ドラえもんに恋をした   作:アルさん

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なんかアイデアが出て突発的にかいた。
後悔はない。


出会い

恋は唐突だ。

人生において恋ほど予測できないことはないだろう。デブでもバカでもとんでもないド悪党が相手でも好きになるときは好きになってしまうものだ。

 

だがこれはないだろう!?

 

「ぼくドラえもん。よろしくね」

 

 

 

私は製造番号33ー28番の人型万能ロボットとして作られた。

しかし、製造過程に問題があったらしく私は生み出されたとき自分を人間として認識してしまっており、感性も人のものに近かった。そのため色々と不具合が生じてしまっていた。

人の命令に対し不信感を持ち、口ごたえが非常に多くなってしまったのだ。更に見た目も人間に非常によく似ていたことも合間って私の回路は余計に混乱し、ロボット達を同類と認識することが難しく、コミュニケーションも取りづらくなっていた。その上私の設計自体にも問題があり、混乱すると回路がショートして強制シャットダウン、要するに気絶してしまうのだ。

そんな私のためにロボット育成学校の校長先生は私を特別クラスに編入してくれたのだ。

 

「このクラスを卒業したら君はきっと自分のやりたいことを見つけることが出来ると、私が保証するよ」

 

校長先生の言葉を受け感動した私は、自分のやりたいことを見つけるために私はこのクラスに来た。

 

……のだが、正直あまり自分の成長を感じられない。

 

授業だって色々な種類のロボットがいるせいか本当に基礎的なことしかしないし、問題児は山ほどいるから何かイベントが起こると直ぐにクラスどころか学校自体が半壊してしまう。

 

「はぁ……」

 

思わず溜息が出る。本当に自分はしたい事を見つけることは出来るのだろうか?

 

そうやって私が思い悩んでいると、教室の前で先生が何かを話している時に一人のネコ型ロボットが現れた。

 

 

 

何故私は目の前のロボットにときめいているのだろう?

足だって短いし、明らかに人間とは違う形だし。耳だった三角で尖っててとってもチャーミング…………………って違う!!

 

これはおかしい、まさか[刷り込みたまご]でも使われたか?

いや、彼とは初対面だしそれはないか。

 

「ああ、じゃあドラえもんは一番左奥の空いてる席に座れ」

 

おい!私の隣じゃないか!?

 

ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい

 

どうしよう、前髪変じゃないかな?…じゃなくて!、そう、自分は別にネコ型ロボットは趣味じゃない。

そりゃあちょっとは、ほんのちょびっとだけ他のネコ型ロボットよりカッコいいと思わなくもない。

新品だからか体はピカピカだし、声もちょっと幼い感じがして可愛いし、ヒゲもピンとしてて、顔だって整ってるけどそう、趣味じゃないのだ。根本的に身体が違い……す…ぎ………る。なんで自分で思って自分で悲しんでるんだろう。

 

「これからよろしくね」

 

「ひゃあ!」

 

いつの間に自分の隣に座っていたドラえもんに驚き声を上げてしまう。

 

「???」

 

「あ、あっあ」

 

言葉が出ずに固まっていると、ゴムまりでできた手がゆっくりと近づいてくる。

 

ストン

 

彼の手が私のおでこにあたる。彼の身体の一部が当たっただけで、胸が苦しくなって、あるはずのない心臓が締め付けられるような感覚に襲われる。

 

これは恋じゃない。だって私は人間……いや、人間じゃない…ロボット。じゃあ恋人になっても………

 

「すっごく体温が高いよ、それに顔も真っ赤。僕が教室に入ってから気もそぞろだったみたいだし、もしかして………」

 

違う違う違う違う違う違う違う、だって私は……

 

「風邪「違う!!」……違うの?」

 

えっ?

 

「あっ…いや、そう!そうかも朝から風邪気味で!!」

 

「やっぱり!!自慢じゃないけど僕はお世話ロボットなんだ。だからこんな風に……」

 

そう言って4次元ポケットに手を入れる

 

「『万病薬〜』これを使うとどんな病気でもたちまち治るんだよ、はいどうぞ」

 

「ど、どうも」

 

万能薬は即効性のあるものじゃないし、効くときと効かなかったときがあったと思ったが素直に受け取ることにした。

 

「そういえば君の名前は?」

 

急に話しかけられ、また胸がドキンとする。

 

「製造番号は33-28番よ」

 

「33…それじゃあこれからミミちゃんって呼んでいい?」

 

「別にいいけど」

 

「これからよろしくねミミちゃん!!」

 

そう言ってにかっと笑う。

ミミちゃん……うん、いい名前かも。

そして私は視線を手の上の薬に移す

 

(身体に悪いものじゃないし)

 

そう思い飲んだ。

元々分かっていたことだが特に身体に変化はなく…

 

(取り敢えずお礼は言っておこう)

 

「あの、ありがとうドラえもん」

 

『いやいや、気にすることはないよ美人さん。それより授業が終わったらぼくとお茶しない』

 

「へっ?///」

 

いやいや、聞き間違いだろう。それに、ドラえもんはなんかこう。もっと誠実なロボットっぽい気がする。そう思った途端……

 

『一生幸せにする』

 

そう言ってドラえもんが片膝をつき指輪の入った箱を私に差し出した。

 

「えっ、えっ、えっ!?」

 

それに、結婚ってもう少し相手のことを知ってから……

 

『僕たち付き合って8年経つよ』

 

警告

回路がショートします。

 

頭の中で警告音が鳴り響き頭から煙が出始めた。

 

シャットダウンまで残り5秒、4

 

どうすればいいんだ?

 

『お願いだ』そう言って結婚を申し出ているドラえもんは目は真剣そのものだ、だがなんでこんなに都合のいい事がさっきから……

 

3…

 

ここでやっと気づく

 

…2…

 

さっき飲んだの

 

…1…

 

オモイコミンだ

 

…0

 

 

 

 

………

……

 

眼が覚めるとそこは保健室だった。

 

「おや、目が覚めたかい?」

 

辺りを見渡すと校長先生がベッドの横に立っていた。

「校長先生…私、……」

 

「うむ、君は間違えて【オモイコミン】を飲んでしまい、ちょっと刺激の強いものを見てショートしてしまったとの事だよ」

 

「はい…間違い無いと思います。体にも異常はありません」

 

そういうと校長先生はゆっくりと頷く。

 

「元気そうで良かった、ゆっくりと休みたまえ。と、言いたい所だが君に会いたいという人がいる、会ってもらっても構わないかね?」

 

「はい.大丈夫です」

 

「そうか、ドラえもん入りたまえ」

 

そういうとさっきまで泣いていたのだろう、涙の跡がほっぺたについたドラえもんが暗い表情で入ってくる。

 

「さてと後は若い者同士でな」

 

そう言うと校長先生は部屋から立ち去った。

 

…………………

 

沈黙が辺りを包む。

 

「「あの…」」

 

声が重なり、恥ずかしさで顔が赤くなる。

 

「そちらからどうぞ」

私がいう、すると覚悟を決めたような顔をしたドラえもんが言った。

 

「ごめんなさい」

 

そう言って頭を下げるドラえもん。

 

「別に気にして無いよ、今回はたまたまなんでしょ、なら「ぼく、不良品なんだ」…へ?」

 

「製造過程でネジが抜けちゃって、それで周りよりも全然ダメで、いつもビリで、お世話ロボットなのにみんなに迷惑をかけて、それで…それで…辛そうにしている君を見たときチャンスだって思っちゃったんだ」

 

ドラえもんは今にも泣いてしまいそうに、声を震わせながら続ける

 

「はじめて誰かの役に立てると思って…それで…それなのに…ごめんなさい」

 

自身が不良品である事を明かすことは、ロボットにとって下手をすると死を意味する。

無論そうならない事もあるが、ドラえもんは子供の世話をするお世話ロボットだ。ネジが外れた不良品を子供に近づけたがる親は居ない。私が口を滑らせたら就職すらできなくなる。

別にこのことを私に教えたのはウッカリなどではなく、それを明かすことがドラえもんなりの誠意だったのだろう。

その証拠にドラえもんの体は僅かに震えていた。

 

「もし許せないんだったらこの事を…「私も不良品なの」…えっ?」

 

ドラえもんは驚いた顔をしていた。

 

「私生まれた時、脳に間違ったデータがインストールされてたの。そのせいで自分のこと4歳の人間の女の子だって勘違いして、それで生まれた時すっごく混乱して、ずっと居るはずもないパパとママの助けを求めて叫んだわ」

 

当時のことは今でも悪夢に見る。暖炉の前でクリスマスプレゼントを開けてたと思ったら気がつくとロボット工場にいて、優しかったママもパパも存在してないって聞いた時は発狂してしまいそうになった。

 

「自分のことは人間だって思ってたからクラスで浮いちゃって、それで誰とも仲良くなれなくて、だから…だからドラえもんが話しかけてくれた時すっごく嬉しかった」

 

そう、嬉しかったのだ。人を好きになれて、その人が自分を心配してくれて

 

「だから…だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友だちになって!!」

 

「うん!」

______________________________________

 

 

 

 

この時代にもようやく慣れてきて、今は寝そべりながらどら焼き片手に未来デパートのカタログを見ている。

 

「おやっ?この道具安くなってるぞ、買っとこうかなぁ」

 

そんな風に過ごしていると四次元ポケットから一枚の写真がスルリと出てきた。

 

「おっとっとっと」

 

そう言って写真を捕まえる。それは自分と彼女との卒業式に撮ったツーショット写真だった。お互いに肩を組んで笑い合っている。

当時ガールフレンドのいたドラえもんに気を遣い、打ち上げの途中で抜け出して、二人だけでコッソリ撮った一枚だ。

 

それにしても、彼女は今どうしてるんだろう?暫く話していないからな、久しぶりタイム電話でもかけてみよかなと思っていると。

 

「ドラえも〜〜〜ん!!」

 

はぁやれやれ。ゆっくりと電話をかける暇もない。

 

「ジャイアンがぁ"〜〜!!ひどいんだよぉ〜〜」

この時代で世話をする対象であるのび太君は滝のような涙を流しながらこちらに抱きついてくる。

 

「あっコラ、写真が濡れちゃうだろ」

 

そう言って写真を避難させようとする。

 

「ぼくと写真どっぢがだいじなんだよぉ〜」

 

「写真」

 

「あ"ん"ま"りだあぁぁぁ〜〜〜!!」

 

しばらくの間泣き続けた後、ジャイアンへの愚痴と復讐に使える道具をおねだりといういつもの流れを終えると次第にドラえもんが持っている写真に興味が移った。

 

「ところで、その写真何?見せてよ」

 

「べつに見てもいいけど汚すなよ」

 

そう言って渋々といった様子でのび太に写真を手渡す。

 

「うわぁ〜、この黄色いロボットの隣にいる人美人だね!!誰なの?未来のアイドルとか?」

 

こんだけ長い間一緒に居て、自分のロボットの顔すら見分けがつかないなんて!!と、怒ろうとしたが、自分の頭を触りまぁ仕方ないと、怒りをおさめた。

 

「その、黄色くてカッコいい耳がついているのが昔の僕で、その隣の子は僕の同級生のミミちゃんって子だよ」

 

「ええええええ〜〜〜!!!!」

 

あんなに立派な耳がついていたというのに無くなってしまったのは驚いてしまうのも無理はないと思い説明を続ける。

 

「耳はセワシ君のネズミ型工作ロボットに齧られ……「この子ドラえもんの同級生なの!!」…そっちか」

 

まぁ、ぼくだってのび太君と星野スミレが並んで立っている写真を見たら星野スミレに目がいくだろうし仕方ない。

 

「ねぇねぇねぇ、この子、今何処にいるの!?同級生って言ってたけど友達?まさか彼女だったり!?」

 

「やれやれ、のび太君は美人のことになるとすぐ目の色変えるんだからぁ」

 

やれやれと首を横に振るう。

 

「ねぇ、もったいぶらずに教えてよ。ねぇー」

 

そう言ってドラえもんのお腹を揺する。

 

「この子は僕の友達……いや、親友だ!!ロボット学校時代、お互いを助け合い切磋琢磨し…「なぁ〜んだ、ただの友達かぁ〜。てっきり彼女と思っちゃったよ。まぁ、ドラえもんにとこの子じゃあ『月とタンポポ』だし、仕方ないか」…のび太君、それを言うなら『月とスッポン』だよ」

 

はぁ〜、とため息を吐く。今更ながらこの少年を無事にキチンとした大人にする自信が無くなる。

 

「それに、『お互いを助け合った〜』って言ってたけど、ドラえもんのことだしきっと助けてもらってばっかだったんじゃないの?」

 

ギク

 

のび太君は普段はトロいくせに、こういう妙なところで勘が冴えてるんだよなぁー

 

「会ってみたいなぁ〜、ねぇ会う予定とかあったりしないの?」

 

「しばらく前に会社を起こすって言っていたし、暫くは会うのは無理なんじゃない?」

 

「えっ?社長さんなの、お金持ちなんだ」

 

「のび太君、べつに社長イコールお金持ちってわけじゃないんだよ、でもそうだね。頭もすごく良かったし、もしかしたらもう大金持ちになっていてもおかしな話じゃないと思うよ」

 

「頭もいいんだ。いよいよドラえもんとは釣り合わないなぁ〜」

 

別にミミちゃんと釣り合わないと言われたことに怒ったわけではない。バカに馬鹿にされることに我慢出来る人間は少なく、ロボットも同じだっただけの話だ。

 

 

 

 

 

 

 

「君としずかちゃん程じゃないと思うよ」

 

その言葉がきっかけで大喧嘩が勃発し、二人ともママから怒られるのだった。

 

 

 

 

 

 




なんか筆が乗りました。

オモイコミン…自分の都合のいいように思い込んだとおり
のものしか見えないし聞こえなくなる。


刷り込みたまご…見た人を好きで好きで堪らなくさせる。
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