作者の息抜きなので面白さは別問題で書いています。すみません。
蛇足的ななにかと思っていただければ。
では外章スタートです。
外章 01Copy.
ーードッペルゲンガーっているじゃん?
ーー世界には自分にクリソツな奴が三人はいるってやつか。
ーーそー、そー、何かそのソックリに合うと大変なんでしょ。
ーー俺の居た世界だとドッペルゲンガーに合うと死ぬっていうな。
ーーへ〜、でもそれってどっちが死ぬんだろ?
ーーそりゃあ、あれだろ。本物が死ぬんだろ。
ーーじゃあさ、本物ってどっち?
ーーあ〜、どっちだ?
ある日のレヴィとコクトーの会話。
外章 01 Copy.
「ん?」
ふいに後ろ髪を引っ張られる感覚がした。
「どうかしました」
気になり後ろを振り返ると窓際で本を読むシュテルと目が合う。
「いや、なんでもない」
「そうですか」
気のせいか。
「シュテル、すまぬが買い出しを手伝ってはくれぬか」
事務所の簡易キッチンからディアーチェが顔を出す。
シュテルは読みかけの本を閉じる。
「わかりました。今支度をしますので少し待ってください」
「あ、ならボクも行く」
ソファーでテレビを見ていたレヴィが反動を付けて起き上がる。
隣りに座っていたユーリがその衝撃でバランスを崩す。
あ、頭から落ちた。
「いたた……」
「大丈夫か?」
鼻を摩りながらユーリは起き上がる。
涙目のユーリにむらむらしたので誤魔化す為にレヴィの頭を一発叩く。
横でレヴィがギャーギャー言うが無視だ。無視。
「大丈夫です……コクトーは何か買う物はありますか?」
どうやらユーリも行くらしい。
追加で買う物があるか聞いてきたので考える。
懐を探るとタバコが切れていた事に気づく。
「なら…タバコを頼む」
「はい‼何時ものでいいですよね」
タバコの空き箱を受け取ったユーリがソファーから立ち上がる。
「…おい、コクトー。貴様も偶には荷物持ちくらいしたらどうだ」
「面倒」
そう答えたらキッチンから無言でナイフが飛んできたので躱す。
躱したナイフが壁に刺さる。
「駄目ですよディアーチェ。コクトーには大事なお仕事があるんですから」
殺気立つディアーチェをシュテルが宥める。
ディアーチェの場合ネタに走れないから困る。少しはジョークをわかって欲しい。
「お仕事って?」
レヴィが聞いてくるのでシュテルは細い人差し指をピンと立てた。
「良い子はお家でお留守番。ですよ」
……おいマテ。
真面目な顔でそんなネタに走るから不意打ちに耐えきれなかったレヴィとディアーチェが笑いを堪えていた。
「そ、そうだな。確かに、留守は必要だな…くっくく」
「じゃあコクトー、良い子でお留守番してるんだよ。……ぷっ」
ーイラっ。
「さっさと行けや!」
ムカついたのでソファーにあったクッションを投げるが、扉を素早く閉められたので不発に終わる。
ぽすん。と扉に当たりクッションは地面に落ちた。
「ったく……」
普段は賑やかな事務所内も俺しかいないと静かなものだ。
帰りを待っている間、何と無く手持ち無沙汰になった俺はテーブルにあった新聞を広げる。
「不屈のエース・オブ・エースの子供時代を描いた映画から4年。次回作に伝説の部隊を率いた八神はやての子供時代を映画化……大丈夫か管理局」
記事の一面を読み上げて管理局の自由っぷりと知り合いが映画に出てた事に驚く。
そのまま本人である八神はやてのインタビューページを読み進める。
さっきユーリに淹れてもらったコーヒーを啜りながら時間を潰す。
時計の針の音が響く中で俺はもう一杯コーヒーを飲もうとカップに手を伸ばした。
その時だ。
ガウン‼
「ッつ‼」
何かがカップに当たりカップが割れる。
それから続けて銃撃音が事務所内に響いた。
場所が変わり、ディアーチェたちは買い物の為に街を歩いていた。
「あっ」
「どうかしましたか?レヴィ」
レヴィが何かに気付いて足を止める。
「あっちに屋台がある!」
「先生〜、欠食女子が勝手な行動してまーす」
「誰が先生だ」
シュテルのネタにディアーチェがすぐさまツッコミを入れる。
「でもディアーチェ。せっかくですから軽く食べませんか?」
「む、まあユーリが言うなら構わないが…」
ユーリの提案にレヴィがすぐさま乗っかる。
「そうだよ。どうせコクトーの事だから一人でコーヒーでも飲んでるよ。少しくらい遅くても大丈夫でしょ」
「それもそうか」
「わーい!ほら、早く‼」
そうと決まれば屋台のある場所にー
ガスッ!
レヴィの行く道を塞ぐように炎でできた大剣が地面に刺さる。
それは見慣れた大剣で、魔力を使い作るユーリのセイバーだった。
「…な、何すんだよユーリ‼危ないじゃないか‼」
「え、え〜と」
「…レヴィ、それは天然ですか?」
後ろを振り返り文句を口にするレヴィに後ろにいたユーリは返答に困った。
どうやったら後ろからレヴィの正面に大剣を投げれるのだろうか。
少なくともユーリはそんな芸達者ではない。
「あれ?ユーリじゃない。……ってことは」
再度大剣が刺さった正面を全員で見る。
そこにはこれまた見知った顔がいた。
シュテルにレヴィ、ディアーチェにユーリ。
自分たちと寸分変わらない姿の四人組。
「えっ?えっ?シュテルんに王様にユーリに…ボク?」
「うわあ……」
「何処の馬鹿だ。こんなつまらん遊戯を始めたのは」
「来ましたね……お約束!」
銃撃音が止むのを確認してから俺は銃を抜いた。
咄嗟にテーブルを倒して盾にした俺はテーブルの脇から様子を伺う。
(ー敵か?気配を感じなかった。相手も銃だ。4…いや5発か。全弾撃ち込んだって処か)
何処の誰かは知らないが、どうやら腕はいいらしい。
(……次はどう来る?いや、まず何処にいる。窓の外か、それともー)
ゆらりと外の影が動いた。
それに合わせて俺も飛び出す。
互いの弾が室内で飛び交う。
「そこだ!」
弾丸の種類から俺と同じタイプの銃を使っていると踏んだ俺はタイミングをわざとズラして相手の足下を狙う。
足には当たらなかったが動きを止めることには成功する。
「さて、手前の顔を見せてもらおう……か?」
思わず俺は動きを止めてしまった。
懐かしい黒のコートを着て手の平サイズの小型拳銃を構える相手はー
「俺?」
他でもない自分自身だった。
「何、コイツら!?」
レヴィが自分にそっくりな相手を指差す。
「ニセ物登場はセオリーでしょう。……まあ、ひとつだけ確かなのはー」
一人顔色を変えないシュテル。
「今までで一番美形の敵だって事ですね」
「案外余裕だな貴様」
ディアーチェが呆れた眼で臣下を見る。
その中でユーリが、
「何者かはともかく…私たちのファンではないのは間違いないですね」
と、現状を纏めた。
「てええいいりゃあぁ!」
バルニフィカスを力任せに振る。
それだけの動作で目の前のレヴィは地面を割った。
「くそー!ボクだってそれくらいできるぞ!」
「張り合わないでくださいレヴィ」
こちらのレヴィがムキになりバルニフィカスを起動させた。
「これは、闇の欠片?」
ムキになっているレヴィとは別にシュテルは冷静に状況を分析する。
その分析の中で一番あり得そうな事例“闇の欠片”を上げたが、すぐさまそれを否定した。
あの現象はもう二度と理論上でできない。
「しかし、これは」
「シュテル!」
ディアーチェの声で思考の中に落ちていたシュテルの意識を現実に戻す。
「っツ‼ルシフェリオン!」
眼下に迫る炎をシュテルは切り裂く。
切り裂いた先にはやはり自分と同じ顔の相手。
「ていやあああぁ!」
「うおおぉ!」
同じ声の叫び声が上から聞こえた。
見上げれば屋根を足場に二人のレヴィがバルニフィカスを全力で振るっている。
ガキッン‼と金属音がぶつかり、互いに吹き飛び着地。
「なんか、すっごいやり辛いんだけど!」
「ユーリ!大丈夫か!?ゆ……」」
一番戦闘経験の浅いユーリをディアーチェは心配した。
レヴィと二人でユーリを探し、見つける。
「…………」
「…………」
無言、無表情で牽制するユーリたち。
『怖ッ!!』
その光景に思わず二人は後ずさった。
割り込んだら色々な意味でヤバい。
「……どうやら、ただの見掛け倒しではないみたいですね」
冷や汗をかいたユーリが呟く。
「そうみたいですね」
「ああ…認めたくはないが、こやつら戦闘パターンも実力もおそらくは我らとほぼ互角だな」
「似てないのは寡黙な点くらいですね……まったく、トークが立たないとキャラも立たないというのに」
「ホント余裕だな、お主」
原理や理屈はわからないが魔力量も同じくらいありそうだ。
唯一ユーリだけは無限の魔力を再現出来なかったのか、ディアーチェ並の魔力を持つだけみたいだが、厄介な事に変わりはない。
「あッ‼」
ふとレヴィが何かに気づいて叫ぶ。
「ボクらのトコにニセモノが現れたってことは、ひょっとしてコクトーの方にも」
「コクトーの……」
「あやつのニセモノが……」
愛しい彼の紛い物。
そんなのは彼女たちには耐えられない。
怒りに身を震わせー
『ブっとばしてみたい‼』
ーというわけでもなかった。
「コクトーが危ない」
「心配ですね」
「こうしてはおれん」
ぱっと見では仲間を案じているように見えるが、中身は割りと腐っている三人。
「急ぐぞ!」
『おお‼』
「みんな顔が笑ってますよ…」
あきれ顔が一人と意気揚々な三人は急いでコクトーの元へと向かった。
「俺?」
目の前にいる自分とソックリな人物は誰だ?
抹消者時代に着ていたのによく似た黒のコートに銀の銃。
誰の趣向かは知らないが、俺の苛立ちは強まる。
「あっ!待て!」
硬直していた隙を利用されてニセモノは窓から外に飛び出す。
俺も後を追う為に窓から飛び降りる。
互いの銃弾が飛び交う中で俺たちは近づく。
そして、互いの距離が零になり互いの眉間に銃口を当てる。
鏡合わせのような動きは間違いなく自分の動きだ。
「誰だ、お前は」
「黒道リクト」
ニセモノの返答に苛立つ。
声帯まで同じときたか。
「おーい!コクトー‼」
俺の名前を呼ぶレヴィの声にニセモノが反応した。
そいつを見逃すほど俺は優しくはない。
自分のニセモノの右腕を撃つ。
ギリギリで躱したらしく、掠めるだけになったが、ニセモノは距離を取った。
「おい、こいつは一体どういうこと……だッ」
レヴィに説明を求めようと振り向いて、俺は絶句した。
「うわ‼ホントにコクトーも二人いるよ」
「どっちが本物だ?」
ぞろぞろと自分のソックリを引き連れて四人はこちらに来る。
「手前らなぁ!余計なモンまで連れて来るなよ‼」
「あ、こっちみたいですね。本物」
苛立ちが限界だったので叫ぶと、シュテルが本物だと確認した。
おかげでこっちも本物を見分けれた。
「よーし!ここはボクにまかせーろッ!?」
意気揚々と向かって行くレヴィを足を引っ掛けて止める。
バランスを崩したレヴィはそのまま頭から落ちた。
「なにすんだよ!ボクは敵を倒そうとー」
「いくらニセモノでもお前みたいなバカに倒されるのは我慢ならねぇ。……なんとなく」
というよりも俺が俺以外にヤられるのが我慢ならん。
「ーさて、お遊びはその辺にしましょうか。あちらはまだまだ本気みたいですし」
シュテルが向こうの五人を見る。
全員が武器を構えて臨戦体制な状況に俺は鼻を鳴らした。
「ーややこしいのは御免だな」
「ですね」
「ならどうやって白黒つける」
「んー、じゃあこうしよう」
何時ものように一番槍を務める為にバルニフィカスをレヴィは振るう。
「生き残った方が本物ッ!」
「はは、いいな。わかりやすい」
レヴィに続くように俺も飛び出す。
そこからは乱闘だ。
先ずレヴィ同士がバルニフィカスとバルニフィカスもどきで鍔迫り合いになる。
そこにユーリのニセモノが翼を腕に変えて割り込む。
「うわ‼」
間一髪で躱したレヴィ後ろに下がったのでレヴィのニセモノに俺が銃を撃つが、ニセモノでもレヴィなのか、曲芸のように身体を捻らせて弾丸を避ける。
「……ッ!あの翼ズルいよね?範囲広いし応用効くし」
「ふえっ!?そんなこと言われても」
レヴィの言う通りユーリの魔法は威力を重視していながらも接近から遠距離まで攻撃範囲はかなり広い。
とは言え俺からすればー
「それならディアーチェなんてモロ反則の塊だろ。あいつ一人でいくつ魔法持ってんだよ」
正確にはディアーチェの所有する魔導書の能力なのだが、まあ魔法の種類が極端に少ない俺には反則だと思う。
「ぬわッ!?」
いきなり後ろから魔力のナイフが飛んできて俺を掠める。
犯人はディアーチェだ。
「すまんな。間違えた」
「嘘つけ‼絶対わざとだろ今の!?」
しれっと言うディアーチェ。
「もしかしたら私たちの仲違いが狙いなんでしょうか」
「そこまで考えちゃいねぇだろ。さすがに」
それが狙いなら随分と賢い奴だ。趣味の良し悪しは別だが。
「ええい!面倒だ。おい!そこにいるのだろう。隠れてないで顔を見せぃ」
ディアーチェが物陰に向かって叫ぶと隠れるつもりがないのか、一人の小柄な男が姿を見せた。
「ククク、どうだ。俺様の作ったアンドロイドの性能は」
「アンドロイド?ってことはやっぱりニセモノかよ!」
「素敵に悪趣味です」
男の話しを聞き流しながらディアーチェのニセモノに先ほどの腹いせにブチ込む。……あ、あのやろう俺のニセモノを盾にしやがった。
「そいつらはこの二ヶ月間の貴様らの戦闘データを元に昨日ようやく完成した俺様の最高傑作よ!積年の恨み!いまこそ晴らす‼」
高笑いをしながら言う男に俺たちは呆れた。
てか誰だよこいつ。
まあ、この小者の言葉が本物ならー
「そうですか。……なら、問題ではないですね」
「えっ?」
シュテルが自分のニセモノの砲撃を自分の砲撃で呑み込み、そのままニセモノを爆破する。
「なっ!……」
「そおおぁい!」
先ほどまで鍔迫り合いで互角だったレヴィだが、それがどうしたと強く踏み込みニセモノの武器ごとニセモノを切り伏せる。
「ふんっ」
ディアーチェはニセモノが詠唱や発動をさせる暇を与えないように魔法をひたすら数に任せて撃ち込みニセモノを破壊した。
鬼畜ゲー過ぎだろ王様。
「そッ……」
ユーリは翼の腕でニセモノの腕を無理矢理引きちぎり、そのまま上から叩き潰す。
俺も近距離まで詰めてからニセモノのこめかみに弾丸を撃つ。
「そんな馬鹿な‼」
五体分の爆発音が鳴り響く。
ニセモノはあっさり全滅した。
その事実に男はあり得ないと叫ぶ。
「負けるわけがない!今までの戦闘パターンを完璧に再現したんだぞ!それなのに、どうして!」
「それがどうした」
自分との戦いなんて十年以上前に経験してる。
対処方法なんて簡単だ。
親切な俺は教えてやる。
「ー今までの戦闘データ?パターン?……はっ!?それってようは」
『昨日の俺(私、ボク、私たち、我)だろ?』
「そ……そんなの…屁理屈だー‼」
いや、だって、ねぇ?
同意を求めて後ろをみれば全員がうんうんと頷く。
「まあ、ようは気持ちの問題ですよね。こういうのは」
「そもそも日々成長するボクが昨日の自分に負けるとかないし」
「さて……せっかくだ。やはり一度は本物ってやつを味わって貰おうか」
じりじりと俺、レヴィ、シュテル、ディアーチェが囲むように近づく。
「はは…いや……それは…ちょっと…」
男は腰を抜かしながらケツを後ろに引きずるが、何か壁のようなものに当たり動きが止まる。
恐る恐る振り返るとー
「どこに行くんですか?」
ーーー笑顔なユーリがいた。
もう一度言おう。笑顔なユーリがいた。
「ぎゃああああぁ‼」
ある日の昼のロアナプラに一人の男の悲鳴が響いた。
後日、ロアナプラの管理局支部の入り口に全裸の中年男性が簀巻きで転がっているのを早朝出勤の局員が発見。
簀巻きの男性は管理局が追いかけていた次元犯罪者だとわかり、本局に護送された。
護送中、男性はうわ言のように「ごめんなさい……ごめんなさい……」と呟いていたそうだが、真相は謎のままである。
「あ〜かったりぃな」
事務所内の散乱した家具やガラスの破片をホウキで履きながら文句を言う。
「結局なんだったんだ?アレ」
「さあ?でもそこそこの暇つぶしにはなりましたよ」
「シュテルよ、そうは言うがちと二番煎じだった気もするぞ」
割れたガラスの窓を新しいガラスに張り替えるシュテルとディアーチェ。
「どうしましたレヴィ?そんな考えて」
一人サボってソファーに座り考え込むレヴィにユーリが声をかける。
「うん。いやさ……」
「むっ?なんだレヴィ」
ジッとレヴィがディアーチェを凝視する。
正確にはディアーチェの乳房。胸を見てー
「うん!やっぱりあのニセモノの王様の方がおっぱい大きかった」
ピキッ!
レヴィの言葉にディアーチェが石化の槍を受けたみたいに固まった。
固まったディアーチェの胸に俺、ユーリ、シュテルの視線が集まる。
そして最近ディアーチェの裸を見た俺がその謎に気づき、ポンと手を叩く。
「あ、今日はパット入れてないのか。だからレヴィが違和感覚えたのな」
「そ、そ、それを言うなあああああ‼」
顔を真っ赤にして叫ぶディアーチェ。
そんなディアーチェをウチの巨乳コンビがトドメを刺した。
「ねえユーリ。パットってなに?」
「さあ?私も知りませんね」
グサッ!
目が疲れたのかねぇ。ディアーチェに言葉のナイフが刺さったように見えた。
ゆっくりと重いパンチを受けたボクサーのように膝から倒れるディアーチェ。
「大丈夫ですよディアーチェ」
そこに女神のような顔のシュテルが手を差し伸ばす。
「ディアーチェの胸と身長が7年前から止まっているのは私が一番知ってますから。大丈夫です。最初(ハナ)から王がそんな私たちみたいなナイスボディになる未来なんてないんですよ」
優しく、子供に言い聞かせるような穏やかな口調でシュテルは自分の王様の最後の希望を打ち砕いた。
パリーんと砕けた音がしてディアーチェは床に倒れた。
可哀想に。助けないけど。
俺はユーリに買って貰ったタバコに火を付けてふと後ろを見る。
視線はもう感じなかった。
「元気だしてくださいディアーチェ!」
「そうだよ王様!胸なんてあっても邪魔なだけだよ?ブラのサイズ探すのも大変だし肩も凝るし」
目の前で天然コンビが無意識、無自覚な死体蹴りをしているのを見ながら煙を吐き出す。
「……今日も平和だな」
今回だけのキャラ紹介。
コザッキー。
コクトーたちそっくりなアンドロイドを作った天才技術者で、以前にその技術を悪用して管理局に追われてロアナプラに流れ着く。
とあるマフィア組織に拾われて研究を続けていたが、依頼された仕事中のコクトーたちの被害にあって組織は研究室と研究データもろとも壊滅してしまい、以後復讐に燃える。……が、本人たちには忘れられている。
実は技術だけならあのスカリエッティやグランツ博士にも負けないのだが、如何せん小者くさい残念な人。
管理局に連行された後はとある白い悪魔の協力で厚生し、現在は無限書庫のお手伝いロボを開発中らしい。
ちなみに年齢32歳 童貞。