そういうことで、今回も楽しんでってね。
今、俺の目の前にあるのは天蓋つきのベットだ。これ、一人一人にあるのか!?
部屋一つ一つも10畳くらいの広さを持っており、快適に過ごせるよう空気清浄……の魔法が施されているのだろう。
取り敢えずフカフカ具合を確かめるくらいいよね。ゆっくりと腰をその上に落とし──
「はぁぁぁぁ……」
『何なんだ、その情けない声は』
「お前も座ったらわかるよ……これはヤバい。魔のベッドだ」
一言で言えば羽の上にいるような感覚だった。一切体重を受けさせないような軽さ、ベット自体もなんの音を出さない。
こんなベッドが家にもあったらなぁ……って帰れないんだった。
なんか一気に現実に引き戻された気がする。
「よし、早速作戦会議と行こうか」
『作戦とはいうが、具体的に何か考えているのか?』
「まぁな。3つくらいは候補がある」
いいね、この感じ。プリズンブレイクでもするようなテンションだ。
「先ずは最低限の事を学んで、ある程度の実力をつけた後にここを出る」
『初めに決めていた案だな……しかし君のあの発言によって目をつけられたのは間違いない』
「今更後悔し始めてる……まぁでも全員が共死にするよりゃあましか」
あのまま全員参加したら、ハジメ辺りはすぐに殺されそうで怖い。
力がそんなに顕著に俺らに反映されるとは思えないしな。俺の能力が花を咲かせる~ノホホーンとしたやつだったら発狂するぞ?
そういえば、今日あの後の晩餐会で……確かハイリヒ?王国の王女さんと面識を交わせた。
「いつの間に俺らの話を盗み聞きしてたのやら……案外あいつが黒幕だったりな」
『彼女……確か名はリリアーナ・S・B・ハイリヒ殿か。感謝されていたでは無いか。あの中で異端とも取られていた君の考えを理解してくれていたぞ?』
少しニヤニヤしながらアルタイルが茶化してくる。うっ……まぁ、感謝されてはいたな。
王都から遠隔で俺らの話を聞いていたのかもしれないが、とにかくそのリリアーナ王女に感謝されていたのは確かだ。
香織や雫と同じ美貌を持つ彼女がよりによって俺に来たことで若干男どもの空気が荒れていたが、話はそれくらいだったし、別に気にしていない。
もし、その時にハニートラップなどを仕掛けてきていたら彼女とイシュタルのじーさんが繋がってるって思ったが、その線は薄いか、
てか、さっき王座で の所でハイリヒ現国王が、イシュタルのじーさんの手の甲にキスをしていた。この時点でどっちが上なのかもはっきりとしている。
神様第一の世界……って、もう危ない匂いしかしないよなぁ……宗教が自由の地球に戻りてぇぜ。
「あの王女を利用してここを出るのもありかもな……」
『その際人類そのものを敵にすると同じだろうがな』
「そうだなぁ……ってか第1案も指名手配にされるのは間違いなしなんだよ」
因みにもう1つの案としては功績を挙げてから単独行動へと移る作戦だが、残念ながらそれは無理だ。この世界の上の奴らは絶対に力があるもの程利用しようと考える。
功績を挙げる程動きずらくなってしまうのだ。だから結局はプラン1しかない。
「っし、次に行くか。俺の能力ー!」
『やけに興奮気味だな……もしや先程の頭痛か?』
「まぁ、半分正解」
疑問に思うアルタイルを前に、俺は袖をまくりながら自身の能力を確認する。
右手を前に出し、彼女が名乗ったように俺もその名を呼んだ。
「
『……っ!!』
直後手がブレた……比喩じゃない。手首より上が青い電子じみたデータのように半透明になり、今にも消えそうな形状と化した。
より近く見てみるとそれは分解、形成の間のような状態であり、自分の意思によって変わることが出来る。
試しに解除を念ずると、その状態も解除されて元の手に戻る。グーパーさせると、改めて自分の手に異常がないことが確認できる。
アルタイルの方を見ると、彼女にしては珍しく目を見開いていた。
あれ……別に能力を奪った訳では無いはずだけど。
「えーっと……アルタイル?」
『……なるほど、そういう事か』
「?」
『いや、君にも見てもらった方が早い。
そう彼女も言った。自分の能力の名前を。
すると不思議な現象が起こった。まず、スマホが光った。しかも画面が光ったのだ。
眩しっ!光は部屋中を包み込み、思わず目をつぶる。
収まったと思い、目を開くと、そこには──
「ふむ……視界は良好。体の自由も幾分ない。君の力が余にも影響が及んだようだ」
「……おぉ……おお!!」
小さいスマホの上で……立体のアルタイルが立っていたのだ。
サイズは20センチとかそこら辺だろうか。しかし今まで平対面の中にいた彼女が立体と化している。あれだけ平面の世界にいたのに……すげぇ。
しかもフルカラー。黒く鮮やかな軍服が部屋の淡い光に反射して幻想的であり、彼女の赤と緑の瞳もしっかりと見れるようになっている。
思わず言葉を失ってしまった。二次元が本格的に三次元へ侵攻してやがる。
「これは……どういうことなんだ?」
「……恐らくこの世界では承認力が魔力に置き変わっている。余が画面上ではいえ限界できるのも、君が余の
「マジか……ってか待て。それでもなんで俺がお前の能力を使えるんだ?」
「そこまでは余も理解に及ばない。君が1番わかっているのではないか?」
うーん……長い付き合い故の能力継承?そんな都合のいい展開ある訳……
いや、案外あるかもな。都合のいい世界がいっぱい存在するこのご時世だ。俺が理由もなくアルタイルの能力を使えてもおかしくないかも……
「……ふん、だがこの姿は些か疲れる。先程から身体中の力が抜けていっているな」
「いやいや、なら戻れよ!それで力使い切ってさよなら〜とかシャレになんねぇぞ!」
「久遠が心配するほどではないが……まぁ、良いだろう。余も現状は確認できたからな」
そう言いつつ彼女のホログラム……立体は消えていった。今回はそんなに光らなかった。
……さっきは演出を派手にしたとかじゃあないよな?
「それよりだ。お前の
『その様子だと根本は掴んでいるようだな……あの頭痛の時か。どうだ?これが余の唯一無二であり無限、万有の権能だ。素晴らしいだろう?』
「あぁ、この上ないすげぇもんだけどな……」
……だけど全然掴めていない。この力を使いこなす程の技量が俺に全く足りていないのは俺自身1番わかっている。
だがこの力を物にしなければならない。目の前の彼女が過去に使っていたように。
あの日彼女を画面で見た日を思い出す。もう3年も前になるが鮮明に蘇る。
無限に溢れる彼女のメイン武器であるサーベル。そのサーベルを弦に、ドラムガンの銃を弓にして奏でる力は如何様にも影響する。
それは他者の能力を消したり。
自身の位置を自由に置換させたり。
塗り替えられた存在を再度乗っ取ったり。
こうなるであろう因果を捻じ曲げる事さえ可能にする。
そのような力を扱うことが出来れば、俺がここから帰る目的に大いに近づくことが出来る。
そして、もしかするとアルタイルを……
「改めて頼む。俺にこの力の使い方を教えてくれ」
『使い方、か。なるほど、あくまでも君が受け取ったものは情報量。作法までは理解していない』
「その通りだ。しかも訳の分からない力も幾つかあるし、そこら辺も全て教えてもらいたいんだよ」
てか今の俺じゃあ何もできない。見知らぬ電化製品を取扱説明書無しで前にしているようなものだ。
何事にもチュートリアルは必要だ。最低限のことは本人から学びたい。男として誰かにすぐに頼るのも確かに思うところはあるが……
「お前に聞くのも間違っているとは思う。俺の問題だしな……だけどこの通りだ!頼む!」
彼女にお願いした。本人はそんな姿を見てどう思ったのか。
小さなため息がスマホから聞こえる。
『はぁ……良いだろう……まぁこの力は無限だ。世界の修正力があちらと比べて薄いであろうこの世界では余でも把握しきれないものはある』
「っ、……サンキュー、助かるぜ」
『そう畏まるな……君との仲だからな』
「ん?他にもなんかあるのか?」
『何でもない。さて、先ずはどこから話そうか……」
━━━━━━━━━━━━━━━
次の日、フカフカベットのせいで危うく朝の集合時間に遅れかけた。
これも異世界の罠……なんてガチで思ってたらアルタイルに呆れられた。うん、俺のせいだよね……あんまり認めたくないけどね……
気持ち切り替えて、今は座学と訓練の時間だ。
まず、集まった生徒達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る生徒達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。
なんで騎士団長がこんな俺らについてんだよ……って思ったが、メルド団長本人曰く、「むしろ面倒な雑事を副長(副団長のこと)に押し付ける理由ができて助かった!」と豪快に笑っていたくらいだから大丈夫なのだろう。もっとも、副長さんは大丈夫ではないかもしれない……南無……
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
非常に気楽な喋り方をするメルドさん。彼は
こんな人がいてくれて良かったぁ……ここに来てからヤバいじーさんや国王、メイドと変に固くなる奴らばっかだったから気さくな人がいてくれるのは精神的に助かる。
そしてこの金属板がアーティファクト……神の産物らしくて、自分の状態を客観的に数値化することでステータスとして表すものらしい。RPGで慣れっこな展開だな。
あー、恋しい……今まで連続ログインしてたゲームが途切れてしまった……サービス開始からずっと遊び続けていたゲームが追えなくなっているって考えると……
『……どうせ君のことだから元の世界のゲームを思い出しているか』
「お前テレパシー使えるよな?絶対心よんでるよな?」
『余の能力は未だに使えないのは分かっているだろう?それより先ずは君の個体を確認するべきではないのか』
「ま、そうだな」
血をぽたりと落とすと板が淡い光を放ち、その上に文字が現れた。さてさて、俺のステータス開示〜。
===============================
一之瀬久遠 17歳 男 レベル:1
天職:
筋力:40
体力:40
耐性:30
敏捷:60
魔力:100
魔耐:50
技能:
===============================
ステータスは2桁か……でもレベル1とも書かれているし、まだまだ成長の余地がありそうだ。
ポケットからこっそり俺のステータスを見ていたアルタイルが解説してくれた。
『
「あぁ……今のところ使えるのは無限収納って奴だな……これ要するに四次元ポケットか?」
『基本は物質を因子に分解しデータ状の世界に保管しておく仕組みだ。だから断じてあの様な贋作の利便に尽きた道具と扱うな』
「さらりと褒めたよな……ってか要は丸々嫉妬じゃねーか」
でも確かあのタヌキロボの四次元ポケットも4次元じゃなかった気が……空き容量とかあったよな。
そう考えるとこっちの方が便利だから
魔力循環……って、魔力をぐるぐる体の中で循環させるとストレートにとらえていいと思う。その後の魔力変換は、魔力を何かに変えるんだよな?
そして言語理解。これは全生徒共通と聞いているから特に問題は無い。
「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」
うへぇ……ステータスは耐久面に問題ありそう……多分装備を充実させて防御面を固めるのがいいのだろうけど、俊敏の値が気になる。
ゲーマーとして、俊敏の上がりようが良ければ軽装で完全無防備アタッカーとして頭角を表せるのではないかと思う。
そしてパーティを組む時に重戦士を戦闘において、後方で魔法使いを置いて、自分が基本前に出つつ、重戦士とのバックを繰り返して敵にダメージを稼いでいく……
そして遠距離魔法使いが一撃必殺のを敵にお見舞して勝利!途中でポーションとか、ヒーラー枠の人も参加させながら敵を倒す……めっちゃRPGじゃん!!
……だけど──
「……ここが現実じゃなきゃあなぁ……」
『喜ばないのか、久遠?君の理想郷とも言えるこの場所での生活は』
「お前も分かってんだろ……どんなにシステムがゲームであれ、根元は戦争だ……誰かを殺すことで生きていかなきゃならないのは現代人にとってどれだけキツいか」
『……我ら被造物を作り、思うがままに波乱の渦中に巻き込ませ、否応させずに殺生をさせた君たちにその天罰が下ったかもな』
「はっ……そうだなぁ。俺も覚悟決めなきゃ行けない時が近いうちに来るな」
ちょっと暗くなってしまった。切り替え切り替え、メルドさんはそのまま言葉を続けた。
「次に〝天職〟ってのがあるだろう? それは言うなれば〝才能〟だ。末尾にある〝技能〟と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」
俺の天職は……そういえば見てなかったな……
ん?創造主……は?
『
「いやいや、俺はゲーマーだ。むしろお前が被造物だから、それを居候させてる俺が暫定的な創造主判定されたんじゃねぇのか?」
『むっ……君を余の創造主とは認めたくはない物だな。余の盟友はセツナだからな』
「そこは勘弁してくれ……こっちも不本意でなったわけだ……まぁこれはこれでアルタイルとの結び付きが出来たなぁって事にしようぜ?」
創造主……って聞いた感じめちゃくちゃ強そうだけど、実際それは俺に
それに浸らず自分の能力をあげていかなきゃな。てか、その証拠に適正の属性が全くない。
「お前の能力って確かに適正属性存在しないもんな……」
「属性を持つことは弱点を持つことも意味する。余には不必要だ」
わーお、すっげぇ自信。まあでも確かにこの能力はチートだ。それはあの日の戦いが何より物語っている。
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
おぉ?それじゃあ俺の魔力は中々じゃねぇか。俊敏もその次に高いから、当初の予定通りにスピードタイプとして育成しようかね。
そしてメルドさんは1人ずつのステータスを確認しに行った。先ずは天之川からだ。
あいつ、多分能力高い。イケメンは大抵能力値高いもん。でも意外とこういうやつだからこそステータスが低いってないか?性格あんまり良くないし、な?
結果がこう出た。
============================
天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
==============================
あーやっぱりな!!思った通りじゃねぇか!全部3桁という化け物俺TUEEEEステータスじゃねーか!
転職も勇者と、物語の主人公的ポジションに着いて磐石だ。
はぁ〜つまんね!これだから顔は。性格はあんなに真っ直ぐで歪んでんのにどうしてそーいう奴に高いポテンシャルが入りますかねぇ!?
『おい、顔に出ているぞ。気持ちは分かるが受け入れるしかないだろう』
「んなもん分かってる……けどこれだけは言いたい。人は顔なのか、と」
『あながち間違ってはいないだろう?創造主が作り出す被造物でも能力値が高い者や独自の技能を持つ者は大抵顔が万人受けされていると聞く。彼もその一例に入るという事だ』
「お前だいぶこっち側に染まってきてるな……」
いきなり化け物の当たりを引いたメルドさんから賛辞をもらい、満更でもない様子の天之川を見ながら俺はため息をついた。
これで間違いなくこのクラスも彼主体で動くことになる。そうなると益々俺の脱走計画がハチャメチャだ。
……こりゃあもう暫くは滞在しなきゃなぁ。
他の生徒たちもステータスを開示され、全員が個性溢れる内容となっていた。
香織はもう見た目通りの天職……『治療師』を授かり、ステータスもバランスが良くまさにヒーラーの鏡である。メルドさんに褒められて、天然を発動させ、それに男共全員落ちるまでが香織クオリティ。
雫は無難に『剣士』の天職を持ったが、剣術スキルが強力で、どう考えても八重樫の血が反映されているステータスになってる。というか俊敏が100越えと天之川より上なのはどういうことかしら?静かに俺とアルタイルは戦慄した。
後は……龍太郎が『拳士』で、浩介が『暗殺者』と、2人の性格が100%滲み出ている天職になっていて、特に浩介はデフォルトで影の薄さがあるのでかなり強いんじゃないかと思う。
あーあと、ユニークなのは愛ちゃんセンセー。魔力が特に高いセンセーの天職は世にも珍しい『作農師』。恐ろしいのが成長速度を倍増させるスキルなどを持っており、世界の食糧難が彼女1人で解決できるレベルということだ。
案外、世界にはセンセーのような名前が残るのかもしれない。
そして……
===============================
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
===============================
規格外ばかりのステータスを見てきて、顔をほくほくとさせていたメルドさんの表情が凍りつく。何人も強力無比な戦友が誕生していた分、その落差に思わず「見間違いか?」というようにプレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。
そして、ジッと凝視した後、もの凄く微妙そうな表情でプレートをハジメに返した。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」
……要するにハジメはハズレを引いたわけか。よりによってなんであいつが……
いや、ある意味これもそうあるべきだったのかもしれない。中学から作ることにおいては舌を巻くほどの技術を持っていて、更にオタクだからこそ錬金術などに運命が傾いたのかもしれない。
だけど、これはあんまりだ。その証拠に檜山達が彼に早速つっかかろうとしている。
ハジメはその集団に特に怒りなどは見せず返しているが、内心ガッカリしているだろう。自分の能力がそこまで高くない事実に。
愛ちゃんセンセーにより4人が去ったのを確認し、俺はハジメの所へと向かう。
「よう……錬成師だったようだな。お前作るの好きだし、合っていると思うぜ」
「う、うん……ありがとうね。でも自分でも分かってるよ。これは戦闘職じゃないって……」
やっぱり落ち込んでいる。ってかメルドさんからまで非戦闘職と言われちゃったくらいだからな。
……本来俺が言っちゃあ行けないとは思うが、この際仕方がない。責任は俺が持つとして──
「でも、俺はそうは思わないな」
「えっ?」
「お前の物作りに対する技術はピカイチだぜ?一緒にいた俺が言うんだから確かだ。錬成師なら錬成師らしく、誰にも負けないような武器とか作れよ!お前なら行けるだろ?」
「っ!……ははは。一之瀬君は優しいなぁ……」
「んな事ねーよ。俺はストレートに物言わなきゃ嫌なタイプなだけだ。実際お前には前線に出て欲しくはないしな……だけど、この世界は能力が全てじゃないはずだ。どんなゲームにも攻略法はあんだ、一緒に頑張っていこうぜ」
「うん!そしたら僕もいい武器とか作って、一之瀬君専用のを作るよ」
「そう来なくっちゃなぁ……いちばん頑丈な武器を頼むぜ!」
良かった……何とかバットモードには入らなかったようだ。だけど油断は出来ないな……しばらくは俺も近くで見ておこう。
するとメルドさんが俺のところにやってきた。あの後他の人のステータスを見て大分メンタルは回復したようだ。
ステータスプレートを見せると、これまた面白い……と言った興味深い顔をしている。
「天職は……
「あーそれ、情報入ってきて、
「なるほどな……ステータスも軒並み高い。戦士として十分な力を付けられるようにビシバシ鍛えてやるからな!」
うん、この人を見ているとやっぱりほっとするね……そのままメルドさんは俺を通り過ぎて次の人へ見に行こうとしていたが、過ぎる前にこっそり耳打ちしてきた。
「久遠、この"魔力操作"系統の技能は隠しておけ。いらぬやっかみを受けることになるぞ」
「?、それは──って、なるほど」
『魔力操作は魔物が持つ特有のスキルらしい……つまりは魔人族野の関わりを疑われる可能性があるという事だな』
「その為か……サンキュー、メルドさん」
魔力操作が使えるから魔人族は高度な魔法や威力の高い攻撃、敵の操作などができるって訳か。でも俺もそれを持っているとなると
口調はそのままだが精一杯の感謝を言葉で伝える。メルドさんはニィっと笑いながら次の所へ行った。
こういう気遣いができる当たりさすが団長だと思う。てか団長の響ってめちゃくちゃかっこいいな!今更だけど!
それにしても……この世界でステータスが可視化されるとは……神様はよっぽど俺らを鳥籠の中に入れたいらしい。
数値というデータで擬似的に俺らを拘束している。実際目に見えるものは俺らに自分の位置を占めしてくれるが、同時に限界も決めつけられる。そしてここはゲームの世界じゃない。
俺ら人間は限界突破なんて余裕で出来るはずなのにこうした数値を見てしようとしない。数字が絶対って決めつけるからだ。
……早くこの世界からとっとと帰りたいな。その為にもここで引っかかる訳には行かない。何より──
俺達の冒険はまだまだ始まったばかりだからな!
『勝手に物語を終わらせるな』
「いやぁ、こういうセリフ一度は言ってみたいじゃん?」
因みにハジメはあの後、愛ちゃんせんせーに慰められていた。が、彼女の豊富なスキルやレア職業からして彼を死体蹴りをしているようなものだ。
そんなせんせーに慰められるハジメ……
まぁ、なのでー、その〜……ドンマイです。
ちょいと補足
一之瀬久遠
→
アルタイル
→被造物としては間違いなく最強格の存在。彼女は複数の二次創作が存在し、それぞれが持つ設定、能力を全て引き継いでいる。しかし地球では世界の修復力が強かったがために全力を出せずにいた。
世界の修復力
→一種のストッパー。世界同士が繋がった際、能力のオーバーフローが起きないように摂理が働き、能力の強化、弱体化、制限なども設けられたりする。また、世界によって修復力の大小があったりもする。
承認力
→言葉の通り。人が認める力によって被造物の設定が確立することになる。例えばいきなり新たな必殺技を出そうとしても、承認力が足りなければ生まれることはない。しかしこの世界では全て魔力に置き換わるので、今後このワードの出番はないかな…
一之瀬のステータスについて
→基本はスピードタイプ。雫と同じように俊敏が伸びるが、耐久や魔耐の伸びが悩みどころ。基本戦術やメインの武器、
後書きもすごく長くなってしまいました…でもレクリを知らない方には必要だと思ってしまい、つい…
アルタイル『ここで長くするより、アニメを勧める方が良いのではないか』
…みんな!Re:CREATORSをみよう!今ならアマ○ラで無料で見れるよ!
Re:CREATORSは皆さんどのくらい知ってますか?
-
全く知らん
-
名前くらいなら…
-
水篠 颯太はクソメガネ(=知ってる)