げんしけん~ライトおたくな俺が一話で消えたキャラに転生したんだが~ 作:やきたまご
あれ、ここはどこだ? 俺は確か、胸が痛くなって道ばたに倒れ込んでいたと思うんだが、今の時間を確かめられる物があるか……カレンダーをみつけたが……
「2003年4月……古いなこのカレンダー、新しい物はないのか」
ふと部屋の窓ガラスを横切り俺の姿が見えた。明らかに俺の知っている俺の身体ではないことに気付いた。
「ど、どういうことだ!? か、鏡!!」
部屋の中に鏡があった。俺とは全く違う顔がある。
「なんだこの漫画でいかにもモブキャラやっていそうな顔は!?」
どこかで見たことがある顔だった。誰だ、思い出せない。なにか記憶を思い出すヒントはないかと、部屋の中にあったノートを見た。
「名前は
そうか、こいつはげんしけんに一話こっきりで退場した沢崎君じゃねえか! 漫画でもアニメでも咲さんと香坂さんでいちゃいちゃしていたの見てこなくなったんだよな……なぜかくっちーがその後登場したけど……やはりキャラの濃さかな……。
「ちょっと待て、俺はげんしけんの世界の脇役に転生しちゃったのか!? どうすればいいんだ……でもまあ、げんしけんの雰囲気を味わえるのは最高だな……」
さて、今の年月がさっきみたカレンダー通りであれば、ちょうどあの話のタイミングのはず!
よし、たしか……椎茸大学、じゃなくて椎応大学へ行こう!
そして、俺は椎応大学のサークル勧誘のスペースまでやってきた。
「どこのサークルも目立ってげんしけん見つけづらいな……あの魚の頭のオブジェクトってどこのサークルだ……確かこの時は大野さんがコスプレしていた記憶があるが……」
かつかつ
俺の目の前を不機嫌そうな顔した眼鏡の美人が通り過ぎた。
「あの人って水虫の人か……確かこの時だと大野さんの胸を見て嫉妬していたような……あっメイド服だったな!!」
水虫お姉さんのおかげでげんしけんを見つけることができた。
そして沢崎君初登場のコマの場面となった。
「こんちは――――」
香坂さんと咲さんが近い距離を保ちながら部室へと入ってきた。
(さて、どんな話題を出せば良いか……この当時の咲さんってオタク系の話題は嫌う傾向強いからなぁ……)
「わたくし朽木といます。クッチーとよんでください」
「絶っ対呼ばねえ」
(明らかに咲さん嫌そうな顔しているな……俺もクッチーは嫌いな方ではあるが、そして原作通り咲さんが威嚇的な態度をとったり、心霊話をしたり、格ゲーしようぜという流れになった)
「すいません、格ゲー苦手なもんで……」
すまん沢崎君、君のキャラを壊してしまって。君はここで自信満々に格ゲーで挑むんだったよな。でもな、香坂さんと闘うのは怖い!! それにリアルの俺は、対戦系のゲームは苦手だ!! ぼっちでマイクラとかやって自分の世界作ったりするのが好きなんだ……この時代はまだマイクラなかったような……。
「じゃあさ、好きなアニメ作品あるかい?」
斑目先輩ナイスな流れを作りました!! 流石現会長!! 咲さんが嫌そうな顔しているけど無視しよう!!
「えぇと……」
あれ、俺の知っている作品をげんしけんの皆は知っているのだろうか? この漫画でも著作権の関係か似たような名前しか出ないし、そもそも2003年あたりの作品って何があった……なおかつここの皆さんが好きそうな作品なら……
「藍より青しですかね……」
「くはぁ――――っ!! そうきたか!!」
斑目先輩からすげえ良い反応がきた。こ、これはよしなのか?
「去年の今頃見たが良い作品だったよな!」
「そうなんですよ、俺サントラおたくなんで、BGMの良さがすぐに分かりましたよ!!」
またもすまん沢崎君、君に勝手にサントラおたくの属性をつけてしまった。
「特にティナって子が春日部さんの声に似ているんだよなぁ。薄い本で出たら間違いなく春日部さんの声で脳内再生余y」
ばきっ
やはりというか、斑目先輩の咲さんへの無自覚な愛がセクハラとして出た結果がこの鉄拳制裁だ。いや、確かに中の人は同じですけどね! 少し姉さんキャラ系としてひっぱる感じも咲さんですし!
「くたばれっ!! おたくがっ!!」
いつしかクッチーが逃げ出していた。まああいつはああいうキャラだわな。こうして、沢崎君としてげんしけんへの所属が決定したのだった。これからどうなるんだろうね?