ゆるふわ芦毛のクソかわウマ娘になってトレーナーを勘違いさせたい   作:へぶん99

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99話:天皇賞春・最終準備

 

 新走法・超逃げのコツを会得してから数日が経ち、いよいよ天皇賞・春の出走ウマ娘が決定した。

 

 アポロレインボウ。

 スペシャルウィーク。

 セイウンスカイ。

 メジロブライト。

 マチカネフクキタル。

 ジャラジャラ。

 ディスティネイト。

 リトルフラワー。

 ジョイナス。

 ジュエルジルコン。

 リボンフィナーレ。

 イラッパ。

 ジュエルアメジスト。

 ステイシャリーン。

 デュオタージェ。

 ヤムヤムパルフェ。

 ラピッドビルダー。

 レベレント。

 

 集まったのはフルゲートの18人。ほとんどのメンバーが菊花賞・ステイヤーズステークス・有馬記念で戦ったことのあるウマ娘である。3200メートルの日本最長G1という舞台だが、ペースキープやスタミナ管理に自信のあるウマ娘が多いはずだ。油断はできない。

 また、出走するG1ウマ娘は総勢5名。アポロレインボウ、スペシャルウィーク、セイウンスカイ、メジロブライト、マチカネフクキタル。全員戦ったことがあるし、嫌な思い出のあるライバルがちらほら。

 

 こうしてメンバーが出揃ったところで、私達は天皇賞・春の勝利を磐石のものにするため対策ミーティングを開催することにした。

 授業が終わって、昼食を食べてからトレーナー室の扉を叩く。返事を待たずに入室すると、とみおが丁度昼食を食べているところだった。カップラーメンとかコンビニ弁当じゃないだろうな、と思って目を光らせると、簡単な物だけどちゃんと手作りの食事を食べていたので安心する。

 

「授業お疲れ様。急いで食べちゃうから待ってて」

「いやいや、お食事くらいゆっくり食べてていいよ。好きにしてるから」

「んん……お気遣いどうも」

 

 そう言ってキャスター付きの椅子を回転させ、デスクの上で食事を再開し始めるトレーナー。最近は手作りの料理にハマっているらしく、本人曰く「割と楽しい」というので私としても安心だ。

 そんな彼のデスクのパソコンの画面には、スペちゃんの顔写真及びレースのデータ、もう半分にはインタビューなどの予定が詰まったスケジュールが所狭しと表示されていた。

 

 この春に新入生・新人トレーナーが増えたのもあって、学園は新しい風に活気づいているが、トレーナーの多忙は基本的に変わらないらしい。専任トレーナーのとみおでも鬼気迫る仕事ぶりだ。単純比較はできないが、リギルやスピカのトレーナーの人外っぷりが恐ろしい。本当にたった1人であの数のウマ娘を束ねているのだろうか……。

 

「とみお、最近は疲れてない?」

「ん? 普通によく眠れてるし、前みたいな疲れは無いよ。君に心配はかけたくないからな」

「ふ〜ん……ほんとに?」

「ほ、本当だけど……何でそんなに疑り深いんだ」

 

 私はとみおの背後を取って、ご飯を食べる彼の髪の毛を弄り始めた。目を閉じても思い出せるくらい記憶に刻みつけたスペシャルウィークのレースデータを背景に、とみおの硬質な髪を指先で摘んだり捻ったりして遊ぶ。

 

「女の子の髪と全然違うな〜」

「そりゃそうだろ。もうちょいで食べ終わるから、準備よろしく」

「はいはい」

 

 こうして無意味な接触をするのにも、ちゃんとした理由がある。言うまでもなく想いの貯蓄だ。燃焼させるための恋心はあればあるだけ良い。愛しい人に触れて、確かめて、もどかしい激情を渦巻かせて、『未知の領域(ゾーン)』の糧にするのだ。

 …………別にそういう口実じゃないからね? これくらいの軽い接触が丁度良いのである。これ以上深く触れ合ったら、「俺」はともかく「私」は恥ずかしすぎてオーバーヒートしてしまうだろう。クソザコだから。

 

「ご馳走様でした。……アポロ、そろそろ解放してくれないかな」

「あ、ごめん! ミーティングいつでも始めていいよ!」

 

 とみおが食器を持ってキッチンに行っている間に、ペンとメモ帳を取り出してソファに座る。モニターの中で微笑むスペシャルウィークの顔写真が偶然目に入ってきて、私は苦笑いした。こんなに可愛い顔をしているが、ライバルとして戦うことになった今は彼女の微笑みが怖すぎて笑ってしまうレベルだ。

 スペちゃんは昨年のジャパンカップ(3着)を最後に休養に入り、今年の始動を大阪杯に決定。グラスちゃんを退けてその大阪杯に優勝し、ダービーウマ娘の実力が確かなことを証明した。天皇賞春の人気は多分、私とスペちゃんが人気を分け合う形になると予想している。

 

 とみおが戻ってくると、『天皇賞・春出走ウマ娘対策ミーティング』が始まった。

 

「これから天皇賞・春に出る17人の対策をしていくぞ。まず日本にいる有力なステイヤーは君も知っての通り――スペシャルウィーク、セイウンスカイ、メジロブライト、マチカネフクキタル、ジャラジャラ――特にこの5人だ。このミーティングでは彼女達を中心に話していくぞ」

 

 とみおがホワイトボードに名前を書き連ねていく。スペシャルウィーク、セイウンスカイ、メジロブライト、マチカネフクキタル、ジャラジャラ……ひとりひとりと戦うだけでも大変なのに、それが5人。特に逃げ脚質のセイウンスカイとジャラジャラがいることで、私が出来る行動はかなり制限されてしまうだろう。

 

「まずセイウンスカイとジャラジャラ。大逃げ――いや超逃げを会得したとはいえ、序盤で最も気にするべきウマ娘なのは変わらない」

 

 キリキリと嫌な音を立てながら、彼はホワイトボードにペンを滑らせていく。モニターとボードそれぞれに個別情報があるため、メモする手と視線が忙しい。

 とみおがホワイトボードに書き出したのは、ジャラジャラとセイウンスカイにおける最序盤の加速についてだ。モニターに映っていたデータシートが消えたかと思うと、2人のスタート映像に切り替わる。セイウンスカイとジャラジャラのスタートダッシュが執拗に映され、何度も繰り返して見られるよう編集された映像だった。

 

「アポロとセイウンスカイとジャラジャラ。3人のスタート直後の加速を仮に数字で表すとこうなる。枠番、芝の状態、スタートの上手さ、天候、風向き、調子、疲労……色々な要因はあるが、アポロの大逃げの序盤加速を『1』、超逃げを『1.2』とすると……セイウンスカイは『0.8〜1』、ジャラジャラは『0.9〜1』ってところだな。超逃げをマスターしたからと言っても、最初の位置取り争いでは油断できないぞ」

「……スタートダッシュには自信あるけど、もし2人が内枠に入って私が大外になったりしたら……どうなるか分からないね」

 

 莫大なスタミナを爆発的に燃焼させて、短距離レースの如きスピードと加速力を得る“超逃げ”。メリットはあるが、もちろんデメリットもある。それは、身体に強烈な負担が掛かってしまうことと、コーナーを曲がりにくいことだ。

 位置取り争いをスキップできることは私にとって最も大きなメリットだが――もし仮に、『大外枠』『重場』『2人が最内枠』『絶不調』などの条件が揃ってしまった場合は、皐月賞のような地獄を見ることになるだろう。そうなる可能性はとてつもなく低いけどね。

 

「枠番が最悪だった時に備えて、それ用のプランも一応考えてある。安心してくれ」

「え、やだ……かっこいい」

「とにかく。序盤のハナ争いはセイウンスカイではなくジャラジャラに注意だ。セイウンスカイは余程の条件が揃わない限り、無理矢理ハナを奪いに来るとは考えにくい。彼女は2、3番手に控えての逃げもできるから、どちらかと言えば先頭を走ってのレースしかできないジャラジャラの方がよっぽど怖い」

 

 とみおはジャラジャラのレース映像をポインターで指差す。そこには果敢な逃げで後続をぶっちぎるジャラジャラの姿があった。メイクデビューでのゴチャついた雰囲気はなく、己のスタイルを確立したようである。

 それは、ハナを奪ってのトリッキーな逃げ。セイウンスカイとはまた違ったスタイルの時計(タイム)を操る逃げである。

 

「ジャラジャラは最早別人だ。連勝中のレースを見ても、1レースごとに動きが違いすぎて何をしてくるか予想がつかない。本格化の最中なんだろうな」

 

 とみおはジャラジャラちゃんの詳細データを私に見せてくる。1ハロン(200メートル)毎のタイム表だ。ダイヤモンドステークスでは、最後の600メートル以外を13秒台前後で駆け抜けたかと思えば――阪神大賞典では、レース中盤で11秒台から15秒台を交互に刻んでいる。

 セイウンスカイのように柔軟かつ悪辣な心理戦を仕掛けるスタイルではなく、事前に決めていた展開通りにレースを進めるタイプの逃げだと予想される。型にハマれば強いが、逆に言えばハナを奪えなければそれまで。私と似たようなスタイルとも言えるだろう。

 

 正直なところ、いつものようなスタートダッシュをしつつ超逃げのスピードに任せて走ればハナを奪えるだろう。そしてそのままゴール付近まで優位を保てるはずだ。

 ラビットを含めた()()()()()()()()()()()()――それが超逃げなのだから、この絶対的なスタミナ量を誇る限り、私は十中八九負けないはずである。

 

 でも、負けの僅かな可能性があるからこそ、油断してはならない。詳細まで詰めた作戦を考えて、磐石の状態で本番を迎えなければならない。無敗で現役を終えられたウマ娘が極端に少ない理由はそこにある。

 転ばぬ先の杖は何本あっても足りないのだ。スタート直後に並ばれる可能性は低いが――もしゲートオープンと同時に躓いたら? スタートダッシュに失敗したら? 絶不調でスピードに乗れなかったら? 大外枠のせいで上手く内側に切り込めなかったら? ――そして、横に並ばれたり先頭を奪われた状況を考えていなくて、頭が真っ白になってしまったら? ――そういう最悪を考えて、乗り越えられるような対応を考えてこそのプロなのである。

 

「――まず、ジャラジャラかセイウンスカイに横に並ばれた時。悪いが、これは気合いでジャラジャラを突き放してハナを奪ってくれ。ジャラジャラやセイウンスカイは長いスパートを使えるけど、アポロほどじゃない。もし競り合ってくるようなら、自分のスタミナ量を信じて絶対に譲るな。彼女が諦めてくれるならそれでいいし、諦めてくれないならそのまま長く走って()()()()()からな」

 

 もちろん仮の話だ。短距離レースのスパートを誇る超逃げと、ジャラジャラの逃げの最高速度が()()()噛み合ってしまった場合の話をしているのだろう。私にとっての悪条件が重なりまくった時は確かにこうなるかもしれない。

 

「次は――運悪くハナを奪われて、完全に前に入られた時。正直、こうなったらアポロはおしまいだ。横に並ばれるならまだしも、ハナ争いだけは絶対に負けないで欲しい」

 

 私はハナを奪われた時、レースパフォーマンスが極端に落ち込む悪癖がある。生まれつきなのか、「俺」が憑依したからなのかは分からないが――とにかく先頭にいなければ絶対に負ける。私はそういうウマ娘らしい。

 皐月賞はそれが原因で負けた。セイウンスカイにハナを奪われ、賢さが低いことも相まって半ばパニックに陥り、見事なまでに彼女の策略にハマってしまったのだ。

 

 先頭を追走する形になると、どうしても視界と思考範囲が狭まってしまう。目の前にウマ娘がいると集中できなくなってフォームも乱れるし、全くもって良いことがない。

 どれだけ最悪の事態が起こったとしても、ハナだけはどうにか奪ってくれ――私はそういう性質なのである。

 

「さて、レース序盤についてはここまで。これからはレース後半について話していくぞ」

 

 とみおは続いてスペシャルウィーク、メジロブライト、マチカネフクキタルの画像を映す。後ろ脚質の有力ウマ娘達だ。残り1000メートルを経過した頃に彼女達がすっ飛んでくると予想される。

 

「この中で1番怖いのは……言うまでもなくスペシャルウィークだ。大阪杯で1着を取ったのは君も知ってるだろうけど、もう去年の彼女じゃないぞ」

 

 とみおはスペシャルウィークの大阪杯の映像を流し始める。最終直線で前に抜け出していたグラスワンダーを鋭く抜き去って、追い縋る彼女を突き放してゴールイン。既にトップスピードに乗っていたグラスワンダーを抜き去る鋭い末脚と、レースセンスの向上が窺える。

 結局のところ、私がスペちゃんに対してやれることなんて、勢いに任せて逃げまくることくらいなのだが――とみおからひとつ提案される。

 

「レースというのは、ある程度のレベルに達すると肉体的スペックの差は微々たるものになってくる。そこに加えて、プレッシャーに動じない精神力やレース展開に対する嗅覚というものが加わってくるんだが……もうひとつ大事なものがある。それは闘志だ。気迫で威圧することによって普段以上の力を出してくるウマ娘も多い」

「スペちゃんもそのタイプってこと?」

「そういうことだ。彼女はレース後半のラストスパートと同時に闘志を爆発させることがほとんど。そこで――アポロはスペシャルウィークと同時に速度を一段階引き上げてくれ」

「引き上げると……どうなるの?」

「サクラバクシンオーが言った通り、後ろ脚質のウマ娘がラストスパートをかけても君に追いつけなくなる。もしくは、()()()()()。するとどうなる? 少なからず闘志が削がれて、スペシャルウィークは上手く走れなくなるだろう」

 

 言ってることはえげつないけど、私がやろうとしていることはそういう類のモノだ。もしも私が差し追込脚質で、ラストスパートをかけているのに逃げの子に更に突き放されたら……まあ間違いなく絶望する。

 こうやって考えてみると、私って外見は滅茶苦茶可愛いけど、割と邪悪というか……悪魔みたいなことしてるなぁ。

 

「差し追込に不安感を与えるレベルで大差を付けておくのも手だな。例えば道中で20身も差があったとしよう。自分は向正面を走っているのに、敵はもうコーナーを曲がっている。そんな状態だったらアポロは追いつけると思うか?」

「……どれだけ末脚に自信があっても、流石にそれは怖くなってかかっちゃうかも」

「そうだろ? アポロは自分の脚にもっと自信を持ってもいいんだよ」

 

 そう言って、とみおが不意に私の頭を撫でてくる。ぎょっとして耳がピンと反ってしまう。急に触られて変な声が出そうになったが、何とか耳と尻尾を暴れさせるだけに留めておけた。

 

「……な、何してんの」

「さっきのお返し」

「は、はぁ〜? それ口実にして女の子の髪触るとか、マジ有り得ないんですけど……」

 

 何がムカつくって、撫で方が上手いのが腹立たしい。大きな手で優しく髪を梳かれると、変な安心感で身体中の力が抜けそうになってしまう。多幸感で身体の芯がぶるぶると震えて、とみおの方に寄りかかってしまった。

 あまりにも上手いので、女の子の扱いに慣れてるんじゃなかろうか、という想像をしてしまいそうなくらいだ。実際、彼ほど魅力的な人なら交際の経験もあるだろうし……。

 

「……慣れてるの?」

「え? 何が?」

「な、何でもないっ」

「あ、撫で方変だった? 実家に猫がいてさ。変な影響が出てるのかもね」

 

 言いながら、とみおが五指の先で擽るような撫で方に変えてくる。頭頂部から耳にかけて、毛並みをなぞるようにわしゃわしゃと。

 ちょっとしたイタズラのつもりだったのだろうが、私は未知の感覚に今度こそ耐えられなくなった。頭のてっぺんの辺りに強烈な熱が灯り、手に持っていたペンが指先から零れ落ちる。擽ったくて、でも気持ち良くて、病みつきになってしまいそう。座ることさえ難しくなってしまう。

 

「んっ……やっ、ちょ、本当に――」

 

 身を捩って彼の攻撃に耐えていると、とみおが落としたペンを拾い上げるために攻撃の手を止めた。

 

「ごめんごめん。さて、そろそろトレーニングに行こうか。スピード、スタミナ、パワー……まだまだ伸び代はあるんだから、伸ばしていかないと」

 

 彼は私が立ち上がれないことも知らないで、ホワイトボードを片付け始める。私は口の端についた涎を拭いつつ、頬を膨らませた。

 ……私、とみおの手の上で転がされてる気がする。

 少し不満に思いながら、私は彼の下で厳しいトレーニングをこなしていくのだった。

 

 そしてトレーニングが終わる直前、とみおがこんなことを言った。

 

「あ、思い出した。気になることがあったんだよね」

「?」

「ドバイゴールドカップの時、鼻血出てただろ。あれはやっぱり良くないよ」

「あ〜……アレね。別に大したことないと思うよ?」

 

 ドバイゴールドカップの敗戦の後、急に垂れてきた鼻血。すぐに出血が止まったこともあって、私は特に気にとめていなかったが、とみおはそうは思っていないらしい。今になって掘り返すあたり、ずっと引っかかっていたのかもしれない。

 

「いや、俺はそうは思わないな。アレはアポロが頑張りすぎた結果出た鼻血だと考えてる」

「……と言うと?」

「無理しすぎるなってことだよ。夢もレースも大事だけど、やっぱり自分の身体が一番大事なんだから。他にも変なことは起きてないよな? やけに頭痛がするとか、その他にも胸が極端に苦しくなるとか……」

「ないない……というか、超逃げしながらドバイくらい頑張ったらマジで死んじゃうから」

 

 成長期は鼻の粘膜が弱いため、ふとしたきっかけで鼻血が出てしまうという。あの時は激しい運動の後だったから、私は勝手にそれ系統の出血だと思い込んでいたけど……。

 とみおの方がヒトやウマ娘の身体に詳しいだろうから、頭の片隅に置いておこう。頑張りすぎずに勝つ。……割と難しくね?

 

「どうか無理しすぎないでくれよ」

「分かってるって。今頑張りすぎたら、ヨーロッパに行けないからね」

 

 茜色に染まる空を見上げる。

 私が今目標に掲げているのは、ヨーロッパG1制覇だ。だけど、それは天皇賞・春を疎かにしていい理由にはならない。天皇賞・春に勝って、ヨーロッパも勝つ。そして私とトレーナーの夢を叶えてハッピーエンドに一直線だ。

 

 私は強欲なウマ娘アポロレインボウ。

 日本で勝って、世界でも勝つ。天皇賞でも、ゴールドカップでも、カドラン賞でも、全て勝つ。

 

 ドバイの敗戦を忘れるな。

 あの溶岩のような悔しさと激情は、今なお私を焦がしている。

 

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