芸術家の弟と演出家の姉   作:◯のような赤子

3 / 3
 久々に投稿しようとハーメルンを開いたら何故かそこには評価とお気に入りの数々が…。
 まじかとかなり驚きました。だって主人公こんな変態なんだぜ?

 評価してくださった皆様もお気に入り登録してくださった方々も本当にありがとうございます。ということで書き直しまくった第惨話です(誤字にあらず)



湯の国―弐

 ――さて、問題はここからだな、うん。

 

 「わぁ、露天風呂もあるって書いてある。すごいねデイダラ!」

 

 茶屋を出て、いつの間にか手にしていた案内図を見ながらダイダラはデイダラの手を引きながら向かう先の温泉に思いを馳せる。けれどもデイダラから思っていた反応は帰ってこない。

 

 「…あれ、お姉ちゃんの話聞いてる?」

 「ちゃんと聞いてるぜ、うん」

 

  話は聞いている。ただ意識を向けている場所が違うだけ。

 

 ――間違いねぇ、尾行されてんな、うん。

 

 かなりの手練れなのか、巧妙に()()は隠されているが、伊達に史上最悪と世界中から命を狙われている姉を持っていない。

 

 ――さて、どんなやつかな?

 

 燥ぐ姉に軽く相槌を打ちながら、デイダラには今二つの視界が見えている。

 一つは姉と歩く街中の景色、もう一つはダイダラとデイダラを見下ろす上空からの景色。

 

 先ほどの茶屋で雀が飛び立つ際、デイダラは咄嗟に作成したオブジェをそれに紛れさせていたのだ。

 

 「さて、どんなもんかね」

 「えへへ、うん!どんなんだろうね、楽しみだね!」

 

 デイダラが生み出した芸術作品は、その視界を彼とリンクすることができる。流石に両目を閉じていては周りから不審がられるので、髪で隠した左目を小鳥のオブジェと共有させながら、尾行者の姿を確認する。

 

 真っ赤な半纏を纏い、鎖帷子を着込んだ明らかに忍の風貌をした白髪の初老の男性。付かず離れずの距離を保ちながらデイダラたちから視線を外さず、後を追ってきている。幸い小鳥に男性は気づいていない。ただ、問題なのは額には“油”と大きく書かれた額当てをしており、その男がデイダラでは少し手に余るほどの忍だということ。

 

 ――うげ、自来也じゃねーか。

 

 伝説の三人と忍界で知らぬ人はいないと言われるほどの二つ名を持つ凄腕の忍者。本人は蝦蟇仙人と名乗るそうだが、圧倒的にこちらのほうが有名だ。

 

 本当にどうしようかと少し悩む。何せ相手は伝説の三忍だ、これまでに撒いて殺してきた追手とは文字通り格が違う。仮に戦ったとしても無傷で事を終えられるとはデイダラには思えないし、この繁華街に溢れる人込みに紛れて逃げられるとも到底思えない。何故なら追手を意識してから、自来也の視線は一度もこの二人から外れていないと理解したからだ。

 

 本当にめんどくさい状況だ、それに場所も悪い。

 この湯の国での荒事はご法度。中立だからこそ自分たちのような犯罪者が簡単に立ち寄れる謂わば安全地帯(セーフティー)の役割を果たしてくれている。安全に動き回れる場所というのは、かなり貴重だ。それを失えば他の暁のメンバーからも文句を浴びせられるだろう。

 

 「あれ…デイダラ、違うよ。さっきの場所を右に…」

 「わりぃ、ねーちゃん」

 「ほぇ?」

 

 本来右に曲がる予定だった場所をスルーし、デイダラは姉の手を引いて真っ直ぐに歩いていく。目的地は先ほど上空から見えた人の通りが少ない路地。そこで自来也を撒くか、最悪時間を稼ごうと考えていた。すでに小鳥のオブジェはサソリがまだいるであろう宿に飛ばした。後はサソリが来るまで時間でも稼げばいい。

 とにかく今は、この温泉に入ることを楽しみにしていた姉に事情を説明せねば。

 

 「追手だ、30メートルくらい後ろにいる」

 「え、お風呂は?洗いっこは?お風呂に浮かべるヒヨコさん、私ちゃんと持ってきたのに…」

 「ごめん、それはまた今度にしようぜ、うん」

 「なんで?私、今日はデートだって言ったよね?」

 

 ズリュ、と粘着質で濁った…若干不機嫌な色も伺える眼がデイダラへと向けられる。

  

 「ねーちゃん、追手は自来也だ、うん。サソリの旦那が言ってたろ?最近暁の周りをうろつく鼠だ」

 「だからなに?ほら、ヒヨコさんも私たちと遊びたいって言ってるよ?」

 

 「ねー?」といつの間にか手に持ったアヒルの玩具に話しかける。

 

 

 “ピプゥー”

 

 「ほら!この子も私たちと一緒に入りたいって!」

 「ねーちゃんが押しただけじゃん。いや、流石にここでおっぱじめんのは拙いだろ」

 「え、おっぱいが飲みたい?しょうがないなぁ…デイダラだけだよ?」

 「言ってねぇ…いや、脱ぐな馬鹿!」

 

 シュルシュルとその場で着物の帯を解き始めた姉の姿に、流石に彼女の奇行に調教もとい慣れたデイダラでも拙いと咄嗟に手を掴む。

 

 「やん…こんなに人がいる前でしたいの?」

 「いや、いいからそういうの今は。…相手は伝説の三忍の一角だ、うん。それにここは中立国だぜ?戦えばリーダーや他の連中からもどやされちまう」

 「え、なんで戦うの?」

 「…はぁ?」

 

 思わずすっとんきょんな声でデイダラはダイダラの顔を見るが、よくよく今までの会話を思い返せば姉は一度も戦うだとか殺すなどの言葉を出していなかったことに遅れながらに気づく。

 すると今度はダイダラがふぅっ、と溜息を吐いた。

 

 「ねぇデイダラ、おねーちゃん悲しいな。確かに私たちは暁に所属してるけど、()()()()()()()んだよ?」

 

 聞く者によっては眼から血の涙を浮かべ石を投げつけるだろう台詞を平然とダイダラは吐く。ただ本人としては一人の演出家として演出しているだけ…心からそう思っているのが余計に質が悪い。

 

 「デイダラは芸術家で私は演出家。暁に入ったのはその腕を色んな場所で披露してほしいってお願いされたからだよ?」

 

 ダイダラが言うことは、まんざら嘘ではない。

 基本ツーマンセルで動く暁だが、当時はサソリの相方をしていた大蛇丸が抜けその体制が崩れていた。ならばと芸術家を名乗りテロ活動をしていたデイダラたちを暁に入れるためにペインと小南、その裏にいるうちはオビトは上記の誘いを考えたが、本当の狙いは姉のダイダラこそが欲しかったとは教えていない。

 ただ当の本人たちも、まさかここまで狂った人間がいるなどとは思いもしていなかったが。

 

 「ねぇ、一つ聞きたいんだけどさ。なんでここから離れようとしたの?」

 「それは…湯の国で争いはご法度だろ?うん。それに他の連中もここが使えなくなったら困るだろーし」

 「なんで?なんでここが使えなくなるの?」

 「なんでって…だってねーちゃん、オイラの芸術(アート)は爆発だぜ?」

 「そうだよ。芸術(アート)だよ、芸術(アート)。一流の芸術家が芸術を披露して、それでどうして誰かやみんなが困るっていうの?」

 

 悲しそうな、どこか寂しそうなドブのような眼で、ダイダラは弟を見つめる。

 自分の頬にデイダラの手をそっと握りながら当てると、心配そうな表情で更にダイダラは言い募る。

 

 「この手は人を殺すためにあるんじゃないんだよ?デイダラが目指す芸術を極めるため…静から動の、一瞬の美を一番に見せるためにデイダラは爆発に行きついただけ…ただその過程でたくさんの人が死んであなたのアートに彩りをつけてくれる。…こんなにも私たちはその感謝を人にありがとうって伝えて返してるだけなのに…なんで誰もそれを分かってくれないんだろうね…」

 

 グジュリ、と湿った何かがデイダラの手を這う。

 普段は閉じられた手の平の口の中へ、ダイダラは無理やり舌を入れ丹念に舌を絡ませ、時には一本一本歯を愛撫していく。

 時には舌を吸い、周りには淫らな水気を含んだ音が立つが、ダイダラにはもう夢中になりすぎて何も見えていない。

 

 デイダラはそんな壊れた姉を、ただ静かに見つめるだけだ。

 

 「…つまりさ、ねーちゃんはオイラに何も気にせず、芸術をここで披露してほしいってわけだな?うん」

 「んむ…ジュルル…ぷはぁ!はぁ、はぁ…っ、うん♪いっぱいこわそ?あの骨が砕けて肉がグチャグチャになる音で世界を染め上げて、いっぱい綺麗なあなたのアートを咲かせようよ!」

 

 デイダラの手の平とダイダラの口元から銀糸のかけ橋がツゥ…と繋がる。息をすることさえ忘れるほどに夢中になっていたのか、ダイダラの息は荒く薄っすらを涙を浮かべる顔は紅い。

 熟しすぎて腐り落ちた果実のような香りを匂わせるダイダラのそれはもう、ただの発情した雌犬の如き様だ。

 異常で深すぎる独善的で自己満足でしかないデイダラへの愛情……だからこそ。

 

 「ん、じゃあやるか。うん」

 

 デイダラがダイダラの…自分の芸術を初めて理解してくれたあの日から、常にその先を求め続けてくれる(ファン)を裏切ることだけはない。

 

 「あは!それでこそデイダラだよ!じゃあいつも通りまずは演出するとしてぇ…まずは情報収集からだねー」

 

 どこまでも壊れていて、尚且つ芸術を一切理解できないダイダラだが、その演出へと至る順序は実に繊細かつ練られている。

 何せあのサソリが、しいては暁がその手腕だけを認めるほどにダイダラの演出は人の心を壊すのだ。彼女の腐り切った汚い灰色の脳みそはその時だけ鮮やかな色を放つ。

 

 「どっちだろうね。私かな?それともデイダラ?」

 

 目的が違えば手段も変わる。

 再びデイダラの手を口に持っていき、今度は指の一本一本をしゃぶりながら時折「クヒっ」「キャヒ」と気持ちの悪い笑みを浮かべ、ニチャアと彼女の目元が弧状に細くなる。ドロドロとした悪意を更に煮込みながら、ダイダラはポソポソと思い描いた演出を囁いた。

 

 「なにそれヤベ、すげぇ面白そう」

 「でしょ?旦那も早く来ればいいのに。またヤキモチ焼いても知らないから――」

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 「……気づかれたかのォ」

 

 対する自来也もまた、急に道路の真ん中で半裸になったまま抱きしめ合う姿を見て尾行に気づかれたかもしれないと軽く舌打ちをする。

 彼がここにいるのは完全に偶々だった。

 

 ナルトの修行がようやく一段落付き始め、少し前に尾獣の力を暴走させたナルトに負われた傷をしっかり癒そうと嘘を吐き、彼自らが執筆する『イチャイチャシリーズ』の取材も兼ねて一人この街に来ていた。

 

 「何か臭いと感じたが、やはり正解だったか」

 

 ただ勘に従った行動だ。でもそれが決して馬鹿に出来ないと彼はよく知っている。それを疎かにした者ほど早く死ぬ。忍とはそういう世界だ。

 男のほうは岩隠れの里の抜け忍、暁のデイダラで間違いない。

 大蛇丸の行方を探る内に辿り着いた暁という組織…所属する正式な構成員こそ少なく、これまでは戦場などに度々その姿を現し、時には暗殺などを行っていたがその一人一人が高額の賞金首という最悪と言っていい集団。

 また自来也は以前うちはイタチがナルトの中の尾獣、九尾を狙っているといった主旨の言葉を残された際、いずれは木の葉の…忍界全体を脅かすと見切りを付けその足跡を追っていた。デイダラのことはその最中に知り、またその隣に必ずいる史上最悪のテロリストのことも当然知っていた。

 

 顔は相変わらずはっきりとは見えず、今はデイダラが着物をしっかりと着せている最中だが、デイダラと同じ質の金髪の女…間違いない。

 

 

 ――本当に最悪だのォ…ダイダラなんぞと出くわすなんざ。

 

 史上最悪にして、“絶対死(デッドオンリー)”などという世界そのものから嫌われているような手配書を唯一掲げられた少女。2つの小国と3つの里をその悪意で染め上げ滅ぼし、その手腕は戦争の汚れさえ飲み干した自来也でも吐き気を催すまさに外道。

 曰く、とある国の大名を何の理由もなく攫って拷問を行い、死なせてくれと口にした彼に鋸を渡し自ら腹を裂かせた。

 曰く、とある貧困の最中にある母子家庭の子供に目隠しをして肉の塊を用意したから自分で切って食べてと包丁を渡し、うめき声さえ出せないよう喉を潰した母親を解体させたなどの噂はそれぞれの忍里の暗部なら誰でも知るほどに有名であり、その全てが必ず目撃者を作ったうえで行われるから余計に救えない。

 いや、救ってはならないと善人として誰もが思う自来也でさえ感じていた。

 だからこそ、彼女が何故ここにいるのか。そしてあわよくば暁の情報を少しでも得るために捕縛しようと自来也は彼女たちを追っている。…ただ、ここでダイダラを殺そうと思えないところが自来也が善人として捉えられる所以なのだろうが。

 

 「しかし…最近の若いもんはハレンチだのォ。まさかこんな往来で脱いだり弟とはいえ、抱き着いたりするのだからのォ」

 

 急に脱ぎ始めた時は自来也も驚いた。そしてもっと脱げと全力で心の中で叫んだ。今もデイダラが着物をしっかりと着せている最中もなんと勿体ない!と叫びそうになったものだ。

 

 「むぅ…次のイチャイチャシリーズは姉弟モノも…いやいや、あれは健全なエロスを求めるためのもの!何より青少年たちの性癖が歪んでしまう!」

 

 いかん!とブンブン首を自来也が横に振る最中も、姉弟が熱い抱擁を止める気配はない。更には遠目からでもダイダラのテラテラと唾液で(ぬめ)った舌がデイダラの耳の穴へ挿入っていくのが見える。

 姉弟で本当にそういう関係ってあったのか…など、自来也が新しい道へ目覚めようとした時だ。

 

 「じゃ、またねデイダラ。…ふふ、おいで?お じ さ ま♪」

 「むぅッ!?」

 

 ドロリと初めて、ダイダラのドブのような匂いを漂わせる眼が自来也へと向けられた。

 思わず実際にはそんなことはないと分かっていても、自来也は自らの鼻を抑える。その間にも弟のデイダラは彼の視界から外れていくが、ダイダラの濁った瞳が自来也を捉えて離さない。いや、逸らすことができない。

 何をやらかすか分からない、何せ相手は史上最悪のテロリストだ。それにあの眼が何を考えてこうして誘っているのか分からない。

 

 「……」

 

 だから自来也は警戒しながらもダイダラに近づくことにした。

 暁の情報を本人から得る機会でもあるし、ダイダラ自身の情報もまた各国が喉から手が出るほどに欲しがっている。

 何しろダイダラの悪行こそ有名だが、それが何をどうしたのか、そもそも彼女がどんな術を使い、その頭の中がどうなっていればこんなことが出来るのか…その全てが謎に包まれているからだ。

 以前、木の葉の暗部の闇ともされる“根”の首領ダンゾウは部下にいた山中一族を使いその謎を知ろうとしたことがある。だが結果は何も分からず仕舞いで以来ダンゾウはダイダラを探ることを諦めている。それもそうだろう。

 何せダイダラの頭の中を覗いたその山中一族の“根”の者はその場で発狂。悲鳴を上げる自身の喉を潰し、両眼を指で圧し潰した後千本を幾つも頭に刺して自殺したのだから。

 

 「あは、()()()()()。初めまして♪あなたは自来也のおじさまでいいんだよね?」

 

 歩き疲れた旅人用に用意された長椅子に腰掛け、ポンポンと横へ座るように促すダイダラ。

 自来也は暫くその姿を見た後、意を決するように短く息を吐いて座った。

 

「…ああ。そういうお前はダイダラだな?」

「ふふ、せいかーい!じゃあ正解したおじさまには何かご褒美をあげまーす!何がいい?」

 

 足をパタパタさせ喜ぶ様はまるで幼い子供だ。その間延びさせる喋り方もあり、実年齢以上に彼女を幼く見えさせる。

 

 だからこそ、その腐り切った眼が何より恐ろしく異常に感じる。

 

 「そうだのォ…ならお主が所属する暁のリーダーの名でも…」

 

 冗談だったし、まずありえないと思える質問からしたつもりだった。

 

 「リーダー?ペインっていうの。変なグルグルした目で、いつも偉そーに私たちに命令してくるんだ」

 

 なのにダイダラはそんなことでいいのと言いたげに洗いざらい吐いていく。そのどれもが誰も知らない情報で、本当にダイダラがあまりにも興味なさげに話すので、自来也は思わず目を見開く。

 

 「お前…それ言っていいのか?」

 「え?知らない。てかこんなことでいーの?てっきりスリーサイズとか、今までの経験人数とか聞いてくるものだと思ってたのに。おじさま、スケベそーだもんね」

 

 えへへ、とはにかむように笑うダイダラの姿は、どこにでもいる可愛らしい少女にしか見えない。だからこそ自来也は困惑する。

 これは本当に()()ダイダラなのか?己が知るダイダラとは、この世の悪意の集合体のような悍ましい存在で、決してこのような普通の会話が出来る者だなどと思ってもいなかった。

 

 もしやと…善人だからこその考えが自来也によぎる。

 もしやこの少女は誰かに幻術か何かで操られ、やりたくもない悪行に身を染めてしまっているのではないかと。

 救い出すことは出来ない。ダイダラにそのようなことをしようとすれば、今度はその人物が世界中から指名手配される…彼女はそこまで堕ちている。大蛇丸など比ですらないほどに。

 でも…少しは日の当たる場所に身を落ち着けてもいいのではないか?

 

 九尾の化け狐をその身に宿しながらも、自ら太陽になろうとしているあの愛弟子のように。

 

 「ねぇねぇおじさま!じゃあ次はおじさまが私の質問に答えてよ!」

 「…ああ」

 

 楽しそうに笑いながら身体を売春婦のように摺り寄せる…その仕草を自来也は痛ましく思いながらも受け入れる。もしかしたらこれさえも自らを守るためのものなのではと。

 

 ただ…その全ては初めから何もかもが間違っているのだが。

 

 「じゃあねぇ、今まで気持ちの良かった人の壊し方は?」

 「…は?」

 「私はね、グチャグチャにするのがスキ!お腹を裂いてその中で裸になって泳ぐとね?ヌルヌルとして暖かくて泥遊びしてるみたいですごく気持ちいいの!」

 「なにを…言って…」

 「歯を全部折ってお口の中に手を入れたことある?あはは!あれすごく面白いよ?そのまま胃まで手を突っ込んで掻き混ぜるの!するとみんな魚みたいに身体をビクビク痙攣させてさ、そのまま自分で吐いたもので溺れ死ぬんだよ、おしっこ漏らしながらさ」

 

 昨日何を食べたのか自慢するように、ダイダラは自ら行った所業の数々を口にしていく。その全てが例え拷問を生業にするような者でも思いつかないまさに吐き気を催す邪悪そのもの。

 そのあまりの非道具合に聞いていた自来也はようやく悟る。

 彼女は壊されたんじゃない、()()()()()()()()()()()()()と。

 

 「クヒっ、クヒュ…だからさ、私と気持ちいいことしようよ。おじさま」

 

 気づけば目の前にクナイが差し迫っていた。それは錆びついており、一度も洗っていないかのように赤黒い染みが幾つも付いた…ナニカが大量のこびり付いたクナイ。

 

 ヒュっとクナイが風を切る。

 当然自来也はそれを避けて、ある程度の距離を取ろうとするがここは繁華街の大通り。すぐに通行人とぶつかる。

 

 「ぐあ!?な、なんだよおっさん!?」

 「むぐっ、す、すまん!」

 

 謝りこそすれど、自来也の顔はダイダラのほうを向いたまま。

 油断なんか一欠片も出来ない…しかも状況はまさに最悪だ。

 

 何せ周りにはまだまだ大勢の観光客や客寄せの売り子たちもいる。そもそもがこんな往来で争おうなどとは普通の忍ならまずありえない。

 自来也の意識が、視線がそんな何をやらかすか分からないダイダラだけに集中する。

 

 

――故に悪意はニコリと笑い花開く。

 

 

 

 「――ッ!?」

 

 凄まじい衝撃と閃光が辺り一帯を飲み込んだ。

 しまったと思うがもう遅い。それはデイダラが無差別に芸術を披露し始めた合図なのだから。

 

 そして自来也が思わずダイダラから目を離したからこそ、惨劇の幕は本当の意味で開かれた。

 




 中途半端ですが勘弁してくだちぃ。
 次回は結構悩んでいるので時間かかりそうです。


 キャラ紹介

 自来也
 みんな大好きシッショー。
 作者も大好きなキャラなのでまず被害者はこの人にすると決めていた。

 デイダラ
 手の平は口じゃないからセーフ。
 昔胸の方の口に跨られてそのまま舐めてと言われたが断固拒否した経歴あり。

 ダイダラ
 我らが頭のイカレた主人公。
 特技の一つにサクランボの柄を舌で亀甲縛りに出来るほどのペロリスト。
 舐めるの大好き、舐められるのも好き。
 常にデイダラの味を思い出してその唾液は溢れている。ようは変態。

 サソリ
 今回完全に霊圧が消えた人。
 感想でもパパと言われていたが声を大にして言いたい、パパでありママであると。
 ダイダラの玩具にして作者の玩具。
 いつかちゃんとした出番が来るかは読者様方の感想と評価次第(よろしくお願いします)。(次回ちゃんと出す予定です)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。