あれから5分くらい経っただろうか。今ネアは顔を全力で俺の方から逸らしている。俺のシャツはずぶ濡れになっていて、これが1人の女の子から流れた涙とは到底信じられない。
泣きまくっていたせいが、俺のところに涙を流しまくったからな。多分、彼女なりに整理がついたと同時にこの状況にしてしまった自分に悶えているようだ。
それでも、よっぽど抱え込んでいたんんだなぁ……一回こうやって気持ちを吐き出せて何よりだ。
……ただ、彼女が小さいこともあって、俺のズボンまでシミが広がっているのは何でだよと突っ込みたい。
これじゃあまるで俺がダイナミックお漏らしでもしてみたいじゃねぇか。ハジメらと合流する前に乾けばいいんだが。
パシャリ
……ん?今、結構まずい落としてなかったか?よく俺がハジメ×ユエさんのお楽しみシーンを盗撮する時のような音がした気がしたんだが?
シャッター音の方を振り向くと、ちょうどアルタイルが俺の方を見てにやけていた。同時にまた同じシャッター音。
うぉ──いちょいちょいちょいちょ──い!!
「何勝手に人の羞恥を撮ってんだアホ!」
『阿呆はどちらかな?今の君の状態、なかなか珍事だぞ……劇団で登場すればまばらな拍手と共に会場が侮辱の笑みに包まれるぞ?』
「なんだその最悪の様なシチュエーションは!?ご丁寧に、内カメラで撮りやがって──んぁ!アルバムに鍵かけてやがる!!」
スマホを手に、ダダダっと連打するが強固なパスワードロックがかけられている。俺の記憶にあるパスコードを入れても無反応だ。
こいつ、いつの間にかアルバムの写真所有権を手に入れてやがる!前までそんなこと無かったはずなのに──
まさか、と彼女の方を向くと得意げに話し出した。
『フッ……今になってようやく気付いたか。余も少しは能力が拡張されて本来の力を取り戻しつつある。そのうち、生成魔法でスマホ内の機能をジャックできるようになった』
「サラッととんでもないこと言うな……ん?それじゃあネットとかで現実の世界に繋がれたりできないのか?」
『それは不可能だ。こちらへ転移した時点でwi-fiもネットも全て接続切れだ』
そうか……となればスマホは完全に地球とコンタクトをたたれてるってよんで間違いなさそうだな。
もしかして、外部からの連絡を奇跡的に受信できる環境に持ち込めるかもしれないと踏んでみたが……流石に厳しすぎる。
と、何故か俺の返事に不服そうにしているアルタイル。むすっとした顔なんて珍しい。
「……なんだよ?」
『別に……何も無いぞ』
「……お前、もしかして俺に『うわースッゲェまじでやべー』とか言ってもらいたかったのか?」
『そんなわけないだろう……まぁ、少し反応が薄かったのは誤算だが──っ……』
「………………え?」
あれあれ……なんか不貞腐れてる!?マジで!?
あの傲慢高貴なアルタイルが承認欲求を?確かに、この能力彼女なら情報共有として真っ先に報告してもおかしく無いだろうに。
それって今までに無い……というか、隠れたキャラ的なあれか?それともこいつ、この時間の中で成長してやがる!的なやつか?
どちらにせよ、今日1番の驚きかもしれない。アルタイルの一面が発見できて、俺は大興奮である。
オーバーかもしれないが、これって結構すごいことなんだぞ?
『……っ!その顔をや・め・ろ!』
「何だよ〜お前も結構可愛いところあるじゃん?そうかー、お前にもそんな時期が来たのか……」
『そろそろその減らず口を閉じろ。君の無礼な態度に不快を通り越して虫唾が走る』
「へいへい……そう言う時期、なんか理由もなく孤高にたたずみたくなるよな?」
『……あぁ、本気で君の猿のような脳天に鉄槌を落としたい』
あっはっは!こりゃあアルタイルの成長が見れて大満足だ。
……このままだと本人がブチギレて口を聞かなくなるのでそろそろ話を切り上げるが。でも嬉しいのは確かだ。
少しづつ、彼女にらしさが出来ている……
「……えっと……痴話喧嘩は、終わりました?」
「おう、悪かったな待たせて」
『ネア、今すぐその言葉を撤回しろ。余の肩書きに妙な物を付けられては困る』
ネアがどうやら俺らの会話を待っていてくれたようで、俺の方へやってきた。その顔は涙でまだ晴れていたが、どうにか最悪の状態から立ち直れたらしい。
サラッとアルタイルの言葉をスルーしちゃうくらいのノリにまで回復しているし。
それにしても本当によかった……変な気を起こすのは今回でもう止めにして貰いたいところだ。
「さてと流石にお前の行動がどれだけ危なかったは自覚してるよな?」
「……はい、すみません。事実を受け止めれなくて……つい」
「……まぁ、今回は俺も監督不注意みたいなもんだし、アルタイルも若干暴走したりして運が悪かったってのもある。気にすんな」
……個人的に、誰かを仲間にして行動するのが新鮮だったからな。ハジメとユエさんのコンビは初めから問題なかったし。
あいつが奈落に落ちた時の俺の無意識な欲張りが露呈していたが、今回みたいに1人すら気づいてやらなかった時点でどれだけ無謀だったか……
自分のことをもっと理解しないといけないな。
と、少し物思いに耽っていたがこのまままたネアを放っておくのもいけない。落ち着いた今、そろそろ聞いてみるか。
「それで……聞き忘れていたが、お前はそんな終わり方でいいのか?」
「………………え?」
急な質問にネアは心底驚いているようであったが、俺は彼女の話を聞いて結論づけた。
ネアの状況……正直自殺とかするレベルには至っていない。追い詰められているのは確かだが、解決法はいくらでもある。
ある意味、ハウリアで特殊的な立ち位置だったから視野が狭くなっていたのかもしれない。
「異世界の俺が言うのも甚だ違うんだろうが、要するに謝罪と仲直りと友達に1発ぶちのめしたいんだろ?」
「え?ぶちの……え?」
「難しく考えすぎなんだよ。頼れる者が居なかったからだろうけど……まぁ、気持ちは分からなくもないな」
1人ぼっちでいることの辛さは……分かる。この時、1人の人物が頭に上がった。
それはアルタイルの創造者、島崎セツナさんだ。彼女も最後は1人だったからな。支えになる存在が居なかったのが、彼女の死を後押ししたのだ。
ある意味、ネアがあのまま自殺しちゃったルートを辿ってしまった子と言ってもいい。
でも今回は俺がいる……アルタイルがいる。彼女の手を取ってあげる人がまだいるんだ。
ってことで、先ずは彼女の意識改革から手掛けよう。
「先ず、お前は自分の罪をどう考える?」
「それは……一族の危機に──」
「あー、ネガティブは一旦なし……そうだな、結果論で考えよう。お前の行動でハジメという存在に出会えた」
あの時、シアが丁度のタイミングでハジメ達と合流しなければ、彼らの物語は終わっていたことだろう。
それはつまりシアの未来視をこの状況まで持ってくる必要がある。
運命はネアでここまで進んでくれたわけだ。滅茶苦茶な理由づけだけど結局はアルタイルの言う酒セスストーリーになったんだし。
「ハジメから戦う術を学び、力をつけ……もうあいつら亜人族の中では最強格だからな?シアも未来視を利用した戦い方も学んだようだし」
「で、ですけど……!」
納得出来ていない様子だが、俺は続けた。
少しはこいつの意識を明るい方向へ持っていく必要があるからだ。
「結果、お前の行動で彼らは救われた……言動はちょっとやばいが、間違いなく幸せになってるぞ?」
「……っ……」
思わず息を呑んだネアは彼らの成長した姿でも思い出しているのだろうか。
……いや、あの厨二に侵された姿は思い出すな。あれは完全にハジメの罪であり、成長ではないからな。
「2つ目。お前のやった事は確かに悪い。言わば情報漏洩、しかも機密の情報だからな」
「はい……それが原因で──」
「でもお前以上に秘密をあっさりバラした友達がいけない。ネアが訳ありの身は分かってたんだし、そいつはお前の優しさに漬け込んだとしか思えん」
理由はいろいろ考えられるが……狐族のフィア?だっけ。こっちの世界だとすごく賢いイメージがあるし……
フェアベルゲン内の部族でハウリアは序列低かったからなぁ。そう考えれば黒い事実が隠れていたりする。
悲しいことにネアに近づいた彼女は本当の友達じゃなかった可能性も……これは本人には言わないが。
「お前だって寂しかったんだから、誰かに秘密の一つ二つは共有したくなる。ハウリアの結束力は確かにすごいが、家族愛かって言われると微妙に違うからな」
ハウリアの家族愛は……うーん、あくまでも一族の特性が強かったからな。ハジメの訓練でもお互いのことを思って強くなったと聞いた。
だから、ネアのことも大事に育てたのは親の持つものとちょっと違う。親戚が総出で可愛がる感じか?
意識のズレはそこで生じている。ネアの思う家族と、彼らの思う家族。どちらも間違っていないが故にこの事態へと発展したのだ。
ぶっちゃけ、そこに関しても誰も悪くない。だからネアももちろん全責任を負う必要はない。
「で、だ。お前の存在価値は全然あるからな?シアやカムの様子を見てればわかる」
「でも、私のやったことを聞けば──」
「怒ると思うか?」
「……そ、それは……」
うまく答えられないな?それもそのはずだ。
家族が子供の悩みに気づけなかったとか、1番彼らにとって辛いことだろうからな。
「俺は逆に、自分達が気づいてやれなかったって自分自身を責めると思うぞ?」
下手をすれば暴走した時以上の衝撃を受けるかもしれない。何せどうしようもない事実に叩きつけられるだけだからな。
戻らない人の死はそれほどの影響力がある。
「で、お前が死んだら彼らの自責の念は晴れるとでも思うか?……天地がひっくり返ってもねぇよ」
当たり前だろう……家族が一族みたいな集団が、彼女の死に対してどう思うか……自分のせいだと思うだろう。
たとえ彼らが今の彼らであっても、答えは変わらない。
その答えに辿り着いたのだろう。真っ青なままネアは口を開こうとしなかった。
自分の行うべき償いを見失ったからだ。力をつけるにも、今の自分には彼らを守れる才能がない。死ぬ事さえ、彼らに底知れぬ不幸を渡すことになる。
もう、何をすればいいのか分からない……そんな表情だ。
口で追い詰めた俺が言うのもなんだが、酷い顔だ。
「プギャっ!」
「ほら、そんな顔すんな。別に全然手はあるんだから」
こいつの頬っぺた、大福みたいだな。ハウリアのチャームングポイントはウサミミ、うさ尻尾以外にもあるらしい。
そのままウニョウニョさせながら彼女にやるべきことを指示した。
「だから言っただろ?謝罪だ。先ずはシアにでも謝って、その次にみんなの前で謝って、お前の元親友とも決着をつける」
「ふぇ、ふぇも……ふぉうふれはいいんぅえふふぁ……」
あー……この感じ、「でも、どうすればいいんですか」って言ってるのか?
もちろん、ネアをスカウトした時に決めていたことでもいいんじゃないか?
「当初のプラン通り、ここで死ぬほど鍛えて、世界を救っちゃう程度の力を得たら……安心させられるんじゃねぇの?」
「それで、贖罪になりますかね……」
『弱気になったものだな。そもそも、余の訓練の0.8%しか遂行していないのに、軟弱な心構えじゃないか』
「……」
あっ、ネアの目が分かりやすく死んだ。何で毎回アルタイルは思いっきり言っちゃうのかなぁ……
てか、あれだけの濃密スパルタで1%言ってないとか、こいつの目標意識どれだけ高いんだよ。
だが、一理あるな。スタートラインが俺らと離れすぎているとこの先ついていけない確率は高いからな。
そこで、と俺は因子収納から一つの肉を取り出した。相変わらず気色悪い見た目をしているが、それでも味は幾分マシになったはずだ。
「ほい、これなーんだ」
「……これはさっきの──」
「そうだ、魔物の肉」
「っ!?」
未だに残る禍々しさに息を呑むネア……当然だな。魔物の持つ能力は害にもなる……この世界では常識だ。
だが、俺らみたいな頭のおかしい集団はこのドーピングをしてきた。それなら、この子もこれを取ればいい。
ついでに神水も取り出して横に置いた。これらさえあればパワーアップは間違いなし。
「ハジメが魔力操作を持っていることを知っているな?それは魔物の肉を食べたことによって得た能力だ。この肉は奈落で手に入った魔物だ……蹴り兎っていう、奈落の魔物でも弱い部類だがな」
「そ、そんなの……」
「因みに味は焼き兎のテイストにしてある」
「怖い!共食いさせるつもりですか!?」
えー、でもちゃんとした理由はあるんだぜ?
魔物から得られる力には種類や強さによって違う。強い魔物はその分蓄えている魔力が段違いに多い。
だから強力な魔物肉を食べるとその分体にかかる負担は大きい。回復アイテムがなければそのまま命を落とすほどに。
そして魔物の種類、これは魔物の持つステータスによって変わるわけだ。熊の魔物は筋力、トレントは魔力、魔耐が上昇する。
そして兎は当然、俊敏が上昇する。ネアはもとより俊敏が早いので尖らせる方が才能が光るんじゃないかと考えている。
実際、アルタイルから何もないと言うことはこのチョイスで問題ないだろうしな。
その説明を聞いてなお、ネアの表情は苦いものだったが。
「うぅ……確かに」
「まぁ、要するにだ……ネア・ハウリア。お前も化け物にならないか?」
『その言い回しでは断られるの一択になるぞ……』
んー?大丈夫大丈夫、別に断ったら死ぬまで戦い続けたりはしないし。
「あくまでも一つの案だからな……欲に従うべきだ。お前は、ハウリアに自分を示すために何を成す?何をする?」
ネアの答えは、その肉を手に持ったことで表された。
「……ハムっ」
食べた……てか食べるときの声が可愛い。だがそんな感想はすぐに消え失せた。
変化は彼女の喉を過ぎた直後から始まる。
「うっ……あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!」
「おら、これが神水だ……ちゃんと飲めよ」
何とか握らせた神水の入った瓶を、彼女は口に入れた。
肉体に迸る濃密な魔力。それにより分解されそうになる体を、神水が何とか繋ぎ止めてくれる。
しかしその痛みは想像を絶するものとなろう。体の体温は馬鹿になり、まともな思考もできなくなる。
正直、俺もあの時あの声がなかったら死んでたかもなぁ。
そんなことを思い出していたら、早速外見にも変化が現れ始めた。今度は体から適応していく段階だ。
濃紺だった髪がさらに濃く……まるで深海のごとく包み込むような色に変化していく。身長も二、三センチほど伸びる。元々あった胸も豊満に──って、12で持つレベル超えてるだろ……
少なくともアルタイルの機械的な目でも羨望の眼差しが分かるくらい彼女は変貌したのだった。
そして同時に彼女から魔力反応。間違いなくステータスも爆発的な変化を起こしている。肉体が荒れ狂い魔力が極限まで彼女の体内を巡る。
そしてしばらくの間はネアが苦しみにもがきながら神水を少しずつ飲む時間が過ぎていった。その間俺もアルタイルも見守り続ける。
俺は因子再生……ハジメは神水で難を逃れたが、あの時も強い想いが精神を途切れせなかった。
つまり鍵を握るのは「何にも負けない強固な想い」なのだ。
ネアの場合は、「ハウリア一族を守りたい想い」になる。
誰よりも一族を想い、愛した彼女はそれを進化の土台にして、1歩次のステージへと向かう条件を満たしている。
あとは彼女の根性でどれくらい耐えられるか、だな。
……と思ってたんだが──
「……はぁ……はぁ……っ……」
「早っ……もう耐えきったのかよ」
『やはり彼女には一種の才があったようだ……それに……』
想像の2倍くらい早く収まった。いくら何でも早すぎるだろ……やっぱり何かの素質があるのか?
同じ神水でドープングしたハジメの数倍短い時間で身体の成長を遂げているのだ。
そして同時に何か、彼女から感じるこの違和感。
何処か思い出させてくれる懐かしい感覚。感覚っていうより……野生的な殺気?
「この感覚……もしかして──」
『どうやら終わりを迎えているな……あぁ、これで新たな化け物が世に誕生したわけだ。責任を持たなければな、久遠?』
「どの口が言うんだか……」
空になった瓶を落とし、ゼエゼエと床に突っ伏すネアは完全に別人と化していた。その変化は近づくとよりはっきりと分かりやすかった。
黒に近い鮮やかな紺色の髪は瞳にも反映されており、引き締まった体からは改造されたハウリアに似た肉体美を感じる。でも出るところは出ている、ナイスバディ。
雰囲気は……そこまで変わっていないようだ。ただ、弱々しさを感じない。多少の影響が感情にも及んだのだろう。
その証拠に、目からなすべきことをなす闘志の熱があった。そのまま立ち上がり、俺の方を振り向くと律儀にお辞儀してくる。
「イチノセさん……ありがとうございます」
「例には及ばん……ってかここまで強くなるとは思ってなかったしな……」
さっきから感じるこの異様な気配がすごく気になるし、ステータスの鑑定は使えないからわからんが……オール500くらいはあるよなぁ……
あれ、俺の時って確か……俊敏と魔力がそのくらいで、他は低かったよな?
えぇー……そんなに強化されてるなんて予想してなかったんだけどなぁ。
才能の差を感じて、ちょっと悲しくなった。
だが予想通りの物もあるらしい。アルタイルがネアを眺めながら変化の結果を述べた。
『だが、見た感じ魔力適性はないようだな。魔法と無縁だったし必然だったな。魔力の値もあまり高くないと思うぞ』
「そうですね……ですが身体が普段より軽くなった気がします。これならボスやシア姉さんに遅れを取らなくなりました」
正直、軽くなったレベルじゃないと思うけどな……2人の意見を聞くに、ネアは俺と似たスピードファイター……でも魔力はないから暗殺者に特化した天職に結局行き着きそうだ。
……でも、暗殺者以外の天職も見つかったりして……
するとネアは俺の目を見ながら口を開いた。
「イチノセさん……私はこれで良かったのでしょうか?」
「何を今更……お前の覚悟はもう聞いたんだし、肉も食っちまったんだからいいだろ?あと勘違いすんなよ?魔物の肉は別に近道でもなんでもない」
あれは正当な道だ。強さに対価が本来見合っていない死のルートだ。一部を除いて、常人なら間違いなく終わる。
だからそのほんの一握りの奴らはその覚悟、意志を示したかこそ力を得られたのだ。ネアにもその資格はある。
「魔物の肉は常人じゃあ耐えられない……そもそも魔物のもつ力はハジメのように確固たる意志がなきゃ反応、順応してくれないんだ。お前の場合は……歪んでいても、真っ直ぐとした一族への誇り、愛が勝ったんだよ」
「……っ……」
俺はアルタイル、森羅万象に対する探究心……ハジメは現世に戻りたい欲求であるのに対し、彼女の力は最もありふれており、かつ普通では持ち合わせない気持ち。
乗り越えられるのは良く考えれば自然な事だったのだ。
「だから誇れよ……お前もこれでみんなに恩返し出来るんだからな」
「…………はい!」
強く頷く彼女には弱さや絶望は感じられなかった。その表情に内心一安心する。
こうして、優しいハウリアは……強くなるためにハードモードを選んだ。
自身の罪を償うためだが、これも一つの道だろう。しっかりと力をつけて彼女なりの折り合いをつけてもらいたい。
『……余が述べるのも何だが、そろそろ進まないとまずいなぞ。南雲殿らが到着している可能性もある──』
「誰のせいでここまで長くなったと思ってんだ」
ちょいと補足…
ネア・ハウリア
→魔物ドーピングにより化け物の仲間入りしたハウリア。あまり性格は変わっていないが、見た目は俗に言うロリ巨乳になるかなぁ。一応、149cmで81/56/79辺りを…あれ?思ったよりダイナマイト…久遠の説得により消極的な性格は治まっており、感情を表に出しやすくなった。また、不思議な技能まで手に入れているようで…?
一之瀬久遠
→何とかねあを立ち直らせてよかったと心底ホッとしている。尚、ネアの変化に関しては能力の上昇に驚き6割、予想以上に逞くも艶しいボディ手に入れたなに3割、彼女から感じる何かへの違和感1割である。彼女ともう少し仲良くなって仲間の一員としてなれたらなとも思っている(俗に言う天然タラシ思考)。
と、言うわけであっさりとネアの強化イベントでしたね。これで久遠×アルタイル…訳してクオ×アルコンビに対抗できる存在が爆誕するかもしれない…
色々とやらかしたネアちゃんですが、書いている私からすると兎にも角も彼女と久遠を絡ませたい所ですねぇ。もちろん、アルタイルも忘れずにですが。
ってなわけで次回からやっと本誌の物語が動きます。
ニアさんの設定はどっちに寄せる?
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原作(茶髪、メガネなし、小顔)
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今作(橙色、メガネあり、インテリ風)