マチをママにする程度の能力   作:まだ名前はありません

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いつもありがとうございます。


仲良くなる程度の能力

原作において、主人公であるゴンは、クラピカ、レオリオという2人の仲間とともに試験会場へとやってくる。

 

 

そんな彼らの前に現れて、受験者の情報などを教えることがトンパという男に与えられた最初の役割である。

 

つまり、俺は受験番号44番ヒソカや大ギタラクル、小ギタラクルたちなどの危険な男について注意を促したりすればいいわけだ。

 

これは思ったよりも簡単かもしれない。

 

 

現時点でゴンたちは念能力を使えないはずなので、念能力者との接触は控えめにさせた方がよいだろう。

能力者と戦えば負けてしまう。

 

 

 

そして、トンパには情報を伝える以外にも、下剤の入ったジュースをゴンたちに渡すという役割もある。

 

これにより、わずかではあるが試験中は他人を完全に信用してはいけないという意識を彼らの心の中に芽生えさせるわけだ。

 

 

 

受験番号403番レオリオ、404番クラピカ、405番ゴン。

 

俺やトルテが参加しているせいで受験者が原作よりも増える可能性を考えたが、クララの手により番号が書かれたプレートを受け取る前にリタイアする者もおり、最終的には原作と同じくらいの人数となった。

 

 

 

 

試験会場を訪れたゴンたち3人に対して、俺は笑顔で近づいていく。

 

 

「やあ、俺はトロイ。こっちは俺の相棒の木馬ちゃんと腕が氷でできている謎の種族の男トンパ。10歳のころから何十回もハンター試験を受けているベテランなんだ」

 

俺の後ろには、意識があるんだかないんだか不明なトンパの襟首を口に咥えた木馬ちゃんが控えていた。

 

この作戦は若干無理やりすぎるようにも思えたが、今はこれしかない。

 

 

俺のような年下の子供からアドバイスを受けたところで、彼らも納得できないだろう。

 

そこでトンパを使う必要が出てくる。

 

 

先ほどのような巧みな話術(マジカル)により、彼らの解釈の仕方によっては俺まで試験のベテランであるかのように誤認させられるかもしれない。

 

 

俺は、木馬ちゃんが相棒であること。

それとトンパがハンター試験のベテランであることしか言っていない。

 

嘘は全く言っていないのだ。

 

だが、解釈によってはトンパも俺の相棒であり、俺とトンパがハンター試験のベテランであるかのように捉えることも不可能ではない、はず。

 

 

 

案の定、ゴンはよくわかってなさそうな雰囲気を感じさせつつも、少しだけ興味をいだいたようだ。

 

「オレはゴン、よろしく!」

 

作戦にかかったゴンに手を差し出し、握手をすることで親睦を深める。

 

 

「いやいや、待てよゴン。見るからにこいつら怪しいじゃねーか。こっちのやつは明らかにガキだぞ」

 

「私も同意見だ。腕が氷の種族など聞いたことがない」

 

 

しかし、十二歳の純粋なショタは騙せても、残りの二人はわずかに違和感を抱いたようだ。

もしこいつらもショタだったら、作戦は完璧に成功したはずなのに。

 

 

 

ふと、『魔女の若返り薬』という単語が頭の中に浮かんだ。

 

ゴンの父親であるジン=フリークスは、グリードアイランドというゲームを作った。

 

それは念能力者だけが遊べるゲームであり、これをクリアすると、ゲーム中に登場する便利なアイテムを最大3つまで現実に持ち出して使うことができる。

 

 

そして、このグリードアイランドというゲームに登場する便利アイテムの中に、存在するのだ。

魔女の若返り薬というアイテムが。

 

これを使えば、2人をショタリオとショタピカに変えることで、作戦を成功させられるかもしれない。

もしかすると実はショタピカではなく、ロリピカであるという可能性もあるが、それは作戦の成否には関わらないので問題ない。

 

 

もし一つだけ問題があるとすれば、俺がその魔女の若返り薬を持っていないということだ。

 

とはいえ、今のアイデアが全く何の役にも立たないものであったかというと、必ずしもそうとは言えない。

 

 

魔女の若返り薬。

その存在を知っていることが重要なのだ。

 

俺が若返る手段を知っているということを相手に伝えれば、聞かされた相手はどうしても考えることになるだろう。

俺が、その手段を使って若返っているのではないか、という可能性を。

 

そうなれば、こちらの作戦勝ちだ。

 

 

俺がトンパと同じようなハンター試験のベテランである可能性を否定できなくなってしまうわけである。

 

 

俺のことをガキだと指摘してきた賢いレオリオ。

おそらく骨格や体形などから判断したのかもしれないな。

だとすれば相当人体に詳しい。

 

原作の世界線では彼は医者を目指していたが、こちらでももしかするとそうなのかもしれない。

 

 

そんな賢い彼であっても、次の俺が放つ罠にはかかってしまう可能性がある。

ゲームにはそこまで詳しくなさそうだからな。

 

 

「いいか、君たち。ジン=フリークスというハンターが作ったグリードアイランドというゲームの中に――」

 

俺はそのような語り口で、彼らにゲームや魔女の若返り薬についての情報を教えてみた。

 

 

反応は激的だった。

 

ゴンは俺が知っている情報について、もっと知りたがった。

どちらかというと、ハンター試験の情報よりも彼の父親であるジンやグリードアイランドに関する質問が多かったように思うが、なんとなくトンパしている気分になれたので問題ない。

 

しかしながら、レオリオとクラピカからは、あまり大きな反応は得られなかった。

あるいは信憑性が薄いと判断したのかもしれない。

念能力を知らない人にとっては、グリードアイランドなどというものは眉唾ものだろうから仕方がない。

 

 

レオリオとクラピカの2人には少しだけ怪しまれてはいるが、まだ大丈夫だ。

ゴンについてはトンパすることができたので、作戦の3分の1は既に成功している。

 

 

残りは3分の2だけ。確実にトンパしてやる。

 

 

グリードアイランドについて、レオリオとクラピカはあまり興味を示さなかった。

あるいはショタに興味がないという可能性もあったが、ショタであるゴンと一緒にいることから全くの無関心とも思えない。

 

彼ら2人が興味を抱く内容とは何か。

やはりそれは、ハンター試験だろう。受験しにきているわけだからな。

ここで本来の目的に戻る。

 

受験者についての情報を教えれば良いのだ。

 

 

「少し脱線してしまったが、ハンター試験の話をしよう。まず、あの44番のピエロには気をつけろ。やつは危険だ」

 

俺は44番がいかに危険かを彼らに伝えた。

ピエロというのは、切り取った指をチュパチュパしてコレクションする生物だ。

やつもそうに違いない。俺はホラーゲームでそう勉強したんだ。

などと解説したあたりで、彼らの顔がこわばるのを感じた。

 

ピエロの危険度は十分に伝わったような気がしたので、次はギタラクルについて教える。

 

 

「それから、301番と302番のギタラクルたちにも気をつけろ。絶対に近づくな」

 

俺は大ギタラクルと小ギタラクルを指さしながら言った。

2人のギタラクルの内、どちらか片方はイルミ=ゾルディックである可能性が高い。

 

このイルミという男は、原作で「ゴンを殺そう」などという発言をしたのだ。

弟のキルアがゴンと仲良しになったのがなんか気に入らなかったのかもしれない。

 

こいつとゴンを接触させるのは、かなりリスクが高い。

接触はなるべく回避させた方がよいだろう。

 

と、思ったところで、もしトルテが本当にイルミの妹だったらどうなるか、という疑問が頭に浮かんだ。

イルミはトルテと仲良くしている俺のことも気に入らないかもしれない。

 

彼女は俺と結婚したい等と発言するほどに、親しい関係であるのだ。

もしかすると、俺はゴンより危ない状況にあるのかもしれない。

 

イルミという男は相当に強いはずなので、できれば相手にしたくない。

しかも、血も涙もない暗殺者である。

 

いくら妹の結婚相手、すなわち義理の弟が相手であっても彼は手を抜くようなことはないだろう。

 

 

額から冷や汗が垂れてくるのを感じた。

 

 

 

 

「たしかに普通ではなさそうな外見をしているが、それほど危険な連中なのか?」

 

「ああ、俺の義兄(にい)さんかもしれないんだ。これまで実際に会ったことはなかったんだがな」

 

「兄だと!? それって、お前……」

 

(そうか! 生き別れか……)

 

もし本当に、トルテがイルミの妹だったなら。つまりイルミが俺の義兄であったならば、俺はかなりのピンチなのだ。

 

やつは危険だ。

 

 

あえて言葉にせずとも俺の立たされている深刻な状況を雰囲気から察したのだろう、レオリオとクラピカは驚愕の表情を浮かべていた。

 

「まあ、なんだ、がんばれよ。色々と情報を教えてくれてありがとうな」

 

「私からも感謝を。もしできることがあれば手伝おう」

 

このように俺は、注意すべき受験生の情報を伝えた結果、ゴン以外の残りの2人についてもトンパすることに成功した。

 

なんとなく、こちらを気づかうような融和的な雰囲気を彼らから感じるようになった。

作戦は大成功だ。

 

 

最後の締めとして、俺は木馬ちゃんに持ってもらっていたクーラーボックスを取り出した。

 

原作の世界線で、トンパはゴンたちにジュースを配る。

 

俺もそれと同じことをすれば、ひとまずはトンパをやり終えたということになるだろう。

第3次試験や第4次試験でトンパするかどうかは、臨機応変に考えれば良い。

 

 

だが、普通にジュースを配ろうにも、トンパが持っていたジュースは下剤入りである。

これを配ってしまったら、俺は毒物を嫌うクララと戦うことになってしまう。

 

それは流石に面倒だし、体力の消耗も考えると悪手だ。

イルミという潜在的な敵を抱えた状態では危険すぎる。

 

だから、ジュースとは違うものをゴンたちに渡さなければならない。

 

本当はここであまり消費したくはなかったのだが、3人分程度ならば、渡してしまっても問題はないだろう。

港でたくさん買い込んできたので、多少の余裕はある。

 

 

「そうだ。お近づきの印として、これを受け取ってくれ」

 

ゴン、レオリオ、クラピカの3人に、俺はクーラーボックスから取り出した新鮮な海産物をプレゼントした。

 

それを持っていれば、第2次試験の『寿司作り』の課題で大いに役立つはずだ。

 

 

今はわからないかもしれないが、もう少し時間がたって第2次試験がはじまれば、彼らは俺に感謝することになるだろう。

 




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