トップアイドルのウマ娘がアグネスデジタルのトレーナーをやる話   作:けいI

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 私が彼女を初めて見たのは、まだ、私が10歳にも満たないときでした
















 そのとき彼女は路上で










 メイド服を着て










 道行く人の顔に、ティッシュをたたきつけていました。












 ものすごい笑顔で。















 なにをやっているのか、よく、わかんなかったです














正直、自分の見る目ありすぎなんじゃないかと思った

 

 

 ふんふふん♪ふんふふん♪ふんふんふーん♪

 

 

 「んふふー。今日は朝からウォッカさんとダイワスカーレットさんの口喧嘩が見れちゃった!これは何かいいことあるぞー?」

 

 

 ――私は朝から上機嫌でした。

 

 ――毎度ひそかに見守っている推し達の絡みが見れたからです。

 

 ――眼福でした。

 

 

 「みぃんなぁ!おっはよぉぉ!!」

 

 ――そして教室に入り、いつものようにハイテンションな挨拶をクラスメイトにぶちかましてました。

 

 だってみんなウマ娘なんだもん。どうあがいてもテンションあがっちゃう!

 

 ――クラスメイト達はいつものように少し呆れた顔で、はいはいなんて笑いながら私のくそやかましい挨拶に返事を返してくれます。今日も元気だねー、なんて。

 

 …そういうとこだぞ?

 

 

 

 朝から心をキュンキュン言わせながら自分の席につきます。

 

 ――席は窓際の一番後ろです。そう、視界にクラスメイト全員を映すことができる席です。

 

 そうしてしばらく近くの席の友達(当然推し)とおしゃべりなんてしていたら、時間はあっという間に過ぎて先生がやってきます。

 

 今日の授業の始まりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――毎日推し達と肩を並べながら、こうして一日を過ごしています。

 

 

 クラスメイトどころかウマ娘の箱推しを自他ともに認める私は、この学園が本っ当に大好きなのです!

 

 

 ――毎日が本当に楽しくて楽しくて、明日は今日よりも楽しくなると心から信じられる!

 

 

 生まれてきてよかった!ありがとう女神さまー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――授業中、そんなことを考えながら、ふと窓の外を見下ろしたときでした。

 

 

 

 

 

 

 …噓でしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――このとき、私はこの世界が夢ではないかと何度も疑問に思いました。

 

 

 授業が終わってすぐ、休み時間が始まると同時に教室を飛び出した私は、すぐに駐車場へと急ぎました。

 

 

 ――だってあまりにも私に都合がよすぎるから

 

 

 ありえない。なぜ?そんなはずない。分かっている。

 

 

 ――とても、怖かったのです。

 

 

 でもたしかに私はこの目で見た。

 

 

 ――もしかしたら全部が夢だったのではないかと

 

 

 階段を転げ落ち、『廊下を走るな!』と書かれた張り紙の横を全速力で通り抜けました。

 

 

 ――夢にまで見たこのトレセン学園での生活が

 

 

 靴になんていちいち履き替えてられないので、上履きのまま外に飛び出しました。

 

 

 ――本当にすべて

 

 

 今までにないほど全力で走りようやく、窓から見たものの前に立ちました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――夢だったのではないかと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うっっそでしょ!!??SUB○RUの白いサ○バーバン!しかも多摩ナンバーで事務用車!?バックミラーに白いクマのぬいぐるみまである!!これリリたんの事務所が使ってる車じゃん!!なんでここにあんの!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――そのとき私の体を駆け巡った感情は

 

 

 ――最推しを肉眼で見ることができるかもしれないことへの歓喜と

 

 

 ――どうしてここに来るのかわからないという困惑と

 

 

 

 

 

 ――会えたとき自分が何をするかまるでわからないという、恐怖でした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自称「平凡」なファンによる独白

 

 

 

 

 





 
 リリーが気に入った、小柄でかわいらしい女の子の口からその独白を聞き終えた私の胸にあったのは、


 あの子の変装が意味をなしていなかったのはこの子のせいか、という納得と


 目の前の女の子の印象をすぐに変えねばならないという呆れと


 事務用車をすぐに変えねばならないという危機感と





 私のすぐ隣で馬鹿みたいにお腹を抱えて笑っている担当アイドルの頭をぶん殴らなければならないという、使命感でした。




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