この虚言の魔術師に王冠を!   作:玉砕兵士

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6話

カズマパーティーに新たにダクネスがマホロアの口添えによって仲間入りした翌日ローアの船内は蓄えられていた長期間の航海の為の宇宙食どころかもしもの時のために大切に保管されていたエナジースフィア等あらゆる物がしっちゃかめっちゃかにバラバラに散らばり台風でも突然発生したのかと言わんばかりの惨事となっていた。

 

焼け焦げた床と凹みひび割れた壁という部屋の中で、その台風の中心地に居たのは未だに怒り心頭でまだまだ暴れたりないマホロアが取り敢えず手近な壊して良いものが無くなったからで、我を忘れた怒りから営業スマイルという仮面の下に怒れる内心を隠す程度には収まったところでもしこの怒りの原因が姿を現したら自制が出来るかは怪しい所である。

 

 

 

「クッソォォォォォォォ!!余計なコトをシヤガッテェェェ!」

 

 

 

マホロア自身も人前でないとはいえここまで感情を曝け出して怒りに我を忘れたような行動に出たのは久方ぶりのことでもあった。

一体何があったのかと言うと、前話で語られなかった所の後日談になる。

 

 

「なによマホロア。あんた私の芸は見れても私の酒が飲めないって言うの?罰当たりよ罰当たり!そんなんだからめぐみんに負けちゃうのよ!」

 

「お酒クサイし、飲みすぎだよアクア。そろそろヤメテ水でも飲んだ方がイイヨ。」

 

酒に飲まれたアクアが悪酔いしてマホロアに絡んでおり、これ以上面倒な事になる前にアクアからシュワシュワのジョッキを取り上げて近場のウェイトレスに水を注文する。

 

ダクネスやカズマもめんどくさそうなアクアをマホロアに任せてシュワシュワのジョッキを傾けていくがこちらはペースとしてはアクアと比べて非常にゆっくりだ。

 

絡まれたマホロアとしてもアクアには今後は節度を持った飲酒をして欲しいが無理な話だろう。

 

祝い事とあっては黙ってられないのが宴会芸もとい水の女神ことアクアは自身の財布の中身が少ない事を忘れているわけではなくキャベツの報酬目当てにギルドに借金をして飲み食いするという典型的なダメ人間の行動をしていた。

 

尚そんな嫌な予感しかしないアクアの行動はギルドのクエストの集計が終わり報酬が配られる時に証明されて後に金を持っている分かるとマホロアや小金持ちになったカズマに泣きつくと言う見ているだけで惨めな結果に終わる。

 

 

そして事件はマホロアにとっては事件どころか大事件の話がここから始まったのだ。

 

 

「全くしょうがないわねぇ、マホロアは。あ!そうそう今まで忘れてたんだけどコレ(・・)さっきのクエストで落としてたわよ。」

 

「!?そ、ソレハ!!」

 

ひょいとアクアから渡されたマスタークラウンにマホロアは仰天して奪い取るように強引にアクアから奪う。

 

(落としていてしまっていたなんて、危なかったヨォ。それにしてもクエスト?チャント落ちないようにモッテイタはずだったのにあのバクハツのトキカナァ?)

 

とマホロアがマスタークラウンを懐にしまっている間にシュワシュワを取り返したアクアがまた取り上げられる前にジョッキを一気に傾けて先程よりもさらに赤くなった顔で机の上のピーナッツを指で弾いて食べるという器用な事をし始める。

 

 

「何にせよありがとうネェ、アクア。アレはボクの大切な物でもしキミが見つけてくれなかったらボク、ホントにホッーントに困った事になっていたヨォ。」

 

「大切な物?それよりもソレ、かなり邪悪な力が憑いてる危ないものだから私がサービスで気合い入れて封印してあげたわ。どうどう?凄いでしょ!水の女神様に感謝してくれても良いわよ!」

 

「ソウナンダヨォ。コレはボクの大切な……エ、ナ、ナニをしたって?」

 

「だから封印よ。邪悪な力が憑いてるって言ったのよ?貴方は大丈夫なの?取り憑かれて耳が遠くなってるのならイチシュワシュワでヒールしてあげましょうか?」

 

アルコールの回った赤ら顔でそう言ってくるアクアと対称的に信じがたい事実にマホロアはサァーっと血の気が引いていきマホロアの思考を普段の常に冷静さを心がけていた事を忘れて津波のように押し寄せてくる怒りに支配されないように、幾多の解決策を巡らして暴走しそうな怒りを必死に誤魔化そうとする。

 

 

ナニ?コイツ。ナンダト。

 

 

マホロアの沈黙を是と受け止めたのか、アクアが勝手にウェイトレスに追加の酒を注文してジョッキを傾けて一気に空にしているのをはたから見ると呆然としているように見えている。

 

 

ナニをシタノカ。

 

 

「今日は女神として、いつも以上に頑張っちゃったわ。感服したなら水の女神である私に感謝して信者になってもいいわよ?」

 

 

ワカッテイルノカ?コイツは?もうダメだいくら我慢強いボクでも限界があるヨォ。イマスグに酔いどころか頭にガツンと一発入れてコイツの酔いをフキトバシテヤ

 

 

「はい、ヒール!」

 

 

「グヌゥゥ。」

「………アリガトウ。アクア。デモなんだか今日は調子が優れないからサキニカエルネェ。バイバイ!」

 

 

アクアの不意のヒールが効いたのか?マホロアはすんでのところで、怒りを抑え込んでその場にいたカズマ達が押さえ込むままなく逃げるようにローアへとワープした。

 

 

急いで拠点であるローアへと戻ったマホロアがマスタークラウンにかけられた封印を解除しようと自らの持てる知識と技術で封印を解除しようとしたものの、そもそも施された魔術的にマホロアの知るそれとは全くの未知の分野であったことが災いして解除までには至らずに冒頭の怒りをぶちまけた所へと繋がるのだ。

 

 

フザケヤガッテ

 

イカレテイルノカ?アノ女??

 

 

 

ナニが女神ノ……。ソウカ、ソウナノカ。

 

 

ワカッタ、イイダロウ。ボクも売られたケンカはカウヨ。

 

計画を修正するヨォ。

 

 

 

マホロアの脳内を憎悪が拡がり、理不尽な暴力へと突き動かす

 

それは果たして、ローアの船内だけにとどまらせていいのか?

 

マスタークラウンを復活させて終わり?冗談ジャナイ!

 

ボクは天才だ。

 

他者を傷つけて負け犬どもの上でお山の大将を築くような、そんな強いだけの野蛮人デハナイ。

 

この叡智と、マスタークラウンの力が組み合わさればそれは支配へと変わる…いやそうなって然るべきなのだ

 

なるべくしてこの叡智を授かったボクは、皆が平伏して従うセカイを支配するにたる能力へと創造される叡智なのだ。

 

 

女神だかナンダカ知らないけど、ココマデされてボクも怒ってるんだヨォ

 

デモ、ボクは優しいからネェ。許してアゲル(・・・・・・)ヨォ

 

 

その代わりこの世界をボクのものにさせてもらうからネェ♪

 

 

 

 

いくつもの思考が計画として組み上げられ失敗しては別の計画(プラン)へと移行されて成立してゆく。

 

幾許かの時間と星の数程の思考の中で、マホロアは玉座への道を見出してゆく

 

星の巡り人はいつの日からか歪んだ願いを抱きながら、否。取り戻して玉座へと向かっていく

 

 

 

「マァ、ソレでも今準備デキテモ実行は得策デハナイネェ。長い時間を掛けてマスタークラウンも手に入れたんだヨォ。このホシだって時間をかけてこのボクのものにしてあげるヨォ。」

 

 

そうしてマホロアはローアのコンピューターへと手を伸ばして操作していく、計画は静かに動き出していた。

 

 

 

カズマ達の未来にナニが起きようとしているのか?それはまだ女神も魔王軍もマホロア自身でさえ分からない事ではあるが、何かが起きようとしていた。

 

 

 

「ソウと決まれば、手っ取り早くマスタークラウンを直さなきゃネ!」

 

ヒョヒョイとマホロアが手を振れば適当に手に入れた(騙し取った)お宝が宙を舞いながらマホロアの元へと飛んでいきローブの中へと次々に消えていく。

 

もう片方の手でメインパネルからローアのバリアー展開と警報装置を稼働させて簡潔ながらもローア自身へと船内の掃除を命令させる。

 

 

 

準備を手早く終えたマホロアが荒れたローアから飛び出して行く。

 

癇癪を起こした船の主人が、その片付けをしないどころか命令して飛び出して行ったにも関わらず忠実に命令に従って埃を吸い上げて換気していく。

 

マホロアの八つ当たりで壊されたガラクタの山が崩れるとひとりでに壁と床から出てきた大きなちりとりを持ったアームがガラクタを掃除していきメインフロアから別の部屋へと押し込んでいく。

 

その部屋は一見空き室のように見えたが、そんなことは無い。

 

マホロアの自室へと整頓のせの字も知らんとばかりに強引に押し込んでいき無理矢理扉を閉める。

 

 

ゴミはゴミ箱へ

 

 

ローアは長い間眠らされていた自分を復活させてくれたマホロアからの命令に忠実なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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