勇者達「悪魔召喚プログラム…?」   作:s-y

1 / 4
話の時期は一期の4話と5話の間という設定です。


ゆゆゆ
風「悪魔召喚プログラム…?」


いつの間にかダウンロードされていた変なアプリ。

 

勇者の新機能かと思い大赦に問い合わせた所、どうやら精霊をより強化するためのものでOSのアップデートした時に追加したとの事。

 

曰く、召喚に必要な手順や魔方陣の作成を自動で行ってくれるアプリ、らしいけど……

 

 

 

「いくらなんでも胡散臭すぎるでしょ……」

 

 

 

第一、『悪魔』召喚プログラムなんて名前、一目で厄ネタだとわかる。

 

ぶっちゃけあんまり触れたくないけど、勇者部の皆を危険な目に合わせられない。

 

 

 

「……よし!部長としていっちょやりますか!女は女子力!勇者は根性!」

 

怯むな!アタシ!!

 

 

 

あ、その前に一応グループで連絡だけ

 

『変なアプリが入っていても極力触らないよーに!』

 

 

 

さてさて、メールに添付されてる方法は

「えっとなになに?精霊を出して、アプリを起動……」

 

 

フヨフヨ漂っていた犬神を隣に呼びアプリのアイコンをタップする。

 

 

すると勇者システムによく似た画面が表示された。

違う点はオキザリスのマークの周りを魔法陣が囲っているぐらい。

 

 

「“画面中央のマークに触れるとスキャンを行った後、起動します“……ふぅん。えいやっ」

 

軽く気合をいれ、マークに触る。

 

 

 

 

―――勇者適正を確認中―――

 

 

 

 

―――確認完了―――

 

 

 

…これで登録できたのかしら?

緊張を解こうと思った矢先

 

「ちょっ!?犬神!?」

 

突如空中に描かれた魔法陣に犬神がみるみるうちに吸い込まれていっていく!!

 

 

 

 

―――プロテクト解除、悪魔召喚プログラム起動OK――――

 

 

 

「ちょっと!待ちなさい!!どーやって止めんのよこれ!!」

 

 

 

 

――起動 します――

 

 

 

 

そう無機質に電子音が告げると、部屋が眩い光に包まれる。

 

 

 

目を開けると電気が切れており自室は真っ暗になっていた。

 

犬神は大丈夫なのかしら

 

 

そんな心配が胸の内を駆け巡るが、まずは

 

「明かりがほしいわね」

 

 

 

端末の画面だけだと暗いからライトを灯そうと画面を操作する。

 

 

 

その瞬間

 

真っ暗闇に一つ、火の玉が灯る。

 

そして浮かび上がる白く細長い姿が――――

 

 

 

 

「コレデ見エルカ?サマ――――」

 

「い“ぃ“ぃ“い“い“や“あ“あ“あ“あ“!!!おばけぇええ“ええ“え“!!」

 

 

 

 

なにあれ!?なんなのあれ!?人魂に、白い…何!?しかもなんか上の方から声聞こえた!!

 

無我夢中で駆け出した。

 

足元が見えなかろうと扉にぶつかろうと関係ない。

 

 

ドンドンドンドンッ!!

 

「い、い”づぎぃぃぃ!開けてぇぇええ!!ア“ダシ“の部屋に、お、お化けがあぁぁぁ!!」

 

「ど、どうしたのお姉ちゃん?ごめん。ちょっとまってて!」

 

「おねがいはやくいれ“でぇぇぇ!」

 

ドンドンドンドンッ!!

 

「今開けるからあんまりドンドン叩かないでよぉ……」

 

 

あまりの狂乱っぷりに只事では無いことを察する樹。

 

開けられた扉から転がり込む。

 

部屋に入るとどうやら何か作業していたようでパソコンが出しっぱなしだった。

 

 

 

「慌てすぎだよぉ……寝ぼけて変な夢でも見たんじゃないの?」

 

「違うのよ!!ほんとに居たの!こう、人魂がボワって!白いのがニョロって!!」

 

「わかったから少し落ち着こう?ほら、深呼吸、深呼吸」

 

 

 

ひっひっふー、ひっひっふー

 

「深呼吸とは違うんじゃ…」

 

よし、少し冷静になれた

 

「えぇ…」

 

 

 

「ともかく!お、お、お化けがいたのは本当なんだから!」

 

「うーん、じゃあ私がちょっと様子を見て――」

 

「ダメよ!ダメダメダメダメ!絶っっっ対ダメ!樹に危ない事なんてさせられない!」

 

「えー……じゃあ、一緒に行く?」

 

「ううぅぅぅううぅいぎだぐないぃぃ!!」

 

 

 

そうこうしているうちに廊下の影から火の玉がフワフワとやってくる。

 

 

どどどどどうしたらいいのよ!?! 

 

せ、せめて樹だけは守らなければ!!!

 

「ほ、本当に人魂だ…」

 

「い、いい、い、樹ぃ?あた、アタシの後ろに隠れてて!!お、お化けなんてなんぼなもんじゃい!!こちとら伊達に勇者やってるんじゃないのよ!!オラッ!女子力うどん除霊パワー全開だー!!来るなら来いぃぃ!!」

 

 

 

そう、アタシは勇者!いざとなれば変身して――

 

 

 

「…もしかしてお姉ちゃん、端末部屋に置いてきた?」

 

「ぁああぁあ!!どうしよう樹ぃいぃ」

 

「落ち着いてってば…大丈夫。今度は私が、お姉ちゃんを守るから!」

 

パニクるアタシの手を取り、そう意気込む樹。

 

あぁ、なんて強い娘なの我が妹は

 

それに比べてアタシは…うぅ…

 

 

 

と項垂れてると遂に廊下から白い不気味な姿がにゅるんと現れる。

 

 

 

「で、でたあぁぁ!」

 

腰を抜かすアタシとは反対に

 

「あ、あの!お、お姉ちゃんに何の用ですか…!」

 

樹は端末を片手に前へ出た。

 

 

足も声も僅かに震えているが、その目には強い意志を込めお化けと対峙する。

 

 

対するお化けは―――

 

 

 

「アレ?犬神?」

 

「ええ!?お姉ちゃん何言ってるの…??」

 

 

 

いつものまん丸でモフモフな姿とは似ても似つかないけれど、なぜだかそう思えた。

 

 

 

「イカニモ。オレサマ魔獣イヌガミ。悪魔召喚ぷろぐらむニテ、本来ノ姿ヘト実体化ヲ果タシタ。改メテ、コンゴトモヨロシク」

 

 

「「え」」

「「えええええええええ!??」」

 

 

犬神の話と後々しっかり確認した大赦の資料によると、今までの状態はいわば一部分だけ召喚しているみたいな形だったらしい。

 

悪魔召喚プログラムを通して再召喚し直す事で元の力が100%発揮できるんですって。

 

 

それそうと、色々な事が衝撃的過ぎてその日の夜は泥の様に眠ったわ。

 

 

 

眠り過ぎてまさか樹に起こされる日が来るなんて……




ゆゆゆもメガテンもスマホで神や妖怪の力使うので相性は非常に良いと思います。
ちょうどゆゆゆはアニメ、メガテンはゲームが出たのでこれを期に勇者であるシリーズ×女神転生シリーズのクロス作品もよりいっそう増えてくれたらなぁという思いを込めて書きました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。