IS to family   作:ハナのTV

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本音は嘘をつかない

青い閃光が目の前に走った。その光は花火のように一瞬で、そして激烈な音を伴って消えていった。

 

距離にして、約30m程度の至近距離でスパルタクが放ったライフル弾をユーリは切断して見せた。

私とスパルタクの間に入った彼が見せた超常的な反応速度と彼自身の技量が合わさった瞬間だった。二つに綺麗に割れた弾丸は速度を失って、床に転がった。

 

私は驚きで身動きが取れなかったけど、敵であるスパルタクは違った。すぐさま次弾を撃ちこみだし、消音装置のついた短い狙撃ライフルが小さな発射音を出して、ユーリの後ろにいる私に貫通力の高いライフル弾を撃ちだしていく。

 

二発目を同じようにナイフでスライスして、三発目も返す刀で防ぐが四発目がすぐさま襲い掛かり胴体に直撃を与えて、装甲をえぐった。

 

ユーリの痛みに耐える声が聞こえた。普通なら、至近距離で撃たれると倒れるところなのに、彼は踏みとどまって、聞いたことのない叫びと共に、次の弾丸を切り裂いた。

 

「どうした?! お前のすることはそれだけか?! 私は貴様にそんなことを教えた覚えはないぞ!」

 

再び、ライフル弾が放たれる。その弾丸をユーリは切り裂けずにそらすのみに終わってしまった。

弾丸がマーダーの目の部分を掠めて、カメラアイがむき出しになる。

むき出しになったカメラの見せる輝きは狂気すら思わせるほど紅く染まっていた。

 

 

そんな彼を私は見ることしかできない。動いたら殺されるという恐怖と目の前の彼が私の知らない部分を見せていく怖さに私は動けないでいた。

 

「来い! 来て見せろ!お前の得物を私に突き立てに来い!でなければ、貴様の女が死ぬぞ!」

「スパルタク!」

 

叫びと共に彼が飛び出して行った。ライフル弾をその身に受けながらも、距離を詰めて逆手に持ったダガーナイフでライフルを潰してもう一本ナイフを持った右手がスパルタクの顎を狙った。

 

ダガーナイフを視線に釘づけにしてからの攻撃、普通なら見えない個所からの攻撃になるはずだ。

しかし、スパルタクは腕からだしたワイヤーでブレードを回収して、この一撃すら防ぐ。

 

スパルタクは笑い声を上げて、ユーリと再び刃を交える。親と子の戦闘はどこまで終わることを選択せず、永遠に続くかのように思われる殺し合いを行い続けていく。

 

ユーリは次から次へと斬撃や刺突を行う電光石光に対して、スパルタクは周到な蛇だ。

どんな攻め口にも予想済みと言わんばかりに対応して、隙を見つけては毒牙にかけようとする。

どちらも違うタイプの攻め方を行って、それでいて一撃必殺のチャンスをうかがっている。

 

そして、その時が来た。

ユーリがスパルタクの振り下ろしをダガーとヒートナイフで受け止めて、絡めとった。宙に浮くブレードに見向きもせずにスパルタクは脚部でユーリに回し蹴りを行う。

 

腕で受け止めたユーリのマーダーも先ほどのライフル弾の衝撃ののせいか、スパークが走り、ナイフがついに限界に達した。

 

刹那の間に走ったユーリの動揺にスパルタクは裏拳でダガーナイフを叩き落としてそれを握り、振るった。

ユーリはジャンプして回避してスパルタクのブレードをキャッチして彼の後ろに回り込んだ。

 

背中を合わせた二人は振り向いての一撃、心臓を狙ったとどめの一撃を行動に移した。

決着をつけるために二人の男は互いに声を大にして、咆哮した。

 

「やめてぇ!」

 

同時に私も叫んだ。目をつむって、二人の決着がつくその瞬間を見なかった。

金属のぶつかる音が木霊した。

その音を最後に世界が止まってしまったかと思うほどに廊下は静かになってしまった。切り裂かれた設備から滴る水滴が落ちる音すら聞こえるほどだった。

 

そんな静かになってしまった時を再開させたのは、この場になかったはずの親友の声だった。

 

「いい加減にしないかな~ 怒っちゃうよ。ホントに」

 

二人の男の間にいたISが外部音声でそう言った。間違えるわけもなく、それは本音の声だった。目を開けてみた先には二機の刃を金色の巨大なかぎ爪で抑えているISの姿があった。

 

胴体に着いた装甲は少なく、ISスーツもイヴァナ先生のと似たスリットの入ったもので、へそと背中を見せつけていた。

一番目につくのが華奢な脚部と胴体とは逆に巨悪な雰囲気を放つ両腕のかぎ爪だ。見るもの全てを威嚇しているようだ。

 

大きすぎて、銃の一つも持つことができない、見るものが見れば、設計者に疑問を抱くことだろう。

しかし、今の私の関心の的はそこではなかった。トップヘビーでアンバランスな外見のISから聞こえる親友の声に私はただ混乱するだけだ。

 

どうして彼女が今ここに居て、見たことのないISを身にまとっているのか、そしていつの間に彼ら二人の間に入り込んだのだろう。

 

それほどまでの技量を彼女が披露したことなど一度もなかったはずなのに。

 

「スパルたん、調子に乗りすぎだよ。撤退命令も出てるし、今は退いてよ。」

 

冷たい声で彼女が話すが、スパルタクは刀に込めた力を解こうとはしない。それはユーリも同じでナイフとかぎ爪がカチカチと音を鳴らしている。

 

「ユーリも同じだよ~。 いつもの鉄仮面に戻ってくれないとかんちゃんが悲しむからさ~さっさと刀をしまってよ~」

 

かぎ爪に込められた力が強くなり、二人の刀剣が押し戻される。たった一機の介入によって二人は決着をつけることができなかったが、逆に言うと二人とも命を失わずにすんだということだ。

 

私はそのことに素直に安堵を感じていたけど、二人は違った。二機とも退くことを拒んでカメラアイで本音の顔を睨み付けた。無言の抗議を行って、数十秒、二機の動向を見守るには長すぎる時を経て、ようやく二機は刀を引いた。

 

「うん、いい子いい子だね~」

 

その時スパルタクが彼女が後ろを見せた瞬間に足元を崩すほどのパワーで床を蹴って、神速の居合切りを本音に行った。

 

目で追うのも不可能な太刀筋の前に本音は腰を両断されて、胴体の身がふわりと浮いた。

悲鳴を上げようとした私と級友を殺されたことで、再び戦闘態勢に移行したユーリ。

私たち二人がそれぞれが動こうとした時、私たちは見た。

 

スパルタクのブレードの刀身に足を乗せている、無傷の本音を

 

驚きのあまり涙も悲鳴も引っ込んでしまい、ユーリもあまりの衝撃にダガーナイフを手から離してしまった。

 

無人の廊下に響き渡るナイフの落ちる音を皮切りに時が再び動き出した。

スパルタクの首もとにかぎ爪が添えられて、本音は彼の耳元にささやくように言った。

 

「無駄だよ~。それじゃ私を殺せない」

 

スパルタクは振り向かずに彼女に言った。

 

「……それがお前のワンオフアビリティか。確かに化け物だな」

「もう一度それを言ったら、首跳ねちゃうよ~。 そう。私だけの技だよ」

 

訳が分からない状況で、私は本音に聞く以外でそれがどういう事なのか知るすべを持たなかった。

 

「本音、どういうことなの……? そのISは何? さっきのは……?」

 

混乱する頭で私が本音に訊くと、殺気を感じさせていたさっきとは彼女はいつも通りのニコニコとした顔に戻った。

その変化が余計に私の不安を煽っていることに彼女が気づいているだろうか。

 

「ごめんね、かんちゃん。今まで黙っていたんだけどね……それも、もう無理みたいだから。ちょうどそこで隠れている人みたいのが居るからさ~」

 

そう言って彼女は視線を投げかけた。その方向に皆が振り向くと、一機のISが姿を現した。

ミステリアスレデイ。私の苦手なあの人の機体がそこにあった。

 

しかし、その機体も所々に焦げが見えて、激しい損傷を受けているようだった。

 

「こんにちは、お嬢様。 学園祭は上手くいっている~?」

 

明らかに嘲笑の意を感じさせるセリフを聞いて、姉さんはこめかみを痙攣させた。それでも、いつものような余裕を演出しようと努めている。

 

本音が裏切ったと思っていることからの怒りから来るものか、人を小ばかにしたような台詞によるものからかは私には判別がつかないが、彼女は確かに不愉快になっていた。

 

「どういうつもりなの?」

「幸せになりたい、なってほしいから、コッチに移った。いわゆる謀反ってやつですよ~」

 

いつもと変わらない態度は火に油をそそぐのと同じで、さらに姉さんの目は険しさを増す。

そんな姉さんも気にかけずに本音は私に話しかける。

 

「ねえ、かんちゃん。ちょっと見てほしいものがあるんだ、ショックかもしれないけどちゃんと見てほしいの」

「……本音?」

「いいから、見て~」

 

そう言うと、本音は自分のかぎ爪でISスーツの胸元を爪でなぞった。ゴムのようなスーツが切れてグラマラスな胸元と白い肌が露わになって、一瞬私は顔を赤くした。

 

「これが私だよ~」

 

次に見えたのは淡い光だった。肌の下に何かがうごめいているようだった。心臓の位置ではない。ちょうど二つの肺の間に緑色の淡くて弱弱しい光を見せている。

ホタルを思わせる光が彼女の肌の下に見えている。

 

息を呑んだ。その姿がグロテスクに見えたからだ。まるで、二つの心臓を持っているように光るソレは鼓動をしている。

 

アレが何なのか、理解が追いつかないでいた。それは姉さんも同じの様で私と同じ顔をしていた。ユーリとスパルタクは顔がマスクに覆われているものの、カメラアイが注視しているようで、視線が離せないでいるようだ。

 

「本音、それは……?」

 

震える声で訊くと彼女は可愛らしい顔を少し傾げて言った。

 

「コアだよ~ISコア。 この通り、私の体にくっついて離れないの。でも、おかげで色々なことができるんだ」

 

本音がブレードの上から消えたと思った時には私の後ろにいつの間にかいて、私に抱き付いていた。

しかもISの装備を今の一瞬でしまっているというのだ。

おそらく武装の展開速度は代表制のソレをはるかに上回っていると私はにらんだ。

そして、今の行動で彼女がどのようにしてスパルタクの斬撃をよけたのも理解した。

 

「量子変換……!」

「そう、正解だよかんちゃん。 流石だね~ 凄いでしょ~?半径700m位なら一回のジャンプでどこにでも行けるんだ。」

 

自らの体をISにとっての武装や外殻とすることで量子変換してジャンプに回避、奇襲に使う。ある意味でISの能力を最大に利用した結果ともいえる。

でも、それは常人には不可能なことだ。自分の体を量子に変換するなど、理論上はできても精神が持たない。何せ体を分解するのと同じことだ。

 

量子変換し終わった自分が、さっきまでの自分と同じだと誰が保証できるというのか。

想像しただけで背筋が凍り付く。

 

本音はそれを躊躇せずに行っている。行動も相当に異常だが、彼女自体がそれ以上に異常だと言える。

 

「どうして、そんな体に?」

姉さんが訊いた。彼女も理由がわからないらしく、それを訊こうとしている。それに対して本音は小首を傾げて唸って、普段と変わらない調子で言った。

 

「そうだね、更識家に代わって布仏家が則るために作られた生物兵器、それが私! 

あるいは、更識家の真の懐刀であるために作られた、とか?」

 

馬鹿げた話を羅列して、さすがに姉さんも堪忍袋の緒が切れそうになったのか、不愉快さを隠さない声で言った。

 

「真面目に言いなさい」

 

それに対して本音は一つため息を吐いて笑顔を消した顔をした。近くの壁に寄り掛かって話し出した。

 

「……その日、私は普通に遊んでいたの。お姉ちゃんと一緒にお手玉で遊んでいた、夏の日だったかな。」

 

彼女の言葉に誰もが耳を傾けた。さっきとは違う、神妙な顔つきに誰もが食い入るように彼女を見ていた。

 

「そんな日に、私のお父さんやら従兄がやってきたの。そして私に使命を上げるとか言って、次の瞬間には意識を失ったんだ。視界は真っ暗なのに、妙に周りの声が聞こえて不気味だった。」

 

本音は一つ深呼吸をして話の続きを語る。

 

「で、目を覚ましたら胸の中に変な生き物がいるような感覚があった。しばらくして頭に大量の情報が流れて、処理しきれなくなって酷い頭痛と鼻血が止まらなくて凄い泣いたよ。

でも周りは気にしないの。 そして、それがようやく終わってからは実験の連続。

もう、今の私が、昔の私と同じなのかわからなくなっていったんだ……」

 

そう言って顔をうつむいて表情を見せなくした。嗚咽を漏らしているように聞こえるけど泣いてるのか、笑っているのかもわからなかった。

 

辛い過去。そんなものを彼女が持っていた。そう言っているように思えた。

姉さんも何と言っていいかわからない顔をしている。

「本音ちゃん、貴方……そんなことを隠してきたの?」

「言うなって言われてから。じゃないと……」

 

それに対して姉さんは強い語気で言った。

 

「そんなの関係ないじゃない! 貴方が苦しんでるのなら、どうして私に……!?」

 

そこへ、場の空気を壊すかのような大爆笑が聞こえた。その方へ見やるとスパルタクが手を叩いて大笑いをしていた。堪え切れない笑いを一切隠すことなく笑っているスパルタクを見て姉さんは怒鳴った。

 

「何がおかしいの?!」

「滑稽だな。そんな嘘を信じるとは、更識はやはり間抜けだ。あの時と変わらないな」

 

嘘、という言葉に反応して姉さんが本音を見た。すると彼女はうつむいていた顔を皆に見せた。彼女の顔は私と一緒にコメディを見た時と同じで、とびっきりの笑顔を見せた。

 

「上手いでしょ~? 引っかかったね、お嬢様?」

 

天真爛漫。その言葉がピッタリの顔を本音は見せた。

子供が大人をからかって喜ぶのと変わらない、彼女は姉さんをからかったのだ。

 

自分の同情する姿を見て嗤われたことと、全く真面目に取り合わない本音に対して、ついに姉さんは鬼のような表情で本音を見る。

 

「いい加減にしなさい! 貴方一体何なのよ?!」

 

お腹を抱えて笑う本音が笑いを抑えた。そして、彼女はクルリと踊るかのように回って、またジャンプをして姉さんの近くをグルグルと回りだした。

 

「実は、よく覚えてないの~。いつから自分がこうなったのか、どうしてこうなのかも。

だから、それっぽく話せば、納得するかなって思ったんだけどね~ スパるんが笑っちゃたから台無しだよ~」

「貴女は……!」

 

声を張り上げようとした姉さんの口に人差指をあてて、本音は静かに言った。

 

「唯一知っているのは、私と似た存在がドイツにいたらしいってことだけ~。でも、私が何でそうなのか、そんなことはどうでもいいの。キャンディーの包み紙みたいなモノだよ~」

 

本音は憤慨する姉さんにさらに言葉をつづける。

 

「大切なのは中身のキャンデイーで、皆幸せになってほしいってこと。例えば、かんちゃんとか」

 

私のこと、と彼女は言った。どういうことなんだろう、と頭を捻っていると本音はもう一度自分を量子変換させて、姉さんの後ろに回り込んで、かぎ爪で姉さんの頬を優しく撫でた。

 

「かんちゃんは強いのに、周りは寄ってたかって弱いと言うんだ。それに悪戯しようとした子もいたしね。山田先生に飽き足らず、弐式に細工をしようとしたから、頭に直接道具の危なさを叩きこんであげたの。それが一つ目。」

 

左のかぎ爪の人差指を一本立てた。

 

「二つ目は更識のお家つぶし。一番簡単だったかな~。正義君なんて傑作だったよ~

ある意味一番幸せなんじゃないかな。他の皆も」

 

再び、笑う彼女に姉さんが、彼女のいた場所にランスを突き立て、派手な土煙を立てさせた。

衝撃に揺れる校舎の中で、本音の笑い声がよく聞こえた。

 

「話している途中で攻撃は良くないよ~。お嬢様?」

「黙りなさい! 貴女は自分の思い通りにするために学園を危険にさらしたのよ!」

「皆のためだよ~間違いないでそこは」

 

きっぱりとそこだけを否定した。

どこへ行ったかと思えば、今度はユーリの近くでコウモリのようにぶら下がっている。

 

「ついで言うと、お嬢様に流した情報も嘘だよ~。ユーリがかんちゃんを幸せにするっていうのはホントだけど」

 

姉さんは今まで見たことのないほど、怒っていた。本音に翻弄されて、荒い息を立てるほどになっている。

 

とても、いつも余裕どうにほほ笑んで、自信に満ちた人と同じには見えなかった。

取り乱して怒っている様を見て、私は心に何かを感じた。

 

「その男が、簪ちゃんを? その男はスパルタクとつながっているのよ、そんな男が……! ふざけないで!」

「そうは言っても、貴女には無理なんだ~ だから、私は貴女方にご退場いただく必要があるの。彼にはできて、貴女にはできない、これはもう自然の摂理ってやつだよ~」

 

それだけ言って、本音は床に降り立って、私のそばによって来た。そして、抱きしめてきた。

 

「本音……?」

「幸せになってね、かんちゃん。かんちゃんは強いんだ。だから諦めないで頑張れば、きっとうまくいくはずだから……ありがとうね、私と仲良くしてくれて」

 

本音はそれだけ言って、私の頬にキスをした。柔らかい唇の感触が肌に伝わった。

それは化け物ではなく、本音が私の友達であることの証に思えた。

 

「しばらく、かんちゃんをよろしくねユーリ~。泣かせないでね~?」

 

ユーリはそれを黙って聞いていた。手にはナイフを握られており、警戒を解かずにいた。

頷きも肯定の言葉も言わないけど、彼は本音をまっすぐ見ているように思えた。

 

「じゃあね。かんちゃん」

 

そう言って、彼女はスパルタクに撤退するように無言のうちに伝えた。

スパルタクは鼻を鳴らしつて、一旦は従わないように見えた。

 

「楽しみは一口で食べたら、面白くないよ~スパるん。それとも死なない私と終らないダンスでもする~?」

 

それを聞いて観念したのか、スパルタクは舌打ちを一つして、光学迷彩をかけて自らの機体の姿を消した。

 

「すまないが、帰らせていただく。ユーリ、次の再開を楽しみにしてるよ。お嬢さんもな」

 

そのセリフを最後にスパルタクはセンサーからロストした。そして、本音も今まさに消えようとしている。

私は本音に向かって叫んだ。

 

「待って! 皆の幸せ……私の幸せっていうのなら、本音の幸せは何なの?!貴女の幸せって……」

 

本音は自らを量子変換しつつも、答えた。

 

「私の幸せはかんちゃんの笑顔とかんちゃんと友達になることだよ……待っててね、かんちゃん」

 

そう言って消えた。どこかへと行ってしまった彼女に聞こえるように私はもう一度叫んだ。

納得しきれない言葉に対して、私は叫んだ。

 

「私達、友達だよ!! 本音!」

 

その言葉が彼女に届いていることを祈るばかりだった。

 




本音と簪回です。
次回で学園祭編は終わりの予定です。

悪戯っ子な本音さんやら、因縁やら作りましたが、どうでしょうか?
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