!」
叫んで、標的をスコープにとらえた。向うは瓦礫に邪魔されたのか、完全に狙いが定まっていなかった。チャンス、先手は貰った。
引き金を引いて、ライフル弾の数倍の速度で発射される弾丸の雷管を叩き銃口から飛び出て行った。
そして、敵機も遅れて発射した。今度の射撃は以前と違った。
前回はとにかく相手を速く発見して撃つという事で、お互いに狙う所が同じで弾道がピタリと一致するという奇跡としか言いようのないことが起こっていた。
だが、今回は違う。私はボルトアクションのスピードの無さから判断して、狙いやすい胴体に向けて放った。
対する相手はスコープに真っ直ぐ飛んでくる光弾からして、狙ったのは私の頭部だ。装甲が薄いとみて一撃必殺を狙ったのか、よほどの自信から撃ったのかどちらかだろう。
そしてこの時の私は超常的な反応をしていた。光速で襲ってくる光弾に反応しえたのだ。
正確に言うと、向うが頭を狙っていることに気付いた瞬間体が、とっさに頭部をずらして
直撃を防いだ。
しかし、光弾はパルスライフルのスコープとレシーバー上部を完全に破壊しハヤブサのカメラアイに損傷を受けた。
頭部にスパークが走り、短く声を上げた。ライフルを手から離して、頭を片手で押さえた。
目を開いて、周りを確認する。視覚には異常はないのが幸いだった。この目が無くては私は戦うことができないのだから。
しかし、狙撃モードのカメラアイが破壊されてズームなどができなくなっていることに気付いた。狙撃モードに変換すると大きくひび割れたレンズが視界に広がって、景色が歪んでいた。
使い物にならない、そう判断して通常のカメラアイに戻す。そして、頭に敵機の事を思い浮かべていた。
パルスライフルを放って、命中させた手ごたえは確かに感じたはずだ。
だが、命中する瞬間を見ていない以上私はどこに当たったのかまでは判断できないでいる。
なら、判断を下せるようにするまでだ。
パルスライフルを捨てて、愛銃であるDMR9を取り出して、銃口付近に着いた着剣ラグに銃剣を取り付ける。
そんな動作をしながら、私は自分が狙撃兵に向いていないことを改めて感じていた。
私には忍耐が足りない。スナイパーとしての必須項目の待つや耐えるという行動が苦手だ。
感情を抑えるのは通常戦闘をする程度には得意だが、戦場の特異な存在である狙撃兵に必要なほどあるとは思えない。
さっきのように、弾が被弾してしまったことで怒りを覚えている程度の忍耐力では本場の男たちに失笑されることだろう。
だから、私はマークスマンなのだ。自分も誰かと共に動き、誰かと共に戦いと思ってしまう自分にはこれが一番最適だ。
ダットサイトを取り付けたセミオートライフルを目にする。M14ライフルを模した外見のソレを見た。これが私だ。古臭くて頑固で戦うことしかできない。
私はそんな古い価値観しかない女だ。
でも、そんな私を受け入れてくれた人たちがいる。過去と現在のどちらにでも、そんな人たちが私の中には確かに存在している。
ハヤブサのスラスターに火を入れた。
「行きますよ」
ここにはいない誰かに言って、私は塔の床を思い切りけって飛んだ。
そして、ハヤブサの機動性を十二分に発揮させて、キリングフィールドへと身を投じた。
加速して飛んで二分とかからない所にあの敵機は居た。狙撃ポイントから降りて、銃身が半分になったライフルを捨てて、ブレードを引き抜いていた。
そして、上を向いて私を捉えた。
先手必勝、やらなければやられる。ダットサイトの光点と敵機を重ねて引き金を引いた。
75mmのライフル弾が空を切った。
敵機は回避して、壁伝いに上昇を開始した。巨大な壁面を蹴って推進力の足しにして高度を上げようと動く。
容赦せずにDMRによる攻撃を継続する。テンポよく一定のリズムで撃ち、大きな空薬きょうが重力に従って落ちていく。
「お前も堕ちろ」
懸命に回避行動する敵機が十分な高さに着いたとき、敵機は反撃を開始しだした。
壁面にクレータができるほどの力を脚部に込めて、カタパルトの代わりにして加速をつけてこちらに突撃を開始したのだ。
DMRで突撃してくる敵機を迎撃しようとトリガーを引いていこうとした、その時センサーが接近する物体を捉えた。
危険だ、と判断してその場から後退すると、さっきまでいた場所にレーザーが走った。
青く危険なレーザーを放った物体を私は目にして、舌打ちをした。
セシリアのブルーティアーズにみられるビットだった。今までどこに隠れていたのかと、思いつつもビットの動きを見る。
三機のビットが私を包囲し、破壊光線を放つ。一発一発は大したものではないものの、ハヤブサはそこまで優れた耐久性は持っていない。
ダメージが積み重なれば、たちどころに撃墜されるのは目に見えている。
DMRの弾倉を交換して、狙い、ダットサイトと合った的から撃ち落す。
ビットがサイト内に入った次の瞬間には75mm弾で引き裂かれた姿を晒しだしていく。
そして、全てを撃ち落し終えた時、私は直観と言う何の根拠のない判断材料で
銃剣を後方に向けて、振った。
エネルギーを纏ったブレードが銃剣とぶつかり合って派手な火花を散らした。
銃剣を引いて、頭部に向けて一発放つが、相手は回避して私の腹部を蹴りつける。
距離が開いたことで、敵とは逆方向にスラスターを向けさせて下がりながら、追撃してくる敵機を狙い撃つ。
敵機の回避は速く、そして鋭かった。直角に軌道を描いて、上へ、下へ、さらにはローリングで二発の銃弾の射線の間に入り込んで回避するなどして、接近してくる。
普通なら、あまりに急激な動きで体に過大な負荷をかけるはずの回避行動を相手はヘッドギアで隠れて詳しくはわからないが涼しい顔で行っているように思えた。
「化け物め」
一言ささやいて、三度目の弾倉交換。最後の一発だけを装填したまま交換することで、初弾装填の暇すら惜しんで私は普段の倍以上に早く、正確に体を動かすことだけを考えていた。
今度はセレクターをフルオートに選択して、あえて単発で放つ。
当然だが、さっきと同じ繰り返しにしかならない。敵が手練れである以上、同じ手はそう何度も通用しないのはわかっている。
だが、そう言う相手程小細工が通用するのは、Rインダストリーの坊ちゃまと鉄仮面のナイフ男が証明している。
一発放つ。相手は上昇して回避した。視線を敵機の方へ向けると敵機は太陽を背にして目くらましを行った。
一瞬くらむ目に、HMD内で後方に回ったと伝えるアラームがやかましく鳴り響いた。
凶刃を振り上げるようにして、一瞬で距離を詰めてくる敵機。
銃剣で対応したが、わずか二回の防御で銃剣はひしゃげて、破れた紙のようにちぎれ飛んでしまった。
そしてガードが上がった私に必殺の刺突を行うべく、腕と体をばねの代わりにして、刃を突き出した。
避けきれないと判断した私はあえて、足に突き刺せることで胴体への直撃を回避しようとしたが、ブレードは足の装甲を貫通し、浅くはあるものの、胸部にめり込んだ。
インナーフレームのおかげで絶対防御が発生することは無かったが、
胸を圧迫されて、胃液を少し吐いた。
動きが止まったことを見て私はフルオートでDMR9をマガジンに残っていた七発すべてを反動も制御せずに無理やり当てた。
私の動きに気付いて後退しようとしたが、突然のフルオートに対応しきれなかった敵機は腹部と肩部、そしてヘッドギアに直撃を喰らった。 ショックを頭部に受けたためか、糸の切れた人形のようになって、地上へと堕ちて距離が離れた。
追撃しようとハヤブサに指示を送ろうとしたが、脚部と一体化したスラスターが負荷を超えて爆発して、同じく推力が出せず、またPICも働かずに墜落する。
機体を懸命に操作して、悪魔を罵る言葉を吐きながら姿勢を保とうとしたが無駄な努力に終わり、頭から敵機の狙撃ポイントだった塔のような建物に突っ込んだ。
たかだが、高度200m程度で戦闘していたこともあって、落下の衝撃は少なかったが建物内に墜落して、瓦礫の中に埋もれかけた。
瓦礫に埋もれて、数々の衝撃が私を揺らし、コンクリートと鉄骨、木材も何もかも壊して無様に転がった。
頭の中で鐘が鳴っているように、鼓膜が切ない悲鳴を上げていた。
朦朧とする意識をはっきりさせて、頭を振って堪える。
自分がさっきまで何をしていたかさえ分からなくなった鈍い脳髄を働かせて、併称感覚を取り戻した時、私の視界がようやく正常に戻った。
その時、目を開いてみたのは青空だった。
こんな泥沼のような戦闘をしている私たちの上空は澄んでいて、今まで気にしたことのないほどの美しい青が広がっていた。
一瞬見とれかけた。場違いなほどの美しさを見せてくれた空を掴もうと手を自然と伸ばしていたほどだった。
だが、次に聞こえた爆発音が私を現実へと戻した。今私がいるのは戦場だと教えてくれた。
それに感謝すべきか、または感謝しないべきか否かで迷いつつも、瓦礫を押しのけて
地面に両足で立ち上がった。
ハヤブサの現状は良くないことを確認しつつ、私は瓦礫の中から愛銃を引っ張り出して、状態を確認した。
IS用に頑丈に作られたドットサイトはへこんでしまって使い物にならない。
幸いにして、機関部の損傷は無く、弾倉を交換して撃てることを確認するために一発撃った。
照準とはずれてはいるが、弾道はいつも通り素直であることを目で確認して、ドットサイトをハヤブサの拳で無理やり外して、ひん曲がったアイアンサイトで戦うことにした。
センサーを頼りに索敵して、一つ上のフロアにいることを確認して私は目を鋭くさせた。
ここで逃がすわけにはいかない、このままなら確実に一人は仕留められる。
相手は気絶しているはずだ。そこをこのライフルで撃つだけで一人脅威が消えてくれる。
相手が私と同じような年頃の女の子だろうと関係ない、こうなった以上やるしかないのだから。
僅かに残ったスラスターを動かして、二回に上って、目的の敵機を見つけた。
まだ意識を取り戻してないらしく、ぐったりと機体を身に着けたまま動かない
警戒を厳にしてセンサーで調べ、敵機がいわゆる死んだふりをしてないことを確認して、私はライフルの照星を敵機に合わせた。
照準のズレは先ほど撃ったことで癖は掴んでいる。とどめの一撃を撃つために引き金に人差指をかけて、フルオートではなくセミに切り替えた、その時だった。
敵機のヘッドギアに入っていた日々が徐々に大きくなって、割れた。
ヘッドギアは地面に転がって、大きな音を立てて搭乗者の顔を露わにしたのだ。
その顔を見た時、私は驚愕に目を開かせた。ある意味、ショック状態に陥って引き金から指を離してしまった。
その顔は織斑千冬と似ているというより、そっくりそのままの顔だったからだ。
髪の毛や。顔の輪郭、何から何まで似すぎていた。
何をどうすれば、そうなるのか、ショックで思考が働かずに真っ白になった。
その隙がいけなかった。
敵機の搭乗者が目覚めて、置きだして状況に気付いたのかブレードを私に投げつけて逃走を図った。
はっと気づいた私はライフル弾でブレードを叩き落としたが、敵機はどこに隠していたのか、ハンドガンをすれ違いざまに撃ち、ライフルを破壊されてしまった。
己の失策と甘さに後悔と怒りを抱きながら、私は叫んだ。
「待て! お前は誰なんだ?!」
叫びもむなしく敵機は離脱していった。敵機の搭乗者は顔を隠すようにして去って行き、私だけ一人その場に取り残されてしまった。
残された私には彼女は何者なのか、それが頭に張り付いて離れなかった。
どうして、あんな顔をしているのか理解ができない。
織斑千冬のクローンだとでもいうのだろうか、そんなSF小説のような話が現実に会っていいものか。
必死で否定しようとしたが、それを目に焼き付いた彼女の顔が許さなかった。
その後ろ姿を見るだけしかできずに歯噛みをしていると通信が入った。
私はしばらく、それに気づかず、ただ茫然としていることしかできなかった。
「静寐、どうしよう?」
さやかが不安そうに声を上げたのに私は何も言えないでいた。まだズキズキと痛む後頭部を抑えて私は過去の事を思い出していた。
避難しようとした時に、周りは完全にパニックになっていた。突然聞こえた爆発音とそれに続いて、崩れ落ちるコンクリートのお城のような建物を見て、悲鳴を上げて逃げ惑う人たちの中で私は頭を打って気絶してしまったのだ。
さやかがいてくれなかったら、メイド服を着ながら踏まれて死んでいたかもしれない。
そのことには感謝しているけど、そのせいで逃げ遅れてしまうとなってしまってはどう言っていいかわからなくなった。
「静寐!」
「聞こえてるわ。でも、どうしよう…」
今の私はただの少女でしかない。ISもない無力な女の子の一人だ。こんな時に専用機でも持っていれば、誰かを助けることもできたのかもしれない。
目の前のさやかをどこかへ運ぶこともできたかもしれないが、私は専用機を持っていない。
そのことに歯噛みしつつも、私は考えをまとめた。
「とにかく、シェルターを探そう、避難しないと」
「…そう…だね。 そうだね!」
さやかが無理に笑顔を作った。この状況で怖がらない方が無理というものだ。
今私たちを守るものはなく、もしここに一発でも銃弾が飛び込んで来れば私たちはそれでおしまいなのだから。
二人で立ち上がって、デジタルで表示された案内に従って歩いて行く。
早く逃げないといけない。今私にできるのはさやかと一緒にいてあげることしかない。
だから、今は走れ鷹月 静寐。お前にできることは隣の友達を助けることだ。
そう自分に言い聞かせて徐々に歩みを速めて走り出す。
しばらく走って廊下の角を曲がっていると、別の足音が聞こえてきた。
誰だろうと思って見てみると癒子に清香、ナギに神楽がいた。
「静寐! ここにいたんだ!」
「ナギ!癒子に清香、それに神楽…貴方達何しているの?!」
そう訊くと、癒子が肩で息をしながら話してきた。
「あなた達を探していたのよ…みんなバラバラになったし……それに…」
「それに?」
私が効くと癒子は気まずそうに目を背けた。言うべきかどうか迷っているような顔だ。
私はそれが何を意味しているのか、何となく察したが訊くことにした。
「それに…なんなの?」
そう訊くとナギが憤慨した顔で答えた。
「シェルターに入れないのよ…どこも満杯だって言われて…何だってのよ、もう!」
近くの壁に拳を叩きつけるが、むなしく音が鳴っただけだった。
シェルターが開いてくれない以上、どうすればいいのか。途方にくれたようで、泣きそうになった。
「教師だっているのに、私たちのこと知らないって連呼よ! なにが大人よ! なにが選りすぐりのエリートよ! 肝心な時に織斑先生も見つからないって訳わかんない!」
ナギはそのまま大声でどなり散らし続ける。周りの静止も聞かずに暴れまわった。
「ナギ! 落ち着いてよ! 暴れたって何もならないわよ!」
「黙ったて何もないでしょうが! 毎度毎度こんなバカみたいな襲撃ばっかり起きてさ…何なのよ? おかしいじゃないの!」
その言葉にビクリと体を震わせた。脳髄に電撃が走るように、頭に突然ひらめきが起きたのだ。
そうだ、ナギの言う通り確かにおかしなことだ。
去年まではこんな襲撃は一度もなかったはずだ。もし起こっているのなら最初からこんな場所に行こうなんて思わなかったろう。
だが、今年はもう襲撃や暴走事件を合わせて、既に四回目だ。あまりに多すぎる事件の数にどうして今まで疑問を抱かなかったのだろう。
冷静に考えてみると、今年は何もかも異常だ。
事件だけではない、いくらなんでも多すぎる専用機持ちの来訪。一年に10機近く集まることなんてあるのだろうか。
そして、その中の三人。インダストリーから来た三人は今思えば戦闘慣れしすぎな気がしてならない。
高速で動く相手のISのライフルの銃身をピンヘッドで狙い撃てるアカネ、男性のはずなのに技量が高い二人。
鈴から聞いた話ではインダストリーが隠していたらしいという話だが、そんなことを選択するメリットとは何だろうか。
そして、これらの根源は誰かは今思えば、織斑君だ。彼の登場から、全てがイレギュラーへと突き進んでいるのだ。
そもそも、彼そのものがイレギュラーなのだが、だからと言って物事まで彼に倣うことはないはずだ。
彼が登場して世の中がざわついてから、学園に平穏が消え去った気すらした。
これらは全て偶然なのだろうか。偶然、そういう要素が集まっただけなのだろうか。
そう考えたが、乾いた音が聞こえたことで現実へと戻った。癒子がナギの頬を平手打ちしたのだ。
ナギはショックを受けたような顔をしたが、癒子が間髪入れずにナギの体を掴んで大声で言った。
「ナギ! いい加減にして!皆を不安がらせるようなことばかり言わないで!冷静さ保たないと、またバラバラになるのよ!」
その言葉で皆がはっとしたように、気づかされた。彼女の言う通りで、せめて平静さだけでも保たなければ、たちどころにパニックになってしまう。
私は深呼吸をして、心を落ち着かせようと努める。こんな時に思い出したのは大場先生と山田先生だ。
二人の先生がきっと皆を助けてくれる。イヴァナ先生だっているし、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせる。
そこへ、いきなり大きな爆発音が聞こえた。大気と私たちの心を揺らして、地面が震えた。
皆その場に伏せて、頭を抱えた。
爆発の音は何回も連続して、ガラスの割れる音やコンクリートの砕け散る音と、ほんの少し前まで、TVで偶に流れる戦争映画の中だけだったはずの出来事が私たちのすぐそばで起こっていた。
その恐ろしい環境の中でさやかが叫んだ。
「静寐! 怖いよ! 私怖いよ!」
「さやか…!」
伏せながらも近づいて彼女の手を握った。両手でしっかりと握りしめて彼女に怖がることはないと言い聞かせるが、彼女の震えは止まらない。
どうすればいいと考えをまとめようと思考回路を必死に動かす。
避難すべきシェルターは空かない。では他の安全な場所を探すべきだろう。
だが、そんなものがどこにあるというのか。格納庫は先生の話から察するに危険だ。
校舎のどこかに変わりになるものがあればいいのだが、そんな都合のいい所を私は知らない。
万事休すか、そう思った。
そこへ、何かが飛来する音が聞こえた。
何だろうと思って顔を上げると、そこには見慣れた砂漠色のISグレイイーグルに、鈴の甲龍、そしてシャルロットのラファールがいたのだ。
「鈴、ヴィンセント君にシャルロットちゃん!」
私が大声で彼らの名前を言うと、鈴が近づいて訊いてきた。
「何してんのよ?! 避難は?!」
「逃げ遅れちゃって、そっちこそどうしてここに?」
そう訊くとヴィンセント君が答えた。
「マイクの所に行っててさ…これから戦争しにいくんだよ。あと、教師とか見ていないかい?」
その言葉に清香が大声で否定した。ストレスによるものか、感情が少し不安定になっているのかもしれない。
「いないわよ、そんなの! ISが見つからなくて皆シェルターの中よ!」
それを聞いて、シャルロットが唖然とした顔をした。信じられないといった顔だ。
そして、鈴とヴィンセントが舌打ちをした。
「じゃあ、この戦力で行くしかないな。鈴、頼むよ」
「無理よ!アンタのメテオパックだっけ? 調整してなくて、ロクに空も飛べないのよ!
おまけに敵を一か所に集めなきゃ効果が薄いのよ!」
ヴィンセント君もソレをわかっているのか、怒りを露わにしてため息を吐いた。
「そんなの分かってるさ! だが、これしかないんだ!予想だとこっちの戦力は大分削られている! これ以上の損失は防がなくちゃならない!」
「だからって…」
そう口論している二人を尻目に私はシャルロットに訊いた。彼らが何について話しているのかを、だ。
「何を話してるの?」
シャルロットは端正な顔に陰りを見せて答えた。
「実は…ここに訓練機だけどISが何機かあるんだ……それで教師たちを見つけて弾幕を張ってもらって、動けなくなった相手をヴィンセント君の機体のパッケージで一網打尽にって話だったんだけど…」
「だけど、何よ?」
ナギが尖った口調で彼女に訊いた。彼女はナギの剣幕に押されつつも冷静に現状を述べてくれた。
「まず第一に先生が見つからないんだ、乗り手がいない以上どうしようもないし、それにヴィンセントのパッケージは未調整で効果的な攻撃をするためには空を飛ばなきゃいけないんだけど、今のままだと途中まで誰かに引っ張ってもらわないといけないんだ。その後は滑空できるらしいんだけど…ボクは飛べないし…」
そう言って、スラスターにあいた穴を見せてきた。確かにPICで浮くことはできても、その後は何もできない。何の推進装置もな空中を浮くだけの風船程度にしかならないだろう。
話を聞いて、私は理解した。つまりは決定的に数が足りないという事だ。ヴィンセント君の牽引に一機割かれる以上、このままでは戦力はシャルロットのみとなる。
たった一機の火力だけで敵の集団を抑えることはほぼ不可能である以上、ヴィンセント君のパッケージを上手く生かすことができないという訳だ。
そのために彼らは教師を探していたが、どこにも見つからずに困っているという話だ。
教師がいるか、専用機持ちが他に何人かいれば、どうにかなったかもしれない。
けど、この場にはいない以上、無理な話だ。どうして、こんなにも上手くいかないのかとすべてに恨みの感情を覚えるほどだ。
ISに乗れる人さえいれば、解決する問題なのに、それがいないのだから。
そう思って、はっとなった。いるじゃないか。すぐ近くではなく、その場に。
自らの手のひらを見つめる。鍛えられたわけではない、白くて綺麗でスベスベした手を見た。
そして、その掌を握って拳を作って、大きく深呼吸をしてシャルロットに言った。
「シャルロット……ISを……貸して」
彼女はあっけにとられた顔をした。場違いながら面白いと思ってしまった。
そして、後ろの皆も口論していた二人も全員が私に視線を集めた。
「鷹月さん、本気なの?」
「そんなこと聞いている暇はないんでしょ…貸して」
それを聞いてシャルロットは拒絶しようと一歩後ろに下がった。
「ダメだよ…ダメだよ、そんな事! 君たちは一般生徒じゃないか! 経験だって少ないし、それに…」
「嘗めないでよ!」
シャルロットンの言葉に反応して、思わず声を張り上げた。彼女は驚いた顔をしていた。
普段は委員長のようにおしとやかにしているからだろう。
確かに彼女の言う通り、私は経験が浅いほうだ。専用機持ちほどの訓練時間はない。半分程度やっていればいいほうだろう。
だが、私たちは力を示したはずだ。それが試合であれ、まぎれもない事実のはずだ。
「私だってね……訓練して来たわ! 夏休みだって、放課後だって、訓練して来たわよ。
力を示しただけででしゃばってるわけじゃないわ! ただ、良いようにされてるのが嫌なのよ! たまらなくね!」
そう言っても、シャルロットは首を縦には振らなかった。
今まで、いいようにされてきた。確かにその通りだ。始まりはセシリアの発言で、福音事件や織斑先生、そして今回のテロリスト。
テロや事件は考えていなかったけど、誰かに好き勝手にされるのが嫌だから私は動いたのだ。それが私の初心だった。
「試合じゃないんだよ? 死ぬかもしれないんだよ?!なのに…」
震える拳を抑えて私は啖呵をきった。
「なら、貴方はなんでここにいる?! 怖いわよ、ハッキリ言って! でも誰かが行かなきゃならない! だから貴方達が行くんでしょ? それに私が加わってなんか文句でもあるわけ?!」
私だって死にたくない。十五歳で死んで、これからの人生も歩めずにいなくなるなんてまっぴらだ。でも、今逃げて先生の誰かや、友達の誰かが死んだら望み通りの人生なんて遅れるわけがない。
一生、十字架を背負っていくことになるだろう。重くて、置いていくこともできない十字架だ。そんなものを抱えて後悔する人生よりかはマシだ。
友達と先生を捨てる自分なんて、まっぴらだ。いつか、夢をかなえて大人になって彼女たちと笑える、そんな日を望んでいるのが私だ。そこに誰か一人でも欠けてはいけないんだ。
それを聞いたのか、鈴が聞いた。その顔には少しもフザケタ様子なんて無かった。
「ホントに行くのね?」
「…ええ」
鈴はしばらく私を見つめて、一つ大きく深呼吸をして言った。
「……シャルロット、渡してあげて」
シャルロットは少しの間、鈴を見た。そして次に私を見た。彼女は私の顔を見て、何を感じているのだろうか、それはわからなかった。
ただ、じっと見つめているだけだ。私の真意を確かめているのだろうか。
そして、観念したのか待機状態のラファールを手渡してくれた。
「撃つだけでいい…相手が来たら僕が前に出るから…」
「ありがとう」
そう言ってラファールを身にまとった。
いつもより重く感じる機体とライフルを手に私はグレイイーグルと甲龍の二人を見た。
鈴は少しも微笑みも見せなかったし、グレイイーグルは機体の特性から中のヴィンセントの顔を見ることはできなかった。
それでも、願いを聞いてくれた三人に感謝をしていた。
そして後ろに振り返って、去ろうとした時、癒子が同じくISラファールを纏っていた。
「癒子…?」
「一人だなんて、無理よ。私たちは半人前なのよ。私もついて行ってあげる。」
「でも……」
反論しようとしたところに、後ろから手が伸びてきて私の口元をおおわれた。
振り返ると、ナギと神楽が打鉄を纏っていた。
「貴女たちまで…!」
「啖呵切ったのは静寐、アンタよ」
「まあ、そうなるな。 私たちも行くよ。六機あるなら、三機分の働きはできるはずだ」
二人とも顔にうっすらと汗を流しながら、ニコリと笑った。
彼女らも怖いのだろう。
「アンタ達はどうするの?」
そう言って、ナギがさやかと清香の方を見て言った。
「私は行くわ…怖いけどね。」
「私は……」
さやかは、喘息のように変な呼吸をしていた。怖くてたまらなくて、逃げたいのだろう。
顔を上げると、鼻水と涙で快活でチャーミングな顔がクシャクシャになっている
でも、彼女が発した言葉思っていたのとは違った。
「行きます……私だって……震えているだけで終わりたくない!一人は嫌なの……役に立てないかもしれないけど、お願い、私も連れて行ったください…!」
二人はラファールを纏って、自分たちの決意を表明した。
皆震えて、泣いたり、強がったりしている。
傍から見れば、臆病な羊の群れが猛獣が争う場に突っ込もうとしている、そんな風に見えるだろう。
愚かだと、笑う人もいるだろう。任せて自分は安全な場所に居るほうが賢い選択だ、と自分でも思う。
でも、羊だって、時には戦うのだ。
戦わなきゃいけない、今がその時だ。
「戦力は揃ったな」
そう言って、ヴィンセント君はアカネや、皆に通信をつなげて、話していた。
これから、反撃のための作戦が始まるのだ
つまり、これから群れた羊たちである私達は一人の少年に導かれて、戦場に出るのことを意味していた。
「皆、どこに行ったのよ…!」
一人、廊下を歩いて皆を探す。神楽たちともはぐれてしまって、一人彷徨う羽目になってしまったことを嘆きつつ、おっかなびっくりに進んでいく。
当然だけど、皆どころか人っ子一人見つけられない。
皆もう避難してしまったのだろうか。それともどこかで、隠れていたりしてるんだろうか。
こんな時に何の武器も持たない自分が恨めしい。
「ISさえあれば……」
そんなことをつぶやいた。専用機さえあれば、と何度思ったことだろう。
別にラファールに不満があるわけではない。ラファールのスペックには満足しているし、素直にいう事を聞いてくれている、あの子には感謝どころか愛すら感じることもある。
しかし、いつでも使えないのが残念でならないのだ。使えれば、先生の助けにもなれたかもしれない。誰かの力になれたかもしれない。
自分の金髪をそっと撫でて歩いていると、話し声が聞こえた。
逃げ遅れた人だろうか、そう思って駆け出していったが鼻に鉄のにおいが漂いだして、体を止めて、話声する扉の近くで立ち止まった。
「悪い子だな~。持ち逃げは良くないよ~」
間延びして、眠たそうな女の子の声が聞こえた。子の声には聞き覚えがあった。
布仏本音。一組で癒子たちと偶に一緒にいる子だったはずだ。
こんな所で何をしているのだろう。
「待ちなさい! 私は…私だけでも助けて! この通りだから…!」
それに続いたのは大人の女性の声だった。確か赴任したばかりの先生の一人の物だったと思うその声は震えており、命乞いをしているようだ。
どうして、生徒に、それも本音に命乞いなんかしているのか、まるで意味が分からない。
でも、現実この向うでそんなやり取りが交わされているのだ。
状況を確認しようとそっと、中を覗いてみた。
すると、中では血みどろの惨劇が展開されていたのだ。無数の弾痕に飛び散った血液。物言わぬ死体となったスーツ姿の女性。
思わず吐きそうになったのを手で口を覆って必死にこらえた。
嘔吐なんかすれば、確実に気づかれてしまうからだ。
そして、何より驚いたのは、本音がそこに居て、手には母国アメリカでも見たことのあるサブマシンガンと思わしき銃器が握られていた。
彼女がこの惨劇を起こした張本人という事だろうか。
「いいから、話だけでも聞いて!…確かにISを持っていこうとしたけど、決して逃げようとしたわけじゃなくて…」
「……フーン」
何の話かまるで見当がつかないが、あの教師はISを持ち逃げしようとした。そう言うことなんだろうか。
疑問に思って頭を捻っていると、本音はサブマシンガンを片手に彼女に近づいていく。
そして、目と鼻の先という所で立ち止まって教師の襟首を掴んで持ち上げた。
華奢な彼女の体からは想像もできない力だった。
「じゃあ、誰の命令なの?」
「それは…」
話が通じたと思ったのか、教師が一瞬顔に喜びの色を見せた。
しかし、本音の手が緩むことは無かった。それどころか力をより籠められて、教師がうめき声をあげた。
「ああ、まあ、知ってるんだけどね~ どうせ、更識のお友達でしょ? 知ってるよ~」
そう言った瞬間に女性が動いた。一瞬で本音を投げ倒して、どこに隠していたのか拳銃を握りしめて彼女の頭部を撃った。
それを見て、私は声にならない悲鳴を上げそうになった。
目の前でクラスメイトが殺されたのだ。
「馬鹿が…油断などして…」
拳銃を仕舞い込んで彼女は本音の死体を見下ろして唾を吐いた。
その様子から教師ではないと私は直観した。
さっきまでの命乞いは演技でずっと気をうかがっていたのだろう。
恐らくは特殊部隊か、何かだろう。でなければ、あんな早く動くことはできない。
「更識家をなめるからだ。裏切り者めが」
教師がそう言って歩き出そうとした時、私は気づいた。それは第三者だから気づきえたのかもしれない。
普通なら気づくわけもないのだ。この世にはゾンビも幽霊もいない。
不死の化け物など存在しないのだから。
では、私の目に映っているのは何なのだろう。
教師の足もとに死体が無いことに私は気づいたのだ。
教師の後ろにいつの間にか本音がいて、両足を足で踏み砕いた。
骨が砕けて、筋肉組織の一部がはみ出ていた。
痛みと衝撃に倒れてしまう教師。激痛に耐えかねて叫んでいる。
動物が絶命に瀕するときに出すような悲痛な叫び声をだして私を震え上がらせた。
そんな教師の事情にお構いなく首根っこを掴んで彼女は語る。普段と何一つ変わらない眠たそうな声をだしている。
でも、そんな声だからこそ、底知れぬ恐怖を私は抱いた。
「更識家なんて知らないな~。興味もないし、もう潰れるし。でも一つ言いたいのはどうして皆の幸せを壊そうとしちゃうのかなってこと。訓練機を減らされたら、頑張っているあの子たちが不幸になっちゃうよ~ そんなのはダメだよ。」
教師は抵抗しようと試みるが、むなしい努力に終わっている。本音の力の方が圧倒的に強いからだ。
「どさくさに紛れて、私用のコアを増やそうだなんてセコイマネはやめてよね~。あとさあ…」
いきなり、手を離して床に下ろした。
短い悲鳴を上げて教師は逃げようと、芋虫のように這いまわった。
なおももがく教師に向かって彼女は教師の頭だけを掴んでサブマシンガンで思い切り顔を殴った。それも何度も何度も執拗に殴りだした。
「人が、話してるッ 時にッ 何で集中しないかなッ!」
言葉を区切るたびに教師の顔が見るも無残にされていく。皮膚が避けてあざができて、真っ赤に腫れ上がっていた。
ついに耐えかねて、教師は抵抗を諦めたのか、その場でぐったりと横たわった。
本音は満足したかのように息を吐き出した。
顔は赤く、興奮してるようにすら見えた。
「貴様は…一体?」
教師はかすれた声で聴いた。本音は汗で濡れた顔を吹いて答えた。
「皆を幸せにしたい、女の子かな~? そして、そのために不幸も作る女の子でもあるよ~」
そして、彼女はサブマシンガンの引き金に指をかけた。
「つまり、どこにでもいる普通の女の子って事」
フルオートで放たれたその弾丸はほとんどが教師に命中せず、あちらこちらに飛び交ったが、至近距離のために頭部に一発命中した。
本音は無邪気そうな笑い声を上げて、その場でクルクルと回って踊って見せた。
その顔には狂気的な笑いなんてなかった。普通の顔だ。
友達と笑って会話しているときと同じ笑顔がそこにあった。
彼女にとってはこんなことも等しく笑えるものでしかないのだ。
狂気なんて言葉では生易しい。その向こうを行っているのだ。
ひとしきり踊って満足したのか、教師の胸元を探って一つの物を取り出していた。
私はこっちに来ると思って、ここを離れようと動いた。
来た道を戻ろうと動いた矢先に、彼女が目の前にいた。
「こんにちは、ティナ~」
私は思い切り叫んだ。後ずさりをして、彼女から距離を取った。さっきまで教室の中にいた彼女が目の前にいるだなんて、何の冗談か。
本音は私に近づいて、優しく抱きしめた。
「怖がらなくていいの。私は皆に幸せを与えたいだけだから。大丈夫だよ~。」
血濡れた手のまま、優しく私の頭を撫でた。温かくて、優しい彼女がそこに居た。
そして、一つの物を私に手渡してきた。
それはラファールの待機状態だった。
「これで、皆の元に行ってあげて、ティナちゃん。私はもう行かなきゃならないけどね。
このままだと、かんちゃんが不幸になっちゃう。」
そう言って去ろうとする彼女に私は訊いた。
「待って! 貴方なんなの?! 何が目的なの!?」
彼女は振り返って微笑んで答えた。
「幸せを送りたい、それだけだよ~。 言ったでしょう、どこにでもいる女の子だって…頑張ってね、応援してるよ~」
最後にそんな言葉を残して、消えた。
彼女がいた場所には桜色の粒子がキレイに舞っていた。
頑張った結果。一万オーバーになりました。
読みづらければ、申し訳ありません
戦闘ばっかのシーンですが、これも必要な事なので書かせていただきました。
あと、戦闘シーンは難しいですね。誰かご教授してほしいです。