弥勒寺さん、かっけぇ…そもそも板額を持ち合わせているのが戦力2倍だから反則なんですよねぇ…二大勢力に完全に別れてしまった回となった今回。
また、ついにアルタイルの真名も露になりました…このシリーズ通してのことですが、彼女の出番がもう少し欲しかったなぁと思ってます。
お久しぶりです、もう2月後半ですね…ヤバいじゃん、1月3つしか投稿できてないじゃん…てことで早速行ってみよう!
ハルツィナ大樹海……傍から見るとただの森林、だが一足中に入ればたちまち霧におおわれて方向感覚を見失う、迷宮と言ってもいい場所だ。
その奥を進むと、自然が形成した住処であるフェアベルゲンが見える……獣人達が住みつくそこは豊かな自然が生み出した幻想的な空間が拡がっている。
この世界では観光名所にもなるだろう……
尤も、人間を嫌っている獣人達が気安く俺たちを入れるとは思っていないが。
そんな森の中て俺は今……花を毟っている。
無言で、無心で、ただ目の前に広がる花を根っこから抜き、花弁を1枚1枚丁寧に契り、右の空いたスペースに置いている……
……かれこれ1時間 ……1時間もだ。
何も考えず、何も感じず……ただその仕事を淡々とこなす機械のように……
…………
……
…
『……余が言うのもなんだが、作業回は一定のニーズは持ち合わせて居るものの、文面では読者の興味を削がせる他ならないぞ』
「…………はっ!?俺は今まで何を!」
『本当に無心だったのか……』
呆れ声で我に返った。そうだ、こんな所で話終わらせて溜まるかぁ!
……ふぅ。思考も纏まってきた。
改めて現在の状況を説明しよう。今俺たちはハルツィナ樹海の一角をぶんどって訓練やら、休憩やらを繰り返している。
今も静かで澄んだ森から時説聞こえてくる轟音、発砲音はハジメがハウリアを訓練している音だろう。紆余曲折あってあいつが自分から彼らのインストラクターになって温厚な彼らにも持てる防衛手段を教えているらしい。
……何やら悲鳴や嗚咽まで聞こえてくるが、多分大丈夫だろう。
一方、同じようにして耳を澄ませば打撃音や風を切った音もしてくる。シアがユエさんから何か教わっているらしい。後で寄って見るか。
そして自分は今……花を毟っている。
いや、これにも意味があるんだよ。他が訓練しているのと同じく、俺も力を入れるための過程としてこの作業をしているのだ。
だが、全然足りない。今とった花弁だけでは本来の10パーセントも行かない。
だがこのまま続けるのも、俺の精神が持たねぇなぁ。
「アルタイルー、何か話そうぜ」
『無駄な会話は必要ないと思うが?』
「いいじゃねぇか……ほら、さっきのドンパチとか、ハシメの天然とも言えるイケメンムーブとか」
『あれは最早、それを演じているのではないか疑う場面だと思うが……まぁ、一興を楽しむのも吝かではない、か』
よし、乗り気だな!
何だかんだでノリがいいアルタイルである。それじゃあ、改めてあれから何があったか行ってみようか。
「俺たちは帝国兵の掃除をした後はフェアベルゲンに到着して、ちょっとした一悶着を経て長老会議に参加したわけだ」
『……久遠、何処かに電波放ってないか?』
果て、なんのことでしょう……だが兎に角、そこで面倒な事に巻き込まれた。人間が獣人を道具としか思ってないのと同じく、獣人も人を信じられなくなっていたのだ。
そりゃあなぁ、差別対象の人間が樹海に入ったとなると警戒はするだろう……熊人族が多少自身の力を過信しすぎていた節は感じたがな。
出迎えも戦闘する気満々だったからなぁ……殺意たっぷりの視線で俺らを歓迎してくれた。
勿論、そいつらはハジメが一蹴、熊人の頭領らしき野郎もボコボコにして再起不能にした……顔面やら腕やらもう治ることはないだろう。あの場にいた長老ともどもトラウマを植え付けられたに違いない。
結果、ハウリアは俺たちを大試練の場へ連れていくガイドを引き続きになっていく事になり、彼らが咎められる事はなかった。
これもそれもハジメが兎人族を庇いながら他の獣人の重鎮達を脅してたからなんだが……
その時のセリフが何というか……
「あいつ、完全にシアに惚れられたよな……いつの間にか攻略ってのをあんなスピードで行う奴初めて見た」
『無自覚なのか、それとも策の内か……何はともあれ、彼女の同行の想いは一層強くなっただろう……でなければ率先してユエ殿に頼み込まないからな』
そうそう、そしてシアは何とユエさんに戦闘のイロハを叩き込んでもらいいているのだ。今も現在進行形で鍛錬を積みながら実践経験を積んでいる。
これもハジメについていきたいからの一心なんだろうけど、あの化け物についていくためには相当な訓練をしなきゃすぐに置いていかれる。
……だがまあ、ユエさんが快諾している感じから見るに、何かがあるんだろうなぁ、あの子には。
そもそも、一族の事をビジネスとはいえここまで気にかけてくれるハジメに感動したってのもあるし、彼女の未来視に映っていた彼以上のものを感じたに違いない。まさに恋する乙女一直線である。
1人の男として、彼女のハジメに対する想いが成就するのを楽しみにしている!
「他人に気を向けるのは君の勝手だが、先ずはその手を動かしたまえ。世の能力を生かしたいのだろう?」
「お、おう……いや、自分のパワーアップのためなら惜しまないんだが──」
一旦動かす手を離し、大きく背伸びする。さっきから数時間もこの体勢を続けていたら流石に腰や背中に痛みがくる。
手についた土を払いながら、右側にこれまでに積み上げた山を見下ろす。そこには何種類もの花々、葉っぱが連なっていた。おお、このまま童心に帰って落ち葉の山みたいに突っ込みダイブしてぇな……
ここハルツィナ樹海は数万年もかけて形成された土地で、そこには種族の繁栄のほか、豊富な種類の草花が存在している。彩り豊かな観賞用もあれば、毒、麻痺の効果がある危険なものまで。
それらを俺の今後の能力のために採取しているのだが……
「ここにある薬草とか、花とか必要なのか?」
『
アルタイルの奴……自分が集める必要は無いだろうが俺の気持ちにもなってみろ……草むしりずっとやってるようなもんだぞ。
それにしても、表象天理か……別の物にすり替える能力……質量は全く同じでなければならない代わりに、自分の因子収納から自由に取替が可能だったよな。
なるほど、アルタイルはこの能力で相手の武器、機種を分解していたわけだ。武器を無力化させると同時に、それは彼女の因子収納に入る……チートだな。
……だが、よく考えてみれば取り替えようのものもこんな風にチマチマ作業していたって事か?
「なぁ、アルタイル……お前地球に限界してから数日、まさか今の俺みたいに草むしりしまくってたのか?」
『余が君のように頭を地に近づけるとでも思ったか?草刈りなど剣でやれば良いだろう』
あぁ、そうだったな。こいつにはサーベルが何本もあるんだった。切れ味抜群、そりゃあ花や雑草も綺麗に刈り取れるな。
……だが、考えて見てほしい。最強の被造物、彼女の儚くも残酷で美しい技の裏には、地道な草刈りかあったってこと……
セレジアの武器や、アリステリアの槍を花に変換させた……それも地道な努力が重なっての事。
……あの舞い散る花弁は、裏山に生息する花々から取られたものであった……
「……ダッさ……プっ、絶妙にダセぇ……」
『何事も成果を成すためには過程は必要不可欠だ。余という成果もセツナの万にも及ぶ努力が総じて生み出されたもの……余もそれに則っている……それだけだから貴様は手を動かせ!!』
「へいへーい、努力しますよ、努・力」
『グッ……その面に
まぁ、ここにある植物のうち幾つか毒花もある。入れ替えたと同時に、その花の鱗粉を飛ばして相手を麻痺させる──何てトリッキーな事も出来るわけだ。
そう考えてみるとこの作業も戦いには必要に思えてくる。
「まぁ、良いじゃねぇかよ。努力の先に力はあるって言うしな」
『ふん……今更世辞の言葉で機嫌取りをしても無駄だぞ』
「いや、本心だから……ってか、そうやって土台を固めていたアルタイルは素直にカッコイイと思うぞ?セツナさんも鼻が高いだろうな……」
セツナさんのあの感じ、絶対ひたむきに頑張るキャラだろうし、そんな彼女の性格がアルタイルにも表れているのかもしれん。
『…………そうか』
「……?」
俺から顔を逸らしていた。えっ、そこまでNGだったか?
いや、本当にご機嫌取りで言ったんじゃないぞ?本心だからな?
心知らずか顔が赤いような気もするが……アルタイルに限ってそりゃあねぇ。大体ホログラムで今ここに映ってんのに、なんで赤らめてるって思ったのやら……
あっ、セツナさんを褒められて照れてんのか?
はぁ……このままじゃあ拉致があかん、一旦アルタイルとのおしゃべりも中断して集中するか……
…………
3時間後〜
…………
「ふぅ……だいぶ集まったな。これなら相手を騙すくらいは出来るだろ」
『……空間把握の能力が加われば原子なども収集できる。気体と交換させて相手を倒す事も可能だ……現在の能力では敵わないがな』
「何かこの能力、派手なのに裏ではたゆまない努力が成されてんだな……肩、腰、背中までがバキバキだぞ……」
右にはなんと俺より身長の高い小山が出来上がっていた。いやぁ、マジで頑張ったと思う。文字では絶対伝えられない達成感が今俺の中で溢れてやがるぜ。
すかさず、因子収納で今まで集めた花弁の山を回収する。この因子収納は毎回使うと何処かで必ず「増えた」と感じる。今回も何か容量が埋まったイメージがしたのだ。
アルタイル曰く、細かな因子として貯蔵されているので痒い程度には感じるようだ……つまりはアルタイルも毎回サーベルを出す事にこの感覚に陥ってたわけか。
……何か
あいつも案外、抜けている所はあるんだよなぁ……普段のイメージが強すぎて全く感じないが。
彼女と出会って3年は経っている今、自慢ではないが性格がだいぶ掴めてきたと思う。
彼女へチラッと目をやると、何かぶつぶつ独り言をしながら1人で黙考している。時説俺の名前も聞こえてくるし、俺が扱う
お前の能力だってのに、俺の事を考えるとか、お人好しはお前じゃないのか?って、違うな。セツナさんの生み出したお前はそんな子だったんだ。
アルタイルのあの大仰な態度にも、回りくどい言葉にも、本心はしっかりと出ているのだ。今も俺が全部回収するのを電源切って待ってくれればいいのにわざわざその利用方法を考えてくれている。
本当はすげぇ真面目で、優しくて……芯の通ったただの少女なんだよ……って本人に言ったら殺されかねねぇな。
だけどな……俺に
「■は、■■■人■■■■い……人■■■■■■から──」
いつか、彼女の本当の気持ちも──
『っ!……久遠、ユエ殿の方から反応がある。何か動きがあったようだ』
「ん、そうだな……っし、俺らもそっちに合流するか!」
──それは、俺が勝手に思っても意味ねぇな。
まぁ、あいつ自信がそれに気づいてんのかは分かんねぇが、別に言わなくてもいいだろ……アルタイルなら、きっと自分でその本心に辿り着けるし。
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「あっ、一之瀬さん!……うぅっ、一之瀬さん……」
「思い出したかのようにユエさんの後ろに隠れやがる……あの時はやり方が乱暴すぎたから、悪かったって」
『そのような謝罪程度で普通は許してなどくれないと余は思うのだが……』
まぁ、今更となってあの行動はやりすぎだとは思ったが……それでもここまで避けられるものか?
とにかく、ユエさんとシアは小さな滝が流れる辺りで休憩していた。なんか大きな魔力反応があったから来たんだが、イベント終了していたみたいだな。
シアの状態は……何か鼻水と涙の後で酷いが、ユエさんの背中越しでもわかる上機嫌……なんかいい事あったんだな。
そういや思い出した。確かシアのハジメへの同行条件って──
「どうだったんだ?ユエさんに1発当てたら同行できるって約束」
「ん……失敗した。私強いから」
「はっ!?ユエさん嘘つかないでください!かすり傷ですが、ちゃんと当てましたから!」
マジか。確かにユエさんの頬に回復の魔法を使った魔力跡が残っている。本当にシアが1発与えられたらしい。
俺もアルタイルも思わず彼女に賛辞の言葉を送る。
「おおー、おめおめ」
『ほう……ユエ殿の隙を突くとはなかなかではないか』
「えへへ〜、私頑張りましたから!これでハジメさんと一緒に旅ができます!」
わぁ、今までで一番幸せな顔してらぁ……こりゃあハジメも覚悟しなきゃな。
少なくともハーレム確定だ。これでユエさんとシア、あと香織が遠距離からの狙撃狙ってるだろうし。ふっふっふ……いじれるネタが増えるばかりだ!
「でもどうやって……ユエさんの魔力に勝てる魔法とかねぇよな?未來視も常時発動できないし──」
「それはこれですぅ!……はぁ!」
そうしてなにか気を込めるかのような仕草をしたシア。その瞬間、周りの空気が僅かにピリつき、彼女に魔力のオーラが見える。
おっ、ステータスの上昇が数十倍に膨れ上がっている。これはもしや!?
「身体強化か?」
「はいですぅ!ユエさんが、この先私が強くなるためにはこの魔法が良いと教えてくれました!」
「ん……シアの身体強化の才能は凄い。魔力持ちの中でも群を抜いてる」
「マジか……」
『俄然、接近戦で輝く才能だ……これは化けの皮が剥がれる時が楽しみだ』
アルタイルがほくそ笑んでいやがる。新しい玩具を見つけた時のような顔してるし……
でも確かに目の前の少女を見ているとワクワクはしてくる。
身体強化ってそもそも魔力をそこまで必要としない代わりに、遠距離魔法という絶大なハンデを無くしたピンキリ魔法だ。どれくらい強化されるか、そしてその強化をどれだけ物にできるか……
今回ユエさんに一本取るってことは、それだけ彼女の身体強化の親和性は高かったのだろう。
だが身体強化は彼女の戦闘スタイルが如実に現れるようになるのだ。もし肉弾戦の才能がなければ、身体強化は宝の持ち腐れとなるだろう。
……何が言いたいかって?
「っし、シア!取り敢えず1試合殴り会おうか」
「いきなり!?一之瀬さんもバイオレンスですねぇ!」
『そう言うでない……君の身体強化の互換性を確かめたいのだからな』
そうそう、お前の身体強化による格闘術……今まで相手がパターンばっかの魔物だから、まともな対人戦は今回で初となるのだ。
俺もその感覚を味わっておきたいし、アルタイルも分析したいのだろう。俺ら2人揃って戦闘バカだなぁ。
するとユエさんがシアの隣にたち珍しくドヤ顔で言ってきた。
「ん……油断していたとはいえ、私に傷付けた弟子、シアの実力を思い知るがいい」
「なんでそこでユエさんが誇るんだよ……ってかいつの間にかシア弟子になってんのか」
それならますます負けられねぇな。シアに負けたらユエさんの弟子に負けた=ユエさんに負けたというシチュエーションになりかねないからな。
2人が戦闘していた場所に俺らも向かい合って立つ。俺は脚を少し広げ、シアはボクシングのポージングで拳を手前に待機させた。
ユエさんが審判の元、試合は行われる。
「それじゃあ、何時でも来いよ。お前の戦いを見せてみろ」
「はい……行きます!」
「ん……それでは──試合開始」
ブォン!
ユエさんの合図の直後、シアの拳が目の前まで来ていた。すげぇな、これが身体強化による俊敏性か。ハウリアも足の速さはそれなりにあるから少しの強化で十分翻弄することは出来る。
……まぁ、あくまでも普通の奴らで、勇者パーティ辺りなら多分視認できちゃうな。かという俺も余裕で見れちゃってるし。
少し後ろに下がって脚をあげる。そのまま拳と相対させると、予想していたのかシアは直ぐに次のモーションに入っている。
早い、時間の進み具合がいつもより早く感じられる。相手が強者であるほど、陥る感覚だ。
そこからは接近による格闘のガチバトルとなった。交わる拳と脚。シアは前に進みながらパンチと蹴りを繰り出し、それを俺が基本脚技で対抗している形だ。
右ストレートは膝でいなし、2発目をそのまま脚を伸ばして対応。
相手の腕2本に対して俺は脚1本で対応出来る……やっぱり脚技は俺の性に合っているらしい。
それにしても……こいつ本当にあのハウリアなのか?数日前に見たシアのお父さんやその他の奴らは花を愛でる戦闘民族とはかけ離れていたんだが……
それでも今の彼女は多少は攻撃に粗があるものの、相手に対する攻撃の執着、そしてどこを狙うべきか分析もしてる。
この数日で学んだ戦闘に対する想いは、ハジメに着いていきたい一心って言ったが、こいつの想いは本物のようだな!
……今も俺が繰り出した回し蹴りを腕で防御しながらもう片方の腕を俺にノーモーションで放っている。これは蹴った脚の膝と腕で挟む。
すると硬直状態をついて彼女は片方の脚を上げながら俺の顎を狙っていた。もう片方で俺を殴るのは読まれる事を考慮しての膝蹴りだろう。
えげつない事考えるなぁ。体の柔軟性に驚くぜ。
確かに俺が今までシアの拳だけ見てたから、彼女の膝蹴りは少し予想外だった節はある。
無論、あくまで予想外でしかなく、対応できないわけがないんだがな。確かにあいつは攻撃をしてきた……だがそれは予想外の体制、即ち彼女が無理な体勢をしている時に放ったからだ。
硬直体制を無理に動かしているので追撃の際バランス感覚が酷く失われている。このまま俺に当てても、自分は後方に倒れてしまうという、一長一短の荒技だな。
1度ケツを地面につけるとこういう試合では敗北とも言えるだろう。なのでシアはこの一撃で全てを決めようとしたのだ。
……フッ、だけど甘々だな!逆に考えて見ろ……俺はお前のその一撃を避けさえすりゃあ勝てるってこった。
目の前に迫り来る1本の不安定な攻撃……そういう時は一本線にしか行かない彼女の到達場所から少しだけズレればいい。挟んでいる手足を一瞬で解放して──
そして一気に彼女との組合から離れる。
「へっ?……あわわわ!!」
「そぉいっと」
勢いをつけすぎて空中開脚のようになったウサミミの、軸足を掴んで、近くの池に放り投げた。綺麗な放物線を描いて着弾する兎……ビューティフォー。そのまま池に頭から突っ込んだ……同時に身体強化の魔力が消えた。
これで取り敢えず俺の勝ちだな。初めての対人戦、なかなか勉強になったぜ。ユエさんからの「ん……一本」も頂く。
『久遠、シア殿の身体強化の魔力が途切れている……このままだと窒息死だぞ』
「おっとそりゃあまずい」
急いで救助に向かう。幸い、沈んでいた時間は短く本人も命に別状はないようだったが、水浸しは避けられなかった。
池にダイブしちまったからなぁ……
ユエさんの魔法で乾かしているが、その顔は再度涙と鼻水でぐしょぐしょになっていた。
「さっきはユエさんに氷づけにされたのに、今度はびしょ濡れになりました……それ以前にまた投げられました……グズん」
「あー……すまん。つい条件反射で〜」
「もう!一之瀬さんは投げなきゃ済まない人なんですかぁ!」
……否定できなくなってきている自分がいるな。普段の戦いは脚技が多いせいで、拳での闘い方に慣れていないのだ。
脚での戦いで重要なのは距離を詰められた時。リニューアル技は特に準備段階では一定の距離が必要となる。なので基本はその距離がなければ繰り出せないのだ。
距離を取る方法は俺の中では二通りある。自分から取るのと、相手に取らせることだ。その際、相手にダメージも与えられるのは校舎も場合だ。だが脚が使えない今、次に利用するのは──そう、手だ。
そのせいでなぜか手は「投げ」の体制になることが多い。相手に距離を取らせるためだ。
……なるほど、だから俺シンプルな投げがうまいのか。バイクの時もそうだったし、ネアを助けた時もハイベリアの頭を投げてたし。
シアがびしょびしょになっている側で、疑問が晴れた俺だった。
「それにしてもシアの身体強化もよかったぞ?あの緊張感は今までにはなかった」
『全ステータスは6000前後か……
「ズズズ……それは良かったですぅ……っぐしゅん!」
「ユエさん、すまん。もう少し彼女に温度高くしてあげて」
……そんなこんなで、シアとの初戦闘は俺の勝利で終わった。うん、ユエさんの弟子とか言ってたけど、彼女は俺のいいライバルになりそうだ……格闘者として。シアの素質……ハウリアでも随一の秀才だな!!
だが、俺は知らなかった……ハウリア全員が、大分ヤバめの素質を持っていたことを──
ちょいと補足
一之瀬久遠
→努力は割と好きな方。彼のゲームからも分かるが、従来のRPGタイプであるコツコツとレベリングをすることは惜しまない。よって裏方作業とか、主役の影でコツコツやるキャラであったりする。
アルタイル
→努力は正直苦手な方…だがそれは純粋に嫌いとかではなく、彼女の努力が変な結果に及んだりするからである。かの戦いで資金を集めるための方法として短期バイトへ乗り出した彼女だが、何れも夜の営みに発展しかねない割とアウトな内容で最終的には森羅万象をぶちかました過去がある。(コミックス参照)
ハジメの長老会議でのひと暴れはぶっちゃけ一之瀬が介入する所ないのでカットしました…まぁ、物語の根本はズレないスタンスで、基本はハジメが主人公プレーですからね。
改めましてお久しぶりですっ!…1ヶ月ぶりとなってしまい仰天ビックリ。2章の構想に色々と迷っているうちにどんどん日が進んでしまいまして…
ネアちゃんを入れることでどれを追加するべきか、どれをカットするべきか。色々試行錯誤するのも二次創作の醍醐味ですが、そのせいで遅らしてしまったことには反省しています…
ストックは溜まったし、暫くは落ち着いたペースで投稿出来そうです。
あっ、でも次回のエピソードはカット無しだよね…それもそのはず、次回はあいつら、やべー兎集団がやって来る!
ニアさんの設定はどっちに寄せる?
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原作(茶髪、メガネなし、小顔)
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今作(橙色、メガネあり、インテリ風)