ありふれた物語の森羅万象   作:RASっさん

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Re:CREATORS復習のためのアニメ視聴第1話感想

アルタイル登場シーン、マジで神だわ…ってかやっぱりあんたが主役だわ。まだこの時はメテオラやセレジアの背景とか全く分からない状態で、初見でのワクワクが今でも残ってますね〜

って事でぇ、始まるぞい!


第十一話 早くも再開、秒で死闘

「お花畑かよ、この地帯」

『露骨に弱点を晒している……ここの製作者は阿呆なのか?それとも迷宮自体がおかしくなってしまったのか……』

 

 辛辣な評価をするアルタイルと共に辿り着いたのは森だった。なんでこんな所に森があるのかって?そりゃあこっちが聞きたい。

 恐らくはここの製作者が作ったステージの1つだ。だが先程までが洞窟なだけあり、いきなりこんな明るい場所に行き着いたら外に出たのではないか錯覚しちまう。

 

 そして目の前に広がっているティラノサウルスのような恐竜……その頭に一輪の花が咲いているのだ。ピンク色という可愛らしい見た目で、ティラノサウルスも思わず愛らしく──は見えない。

 

 狙ってるのか?なぁ、狙ってやってるよなぁ?

 

 ……まぁ、今のところは害がないからスルーだな。次の場所へ行こう。少し森を進みながら、襲ってくるまともな魔物を蹴りで粉砕し、その場でちょいと試食する。

 

 全部食わなくても能力値が上がると分かり、今はスナック感覚で食べている感じだ。胃酸強化で味はともかく、食えなくは無くなったからな。腹も壊さず、レベルアップだなんて効率よすぎるだろ。

 

 そして次にでかい恐竜がまた現れた──

 

「ここもかぁ!!」

『誰も来なかったせいで狂ってしまったのだな……』

「はぁ、森羅万象(ホロプシコン)

 

 今度はしっかりと殺す。因子収納で取り出したのは前に使っていた「すぐ折れちゃう芸術的な強力武器」シリーズ。今回は紅く輝く長ーい槍。

 何処かのランサーを彷彿とさせるフォルムだが、ここの錬成師ってオタク思考を持っているのだろうか……

 

 とにかく、1突きでその魔物は絶命した。やけにあっさりと死んだな。砕けた槍を放り捨てて俺はそのまま食事へ。

 

 おっ、筋力だいぶ上がったなぁ。そりゃああんな体型してるしパワー型じゃなきゃな。だけどなんで全然襲ってこなかったのか……

 

 と、複数の存在がこちらに向かってきているのを感知した。まだ思考している最中だと言うのに。

 

「げっ!今度は集団か!?」

 

 目を細めてみた先から数十もの恐竜たちが向かってくるのを捉えた。全員の頭には案の定花が着いており、完全に暴走状態が伺える。

 ここら辺の奴ら、何者かによって反応を示しているってことか?だが恐竜というジュラの最強肉食軍団が恐れる存在とか、一体──

 

『ここら一帯、何者かによる寄生が原因のようだな……本体を倒した方が早い』

「そういう事か……こいつらその主から逃げているなら、そっちに大玉が居るってことだな」

 

 じゃあ遠慮なく……って、わざわざ走っていくのも面倒だな。跳躍でどれくらい跳ぶか試してみるか。

 

 通り過ぎる魔物を他所に、俺は脚をグッと曲げて力を溜める。おお、魔力で強化している感覚がみるみる伝わってきた。

 そして限界までチャージできたので思いっきり跳んでみた。

 

 ……違うな、今飛んでいる。

 

 地上から約20メートルくらいか……普通にアパートを余裕で飛び越せる高さまで跳躍してしまっているのだ。恐竜のように大きかった魔物らもここからじゃあかなり小さく見える。

 

「うっひょー、身体がこうまで軽くなると物理法則なんて関係ねぇな」

『油断は禁物だ……ここの魔物は君と同じレベルなのだから君の攻撃が通用しない者も出てくるぞ』

 

 まぁな……油断は禁物ってのは分かってるよ。

 

 そしてそのまま地上に帰ってきた。おぉ、もうすぐ近くから魔力を感じられる。この親玉を叩けばアイツらも規制寄生されずに済むわけだ。

 

 ……ところがその考えは杞憂に終わる。

 

「ん?これは……」

『死体があるな……それも新しい』

「と、言うことは──」

 

 目的の敵は既に亡きものとなっていた。見た目はトレントのような、植物と人間があわさったような魔物だった。恐らくこいつが花を寄生させていたのだろう。

 問題はその死体がまだ出来たてほかほかであること。多分だが死亡してから数日しか経っていない。実際身は残っているし、魔力もこうして探知できたくらいだからな。

 

 と、言うことはだ。

 

「いる。やっぱりあいつ生きてるぜ」

『であるならば早急に出て行くべきだ。彼の反応も近いのだろう?』

「あぁ……良かったぁ」

 

 かなり高い確率でハジメは生きている。友の生存が高まったことで一気に安堵が俺を包み込んだのだが……それよりも気になることが1点。

 

 死体に注目してみよう。確かに命はもう刈り取られているのだが様態がおかしい。

 

「この死体、どう考えても跡が不自然だな」

『……額から流れ出る液体。銃弾の類と考えるのが普通であるが……』

「……あいつも力つけてるなら当然だろうが、それにしてもやべぇな。現代がファンタジーを侵略してるぜ?」

『……そうだな』

 

 ……2人でしばらく黙り込む。俺らの仮説が間違っていなければ、あいつ今とんでもない武器を所持していることになる。

 ここの魔物を一掃できる武器を使ってんのか?それって威力どう考えても地球のやつ以上だよね?

 

 勿論、あいつが錬成師であることを踏まえると全くおかしくない結果なのだが……段々あいつがどう変貌したのか見当つかなくなってきた。

 

 ……まぁ、人型であることを祈ろう。

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「この扉、やけに豪華だな……そして僅かにだが反応も感じられる」

『恐らくだが、彼はこの中にいる……久遠の探索速度を踏まえると彼はここで激しい戦闘を行っていると推測できるな』

 

 会話のとおり、現在俺らの目の前には次の階層へ行く扉が立っているのだが、先程まで見ていたものとまるっきり違う作りになっていた。

 

 多分ここから先が……ボス戦だな。

 

 躊躇なく俺ひ扉を開く。正直、相手がどんな奴なのか全く予想できない……だが。

 

 すぐそこに親友がいるのなら……何が何でも助けに行かなきゃならねぇからな。

 

 暗い階段をおりていくと、その先から光が見え始めた。同時に洞窟内から重苦しい振動が伝わってくる。ボスの攻撃がここまで響いているってことは、空いて相当大型だな──

 

 って、予想以上にデケェなぁ!!

 

「うおっ!こいつはやべぇって分かるぞ!」

『ヒュドラ……首が7つある創造の怪物までが存在するとは。久遠、心して挑まなければ……森羅万象(ホロプシコン)があろうと死ぬぞ』

「あぁ、分かってる」

 

 いきなりアルタイルからの今までにない最大警告……それほどあの敵は強いということを指す。

 体長30メートルにも及ぶ巨体、そして印象深い、7つの首がいかにもボスって感じだ。そして口元から僅かに魔力反応が……ちゃんとビームやら発射させるようだな。

 

 完全にゴジ○のシリーズに居そうだが……実物は迫力も別格だな!こりゃあ人間も背中を見せて逃げたくなるわ。

 

 と、前に2人の人型反応!

 

 1人は金髪の少女……保有魔力が尋常じゃないほど大きいその子が、必死に倒れている男の名前を呼んでいるようだ。そのまま男に目を移す。

 

 ……髪が白く、肉付きががっちりとした身体。片腕と片目が損失されており、身体もボロボロに傷ついている。

 気絶している彼は遠目から見てもわかる……たとえ容姿が全くあの時と違っても間違いない……

 

 ハジメが、生きている。

 

 間違いなくそいつは、南雲ハジメだった……本当に、生きていたんだ……

 

「っ!やべぇな!」

 

 友の生存を喜んでいる時間なんて与えて貰えなかった。気づけばヒュドラの7つの首が魔力を溜め込んでいる。あいつに向かって放つつもりか!!

 

 あのままじゃあ7つの光線を一気に浴びることになる。それにブレス一つ一つには相当な魔力が含まれている。アイツらも巻き込まれたら丸焦げ、普通に死んでしまう。

 

 その場から跳んで大きく跳躍する。狙うのは1番真ん中の首……そこに溜め込まれている魔力が多いからだ。

 恐らくはボス龍の首が怯むと他の奴らも怯むはずだ。首が全部等しく脳を持っていたらそれぞれが喧嘩するからな。

 

 ヒュドラの攻略は全部の首を倒すことがテンプレだ。だけど何も全ての首を一気に倒さなきゃならない訳じゃねぇ。

 大抵には相手が怯む主……つまりボス首がある訳た。そこがマザーブレインであり、他の首にも大体の指示は送ってるはずだ。

 

 そこの首から流れる魔力が見れれば──容易に相手を怯ませることが出来る。

 

「うらぁ!!」

 

 今にもブレスを吐こうとしているヒュドラの首のひとつに特大膝蹴りを噛ましてやった。”リニューアル”による一撃は首筋を捉え、溜まっていた魔力を暴発させる。

 

 確率50パーなんてどんなもんだい!

 

 流石のヒュドラもこれには反応出来なかったようで、その巨体を思いっきり地面に倒れるのだった。これで暫くは動けないだろう。

 誤算といえば、俺も追撃が無理そうなところか。

 

「ってぇな……膝がジンジンしてやがる」

『ヒュドラの耐性が極端に高い……それに森羅万象(ホロプシコン)が通りにくい。流石は迷宮の最奥の主と言ったところか』

 

 先程膝蹴りをかました右膝……恐らくだが骨にヒビが入っている。神経まで影響している。

 相手のヒュドラの防御力がべらぼうに高い。俺の耐久が足りないのもあるが、それでも蹴りを来た瞬間まるで山か何かに攻撃しているかと思った。

 

 今は必死に因子再生をして身体を治しているが……頼むから負傷箇所を回復する前に起きないでくれと願うばかりだ。

 

 ここ一帯の魔力があいつに支配されているな。そのせいで治りが遅い……すると背後にいた少女が声をかけてきた。そういえば彼女はハジメの……何だ?相棒か何かか?

 

「……貴方は……誰」

「どーも、一之瀬久遠っていう者だ。ハジメのだち……親友として助けに来た」

 

 正直、あの時奈落への落下を助けられなかった俺に親友を言う資格がないんじゃないかと考えが過ったが、だったらなんでここに来たんだって話だ。親友だからこそ俺はここまでやってきたんだった。

 

 少女は名前に心当たりがあったのか、無表情ながらも目を僅かに開かせた。

 

「イチノセ……ハジメが言ってた」

「へー、俺の話が出たのか。どんなことを言ってたのか、内容は気になるが……どうやらゆっくりはしてられないようだな」

 

 彼女がハッと前を向いた時、ヒュドラの首がこちらを向いているところだった。どうやら早速立ち上がったらしい。

 こっちも何とか足の回復が間に合った。ブンブン振り回して問題ないか確かめながら名前を聞く。

 

「あんた、名前は?」

「ん、ユエ……」

「なるほど、じゃあユエさん!今すぐそいつを起こすか、起きないなら俺の助太刀を頼む。正直、今の俺じゃあいつは相性が悪いんだよ!」

 

 起き上がった首を目がけてもう一度”リニューアル”を発動。このままノックバックを繰り返してくれたらいいが、それまで俺の脚が持たないかもしれない。

 

 ユエさんにハジメは任せよう……多分あいつが必要なのは彼女のようだからな。主人公ってヒロインには弱いのは鉄則だしな!

 だから俺は遠慮なく相手の胴体に攻撃を入れる。ステータスはあの後も伸び続け、武力も4桁台を行き始めたところなんだが……

 

 このヒュドラ、防御力5桁はあるんじゃないかって思う。当てた直後に反作用で響く痛みが尋常じゃない。

 思わず仰け反るが、ヒュドラはどこか風を吹くようにケロッとしてやがる。

 

「やっぱり硬ぇな!相手にダメージがまるで入ってねぇぞ!」

『久遠の技能ではこの巨体は倒せない、撹乱させることが関の山だ』

 

 そのようだな!っと!!直後迫り来る光線の数々。1回で7つもやってくるからたまったもんじゃねぇ!!

 ユエさんから離れてヘイトを稼ぐ。幸いヒュドラビームは一直線で曲がったりしない為油断しなければ避けきることは可能だ。

 

 熱風を我慢して暫くは避けていたが、やっぱりこのままジリ貧になるのも危ない、ここは俺から攻撃を加えなきゃな!

 

「”リニューアル”ーー」

 

 懐まで潜り込んだ俺は跳躍しながらヒュドラの頭上へ。ベヒモスの頭を沈ませたあの一撃を跳躍して更に威力を上げてお見舞する。威力マックスのかかと落としにこれは相手もダメージを受けざるを得なかったようだが……

 そもそもこの一撃、首一つに対してだ。例えマザーブレインである首に放っても他の首が完全停止する訳では無い。

 

 そして相手もこれで倒れるわけがなかった。

 

「にゃろう……これも無理か」

「ん、伏せて!」

 

 その時、後ろから発砲音が。見ると、ユエさんが銃を持っている。あれは……ハジメのか。

 

 相手の意識外のところから迎撃したのか……だが威力はこのヒュドラに対して微妙だ。1発の弾丸じゃ幾ら補正されていても微々たるものだ。

 

 俺もストックされている武器を全て出す覚悟で応戦する。ゲ○ボルグもどきを首にぶっ刺しながら他の首も翻弄する。

 

『久遠、九時から二つ、後ろからも一つだ!』

「合点!ヘイト集めは任せろっての!」

 

 剣を創造しながらヒュドラの首にぶすぶす刺していく。相手は呻き声を度々だすが、その分他の首がさらに暴れて攻撃は激しさを増す一方だ。

 部屋の柱も倒壊し、地面もえぐれる。足場が不安定になり、逃げ場がどんどん狭まるばかりだ。

 

 だが諦める訳には行かない。ここで俺がやられても、せめてあいつが覚醒するまでの時間を稼がなきゃならない。

 だからもっと俺を狙っていけ!もっと俺を殺す気でいけ!!

 

「もっと、もっと早く行ってやるよ!!」

 

 脚に入れる力がいつもよりさらに跳ね上がる。溢れんばかりの魔力が俺の俊敏の限界を莫大に引き上げる。

 五感が強化され、視野が獣のように広がる。相手の攻撃を瞬時に予測し、電撃反射で身体に指示を出す。

 

 全ての運動機関が限界まで加速され、自分の出せる最大のスピードで攻撃を避ける。今俺はその限界にいる!!

 

 派生技能──”先読”→”五感超強化”

 

 限界まで強化された身体を、残った体力全てを使って動かす。相手も光線を俺にあてようと釘付けになっている。

 

 だが当たらない。俺は全ての攻撃を数センチの誤差で避けることで戦況を停滞させている。これがどれくらい持つか……

 

「チッ!」

 

 そして時は呆気なく訪れてしまう。

 

「あぐっ!?」

 

 光線のひとつがユエさんに被弾したのだ。なるべく俺に意識させていたのだが、こっちも集中力が低下し始めたのだ、光線の1つがハジメを避難させているユエさんに当たってしまった。

 

 痛みに呻き声を上げながら、吹き飛ぶ勢いそのままに立ち上がり再び駆ける。ヒュドラに位置がバレてしまった以上、俺に加勢することになったのだ。

 

 ヒュドラのそばに来た彼女はもう1発撃った。

 

「えっ」

 

 思わずユエさんが声を漏らす。確かに電磁加速させた不十分とは言えそれなりの威力を持った一撃だったはずなのに、銀頭は浅く傷ついただけで大したダメージを受けた様子がなかったのだ。

 

 こいつ……まさかさっきの再生で硬度が上がったのか。

 そして再生する事にヒュドラ自身の耐性も上昇しているのだ。こうなると俺らの有効手段が削られていくばかり。

 

 更に、俺に疲労が襲いかかる。手足から限界のサイレンが聞こえてくるかのようだ……身体が重い。極光のひとつが俺のすぐ近くで被弾し、足がもつれる。そのまま呆気なく膝を着いてしまった。

 

「クソっ……」

『因子再生もこのままでは間に合わない……相手が強すぎる』

 

 悔しさを隠しきれない様子で彼女は言葉を零す……それが何より辛い現実を物語っていた。

 まさに絶望。俺より威力の出せるその武器で傷つかなかったら、何が一体通るのか。現状、ここには存在しないのだ。

 

 クソ……ここまで来ても無理かよ……

 

 このまま終わってしまうのか……折角あいつに会えたのに、声も聞けずに死んでしまうのか……敗れてしまうのか……

 畜生が……せめてあいつだけでも生きて欲しいのに……

 

 悪態を吐きかけたその時だった。

 

「泣くんじゃねぇよ、ユエ。お前の勝ちだ」

「ハジメ!」

 

 ……良かった、これ以上弱音吐かなくて。吐いてたら間違いなくそれをダシにして揶揄われていたぜ。

 

 ユエさんの顔がパアッと明るくなり、自分のヒーローに希望を持ったようだ。かという俺も口角が思わず上がってしまう。

 口調からまったく彼らしさを感じないが、それでも親友の声だと直ぐに理解出来た。

 

 遂に帰ってきやがったな……はぁー、やっとかよ!

 

「遅せぇぞ主役!お前が居なくてロリっ子もやばかったぞ!」

「うっせぇ!ユエはこれでもさんびゃ──」

「ん!ハジメ、デリカシー」

「グッ……一之瀬!再開早々だが手伝ってくれるか!」

「おうよ、親友!」

 

 やべぇ、友の声を聞けるだけでここまで力が湧いてきた。あいつがそうして立っているだけで身体の至る所に活力が戻ってくる。

 良し、これなら行ける!

 

 戦闘はすぐに再会される。今度は3人だと認識したヒュドラは狡猾に首の役割分担で俺ら3人を満面なく攻めてくる。だがハジメも俺も限界状態による動きで全てを避けていく。

 

 ハジメになんか作戦があるようだな……俺じゃあ太刀打ちできねぇからな、助太刀と行こうか!!

 

「ここはまだ…耐性ついてないんじゃねぇの?」

 

 俺はヒュドラに距離を詰めながら、脚を上げる。自分の身体を縮ませて、脚に力を溜めた。

 これまで、ヒュドラの首ばかりを狙ってきた。それは一本一本が、俺にとって狙いやすかったからだ。だが耐性をつけてしまった今、別の場所を狙う必要がある。

 

 逆に言えば、そこはまだ耐性がついていない…俺の攻撃がかろうじて通る場所だ。

 だから狙う先はヒュドラの首が集まる場所…巨大な胴体部分。

 

「限界まで溜め込んだぁ…”リニューアル”!!」

 

 リニューアル武術による前蹴り+踏み込みによる加速+完全捨て身の攻撃。

 

 この三つをもってして、俺は最大の一撃をヒュドラにぶつけた。

 

 だが時間を掛けすぎだぞ?

 

「ユエ!」

「んっ! 〝蒼天〟!」

 

 青白い太陽が部屋の中に出現し、身動きの取れないヒュドラの銀頭を融解させていく。中に放り込まれた爆薬の類も連鎖して爆発し、防御力を突破して銀頭に少なくないダメージを与えていった。

 

「グゥルアアアア!!!」

 

 銀頭が断末魔の絶叫を上げる。何とか逃げ出そうと暴れ、光弾を乱れ撃ちにする。壁が撃ち崩されるが、ハジメが錬成で片っ端から修復していくので逃げ出せない。

 

 極光が放たれることも無い。そのままもがいていたヒュドラの魔力が止まった……やっと倒せたんだな。

 

 とんでもない敵だ……アルタイルが言っていたことがこうも早く現れるとは。意外とチート道では無いのかもしれない。

 

 取り敢えずハジメの所へ…したが、右脚が思うように動かない。さっきの一発で骨が砕かれ、完全に逝かれちまった。

 仕方がないので引きずりながら向かおうとしたらハジメも地面にぶっ倒れていた。ユエさんがオロオロしている事から予想外の自体のようだ。

 

 そういやさっき光の速さで動きまくってた気がするし、色々限界突破したんだろうな。

 見たところ息はしているが……こりゃあ間違いなく安静が必要な状態だ。

 

「うっす、お疲れさん」

「ハジメは……」

『安心したまえ。彼は生きている……だが状態は著しくないな。直ぐに安静な場所に移動させるべきだ』

「なるほどーーあぁ、一応生きてるが状態が良くないのですぐ休ませる方がいい……近くに休める場所があればいいんだけどな」

 

 親友を担ぎあげ、部屋の先に現れた扉の方へ向かう……ボスが倒されたことで進めるようになったみたいだな。

 新たな敵が出てこないか、疲れた体に鞭を打ち警戒を怠らないまま進むと、意外な光景が広がっていた。

 

「ここは……」

「ん……何、これ……」

 

 これは……休憩地点か?辺りに魔物の反応も一切ない。ボス部屋の後は安息の地だったようだ……製作者ナイス。

 

「……おっ、ユエさん。大丈夫そうだぞ」

 

 近くにあった部屋に入り、患者を下ろす。本人はボロボロを通り越して命の危険を感じるような状態だが、本人のステータスも功を奏したのか死ぬことは無いまま寝ているようだ。

 

 良かったぁ……と、俺もやっぱり限界だよなぁ。

 

 身体中から軋む音や折れる感触が……瞼が重くなり、耳鳴りや痙攣も始まった。正直、ここまでで1番力を使ったから、その副作用がもろに出てるんだよなぁ……

 

『久遠!』

「あっ、無理。ユエさんあって間もないけどゴメン、頼む」

「えっ!?」

 

 アルタイルの珍しく切羽詰った声と、ユエさんの驚いた表情が意外性感じられて良きかな……

 

 下らないことを考えながらもそのまま意識を落としていく。取り敢えず、アルタイルに変わって自分に労いの言葉をかけておこう。よくやったぞ、俺。




ちょいと補足

一之瀬久遠
→今更だが、元々容姿はいい。身長も177と中々で黒髪だった。だがハジメのようなストレートとは違い久遠は変なくせ毛があり少しボサボサしている。前にも説明したが女子ウケはまぁまぁいい。天之川のようなカリスマ性が無いものの、親友を大切にする心構えが好評価だとか…

南雲ハジメ
→彼の久遠に対する印象は「理解者」である。爆弾を一々持ってくる香織とは違い、久遠は適度なタイミングで現れ、話もハジメが苦になる事無く進んでくれる。雫と共にフォローをしてくれる所も毎日助かっているし、ゲームに対しては毎回的確なアドバイス、コメントまでしてくれる。ここまで素晴らしい親友が他に居るだろうか…居ない!

 お久しぶりです…マジで年末って忙しいですね。言い訳になりますが論文やら臨時試験やら部屋の片付けやらプロ○カのイベらんやらモ○ストのガチャ貯めやらで夜しか眠れない状態〜はいすみませんでした。

 今回はハジメと遂に再開しましたが、意外とあっさりですね…やっぱり戦闘シーンに久遠を入れ込むのには一苦労。ありふれアフターを見れば分かりますが、ヒュドラ戦はあの二人が掴み取ったものですからねぇ、久遠はあまり入れたくなかった所存。
 次回、次次回辺りで終わりかな?そしてアナザーサイドを2個挟み込んで…2章へGO!ですかね。お楽しみに〜

ヒロイン枠誰か欲しい?

  • 雫(1番匂わせているキャラかな)
  • リリアーナ(現状漫才ポジにいる)
  • レクリの誰か(作者めっちゃ困ります)
  • アルタイル一択(出番もっと増やせや)
  • 要らない(久遠は孤高でええやろ)
  • ユエさん(NTR!NTR!)
  • 香織(昼ドラ展開!?)
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