ゆるふわ芦毛のクソかわウマ娘になってトレーナーを勘違いさせたい   作:へぶん99

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124話:爆逃げステイヤーズ結成…?

 

 ――目の前に広がるこの光景が信じられるだろうか。イギリス最大の社交場と呼ばれたロイヤルアスコットで、柵に齧りついた12万人の観客が私達のレースに夢中になっていたのだ。傘すら差さず、そのドレスコードを汚すことすら厭わないで。

 12万人の観客の視線の先にいる私は、優雅さや気品などという言葉と最もかけ離れていた。泥まみれで、ボロボロで、汗と涙を垂れ流しにして、今にも倒れそうになっているくらいだ。

 

「ぜぇっ――はぁっ――……」

 

 大口を開けて、柵に両手でしがみつきながら、痙攣する脚を横倒しにしてその場に座り込む。弛緩する全身の筋肉はその場に座ることすら許してくれず、私は大の字になってターフに転がり込んだ。

 もう雨は降っていない。風も吹いていない。青空を覆い隠すものは何も存在せず、アスコットの上空には大きな虹の橋が架かっていた。

 

『アポロレインボウ、ウイニングポストを通過して地面に倒れ込んでしまう! 次々にゴール板を通過するウマ娘達もそのままへたり込んでしまった!』

『15人全員が力尽きるように……どれほどの死闘だったかが伺い知れますね』

 

 己が持ちうる全てを吐き出して、喉が張り裂けんばかりに咆哮して。全てを賭けて戦ったのだ。もう私の身体には何も残っていない。それは他の14人も同じだったらしく、ゴールラインを割った者から次々に膝を着いて地面を食んでいた。唯一立てているのはカイフタラさんだけだが、彼女もまた柵に寄りかかって何とか体裁を保っている形だ。

 汗水に塗れた背中に冷たい地面を感じていると、ゴール板付近のタイム表示の『3:59.90』という数字が目に入った。それはトレーナーと話していた夢物語のような作戦が成功した証拠に他ならない。そうして私は間違いなく4000メートルを走り切ったはずなのに、どうにも現実味が湧いてこなかった。

 

『ただ今着順が確定しました! 1着は1番人気のアポロレインボウ! 2着は6身差でカイフタラ、3着は大差でエンゼリー! そして――アポロレインボウが4000メートルの世界レコードを記録!! そのタイムは何と3分59秒90!! 長距離三強対決を制し、見事アポロレインボウが最強ステイヤーを証明した!!』

 

「――っは、……ぁ、……った」

 

 やった、と言うこともできずに意味不明な言葉を吐く。拳を突き上げて観客にアピールしようとしたけど、腕を天に掲げるのが精いっぱいで、すぐに手が重力に引っ張られて地面に落ちてしまう。瞼が重くて呼吸が浅くなっている。

 ウイニングランは免除してもらうとして、ウィナーズサークルでのインタビューや表彰台はどうにか受けないと……王室の方がレース場にいるわけだし。そう思って地面を這っていると、不意に背中の辺りに手を添えられる。そのまま私を補助するように立ち上がらせてくれたのは、他の誰でもないトレーナーその人だった。

 

「っ、ありが、っ……ごめ……息が……」

「アポロ、本当におめでとう……大丈夫か?」

「……は、はは。疲れちゃって、ちょっと時間かかるかも……」

「おぶろうか?」

「……んや、支えてくれる分には、っく……何とか……」

「分かった。ゆっくり歩こうか」

 

 とみおは私の肩と腰の辺りを支えてくれながら、私の覚束無い足取りに合わせて歩いてくれる。正装が汚れることも厭わずに、彼は泥だらけの私を懸命に支えてくれた。そんな私達2人に黄色い声の混じった歓声と祝福のような言葉が降り注ぐ。色々と勘違いされている気がするけど、もうどうにでもなれ……とやけくそ気味に思った。

 ほんの少しだけ身体を動かせるようになったので、スタンド正面やホームストレッチ周辺の観客並びにテレビカメラへ(疲れ切った)笑顔で手を振り、私達は一旦控え室に向かうことになった。と言うのも、スタッフさんが気を利かせてくれたのか、勝利者インタビューの開始を少し遅らせてくれるそうだった。

 

「アボロぉぉ……本当におめでどう……」

「顔中泥だらけじゃないか。ああ、耳の中まで泥が……この過酷な環境の中よくぞ走り切った。おめでとうアポロ」

 

 顔面をぐしゃぐしゃに濡らしたルモスさんと、心配そうな顔をしたダブルトリガーさんが控え室で私を迎えてくれる。2人ともドレスが雨に濡れており、観戦中に傘を放り投げたのだと薄々察しがついた。何せとみおの服もかなり濡れていたから、アスコットに詰めかけた観客は例外なく()()なっているのだろう。

 私はルモスさんに手伝ってもらいながら、勝負服の汚れを落とすためにシャワーを使う。すると全身を軽く流すだけであっという間に汚れは落ちてしまった。流石は世界に1着しか存在しない特別な服である。

 

 耳の中に入った泥は少量だった。普通、ウマ娘が走る時は耳を後ろに倒しておくものである。むしろ後ろ向きの耳にまで泥が跳ねていたことに驚きだ。

 ルモスさんがタオルで耳の中の泥を取り除いてくれる中、ダブルトリガーさんやスタッフさんが髪の毛のセットや再びの化粧をしてくれる。その間とみおは私の脚をマッサージして、補助があれば何とか歩けるくらいまでに回復させてくれた。

 

 少量のスポーツドリンクを口に含んで体力を回復し、ふわふわになったボブカットの具合を確かめる。レース直後は雨・泥・風でぐちゃぐちゃになって顔のあちこちに張り付いていた髪の毛が、レース直前のようにすっかりと元通りになっていた。

 メイクやセットの力は偉大だな〜なんて他人事のように思いつつ、私はとみおに支えられながらスタンド裏のパドックにやってくる。表彰式の前に勝利者インタビューを行う形にしてくれたらしい。柔軟なプログラム変更はありがたい限りだ。

 

 すっかり晴れ渡ったアスコットのスタンド裏、姿を見せた私とトレーナーに拍手喝采が巻き起こる。先刻まで6月末の寒風が吹いていたレース場だが、天頂を覆っていた積乱雲は既に霧散して、すっかり初夏の陽気へと戻っている。むしろ蒸し暑ささえ感じてしまいそうなほどだ。

 

『ゴールドカップの勝者アポロレインボウが今姿を現しました! トレーナーに身体を支えられながら再びの登場です!』

『あれから数十分の間を空けたのですが、まだ脚が震えていますね……先程よりは顔色も良くなりましたが、歓声に応える仕草はどこか弱々しいですよ。気の早い話ですが、後でゆっくり休んで欲しいところですねぇ』

 

 私の名前を呼ぶ人達に向かって手を振りながら、パドック中央のウィナーズサークルに入る。トレーナーがここに入ってウマ娘と一緒にインタビューを受けるのは珍しいことらしいが、どうやら私のように消耗した娘がこうなったケースがほとんどのようだ。

 調子付いたとみおもあちこちに手を振ったりして、色んな意味で沸き立つ歓声に頬を綻ばせている。何かそっちの声は質が違うというか、私と一緒のとみおにヒューヒュー言っているというか……まぁ気にしないでおこう。

 

『ゴールドカップを勝利しましたアポロレインボウさんと、トレーナーの桃沢さんです。おめでとうございます』

「あ、ありがとうございます……すみません、疲れのせいで舌が上手く回らなくて……」

『いえいえ、ゆっくりで大丈夫ですよ。……このゴールドカップ、歴代最速レコードでの勝利となりました! 大逃げで最初から最後まで見事な旅路――狙っていた展開通りだったのでしょうか』

「……前にとみおと話していたんです。私達がみんなに勝つにはこれしかないって。展開は狙い通りでしたが、まさか本当にレコードが出せるとは思っていませんでした。勝算はあったんですけど、やっぱり賭けだったと思います」

 

 アナウンサーの声がマイクを通じてアスコット全体に響き渡る中、私は質問に恙無(つつがな)く答えていく。インタビューと言っても2、3分程度なので、どっちかと言うとこの後に控えている表彰式のことを考えて個人的に緊張してしまう。何せイギリス王室の関係者にトロフィーを直接手渡ししてもらうわけだから……とにかく凄いことだ。

 

『大雨、強風、不良場、大外枠……少なくとも“大逃げ”するにしては不利な条件が揃っていたように思いますが……』

「そうですね……大外枠はある意味問題になりませんでした。最初の直線が長かったですし、悪条件のせいで多少のロスは関係ないレベルだったので。もちろん最内枠であれば1番良かったんですけどね」

『ありがとうございます。それではお聞きしたいのですが、レース前に桃沢トレーナーと話していたことで心に残っていた会話はありますか?』

「会話、ですか……」

 

 中々珍しい質問だ。とみおと話したことは大体心に残っていて言葉にすることは容易かったが、それを全世界に公開するとなると足踏みして吟味するしかない。個人的にキュンときた言葉なら沢山あるものの、惚気じみたものを全世界に発信するのはさすがにヤバそうだし。

 長い沈黙は放送事故になってしまうと小耳に挟んだことがある。私は偶然湧いてきた記憶をそのまま手繰り寄せ、マイクに向かって吹き込んだ。

 

「答えになってるかは分からないんですけど……とみおはレース前に決まって『行ってらっしゃい』って言ってくれるんです。……ウマ娘のレースは常に危険に溢れていて、特に私の大逃げは身体に負担が掛かりやすいらしくて……私の無事を第一に考えてくれる彼の気持ちの表れなんだと思います。心に残る会話といったらそんな感じですね」

『なるほど、それではありが――』

「あ、とみお。そういえばまだ言ってなかったっけ」

「ん?」

「――ただいま、とみお!」

 

 とみおと顔を見合わせて、至近距離でふにゃっと微笑みかける。すると彼は堪らなくなったかのように満面の笑みで私を抱き締めてくれた。子供のように身体が震えており、優しい抱擁というよりは力任せな抱擁。私だけに聞こえる声で「おかえりアポロ」と言った後、彼の腕に込められた力は更に強くなった。

 勝つためにはあの作戦しか無かった。それでも多大な心配をかけたのだろう。だから私達には必要なことだった。お互いに信頼しているパートナーであるからこそ、今一度結果を噛み締める必要があったんだ。

 

 ――無論、周囲からは指笛と騒々しい歓声が爆発することになった。かなりの爆音にビックリした私は、尻尾を跳ねさせて耳を伏せる。

 

「……やらかしたね、お互いに」

「……そうみたいだ」

「ま、インタビューはこれで終わりみたいだし……そろそろ表彰台の方に移動しようか」

 

 私達の行為を最前線で見守っていたアナウンサーはニヤけた表情をしており、表彰台に向かう私達に生暖かい目線を向けてきた。そして表彰式でトロフィーを受け取る際、イギリス王室の関係者の方に「美しい関係ですね」という言葉を囁かれることになった。

 まあ、私ととみおの関係はかなり親密だと思う。ある意味マックイーンさんとそのトレーナーさんとか、そのレベルに達している……かもしれないと自信を持って言えるくらいだし。それはそれとして、凄い立場の人に私ととみおのことを見せつけてしまったのは恥ずかしすぎた。

 

「うぅ……あそこで『ただいま』なんて言わなきゃよかった……でも私達には必要なことだったし……あのアナウンサーのせいだ……」

 

 記念撮影を終えてトロフィーを持ったまま控え室に戻ってくると、私の控え室は賑やかなことになっていた。ダブルトリガーさん、ルモスさん、イェーツちゃんはもちろん、ある程度回復したカイフタラさんとエンゼリーちゃん――つまりウイニングライブで踊ることになる2人のウマ娘が詰めかけていた。

 

「よぉアポロ。随分見せつけてくれるインタビューだったじゃねえか、えぇ?」

「桃沢トレーナーとそんなに進んでたんだね……アポロちゃん。ウチもビックリだよ……」

「は? は……はぁ!? ちょ、進んでるって何のこと? なわけないじゃん! まだ私達は何もしてないしフツーの関係だもん!」

「……()()?」

「……お前、露骨にボロを出すタイプだな。もうバレバレなんだよ、諦めろ」

「そ、そろそろトロフィー置いてもいいかな!? 重いから!」

「……お前、スタッフに渡さずにわざわざ持ってきたのか。まぁ、ガラスケースにしまう前に写真を撮ったり、至近距離で眺めたり、ベタベタ触ってみたり……トロフィーの扱い方はウマ娘それぞれだから構わんがな……」

 

 インタビューでトレーナーと一悶着(?)あった私は、ゴールドカップの優勝トロフィーをテーブルの上に置いた。重厚な金色の塗装が重々しい歴史を感じさせる。こういう優勝トロフィーや優勝レイは値段が付けられないそうだ。そんな超がつくほど貴重なものを触っても撮ってもいいとなると、心が躍るのも仕方ないことだと思う。

 トロフィーを囲んで写真を撮ったり無造作に持ち上げたりしていると、ルモスさんがウホンと咳払いする。ダブルトリガーさんのウマ耳に緊張が走り、そんな2人の様子を見て私の思考がとある言葉に行き着く。

 ――“爆逃げステイヤーズ☆”。ルモスさんがトゥインクル・シリーズを更に盛り上げるために結成させようとしているステイヤーのユニットだ。日本で言うなれば“逃げ切りシスターズ”に類するウマドルユニットらしく、今回は同時期の長距離三強に焦点を絞った形になる。

 

「……カイフタラにエンゼリー。アポロにはもう話したんだけど、君達3人はこの後始まるウイニングライブをキッカケにして……ウマドルユニットを組んでほしいんだ」

「あ?」

「はい?」

 

 流石に緊張した様子で話を切り出すルモスさん。鋭い棘を纏ったカイフタラさんの言葉と、素っ頓狂なエンゼリーちゃんの声が重なる。

 

「……こ、今回は名ばかりで普通にライブをやってくれたらいいんだ。でもその、これから定期的にウマドルユニット“爆逃げステイヤーズ”のライブを行ってほしくて……」

「断る。何でオレ達がアイドルユニットなんぞ組んでやらなきゃいけねぇんだ。そうだろエンゼリー」

「え、ウチは面白そうって思ったんだけど」

「……は?」

「だってさ、オフシーズンって結構長いじゃん? ウチらが率先して話題作んないとさ、このレース人気も途切れちゃうかもしれないよ?」

 

 ヨーロッパのトゥインクル・シリーズのオフシーズンは大体11月から3月の間である。その時期は日本や香港、ドバイやアメリカ、果てはオーストラリアなどでG1レースや重賞集中開催が行われるものの、ことヨーロッパに関してはウマ娘の話題が尽きてしまう。特に長距離レースの開催は全世界を通して乏しくなってしまうため、ルモスさんは主にその時期を中心に定期ライブを開催しようとしているのである。

 

「ぐっ……人気が無くなるのは――…………困る」

 

 カイフタラさんは苦渋の表情で拳を握った。彼女のプライド的に、ウマドルユニットで踊ることは相当屈辱的らしい。私の感覚的には分からないのだけど、笑顔を作るのが苦手なんだろうか。

 ……話は変わって、例えば日本においてはブライアン先輩やルドルフ会長、エアグルーヴ先輩のように、笑顔とはどこか遠いイメージが先行しているウマ娘でも、皆が揃って笑顔のライブを行うことで有名だ。それは(ひとえ)に日本のトレセン学園がウイニングライブに力を入れていることに起因する。

 ただ、カイフタラさんのようにレース至上主義というか――ライブを二の次にするのも仕方のないことだとは思う。特に海外は日本ほどライブを重視していない印象があるし……そのぶんレースや育成に力を入れているとも言えるだろう。

 

「……ということで、どうかなカイフタラ。もちろんライブがレースの支障になるようなことにはしない。どうか人気維持のためだと思って、ここはひとつ!」

「……チッ。アンタには勝てそうに無いな……ルモスさんよ」

「え、いいの!」

「あぁ……気は進まないが、最高のレースをするためには仕方のねぇ犠牲ってやつだ」

「ぎ、犠牲って……そこまで言わなくても良いのに」

 

 しょぼんとするルモスさん。しかし、これで爆逃げステイヤーズ結成の言質は取れたわけだ。続いてダブルトリガーさんからライブ中にファンサービスやアピールをするように指示が出され、私とエンゼリーちゃんはノリノリで返事をしていたが――カイフタラさんは舌を出して「うげぇ」といった感じであった。どれだけライブが嫌なんだろうか。一応こっちのトレセンにも、ダンスや歌の授業があるのにさ……。

 

 そんな感じでライブの準備をして、レースから数時間後にウイニングライブの裏舞台に立つことになった。ダブルトリガーさんやルモスさんが指示を飛ばす中、着々と整っていく舞台。ヨーロッパ専用の曲なので日本とは何もかも勝手が違う。そういう意味で緊張しないでもないけれど、レースに比べたら天と地の差がある。

 そうこうしている間にステージの準備が整って、アスコットの周囲一帯にレーザービームが飛ぶ。すっかり日が暮れて夜になっていて、派手なライトアップが夜空に映えていた。

 

 カイフタラさんとエンゼリーちゃんと手を繋いで、ライブ曲のイントロを待つ。真っ暗闇のステージの中、壁を隔てた向こう側から人々のざわめき声が聞こえてくる。

 イントロと共に足場が飛び出し、着地と共に歌とダンスをする手筈になっている。カイフタラさんはいよいよ始まるウイニングライブを前に、どこか気の抜けた声を上げていた。

 

「……憂鬱だ」

「そんなに嫌なんですか?」

「オレはそういうキャラじゃねえんだよ。分かってるだろ?」

「え〜でもウチはカイフタラさんにも可愛いところがあるって知ってるし〜」

「黙れ。そろそろライブが始まるぞ」

「話し始めたのはカイフタラさんなのにぃ……」

「…………」

「…………」

「…………」

 

 遠くの闇の中から「そろそろ始まりま〜す!」という声が飛んでくる。自然と2人の手を取る腕に力が入り、唇を舐めてしまう。やけにざわめき声が近くに聞こえる。

 そんな闇の中、カイフタラさんの小さな声が響いた。

 

「……アポロ、エンゼリー。お前達が来てから何もかもが変わった。だからきっと……オレも変わるべきなんだろうな……」

 

 反応する間もなく、足場が持ち上がる。光の中のステージ上に飛び出し、宙に浮く。そのまま着地して――ウイニングライブが始まった。

 

 こうして、アスコット・ゴールドカップ開催の日に爆逃げステイヤーズが爆誕した。エンゼリーちゃんは当然のようにファンサービスにノリノリだったが――カイフタラさんも案外ノリが良くて、背面ピースをしてファンを即死させるくらい()()()()()()を知っていた。

 集まった12万人の観客はひとりとして家路に着いておらず、私達はその全ての人を満足させられる最高のライブを披露したのだった。

 

 

 

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