朱乃視点
わたしが殺されそうになった時、コッコロちゃんが助けようとしてくれた。でも、コッコロちゃんは刃物で刺されて動けなくなっていた。
それでも私を守ろうと必死に動こうとしてくれた。でも、遂に動かなくなってしまった…。
そうしたら、急に目の前が光って……女の人が現れたの。その女の人はあっという間にあの人を消滅させて、コッコロちゃんの所に近づいていった。
「こんなところで死なれたら困るんだけど?力も使えてないんじゃしょうがないかも知れないけどさ…それでも死なない努力とかはしないとね。
ま、普通は恐怖で動けなかったり、逃げ出したりするんだけど…それしなかっただけまだマシね。」
ながい話をしていてなにがなんだかわかんなかったけど、コッコロちゃんに刺さってた刃物を外すと抱き上げて何処かへと行こうとしていた。
「!…まって!コッコロちゃんを連れていかないで!」
でも女の人はそんなわたしの言葉に聞く耳を持たずに消えてしまった。
結局わたしは、お父さんが来るまで一人で呆然とすることしか出来なかった。
死にかけていた偽コッコロが目覚めた場所は、またもや知らない場所だった。
「何処だよここは…」
自分がめった刺しにされているのは覚えている。でも不思議と、恐怖などは感じていなかった。
むしろ、朱乃と朱璃を助けられなかった後悔の念が強いのだ。
「(くそ……俺にもっと力があれば…!)」
今だけは、この体になったことを深く後悔する。コッコロではなく別のキャラの体であったなら、少なくとも二人の盾にはなれた筈……待てよ?なら何で俺は…朱璃を守れなかった?
「コッコロの体でも盾くらいにはなれた……なのに俺は……」
そう、盾になるくらいならば誰でも出来る。どんな姿であろうとも出来た筈だ。
なのにそれをしなかったのは何故か…。怖かったのだ。自分が死ぬかも知れない恐怖に、無意識に怯えていたのだ。
「はは…何だよ、それ…」
怯え…これがある限り、自分がどんなキャラになった所で意味なんてないじゃないか。結局は死ぬことに怯えてただけの雑魚何だから…。
ふと、自分の目頭が熱くなるの感じて、触れてみると涙を流していた。
「なんで俺…涙なんて流してんだろ?そんな資格なんて、何処にないのに……」
足取りは遅く、今にも倒れそうなほど不安定である。自分だけ安全であろう場所にいること、二人を見捨てたこと。
この二つが、偽コッコロに深くのし掛かる。決して逃れられない罪として…。
「どうすりゃ良かったんだよ……なぁ、俺をここに呼んだ奴は、俺に何をさせたかったんだよ…!」
力のない自分が憎い。憎い。憎い。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!!!!
心が黒くなっていくのを感じる。自分が消えてしまいそうな…そんなどす黒い感情。
あぁ、神様…もし、自分が何者でもない者になったその時は……
俺を殺してください。