ありふれた物語の森羅万象   作:RASっさん

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Re:CREATORS復習のためのアニメ視聴第2話感想

第2話は説明会ですね、メテオラさんのキャラが早速確立された話でもあります…そりゃあ根強い人気取りますわな。
創造主が初めて出てくる回でもありますね。松原さん達は人間的な見た目をしていて被造物と列記とした差を感じるような容姿です。彼らが物語のキーになりますからね…ワクワクです。

それじゃあ、今回もレッツゴー!



第十二話 御二人の邪魔はしないので…

「う……ぅぅ……」

『起きたか。遅い目覚めだな……堕落的な私生活が影響しているのではないか?』

「うっせ……」

 

 起きると耳に入ってくる彼女の声。相変わらず毒があるが、その声を聞いて一気に安心した。

 

 あぁ…俺は今生きている。無事に生き残ったんだな。

 

 たしか俺はあの後ハジメを背負って、ヒュドラを倒した後に出現した扉をユエさんと一緒に向かったんだったな。そしてその先には何とか住処があって、恐らく休憩地点……というよりはクリア部屋みたいなところなんだろう。

 

 そして取り敢えず直ぐにハジメを寝かせた後、俺にも変化が訪れた。森羅万象(ホロプシコン)の副作用……と言うべきか。俺の髪も全部が赤色になっていてかなり危険な状態だったらしい。

 

 アルタイルの説明によると世界の修復力に引っかかるレベルでの力の使用により身体に影響が……世界が自分を弾くつもりで来たらしい。

 

 とんでもない。世界から見放されかけたわけだ。三途の川も渡れないとかシャレにならんな……頭を振って意識を覚醒させていると続いて彼女が口を開いた。

 

『危険な状態だったぞ?急に倒れてあの吸血鬼の少女も心配していた。余も緊急事態故に彼女に正体を明かして君を寝かせたのだ』

「マジか……そりゃあ助かった。別にあの子ならお前の事を何れ話すつもりだっただろうしな」

 

 吸血鬼…?気になることはあるが、アルタイルのナイス判断に感謝してまだ重い体を起こす。

 俺が寝ていた場所はログハウスみたいな寝室だった。シングルベッドを降りながらも、身体を確認する。

 

 完治には程遠いが、峠は超したようで今は酷い筋肉痛で落ち着いたようだ。髪の変色がメッシュ程度になっている辺り、行ける所まで自己再生はしたようだ。

 

 ステータスを開くと……うわぁー……

 

 一ノ瀬久遠 17歳 男 レベル:???

 天職:創造主

 筋力:8590(+2500)

 体力:10010(+2500)

 耐性:4860(+2500)

 敏捷:10500(+2500)

 魔力:15950(+2500)

 魔耐:5270(+2500)

 技能:リニューアル・森羅万象(ホロプシコン)[+因子収納][+因子再生][+表象展観][+因果再築][+魔力着衣]・痛覚操作・胃酸強化・天歩[+空力][+縮地]・五感強化[+五感超強化]・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏][+半顕現]・全属性耐性・先読・金剛[+部分強化][+集中強化][+付与強化]・威圧・念話・追跡・高速魔力回復[+魔素集束]・魔力変換[+体力変換][+治癒力変換][+衝撃変換]・限界突破・言語理解

 

 何かとんでもない事になっているのは確かだな。魔力に至っては桁が5つもあるし。レベルも上限を超えてしまい表示されなくなってしまった。

 ゲームだったら間違いなくバクデータとして公式の大会には禁止されてしまうだろう。

 

 スキルも多すぎて何が何だか……魔物のスキルが沢山あるせいで森羅万象(ホロプシコン)の能力を探すのが面倒だな……

 

「いやいや、待て待て待て……森羅万象(ホロプシコン)なんか派生技能追加されてねぇか?」

『第3楽章の表象天理、そして第23楽章の因果再築か。何方も余が愛用していた伴奏だ』

 

 表彰展観は純粋に物を別のものに摩り替える能力だ。条件として摩り替える質量が双方等しく、自分の因子収納内の物でしか使えないが、強力な技の部類に入る。

 

 一方、因果再築は1度起きた物事を繰り返して起こす技。プログラミングで言うループ構文……ってこれも例えが悪いな。

 まぁ、魔法なんかは魔力の持つ限り自分が詠唱しなくとも勝手に発動し続ける感じだ。俺は魔法が使えないが……アルタイルは自身の武器であるサーベルを量産させ、たとえ壊れても一定数は保つよう復活するようにしていた。

 

 何方もアルタイルはフェスで多用し、圧倒し、多くの観客を魅了させた。その技が使えるようになったらしい。使いこなせるかは俺次第だけどな……

 

 あ、あとこの魔力着衣って何だ?フェスでも見た事のない能力だな……

 

「なぁ、これ発動してもいいのか?」

『魔力が多少は減少するが、問題ない』

 

 じゃあ早速……森羅万象(ホロプシコン)、第4楽章……魔力着衣

 

 すると身体から光が湧き出し、直ぐに収まった……そして気づけば自分の衣服が変わっていた。黒のコートに同じく黒で素材の良いズボン。胸には獅子の紋章があり、コートのボタンとか見るに、軍服衣装と推測できる。

 

 そして見覚えがあるこの感じ……間違いない。

 

「お前の軍服の姫君衣装に似ているな?」

『あの格好はセツナによって作れたものだからな……それに強化を施し着脱可能にして置いたのだ。自動再生も付与してある』

「マジでセツナさんが好きだな……」

 

 って事は魔力を払えばあの対戦でも無類の防御力を放っていたこの軍服を付けられるわけか。欠点としては動きづらいくらいか……しっかりと軍服なので重く感じてしまう。

 魔力消費も激しいようだし、本当に防御したい時などに使うとしよう。

 

 あっ、後俺の魔力着衣に帽子が追加されなかった。軍帽がないのは、もしかして俺に似合わないからか?

 少しは憧れていたんだが……この際仕方がないか。

 

 魔力着衣を解放し、元の姿になったと確認しながらそういえばとアルタイルに聞いた。

 

「さて、ハジメは……居たよな?」

『なぜ疑問形なんだ……』

「いや、あの時結構切羽詰まってたからな……幻惑の一つや二つは見ててもおかしくないと」

 

 しかも白髪で、片腕もなかった……ユエさんという知らない女の子も居たわけだし。

 

 だけどアルタイルの様子から察するに、ただ別の場所にいるだけのようだな。あいつも相当ダメージ喰らってたし、今もまだ看病中かもしれない。

 

 ユエさんに至っては俺の世話もちょくちょくしてくれたのだろう。ハジメに付きっきりでいたかったはずなのに……感謝しておかないとな。

 

 外を出ると広場があり、テーブルや椅子など家具が揃えられており、落ち着いた雰囲気だ。居住スペースとしてはしっかりしてるな。

 

 そして上を見上げると……マジか、人口太陽がある。しっかりと日光が降り注いでいる感覚はある。ここの製作者中々にすげぇ奴だ。

 

 魔力の反応は……っと。

 

 向こうからか。同じような部屋の扉が複数ある中、そのうちの一つを開けて──

 

ん!……んぅ……あぅ……

ふーっ……ふっ……ふー……

「『……』」

 

 見てしまった。俺、生で見るのは初めてかもしれん。

 交わる唇と絶え間なく動き続ける身体。時説漏れてくる声がエロく興奮を掻き立て…それ以上はいけないな。

 

 俺の同級生が早くも卒業しています。しかも異世界で。しかもその女性は超絶美人の子供じゃねーか……歳はともかく、傍から見ればロリコンで一発アウトだぞ。

 

 2人は幸せの絶頂の時のようで俺達が扉を開けたことにすら気づいていない。かといって閉めようとすると気づかれる可能性もあるので動くことが出来ん。

 てか、俺が気絶しているのに随分と楽しんでいるなあいつら…そりゃあ、俺が起きる保証なんてないから?2人がラブラブなら全然気にしないタイプだし?

 

 ……本音、2人のあんな事やこんな事をずっと見ておきたい。何方とも凄いテクニック…ハジメって意外に積極的な動き方するんだな。

 

「……っ……っ!?」

「…っ………♡♡♡」

 

 と、思いきや立場が逆転した…ハジメが下で、ユエさんが上と。これまでの行為が準備運動とばかりに、彼女の動きが激しくなる。

 幸せそうに声を出しながら楽しんでいる二人…なるほど、これが純愛ってやつだな。確かに無色ばりに透き通っていて見ている俺も浄化されていくようーー

 

「アルタイル、ちゃんと撮れてるか?」

『あぁ……あ、いや。待て、久遠。余は別に人間の持つ欲などを持ち合わせていない。ましてや自らの欲望のために被造物を対象にまでするのだからーー』

「あぁ、はいはい…人間の本能を忠実に理解していて何よりだ」

 

 アルタイルも人間らしく成長しているということだな……一応彼女が夜な夜なそういうアダルトなサイトを覗いていたのは端末を外部からハッキングした時に知った時は俺もスルーしたし。

 

 というか、俺もアルタイルも2人の淫らなパーティから目を離さないあたり、大分アレだな…変な耐性をつけてしまっている。気配を遮断していないのに、扉の前で空気と一体化するように息を殺している。

 

 因みに目の前の状況はというと、ユエさんがスパートを掛けてハジメを攻め始めた。搾り取る勢いでエロティックな動きをしている。こうなるとハジメが餌食になるので逆転は厳しそうだ…

 

 うーん、もっと具体的に彼らの闘いを教えたいが、そうするとRタグを追加しなきゃならないので割愛する。この作品はあくまでもアクションとコメディーを主軸とした逆襲冒険譚なのだから、読者の想像力におまかせしよう。

 

『当たり前のように第四の壁を超えるな……』

「いやぁ、これくらいは言っておきたくて……俺は今、すげぇこの世界を楽しんでるわ」

『タグに主人公性格難ありと追加しておくべきか……』

 

 アルタイルから性格難ありの称号を得そうになっていると、ついに彼らが気づいた。何がとは言わんが、達したハジメが起き上がると、そのまま俺と目が合う。

 

「は?………っ、お前!」

「……」

「おー……」

 

 ハジメが何故ここにと言わんばかりの驚きを見せる。そして少女……ユエさんは俺の方を無表情で見つめている。アルタイルと俺も無言で彼らを眺めている。

 何方も暫くは何も反応がなかった……状況の整理に時間がかかっているのか?

 

 ここで、何故か俺に一筋の電流が走る。目の前のユエさんからテレパシー……現実の域を超えた信号を感じ取れる。まさか、彼女も壁を超える能力を!?

 

 とにかく、その状態で俺は不思議な会話を続けることにした。

 

 

 

~~~~~以降、テレパシータイム~~~~~

 

 

 

 久遠:『取り敢えず後2時間はあっちに居る』(指2本立てて同時に外の広間を指す)

 

 

 ユエ:『ん……感謝する。でも暫くはハジメ動けないよ?』(頷きながらハジメをチラリ)

 

 

 久遠:『平気、平気…あとハジメは口も弱い』(彼の薄い本を思い出しながら)

 

 

 ユエ『知ってる…美味しい。一緒にする』(彼の接吻を思い出しながら)

 

 

 久遠:『それじゃ、遠慮なく楽しんじゃって』(頷き、手をニギニギしながら例のサインを送る)

 

 

 ユエ:『ん!』(2本の指で返されたRジェスチャーもバッチリ!)

 

 

 

 

~~~~~テレパシー終了~~~~~

 

 

 親指グッ!

 

 

 あちらもグッ!

 

 

「お前ら念話なしにどうして会話出来てんだ!」

 

 すっかり取り残されていたハジメが雄叫びを上げるが気にしない。今俺と目の前の女の子が見事にシンクロで来た瞬間である!

 同時にユエさんの瞳孔が獣のように鋭くなる。妖艶な雰囲気を漂わせた彼女にハジメは冷や汗をかいているが、次のラウンドのゴングが鳴ろうとしている。

 

 戸をスススーっと閉めながら、早くも卒業した友人にエールを送っておこう。

 

「それじゃあハジメ、あと数ラウンド、頑張れよー」

「おい、何がだ!……って、ユエ!?急に本調子になって……一之瀬!ナニをしやがっ……ユエ、ちょ、まて、あっ、アッ────ー!!!」

 

 その後俺はゆっくりアルタイルと花を咲かせながら茶を啜ってましたとさ。あまりHENTAI文化に興味がなかった親友が、大人の階段を先に昇ってしまったなぁ……だがそれにしても──

 

「ふぅ……暫くはあの光景で食って行けるな」

『卑猥な言葉をそれ以上口にするなら見捨てるぞ……主に読者が』

「お前も第四の壁超えてんじゃねぇかよ……」

 

 談笑中、近くの部屋から激しい呻き声と熱い吐息が聞こえてくるが、それは小鳥のさえずりのようなBGMなのだ。きっと、そうなのだ。

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「それで?楽しめたか?」

「ん、それはもうじっくりと」

「てめぇ……一之瀬、覚えてろよ……」

 

 本当に2時間丸々使って来た。2人とも……というよりユエさんは満足していて、テカテカホクホクで帰ってきた。楽しんできたようで何より。ハジメはこういうのに慣れてないからか、少しやつれて俺を睨んでいた。

 それでも少し少しで済んでいる辺り、以前からこんな付き合いなのだろう。俺が助けに来る前から、ずっと。

 

 彼からの言葉を軽く受け流しつつ、2人をテーブルに促す。紅茶の入ったカップを渡しながら自己紹介を始めた。

 

 よく考えたらユエさんとはまともに話していない。さっきのテレパシーは除く。

 

「改めて俺は一之瀬久遠だ。ユエ……さんか?宜しく頼む」

「ん……ユエでいいけど?ハジメの親友だし……」

「あーいや、それならユエさんでいい。口調はこんなんだしな」

 

 聞くにユエさんは300歳を超える長寿らしい。これはつまり、ロリーーおっと誰か来たようだ。絶対彼女としても触れたくない領域なのでその言葉を喉奥にしまいながらも話を続ける。

 そしてハジメが今まで何があったか説明してくれた。想像を絶するような出来事の連続にツッコミが止まらないが、取り敢えず全部聞くことにした。

 

 そして話が終わり、俺も腹一杯だ。思わず紅茶を飲み干してしまう。

 

「ハハッ、良く生きてたもんだなぁ……お前を助けに行ってなんだが、最下層まで行った時は死んでると思ったぜ」

「まあ俺も実際ここまで来たことは奇跡だと思ってる。ユエや魔物の力がなければ生きちゃいねーよ」

 

 そう言いながら髪を触る。確かに、髪の変色具合が俺以上だ。他にも体が逞しく成長しており、片目がない。こいつも相当な事があって変わったことが伺えた……って、やっぱりこいつもか。

 

「……やっぱり魔物の肉を食ったか……」

「ん?お前もじゃないのか?」

「ああ、勿論……だが良く耐えきったな。お前自己再生能力なんて無かっただろ?」

「あ?お前、神水飲んでねぇのか?」

「は?」

「あ?」

 

 神水……浸水?

 

 ハジメ、神水レクチャー中……

 

「マジかよ……そんなチートアイテムあったのなら先に出会っときたかった。どれだけ苦労したことか……」

「ってかお前どうやって耐えきったんだ?正直一般人にあの精神的苦痛を耐えられる気がしねぇが……」

「ああ、それは──」

 

 俺、因子再生レクチャー中……

 

「お前も反則級じゃねーかよ……」

「否定はしない。が、俺の方がお前の変化に心底驚いてる」

 

 こいつのステータスもなかなかの化け物だった……大体、魔物のスキル全部継承してるってなんだよ。おまけに謎の魔法も取得してるし……しかも錬成と相性良すぎるだろ。

 

 他にも、彼が見せてくれた現代武器も充分世界の法則を破りかねない品物であり、少なくともここら辺の魔物をものともしない火力を備えている。

 しかもおまけでユエさんがものすごいハイレベルな魔法使いと判明。ヒュドラにトドメを指した魔法も彼女特製のようだ。

 

 ……あれ?俺助けに行く必要あったか?この二人なら俺抜きでも普通にここを突破していた気がする。

 

 まぁ、でも中身だけではなくこいつは見た目もかなーり変わってしまったようだ。俺と違って身体を強制的に回復させていたのだから、痛みで元の姿とは比べ物にならない変化をしている。

 

 だからって、上から下までツッコミどころ満載な姿はちょっとニヤニヤが止まらない。

 

「プッ……白髪に眼帯の時点で目覚めてるよ……ブフッ……コートもどう考えても意識してるし……義手とかもっとスリムでいいのに、すっげぇ派手に作ってるし!アッハッハッハ!!」

「っ……てめぇ……」

 

 いや、だって…コートはまだしも、眼帯とか義手とかは完全にこいつの気合いが入ってしまっている。ってか義手とか絶対無駄な機能がもりもり詰まっているようにしか思えない。

 多分ロケットパンチやら、腕から小型ミサイルやらロマンに溢れるガジェットを盛り込んでいるだろう。今度見せてもらおうかな。

 

 あっ、俺たちの話に着いて行けてないユエさんにアドバイスしなきゃな。ハジメをこの先もっとよく理解できる為に。

 

「ユエさん、一応地球の知識がない状態だろうし、教えておこう。ハジメの格好は完全に厨グボァァ!!」

 

 だが説明の途中で額にとんでもない衝撃が届き、成す術もなく後方に吹っ飛んだ。直前でドパンッと重苦しい音が鳴っていたので、おそらく俺は射殺されたのだろう。

 

 ぼやける視界だったが、直ぐに回復する。因子再生のお陰で実質不死身の俺は銃だってミサイルだってものともしないボディを手に入れたのだ!意識のあるかぎり!

 だが、痛覚までは消せることが出来ないので、これまでに無い頭痛に耐えながら立ち上がることになったのだが。

 

 勿論、犯人なんて1人しか居ない。堂々とドンナーを指でクルクルスピンさせている親友に吠えた。

 

「何すんだてめぇ!いきなり発砲とかシャレになんねぇぞ!」

「チッ……再生しやがったか」

「殺す気満々じゃあねーか!大体そんなものあっちの世界じゃあ銃刀法違反だぞ!」

「あぁ?異世界に法を求めたら負けだぞ?」

 

 それは……確かに。しかも殺生の価値が下がっているこの世界では多分その武器も喜んで使われることだろう。

 ……と納得し掛けたけど、それでも普通に人に発泡しちゃだめだろ。今ここには吸血鬼と超人とホログラムの破壊神しか居ないから誰も突っ込まないけど。

 

 と、ユエさんが表情を綻ばせる。

 

「……ふふっ」

「?……ユエ?」

「ハジメ、嬉しそう……初めて見るかも」

「うっ……こいつといると調子が狂う」

「アッハッハ、一応付き合いは長い方だからな」

 

 ハジメとはもう5年ほど友達でいる。こいつの事を親友と思っている……だからこそ助けたかったんだよなぁ。

 ハジメを助けたのは……どうやら隣のユエさんのようだし。こんなになったハジメをあんな感じで照れさせられるかと聞かれたら無理だな。

 

 あいつをあいつのままで居させてくれたのはユエさんにしか出来なかったのだろう……

 

 はぁ……ま、一旦それは置いておくか。今はそれよりこいつに聞きたいことがあるしな。真面目モードを察してくれたのか、ハジメも視線を俺に戻す。

 

「さて、情報交換と行きたいぜ。俺はお前らの話を聞いてみたいしな……」

「あぁ。と言っても大体はここで分かったことだけどな」

 

 そう言いながらハジメはここで知った世界の真実について余すことなく説明してくれた。内容は割愛するとして……

 神様がマジでいて、しかも解放者が神の策略を止めようとしていたのか。

 

 どうやら世界はあんまり宜しくない方向へ向かっているらしい。

 

「マジかよ。解放者って……やっぱり神は黒か」

「まぁな。それも相当の屑のようだ。まぁ俺には関係ない話だけどな」

 

 おや?こりゃあ予想外の発言が出た。思わず飲み物へ伸ばした手が止まる。ハジメは冗談を言っているようではなく、心底興味が無いように見えた。

 

 ……正直、世界を救うなんてことは出来ないと思っている。

 1人で成し遂げられることは微々たるもので、それが何人にもふくれあがるこその世界を救う、だ。

 

 だからあの勇者のような夢物語を語る事はしない……が、こいつの性格的に助けになることはどんな形であれしそうだった。

 

「へぇ?俺はてっきり神を殺しに行くのかと」

「そんな面倒な事するか。俺の目的は地球に帰ること、それだけだ」

「2人で、でしょ?」

「……そうだな……」

「ハジメ……」

「ユエ……」

 

 あれ?気のせいかな……2人の周りにめちゃくちゃ甘そうな桃が現れているんだけど。

 

 というかダメージがでかい。何故か凄く胸が締め付けられていて、目眩もしてきた……今俺にデバフが掛けられているに違いない。

 

「なぁアルタイル、今すっごく砂糖を吐きたいんだが、コーヒー無いか?」

『魔物の肉ならあるぞ?身体を分解して甘さも忘れるだろう?』

 

 確かにそれもありかも……いやねーよ。

 1人ツッコミで勝手に復帰する。ここで勝手に死んでたまるかっての。

 

 2人のラブラブ空間は今に始まったことではないようだな……多分奈落で培ってきた結果……なのだろう。リア充野郎め。

 

 するとやっと帰ってきたハジメが今度は俺の方を見て質問してきた。

 

「そういえばアルタイルさんは居るのか?」

「あぁ、そういえばまだ正式に見せてなかったな。ほれ」

『これは南雲殿、久しいな。随分様相も変わったじゃないか』

「ぐっ……不可抗力ですよ……」

 

 流石の化け物スペックを手に入れたとしてもアルタイルには勝てないようだ。

 ユエさんと違い彼はアルタイルの力を理解しているからこその反応……敬語に戻ってるし。

 

 アルタイルというと揶揄いは挨拶がわりのようで、今度は真剣な目でハジメを見つめる。何かを見定めるようにしばらくは目を離さなかったが、ゆっくり口を開く。

 

『……君は既に道を決めているか』

「あぁ。敵対する者はどんな奴等であれ殺す。ここ奈落で得た物だ」

「……」

 

 変わってしまったのは姿だけではない……生きるための価値観までもが変わってしまった。だがそれはもう仕方がないことで俺がなにか言える訳では無い。

 

 正直、驚いている……あいつの口から簡単に『殺す』と言う言葉が出てきたことに対して。親友がそんな言葉を口にするとは思えなかったし、だがこいつの様子から見て本気さが伝わってくる。

 

 しかし……しかしだ。それがこいつがここで見つけたことなら俺は何も言えまい。だってそれはハジメの覚悟を否定することにもなるからだ。

 

 ……後はあいつの性格が変わっても根っこまではそうそう変わらないだろうしな。

 もしこいつが危ない道渡りかけたらそこから引きずり戻すことにしよう。それが友の出来る最大の返しではないかなぁと思う。

 

「まぁ、俺はお前と敵対しねぇし問題ないな」

『それは些か甘い目論見だ。君の事だ、どうせ女性の話で見解の相違が現れ殺し合いに……』

「なぁ、俺ってそんなイメージなのか?そうなのか?」

 

 今度アルタイルと俺の認識についてゆっくり話し合わなければならない。

 

「あぁ、とりあえず俺もその生成魔法?を取りたいから場所を教えてくれ」

「ん……3階の奥の部屋にある」

「魔法陣を踏めば解放者からのレクチャーと共に受け取れるぞ」

「サンキュ、そんじゃあちょいと失礼するぜ」

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「こいつがオスカー・オルクスのようだな」

『ふむ……彼が生成魔法の使い手でもあり、解放者の一員となると目的は継承か……』

 

 ここも割愛しようかな……だって内容がほとんどハジメの言ったことと同じだし!このまま彼の話をタラタラ聞き続ける程みんなも暇じゃない。

 

 はい、ここはカットで。

 

「……話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

「やっぱ長ぇよ」

『……言いたいことは分かるがここは空気を読むべきでは無いのか』

 

 うん、確かにそうだとは思うが……とにかく、ホログラムに写ったオスカーが言い残した言葉と共に、頭の中に知識が入り込んでいく。

 物体の生成……物質から魔力を通して新たな物を生み出す力……これが噂の生成魔法。

 

『なるほど、これが生成魔法か……確かに南雲殿には絶大な適性があるな』

「あいつがここに辿り着いたのも一つの運命かもしれないな」

 

 ハジメがこれを手に入れたら、錬成師による生成とあいつの現代の知識が無双する羽目になる。

 多分これであいつは機械や兵器など、細かい構造の奴らまで魔力で全てカバーした状態で複製、作成ができる。更にはここに存在する魔法も複合させればア○アンマンのように空飛んだりリパルサー撃ったりもできそうだ……

 

 てかこれやばくねぇか?マジでファンタジーという概念が崩れる気しかしないんだが……まぁ、そこはおいおい見ていくとするか。最初から現実離れしているのだから、それが壊れたって問題ないだろう。

 

 と、そういえばこの魔法俺にはどんな感じで反映されるんだ?

 ハジメやユエさんは何かを作り出すって事で適性があったが、俺は別に魔法とか使えねぇし、武器もこの体と森羅万象(ホロプシコン)くらいだ。

 

 下手すりゃあ適正ゼロだったりする?いきなりメンタルブレイクはキツイんだけどなぁ…

 

 だがそれは杞憂で済んでくれた。答えはステータス画面を開くとしっかりと反映されていた。画面に追加された技能を目にして思わず乾いた笑いが出てくる。

 無限の可能性を確かに生成魔法はくれたようだ。

 

「これは──」

 

 ……あー、一言で言い表してもこれはかなりチートだな。




ちょいと補足

南雲ハジメ
→ユエには久遠のことを話しており、「唯一で、一番のの親友」と呼んでいる。香織たちとの交流があるものの、やはり彼の人生に大きな影響を与えた彼の存在は忘れられないらしい。それは今も同じで、ちゃっかり奈落で再開した時笑顔を隠せずにいたらしい。

ユエ
→ロリっ子吸血鬼の属性は久遠にも刺さっている。だが本人は勿論彼女がハジメのだと承知しているので程よい距離関係で保っている。尚、ユエから見た久遠の印象は「若い頃の優しかったおじ様(ギャグ要素は抜く)」吸血もしたが、味は「栄養ドリンクの味」に似ているらしく、魔力は十分に貰えるもののハジメのが1番のようだ。

 はい、説明会というか、日常回というか…一応間接的にえっちぃ所は表示したけど、流石にR指定は喰らわないよね?…喰らいませんよね?
 自分としては、2人の再会を書くことが出来てとても満足しています。こっから物語が始まるんですからね。ユエさんとの関わりもどうにかしてねじ込んでみたいですね…楽しみが増えるばかり〜

 さて、いよいよ1章も大詰めとなりました。2章へ行くのは恐らく来年になりますが、ちょこっとだけネタバレしましょう…私からのクリスマスプレゼントということで!

??「2章では私が登場するです…原作にも居ましたけど、あちらでは覚醒してて…今の私と比べて見る影も無いですね」

誰でしょうね〜…それでは、また何処かで会いましょ!メリクリ!

ヒロイン枠誰か欲しい?

  • 雫(1番匂わせているキャラかな)
  • リリアーナ(現状漫才ポジにいる)
  • レクリの誰か(作者めっちゃ困ります)
  • アルタイル一択(出番もっと増やせや)
  • 要らない(久遠は孤高でええやろ)
  • ユエさん(NTR!NTR!)
  • 香織(昼ドラ展開!?)
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