マチをママにする程度の能力   作:まだ名前はありません

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神の存在を証明する程度の能力

人生というのは、なかなか上手くいかないものだ。

 

 

 

 

 

 

 

金庫には多少の現金も入っていた。

 

それを使って試験会場まで行けるようにチケットとかを買ってきてほしい。

 

俺は守護霊的な男にそう頼んだ。

 

 

彼は俺と一定距離以上には離れられないとのことなので、一緒にチケットが売っていると思われる店まで向かい、俺は入り口の前で待機する。

 

 

 

 

先ほど借りたナイフは良い釣り餌になると思った。

 

 

 

わずかにオーラが込められたナイフ。

原作にも似たようなものが登場していたし、そこそこ高い値段がついていたはずだ。

 

 

子供がそんな高いものを持っていたら、当然ながら奪いたくなるのが人間という生き物のはずである。

 

そして、そんなやつらは神によるお仕置きを受けるのだ。

運が良ければナイフが増える。

 

ついでに、金もズボンの後ろポケットにわかるように入れておき、小遣い稼ぎを企む。

 

ハンター試験を受けるにあたり、準備は可能な限り整えておきたい。

武器、食料、暇つぶしのゲームや本、新鮮な寿司ネタとクーラーボックス、そしてロッククライミングの道具とかもあればなお良い。

それらを準備するための金は、多ければ多いほど良い。

 

 

作戦の成功率を高めるために、木馬ちゃんにも手伝ってもらう。

彼女は地面の上に自立していれば、なんだか変わった馬のようにみえないこともない。

 

この世界には、頭が複数ある動物とか不思議な生命体が多くいるので、なんだか木馬っぽい馬がいてもそこまで不思議ではない、はず。

 

 

俺は木馬ちゃんの世話に夢中になっているフリをして、狩りの獲物が近づいてくるのを待った。

 

もちろんオーラは一般人のように偽装しておく。

これで、俺は単なる子供。カモにしか見えないはず。

さあ、来い。そして、俺に新鮮な寿司ネタを買わせてくれ。

 

 

 

 

 

 

来ない。

 

誰も来ない。

寂しい。

 

誰でも良いから俺のところに来てくれ。

 

 

 

 

何がいけなかったのだろう。

 

ナイフが釣り餌として適していなかった?

たしかに一般人からするとデザインがちょっと斬新なだけで、あまり魅力的には見えなかったのかもしれない。

 

それとも木馬ちゃんに手伝ってもらうという判断が間違っていたのか?

一応は近くまで寄ってくる者も何人かはいたのだ。

だが、彼らは立ち止まり離れていった。

俺からすれば普通にかわいい木馬ちゃんでも、彼らからすれば不気味な雰囲気の何かに見えるのかもしれない。

 

あるいは、ここの治安が良すぎるのだろうか?

彼らは品行方正で、下劣な行為が受け入れられない善人たちなのかもしれなかった。

 

 

 

 

 

とにかく俺の作戦は何もかも上手くいかなかった。

 

 

チケットを買うように頼んだはずなのに、守護霊は年代物っぽい本を買ってきやがった。

 

「は? ここどう見たって古書店じゃん。それに、オレの金をどう使おうがオレの勝手だろ。チケットが欲しいなら自分で金を稼ぎなよ」

 

 

俺はダメージの反射を受けるのを覚悟で、男の腹を蹴り飛ばした。

 

あまりの痛みにその場にうずくまることになったが、男も少し顔をしかめていたので痛み分けと言える。

 

 

俺はこの男を二度と信用しないことに決めた。

 

本を消すことで、男の姿を消失させる。

しばらくは顔も見たくない。

 

 

 

「彼、瞬間移動まで使えたんだ♥」

 

背筋がゾクリとした。

 

「彼はオルタって名前のすごい使い手なんだよ♠ そんな彼に一撃入れるなんて、どんな手品を使ったのかな♥」

 

振り向くとそこには道化師のような男がいた。

 

 

ピエロはホラー映画やホラーゲームの常連。

 

そう、ピエロというのは殺した相手の指を切り落とし、チュパチュパした後、ポケットにしまい込みながらゲッヘッヘと笑うような男たちなのだ。

 

まともに相手をしてはいけない。

 

ピエロは危険。

 

そうでなければ欧米でピエロ恐怖症などという病気が流行したりはしないはずだ。

 

ヨーロッパやアメリカの子供たちはホラー映画などの影響により、ピエロを怖がる傾向がある。

 

さらに、アメリカでは、フラットアーサーズなんて連中も非常に流行っていると聞いた。

 

フラットは平坦、アースは母なる惑星を意味する。

 

つまり、彼らは地球が平坦であると考えている連中なわけだ。

 

地球が丸いというアイデアは、NASAによる陰謀だと本気で考えている。

 

彼らの裏には母性の象徴が丸いことを受け入れられないヒンニュー教の過激派がいるに違いないと俺は考えているのだが、証拠は全くないので、今のところは俺の妄想である。

とはいえ、真実は分からない。

 

宗教という存在は本当にやばいな。

 

 

 

 

おっと危ない。

俺は追い詰められると色々と考えすぎて変な想像ばかりしてしまう嫌いがある。

 

今ははやく逃げなければ。

 

 

 

俺は木馬ちゃんに乗って走りに走った。

 

 

それでも振り切れず、最終的には諦めて、チョコロボに装備させたナイフを自分に突き立てた。

 

天馬ちゃんに翼が発生し、チョコロボは宙に飛んでいきそうになり、俺はそれを必死で掴む。

 

 

 

俺の血を対価に、天馬ちゃんへと変身した木馬ちゃんのおかげで何とか逃げ切ることに成功する。

 

 

 

だが、その代償として、俺は再び追い詰められていた。

 

血を失い、腹も減った、ミルクを買う金もない。

 

 

 

俺はスラムの端で座り込んだ。

 

体力の消耗を抑えるために木馬ちゃんも消しておく。

 

 

 

 

 

「ゲッへッへ」

 

そんな声が聞こえ、まさかピエロが来た時のかと思い顔を上げると、見るからにスラムの住人という感じの男が立っていた。

 

髪はぼさぼさで目は血走っており、なんとなく薬にでもハマってそうな男だなと思った。

 

 

こいつは強盗に違いない。

 

男は俺の目の前まで寄ってくると、俺がもたれかかっている建物の壁を殴ったのだ。

 

しかし、壁が壊れることはなかった。

 

かわりに、「はーい」という高い声が聞こえて、建物の窓が開いた。

 

窓からは小さな子供の手だけが突き出され、その手に男が金と半透明な空の瓶を渡す。

 

手は一度建物の中に引っ込み、十秒くらい経ってから、何かの液体が詰められたビンとともに再び現れた。

 

 

男はビンを受け取ると、「ゲッヘッヘ」と笑いながら去っていった。

 

 

どうやら、この建物は何かの液体を売っている店らしい。

 

なんとなく不気味な色をしていたように思えたが、腹が減っている今なら俺でも飲めるような気もした。

 

 

空腹を再度実感したせいで、俺の腹が音をたてる。

 

 

 

「ねぇ、あなた。おなかがすいているの?」

 

聞こえてきた声に反応し、建物の窓の方を見ると、クリクリとした丸い二つの目がこちらを見つめていた。

 

俺は無言のまま頷く。

声を出すのも面倒になっていた。

 

「じゃあ、案内してあげる。炊き出ししているところがあるの」

 

 

声をかけてきた幼女についていくと、古い修道院のような場所についた。

 

信者らしき連中が列を作り、施しを受けている。

 

 

 

 

「ほら、いこう? ごはんをもらうには信者にならなきゃいけないんだよ」

 

 

 

幼女まで宗教勧誘してくるなんて、この世界はレベルが高い。

 

 

というか、世界がどうのというよりも、宗教自体が悪いのかもしれない。

 

 

そんなことを思いつつ、俺は幼女に手を引かれて修道院の入り口までやってきた。

 

入り口の両脇には、なぜか陶器製の犬の置物が置かれていた。

狛犬のつもりだろうか。

 

 

「新しい信者さん、つれてきましたー」

 

幼女が元気な声で告げると、修道院の中からシスター服を着た女性が現れる。

 

そのシスターは幼女の頭を軽く撫で、数枚の小銭を手渡した後、俺の方を見た。

 

 

「入信するためには、シスター・マリアによる洗礼が必要なの。案内するから、ついて来て」

 

 

とりあえずメシを貰ってから逃げよう。

腹が減っては戦もできん。

 

そう考えて、そのシスターの後を追う。

 

案内された部屋の扉は最初から開いていて、入口付近に二人の男が立っているのが見える。

 

 

 

俺がちょうど部屋の目の前についたのと、その立っていた二人の内の片方の頭が、金髪巨乳ロングヘアシスターが持つ拳銃によって吹き飛ばされたのはほぼ同時だった。

 

 

 

「なにか言いたいことはある?」と金髪シスターは告げた。

 

 

「えっと、その、あのガキが薬屋で暴れたせいで、売り上げが……でも、ガキは捕まえて牢に放り込んだので、来月は必ず、必ず……」

 

「言い訳は不要よ。結果で示せなきゃ意味ないの。次に失敗したら殺す」

 

二人目の男は頭が吹き飛ばされることは回避したものの、真っ青な顔をして部屋を飛び出していった。

 

 

 

金髪シスターはそれをつまらなそうに見つめた後、こちらに目を向けた。

 

「入信者ね。洗礼の部屋に案内するわ。シスター・シズク、ゴミを片付けておいて」

 

 

俺は銃を突きつけられた状態で廊下を歩かされる。

 

 

「私の名はマリア。私はね、かつて神を見たはずなの。それなのにその記憶を忘れてしまった。でも、たしかに神の存在を知ったような気がしてならないのよ」

 

女はやばいことを話しはじめる。

 

神に仕えている連中は薬をやっていることが多い。

 

薬を飲んで、頭がおかしくなり、幻覚を神だと誤認するのだ。

 

そもそも、この世界を作った神は眼鏡をかけた犬だろうが。

入口の犬の像にも眼鏡かけとけよ。

 

 

そう思いつつも俺は黙ったまま、反撃する機会をうかがう。

 

「私は探しているの。神のことを知っている人間を。前の人は死んでしまったから」

 

女に連れてこられた場所は、簡素なベッドが一つ置かれただけの、狭い部屋だった。

 

入口の鍵をかけた後、彼女は俺の方を向き、首筋に触れてきた。

 

 

 

「ねぇ、教えて。あなたは神を知っている? 誰でもいい。私に神の存在を感じさせて!」

 

女はそう叫んだ後、まるで酒にでも酔ったかのように、ふらふらとベッドへ倒れ込んだ。

 

 

 

あ、これ前に進研ゼミでやったやつだ。

 

 

 

そう思って、俺は『トロイの木馬(トロイ・ホース)』を発動する。

 

木馬ちゃんを出せるほどこの部屋は広くはないが、もともと俺の能力は木馬ちゃんを経由せずとも使えるので大丈夫である。

 

 

 

俺の頭に記憶が流れ込む。

 

 

 

 

俺は戦慄した。

 

 

 

 

金髪と黒髪の女性。

彼女たちがシスター服を着て働いていたり、私服で出かけたり、着替えたり、風呂に入ったり、ソロプレイで遊んでばかりなので多分彼氏ナシだったり。

 

やっぱり、パクノダさんじゃん、ちわっす。と思ったところで違和感に気づいたのだ。

 

 

不審な点は二つ。

 

一つ目は、得られた情報の中にマチの姿がほとんどないこと。

 

二つ目は、シスター服は露出が少なくても素晴らしいということ。

 

 

 

一つ目に関しては、ある程度は推測ができる。

それは『俺が欲しい情報』には、俺が既に持っているものは含まれないのではないか、ということだ。

マチの情報は、以前にゲットしてもう持っているから奪えなかった。そう考えるのが妥当だ。

 

 

では、二つ目はどうなるだろうか。

俺は服を着ていない人間にしか興味がないような変態ではないので、服を着ている映像も欲しい。

 

そして、実際に今回はそういった映像も多数手に入れた。

 

だが変なのだ。

前回は今回よりも着衣の割合が少なかった。

 

 

 

おかしい。

なぜか。

 

その答えとなり得るのが、一つ目の疑問点だ。

既に持っている記憶は奪う対象として認識されないのではないか。

 

 

そう。

 

俺は最初から持っていたのではないか。

単に忘れていただけで。

着衣のマチやパクノダを普段から見ていたのではないか。

 

そして、結果的に見る機会が少なかった着替えやらの情報の割合が増えたのではないか。

 

 

マチは俺の姉だった……?

 

 

いや、そんなはずはない。

 

 

俺はパクノダが倒れたせいで、メシがもらえなくなり、空腹で目を回しているだけなのだ。

 

 

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