いつの間にダウンロードされてた知らないアプリ。
身に覚えのないアプリは絶対にいじっちゃだめよ!って東郷さんに言われているし、明日になったら東郷さんに見せに行こう。
そう思って寝る準備をしていると
「わ、わー!だめだよ牛鬼!」
なんだか牛鬼がものすっごく端末に夢中で大変!
「それ食べ物じゃないよ!食べちゃだめだよ〜ほら、ビーフジャーキー!今なら3枚あげちゃう!」
アレ?お腹が減ってイタズラしてるのかとおもったけど、違うみたい。
しきりに画面を指(蹄?)指して謎のアプリをアピールしてる。
うーん
普段はぽけーっとかわいい牛鬼が必死に何か訴えかける様に目を潤ませて……
「う〜〜〜〜ッ!東郷さん、ごめん!」
困ってるかもしれない牛鬼を放っておけない!
明日絶対見せるから!
少し開くだけなら、大丈夫だよね??
うん!きっと大丈夫!絶対に変な操作はしないから!
アイコンをタップしてみる。
すると
「わ!……んん?魔法陣?っていうのかな?それと…山桜??」
なんだか勇者システムによく似た画面が現れる。
嫌な予感がした。
大赦関係なら明日風先輩か夏凜ちゃんに見せよう、そう思い、アプリを閉じようとしたのにも関わらず
指が勝手に吸い寄せられ中央のマークに触れてしまった。
「あ」
―――勇者適正を確認中―――
無機質な電子音が謳う。
―――確認完了―――
――プロテクト解除、悪魔召喚プログラム起動OK――
「あ、あ、あ、どうしようどうしよう!」
――起動 します――
「東郷さ――――」
ドッカーーーーン!!!
「うぶぇ!!!」
すっごい衝撃に襲われ吹き飛んだ。
受け身は取ったつもりだけど、勢いを殺せずそのまま一回転して壁にお尻を思いっきり打ち付けちゃった。
痛い。
「ううー、おしり割れちゃうよぉ…」
顔を上げ、まず目に写ったのが散乱した本と割れた窓ガラス。
「ど、どうしよ――」
そしてその次に目に写ったのが
「柱?………ヒッ!?」
なんか凄くおっきい―――――
「……牛鬼??」
見上げるほどの大きさ。鉤爪の生えた八本の足。口から覗く鋭い牙。
いつも見る白くて妖精みたいな姿とは大きさも形も全く違うのに、なぜだがすぐに牛鬼だとわかった。
なんでだろう?
しばらく呆けてると階段から足音と私を呼ぶ声が聞こえてくる。
まずい!!お母さん達だ!
「友奈ちゃん!!??いったいどうしたの!!??おのれ賊め!!であえであえ!!!」
隣のお家からもドタバタ聞こえてくる。
「えぇっとまずは本を片付けて窓ガラスもどうにかしなくっちゃ、ええっとそれからそれから、あっ!大っきい牛鬼どうしよう!」
お父さんもお母さんもびっくりしちゃうよぉ〜!どうしよー!
困っていると牛鬼は吸い込まれるようにスマホに入って行っちゃった。
よかった、一安心!
でも、いったいなんだったんだろう?
その日の夜はお父さんとお母さん、なぜだか刺股を持ってやってきた東郷さん達に対しての弁明と後片付けでほとんど寝られませんでした。
流石に寝返りって言い訳は少し苦しかったみたい……
皆にすっごく心配かけちゃった。
今度からは、機械について困った事があったら一人で解決せずに東郷さんに相談!
勇者部五箇条の大切さを改めて、身を以て体験できました、まる。