アズールレーンの異端者(はぐれもの)たち   作:睦月透火

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前回のアンケートの結果、今回のスポット役者は
新規の異世界KAN-SENに決定しました!
ようやく多重クロスのタグが仕事します。

なお、今回出てくる異世界KAN-SENは……2人みたい。


第3話 新たに顕現せし者たち

 ミネルバを旗艦とした強行偵察は……途中セイレーン艦隊との戦闘こそあったものの、低空飛行するミネルバ本体の上から撃ちまくるというルール違反スレスレの戦法で圧勝……

 

 全員無事に帰還し、多大な戦果と貴重な情報を得る事が出来た。

 

 その中でも一番貴重な情報は……近海エリアで再び『異世界KAN-SENが出現する兆候』があったのだ。

 

 異世界から来た彼女達は『異世界出身KAN-SENの出現兆候』が分かるらしい……

 

 実際、ミネルバを発見・保護した時もドミニオンが真っ先に反応したし……アークエンジェルも、リーブラとトレミーの発見時に反応していた……

 

 そういう訳で、彼女達は互いを存在感知し合える能力を持たされていると仮定し……新たなKAN-SENが来訪した時に備え、定期的に調査や偵察を行っているのである。

 

──────────

 

 数日後、防衛圏内エリア付近でセイレーン反応と戦闘音がしたとの報告を受け、僕は直接指揮を執り……不測の事態に備え、リーブラを主力とする防衛隊を組んで問題の海域に出撃した。

 

 このエリアで戦闘が行われたのは昨日らしい……まだ量産型セイレーン艦の残骸がそこかしこに浮かんでおり、見慣れない塗装がされた装甲片も混じっていた。

 

『白い……です、アークエンジェルのに似てる……です』

 

『こっちは2色だね、赤と……これは灰色かな?』

 

「鋼鉄そのものに近いな……配色は違うけど、重桜……かな?」

 

『この白い装甲、何か付いてるのです……これは……粉、です?』

 

 何を馬鹿なと言いたくなったが、綾波が見せる白い装甲には、確かに粉らしき光るモノが付着している……海で洗い流されない光る粉……間違いなく異世界のモノだ。

 

「ホーネット、周囲の状況は?」

 

『うーん、近辺にはもう居ないみたいだね……あっ、何かあったよ?! 北北東14km先の小島……海岸に足跡だ!』

 

 ホーネットが艦載機を飛ばし、周囲に何か痕跡が無いかと探していたが……案の定、そう遠くへは行っていなかった様だ。

 

「よし……綾波とリーブラは一緒に来てくれ……残りはここで遠方偵察を継続しつつ待機、もしセイレーンが来たら迎撃を頼むよ」

 

『『『了解!』』』

 

 心配そうな天城ちゃんの頭を軽く撫でてから、ココまで乗せてくれた戦艦・天城(ちゃんの本体)から、駆逐艦・綾波(こちらも彼女の本体)へと乗り移り「大丈夫」とハンドサインをする……今回のメンバーはシェフィールドとリノ(軽巡洋艦2隻)綾波(駆逐艦)ホーネット(空母)リーブラ(戦艦)、そして天城ちゃん(戦艦)の6人……ちなみに旗艦は天城ちゃんである。

 

『分かりました……指揮官さま、お気を付けて……』

 

──────────

 

 ホーネットが発見した痕跡のある島を目指し、僕とリーブラを乗せた駆逐艦・綾波が移動を開始した頃……

 

『……もう大丈夫みたいね、さっきの戦闘機……何処の所属かは分からなかったけど』

 

『何処だとしても、私たちの味方じゃないのは確かだと思うけど?』

 

 白地に黄緑が走る明るい装甲色の艤装を纏う女性と……鋼色に赤い塗り分けが眩しく目立つ艤装を纏う、金髪ロングの女性……彼女達はほぼ同時にこのエリアでセイレーン艦と遭遇し、問答無用で攻撃され、已む無く返り討ちにした後ここに隠れていた。

 

『……そう言えば、貴女の装備……珍しいわね』

 

『そっちこそ、白地に黄緑ってなかなか目立つ配色じゃない?』

 

 お互い、明らかに違いの激しい装備に興味津々といった所……だが、今度は先ほどのとは違うタイプの戦闘機が姿を表し、目敏く此方を見つけると問答無用で撃ってきた。

 

『問答無用……やっぱり、アレも奴等の戦闘機……!』

 

 金髪ロングの女性が片腕を戦闘機に向けて突き出す……腕に連動して、背中から伸びた艤装の砲門等が一斉に動きだし、背中にある箱から4発……魚雷らしき弾が発射され、煙の尾を引きながら空中の戦闘機を追い始めた。

 戦闘機は急旋回し、2発は避けれたものの……同時に左右から迫る残り2発に挟まれて直撃し爆発……残骸すら残さず消えたのだった。

 

『……ハァ……また隠れ直さないと……』

 

『仕方ないさ、あの黒い戦闘機に見つかった時点で、こっちの存在はもうバレてるだろうし……』

 

 白い艤装の女性がしょうがないよとフォローするが、戦闘機を撃墜した金髪の女性は不満そうだ。

 

《……さっき……発、この……だっ……な……》

《…い、……い……です……》

 

 その時、2人の無線機能に飛び込んできた誰かの話し声……初めて彼女達は自分達と違う、この世界の人を認識するが、2人は慎重だった。

 

 手近な物陰から声のする方を覗き、見えた洋上艦に3人の人影を認識する……

 

(……男性1人と、女性2人……男性の方は軍服ね……)

(ねぇ、あの女の子達……私達と似てない?)

 

 物陰からなのでしっかりとは確認出来ないが、自分達と同じ様な雰囲気をした少女が2人……軍服の男性と親しそうに話している。

 軍服の男性の方も、少女達に対しては優しそうな感じで応対していた……

 

『……どうする? あの人達、さっきの奴らとは何か違う気がするけど……』

 

『でも、奴らと違うという確たる証拠もない……ココは慎重に……』

 

ドゥオッ!!

 

『『……ッ?!』』

 

 確認を終えた2人が思案していた矢先、突如響いた砲撃音……再び確認してみると、さっきの船に乗っていた少女2人が、少し前に自分達を襲った奴らの船に砲撃を加えていたのだ。

 しかも、小柄でミリタリー服の少女が放つ砲撃は黄色い閃光……ビームだったのである。

 

──────────

 

『うりゃうりゃうりゃ~~~ッ!!』

 

『撃つべし、撃つべし! です!』

 

 突然、通信からリノの声で『セイレーン艦がそっちに向かってるよ!』と警告が来た……それからものの数分もせず奴らの戦闘機が現れ、遠目に母艦も確認できた。

 幸い、2人の射程距離ギリギリ内側なので牽制として砲撃して貰い、今は残りの皆との合流を待っている状況だった。

 

『くっそぉ、遠巻きに小バエばっか飛ばして来やがってぇ……!』

 

 リーブラは普段こそ子供っぽい口調だが、戦闘中は人が変わった様に罵詈雑言を相手にぶつける……それこそ、フィクションの軍系映画で言うような……『お前ら害虫どもは黙ってオレに潰されてろぉ!!』……とか……『粋がるなよ、蛆虫どもがぁ!!』……やら、まるで何処かで見た鬼軍曹みたいだ。

 

『綾波は、リーブラの……これだけはどうしても慣れない、です』

 

 気持ちは分かるよ……僕も最初は心底驚いたからね。

 

『ハッハァ!! ○ねぇ! 汚物は消毒だァ!!』

 

 ……だが、天城ちゃん達との合流を前に、僕らはピンチを向かえてしまったのである。

 

──────────

 

『ッ?! 指揮官、あっちからも来るです!!』

 

 嫌な予感がして振り向くと、左側面からも遠目から砲撃が視界に飛び込んで来た……

 強力な電波障害なのか、レーダーには何も映らず……目視に頼るしか無いせいで発見が遅れ、挟撃を許してしまったのだ。

 

「クソッ、リーブラ! 正面は頼む!」

 

 指揮官は悪態を吐きながらもリーブラに正面の守りを指示する……絶対に諦めない……指揮官の眼はそんな色をしていた。

 

『任せろォ! 目障りな小バエ共は全部叩き落とすッ!!』

 

「綾波、僕をあの島に降ろして迎撃に加わるんだ……!」

 

『で、でもそうしたら指揮官が……!』

 

 無防備になる……今でこそ、辛うじて本体からの砲撃や機関砲で敵を近付けないように迎撃しているのに、それを止めたら指揮官を守れない……!

 

『嫌、です……もう、あんな事は起こしたくない……です!』

 

 大丈夫、前よりはマシな状況だと指揮官は言うけど……どうみても前とそんなに変わらない。

 ()()()みたいに、指揮官が傷付くなんて……

 

『それだけは……絶対に、イヤなのです!』

 

 その時だった……増援側の敵艦隊に横合いから砲撃が加えられたのだ。

 ……それは少し前から曇ってきた空に美しく栄える、鮮烈な青白い閃光……

 

『な……何なのです……?』

 

「……ッ?! あの光は……?」

 

 追撃で更に撃ち込まれたビームが敵艦に直撃し、爆発炎上していく……砲撃はすぐ近くの島の森の中から放たれたものだった。

 

──────────

 

「……あの光、セイレーンの砲撃じゃない……」

 

 セイレーン艦を砲撃する光は、数発の追撃をして止まる……その直後、見た事もない艤装を付けた金髪ロングの美人が森の中から躍り出て来た。

 彼女の艤装はゴツくて大きく、赤い塗料で喫水線を示す塗り分けがされている……その造形は重桜の艤装にも似ていた。

 

『そこの3人! アレには私達も襲われた……なら敵じゃない、って事よね?!』

 

「我々はアズールレーン、世界最後の希望だ! アイツ等、人智を超えた技術を有するセイレーンは我々の敵さ……キミはこの世界のKAN-SENじゃないね? 状況は見ての通りだ、救援を頼みたい……!」

 

 彼女が何処の出身かなんて些細な事だ……彼女も誰かと共に奴等と一戦交えたらしい。

 十中八九、あの残骸を見つけた場所で襲われたのだろう……ならばと思い、ダメ元で救援を頼む。

 

『……分かったわ……私が前に出るから、援護射撃をお願い!』

 

 なんと秒で快諾された……僕はその旨をリーブラにも伝え、綾波の肩を軽く叩く。

 

『……指揮官……』

 

「……な? 大丈夫だったろ? さぁ、ココを乗り切るぞ!」

 

 僕の表情に安堵したのか……先程まで泣きそうだった瞳に強い自信が戻り、彼女は「はいです!」と声を張り上げるのだった。




長くなるのでココで区切ろう……
ちなみにこの小説内におけるKAN-SEN本体、つまり艦船の扱いですが……
艤装には『最大展開』という形で本来の艦船の姿を呼び出し、その全てを本人がコントロールする……アニメ版に似た仕様として盛り込まれています。
前回のアークエンジェルやミネルバも、本体としての艦には誰1人乗っていませんが、その全てをKAN-SEN本人の思考だけで自由にコントロール出来ます……なんか何処かで見た仕様ですねぇ?

鋼色に赤い喫水線、そして青白いビームを放つ異世界KAN-SEN。
彼女の正体は一体……?



─ 異世界KAN-SEN紹介 ─


◇ リーブラ
所属:アズールレーン ― 北方連合
種別:戦艦
セレスティアル島常駐部隊最大戦力の1人にして、規格外の本体サイズと火力を誇る超ド級戦艦。
元来は宇宙専用の超大型戦艦らしく、単艦で大部隊並の火力と砲門数を持ち、水上戦や地上戦では移動すらままならず適正も皆無だった……が、基本的に人間形態を取るKAN-SENへと変わってからは逆に水上・地上戦において史上最強の名を誇る事となる。
通常時と戦闘中で見事に豹変する二重人格で、通常はまさに子供といった言動と思考をしているが、ひとたび戦闘へ突入すると顔に似合わぬ罵詈雑言を敵に浴びせながら、無慈悲に砲撃を叩き込む戦場の破壊神へと変貌してしまう。
なお、戦闘中の記憶は引き継がないのに通常時の記憶は引き継ぐらしく、戦闘前に(からか)って来たホーネットに対し、頬の薄皮一枚を焦がす様にビームを撃ち込んだ事がある。

主砲:連装大型ビーム砲
副砲:速射式2連ビーム砲
対空:対空ビーム砲

スキル1:私のトッテオキ!
     戦闘終了5秒前に25%の確率で発動、全てを灰塵に帰すビームを発射する。
     威力は主砲攻撃力×スキルレベルで、必中&防御スキル無効。
スキル2:この程度じゃ退屈しのぎにもならないわね……
     戦闘開始から20秒後に発動、随伴機として『MDビルゴⅡ』を展開し前衛の火力を10%アップさせ、ダメージを無効にするシールドを3枚貼る。
     効果時間は各キャラ毎にカウント、シールドが全て消費されるまで。
     なお、このシールドは攻撃の回避に成功した場合、消費しない。
     (命中判定後にシールドの消費判定がある特殊仕様)

本作の指揮官の出身は何処だと思いますか?

  • ユニオン
  • ロイヤル
  • 鉄血
  • 重桜
  • 東煌
  • 北方連合
  • アイリス
  • ヴィシア
  • 実は異世界
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