アズールレーンの異端者(はぐれもの)たち   作:睦月透火

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新たに現れた異世界KAN-SEN、ついに本格戦闘開始!
その規格外の戦闘能力を見よ!



第4話 新たな出会い

 指揮官、と少女達に呼ばれていた彼を、私達が隠れていた島に行かせる……艤装の破損で戦線参加できないと嘆くあの白い子の事もあるし、私が最前線に立つしかない。

 

『……地上戦の経験は少ないけど、無い訳じゃないわよ?』

 

 艦首パーツの魚雷発射口と煙突型魚雷ポッド……そして「主砲と副砲」の全てを展開させる。

 先程までは()()のみだったが、本格的戦闘……しかも防衛戦となれば、出し惜しみする理由などない……さっきの砲撃で、私の主砲は敵艦を一撃で落とせると分かった……ならばこのまま、敵に建て直す間を与える事無く各個撃破が望ましい。

 

『全砲門、自動追尾セット……撃ち方、始めェッ!!』

 

 独特な駆動音を響かせ、砲塔が旋回……実弾の爆発音にも似た砲撃音に続いて、ビームの独特な唸りが尾を引き、やがて敵艦へと命中する。

 

 私の主砲の威力は私の動力源心臓から引き出される莫大なエネルギーを供給され、凄まじい破壊力を持っている。

 3連装砲塔の一門だけでも敵艦の装甲を易々と食い破り、まとめて撃破出来るのだから機能的には昔とほぼ変わり無い……この()()は少し気になるけど。

 

『……島陰に隠れたか、偵察用無人機(プローブ)発艦……!』

 

 艤装の後部から小さな無人戦闘機を飛ばし、隠れた敵艦の位置を把握させつつ……主砲へは実弾である“三式弾”を装填する。

 

『重力下ならば……光学捉敵、弾道再計算……三式弾、()ェッ!』

 

 主砲の仰角を調整……遮蔽物となる島を飛び越す様に、放物線を描いて放たれた三式弾(実弾)は吸い込まれる様に島陰の敵艦へと命中。

 命中した敵艦は数秒遅れで爆炎を吹き上げ、次々と轟沈していった……

 

 

『……凄い……です、あっという間に8隻も……』

 

「あぁ、凄まじい火力と技術だな……」

 

 指示された無人島へと寄せ終えた駆逐艦・綾波の甲板上で、僕と綾波は呆気にとられるしかなかった。

 島の森から加勢に現れた、あの鋼色の艤装を持った金髪女性は……此方の援護があったとはいえ、瞬く間に敵艦8隻を轟沈せしめ、その圧倒的な戦闘力を見せ付けたのである。

 

 黒煙を上げて燃えている敵艦の残骸の間を縫って戻ってくる彼女の顔は、何処か憂いに満ちていた……

 

──────────

 

 戦闘終了後、彼女が出てきた森からもう1人のKAN-SENが出てきたのには別の驚きがあったが……彼女達の艤装と戦闘前に発見していた装甲の破片が一致したので、改めて状況を説明し合い、我が本拠地セレスティアル港へ来て貰う事になった。

 

「……そう言えば、自己紹介してなかったね……僕は*****、この近くにあるセレスティアル港を預かる者だ」

 

『私は……多分、月光号……だと思うわ』

 

「……思う? ……どういう事だい?」

 

『私、自分の事があんまり分からないのよ……多分って言ったのは、ぼんやりとそう呼ばれてた気がしたから……』

 

 なるほど……カンレキの短い艦船を元にしたKAN-SENには、記憶があやふやだったり、そもそも自己認識が薄かったり……精神的に不安定だったりする事があるという。

 

 俗に言う『計画艦』と呼ばれるKAN-SEN達の一部に、その傾向が強いらしい……

 

 白く美しい装甲の艤装を持つ彼女……月光号は、その症例に当て嵌まる様だ。

 

『私にはちゃんと記憶があるわ、私はヤマトよ』

 

『「……え……ッ?!」』

 

 この鋼色の艤装を纏う彼女が……あの幻の戦艦・大和?!

 

『指揮官、人違いです……この人は大和さんとは違うヒト、です』

 

 え、そうなの? ……あ、そっか……綾波は大和と同じ重桜所属だもんね……

 

『なに? 私と同じ名前の子がいるの?』

 

「あ~、同じというか……そっくりさんと言うか……」

 

『……名前が同じなだけ、です』

 

 綾波の切り返しに『ふぅん』とだけ返すヤマト……彼女、見た目はキツそうな雰囲気だが、言動はわりとフランクっぽいな。

 

『それで……アイツ等、セイレーンって言ってたわよね? 奴らとあなた達は敵対関係って事?』

 

「……あぁ、僕らは人類と海の守護者(アズールレーン)として、奴等セイレーンに対抗している……第三勢力として、レッドアクシズってのもいるね……現状、そっちとは停戦状態ではあるんだけど」

 

『アズールレーンに、レッドアクシズ……ね』

 

 月光号の言葉に、ヤマトも少々考え込む……彼女たちはそれぞれが違う世界の艦船だったらしく、先日の戦闘に巻き込まれた際に偶然出会い、そのまま同行しているのだとか。

 

『……とりあえず、私達は艤装を修理したいんだけど……?』

 

「それだったら、ウチの港に来ればいいよ」

 

『……指揮官、それって……』

 

 ウチの軍港であるセレスティアル港にさえ来れば、我が部隊のお抱えメカニックの力を借りて修理できると提案すると、ヤマトは少し渋ったが、月光号は『本当か?!』と即喰い付いた。

 なんでも、艤装の機能の一部が動かないらしく……先の戦闘で破損したのではと疑っているらしい……

 

『……な~、指揮官。もう帰るのか~?』

 

「あぁ、さすがのリーブラも少しとはいえ怪我してるし、疲れたろ……帰ったらちゃんとヴェスタル達に診て貰うんだぞ?」

 

『……ゲェっ?!』

 

『観念する、です……』

 

 リーブラはヴェスタルに苦手意識を持っている……何でも、初参戦後の検査でリーブラがオイタをしたらしく、ヴェスタルは()()()()()()をしたまま体格差で制圧されたらしい。

 艤装がなければ本来の能力を発揮できないのが、KAN-SENの悲しい(さが)である……その為、非戦闘時の彼女達を僕は出来る限り()()()()()扱うと心に決めていた。

 

「やれやれ、これは報奨を再考慮しないといけないかな……」

 

『ちょ、指揮官まで~!?』

 

 リーブラの慌て様にその場の全員が笑いに包まれる。

 

 その数分後……別行動となっていた天城ちゃん以下、待機していた主力達が合流……彼女達を双方紹介した後、僕らは揃ってセレスティアル港への帰路に就くのであった。




今回の新規KAN-SENは……

宇宙戦艦ヤマト(2199)より「ヤマト」
交響詩篇エウレカセブンより「月光号」

のお二方となりました。
彼女達の能力は後ほど……

次回は既存KAN-SEN……その待機メンバー達のお話。
お楽しみに♪

次回、取り上げて欲しい陣営は?

  • ユニオン
  • ロイヤル
  • 重桜
  • 鉄血
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