マチをママにする程度の能力   作:まだ名前はありません

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いつもありがとうございます。
感想、評価、アンケート、誤字報告等いつも助かってます。
前回のアンケートについては長くなりそうなので後書きで。


マジカルする程度の能力

『マジカルバナナ構文』というものをご存じだろうか?

 

たったいま俺が考えた。

 

 

 

マジカルバナナというのは、『バナナといったら黄色』『黄色といったらヒヨコ』というように、誰もが極めて容易に連想・理解できる二つの事柄をつなげていく、という連想ゲームだ。

 

 

この『誰もが容易に理解できる文章』というものは時々問題を引き起こすことがある。

 

 

例えば、とある研究者がスライドを使用して、専門家にしか理解できないような難しい研究の発表をしていたとする。

そこには無数の見たこともない数式が書かれており、普通の人は全く理解できない。

しかし、それらの数式の中に『F=ma』『円周率=3.14』『2n+1は奇数』などのような、よく見知った式が紛れ込んでいたとする。

 

すると、研究の内容については1ミリも理解できていないのに、なぜか「あぁ、なんかちょっとだけならわかるわ」という気分になってしまう。

 

 

 

このように、取り立てて言葉にするまでもなく誰でも知っている当たり前の内容を、わざわざ文章として提示された結果、過剰に理解した気分になってしまう現象のことを『過剰理解効果』と俺は勝手に呼ぶことにした。

 

 

マジカルバナナという連想ゲームは、この過剰理解効果をひたすら積み上げていくものなのだ。

 

そう、やっかいなことに、この過剰理解効果は重複するのである。

 

 

 

 

バナナといったら黄色。

 

黄色といったらヒヨコ。

 

ヒヨコといったら幼体。

 

幼体といったら子供。

 

子供といったら幼女。

 

幼女といったらバナナ。

 

 

このように、『誰もが容易に理解できる簡潔な文章』を何度も繰り返すことで、過剰理解効果が積み重なり高まっていく。

そして最後にそれまでに使われた単語を利用した、全く理解できない文章が置かれたとしても、脳が勝手に積み上げた過剰理解の余韻により、わかるけどわからないでもちょっとだけわかる状態、略してwww状態になってしまうのである。

 

この現象のことを『マジカル』効果、あるいは『マジカルバナナ』効果といま勝手に名付けた。

そして、この現象を利用した構文を『マジカル』構文、あるいは『マジカルバナナ』構文とでも呼ぼうかなと思ったりした。

 

 

 

ある意味でこれは、トリカブトとフグのようなものだ。

 

この両者には人を殺せる強力な毒がある。

 

トリカブト毒は神経細胞にナトリウムが入りやすくする効果があり、フグ毒にはそれと逆に入らなくする効果がある。

 

よって、トリカブト毒とフグ毒を同時に摂取した場合、効果を弱め合うという不思議な現象が起こる。

 

 

それと同じように『マジカルバナナ構文』は、過剰に理解できてしまう効果が理解できない状態を弱めてしまうわけだ。

 

 

 

 

そして、これは硬くて丈夫な刀のようなものだと考えることもできる。

 

日本刀は、炭素を含む鉄である鋼を使って作られる。

この鋼という金属を、熱して高温の状態にした後に急冷することで、硬度が上昇するという現象が起こる。

これを意図的に起こすことを、焼き入れという。

 

焼き入れを行う場合は、温度を上下させるのと同じくらいに、鋼に含まれる炭素の量が重要となる。

 

この鋼に含有される炭素の大小によって、焼き入れの効果も良くなったり悪くなったりし得るのだ。

 

つまり、鋼の個体差によって、焼き入れの効果が大きくなることも小さくなることもあるというわけだ。

 

 

 

これと似たようなことが『マジカルバナナ構文』でも発生し得る。

 

人間の脳の個体差によって、『マジカルバナナ効果』も大きくなったり小さくなったりする可能性があるわけだ。

 

 

さらに、いまの俺のように相手の話をあえて所々聞き飛ばし、中途半端に聞くことによって、過剰理解を意図的に抑えることもできる。

 

これにより、圧倒的に積み上げられた過剰理解の暴力による『理解不能さ』への攻撃を弱めることだって可能なわけだ。

 

 

 

 

そんなわけで、俺は、なぜか言葉巧みに誘惑してくるマセた幼女とバナナを連想することもなかったし、俺の刀が硬くなることもなかった。

 

すなわち、俺の完全勝利だ。

 

 

 

「くっ、私の話術(マジカル)が通じないとは……ますます欲しくなったぞ、少年」

 

魔法少女っぽい恰好をした金髪幼女が悔し気な表情を浮かべる。

 

「私は諦めないぞ! 一族を復興するため、強い男が必要なのだ。絶対にお前を手に入れてみせる」

 

なぜ俺がこの変なやつに狙われなければならないのか。

 

 

 

その全ての原因は、マリアなどという偽名を名乗っているパクノダという女にある。

 

 

夜中を過ぎてようやく目を覚ました彼女に、俺はこの世界の作者が眼鏡をかけた犬(トガシ神)であることを教えてやり、入り口の犬の像にも眼鏡をかけるように言った。

 

すると、彼女は大いに喜び、俺のことを先生と呼ぶようになった。

 

なんとなく彼女の雰囲気から、何でも言う事を聞いてくれるような気がしたので、色々とお願いしてみたところ、実際に何でも言う事を聞いてくれた。

 

腹が減ったこと。

 

ハンター試験を受けたいこと。

 

そのための準備もしたいということ、等々。

 

彼女はそういった俺の願いを快く引き受けてくれた。

 

俺はそんなあまりにも親切な彼女に対し、思わず『交通安全』『商売繁盛』『病気平癒』『出産安産』などが訪れるよう祈ってしまった。

 

 

 

そんなパクノダに俺が連れてこられたのは地下牢。

 

そこには、まるで魔法少女のようなコスプレをした十二歳くらいの幼女が捕らえられていた。

 

「私の名はクララだ」

 

幼女は鎖でつながれているというのに、やけに自信満々で自己紹介をしたのが印象的だった。

 

 

 

その幼女は過去に身内が毒で酷い目にあったらしく、この世から人体に有害となるあらゆる物質を消滅させることを目論んでいるそうだ。

いや絶対に無理だろ、それ。

 

 

 

 

彼女はパクノダが商売に使っている聖水を勝手に毒と判定して襲ってくるため、物凄く迷惑しているとのこと。

 

きっとこの幼女を自由にしておいたら、フグやトリカブトは絶滅してしまうに違いない。

 

 

 

そんな危険な幼女と俺を引き合わせて、一体どうするつもりなのか。

 

そう尋ねると、パクノダは簡潔に答えた。

 

 

「この娘は、ミルクしか飲まないのよ」

 

 

なるほど。

 

ミルクは血液から作られる。

 

つまり、健康な母体から生成されたミルクであれば、致命的な毒が含まれている可能性は低いというように考えることもできるわけだ。

 

パクノダは、彼女からミルクをわけてもらえと言いたいのだろう。

 

 

「それに、狩りをするなら、相棒も必要でしょう?」

 

「強いの?」

 

「私が手を焼くくらいには」

 

 

このようにして便利な仲間を手に入れた俺は、早速ハンター試験の会場へ向かうことにした。

 

 

 

 




前回アンケートに関して。

理解できる・理解できないの両方の意見があったり、ハンバーガーを若干甘く見るような発言をした翌日にハンバーガーを食べたら胃が荒れるという不吉な事が起こったりしたので、更新を最優先にしつつ、改変をしていくという作戦をひとまずは採用したいと思います。

そして、この作戦により理解不能度がどのように変化したか、再度アンケートを行い、その結果によっては、このまま続けたり、作者の頭をアンパンマンしたり、初期設定のみを共有した理解しやすさ特化の別ルートを同時に書いてみたり等の対応を考えたいと思います。

お手数をおかけしますが、ご協力よろしくお願いします。

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