孫悟空がいない世界線で地球に送られたサイヤ人です   作:山羊次郎

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コメント欄を見ると、なんで名前の由来椎茸なの? って人多いっすね。
一応、椎茸なのは突然変異的なあれだってことで納得してください、はい


第七話:かめはめ波

「筋斗雲――!」

 

 俺が空に向かって叫ぶと、黄金色の雲が上空からやってくる。

 筋斗雲。一応、呼ぶこと自体はできる。まあ、乗るのは無理だが。

 

「おぉ……筋斗雲と言うことは、おめぇら武天老師様の知りあいだべか?」

「おう。……ほら、乗って」

「えっ、オラが乗るだか?」

 

 チチが困惑しているが、このメンツの中で筋斗雲に乗れるのお前だけなんよ……。

 やや不安げにチチは筋斗雲に足をかける。そこに質量があったことに一瞬驚きつつも、チチは筋斗雲に一気に乗り込む。

 

「おぉ!」

「まさかホントに乗れるとはねぇ。いい子だとは思ってたけど、ここまでなんてね」

「それ、自分はいい子じゃないって認めてるようなもんだろ」

「なんですって?」

「ヒューヒュー」

 

 ブルマの非難するような視線を、口笛を吹いて誤魔化す。

 

「でも、オラ武天老師さまの居場所分かんねえだ」

「言われてみれば……どうする?」

「誰かがチチに捕まったらいいんじゃね?」

 

 俺が言うと、全員がそれだとばかりに頷く。

 一応このやり方は、筋斗雲に乗れないクリリンが実践していた。できることは証明されている。

 

「と言う訳で、アンタ行ってきて」

「は? なんで俺が?」

「いいじゃないの! あたしがその雲二人で乗るのに小さすぎるし、ウーロンは何するか分かんないし、牛魔王さんは乗れないだろうし。

 あのお爺さんと知り合いなのはあたしとアンタだけじゃない。行ってきなさいよ!」

 

 むぅ……まあ、一応筋は通っている……のか?

 ブルマの有無を言わさぬ勢いに気圧され、俺はチチに掴まって筋斗雲に乗り込む。

 ……やばい、足に何かを踏んでるっていう感覚がない……チチの肩から手を離した瞬間落ちるぞ、こりゃあ……。

 ていうか、この肩パッド何なんだ……? いや、戦闘服着てる俺が言うのもなんだが……。

 

「行ってくるだおっとう!」

「気を付けるだどー!」

 

 そして、筋斗雲が全速力で発進したァ―――⁉

 ちょ、早い早い早い‼ 前見えないってもっとスピード落とせ!

 そう叫んでも、音を置き去りにする速度ゆえ、前にいるチチは聞き取れていない。

 ていうか、この速度でよく無事だなコイツ……⁉

 

「ん?」

 

 俺が肩を叩くと、チチは筋斗雲を止めて振り向く。

 

「は、速すぎ……俺が振り落とされるって」

「あ、あはは……す、すまねえだうっかり……空を飛ぶのって楽しいもんでつい……」

「まあいいけど……もうちょい速度落としてくれよ?」

「もちろんだ!」

 

 と、胸を張るチチ。

 ふぅ、今度は大丈夫そうだ。

 筋斗雲の速度も安定し、それでも数分で海が見えてくる。はえー、空を飛ぶのってやっぱ早いんだなぁ……。

 そんなことを呑気に考えていると、今度はローマ字でカメハウスと書かれた家と孤島が見えてきた。

 到着か。俺はチチに辿り着いたことを伝え、海辺に降りるよう頼む。

 

「……っと。ほれ」

 

 先に筋斗雲から降りた俺は、チチに手を差し出す。

 一応女の子だからな。これくらいの親切はマナーだろ。

 チチは一瞬呆けた顔をするが、すぐに俺の手を取って筋斗雲を降りた。俯かせているため顔はよく見えない。

 

「どうした?」

「うぇ⁉ い、いやなんでもねえべだ!」

「……あ!」

「?」

「俺に惚れちゃった?」

「……は?」

 

 おっと、絶対零度の視線が突き刺さりますね。泣きそう。

 

「何言ってんだおめえ、オラはそんな尻の軽い女じゃねえだ」

「はいすみません。自意識過剰でキモくてすいません」

「別にそこまで言ってねえだ……もういいべ。それより、武天老師さまはどこにいるだ?」

 

 くっ、悟空は股を蹴るだけで惚れられたのに……! これが原作主人公との格の差なのか……⁉

 はっ! ま、まさかさっき顔を俯かせていたのは……俺の対応に下心を感じて嫌悪感で顔を見れなかったのか……!

 あり得る。と言うか、むしろそれしかないだろう。さっきの罵倒と言い、間違いない。くっそ、やっぱりチチの夫は孫悟空と言うことか……。

 内心項垂れる俺を放置して、チチはカメハウスの入り口を叩く。

 

「誰かいねえだかー?」

「そっちじゃねえぞ多分。こっちだ」

「そっち?」

 

 俺はカメハウスの裏にある日光浴用のサマーベッドを見てやっぱりな、と一人納得する。

 そのわきにパラソルを立て日焼けを防止し、優雅にくつろぐ老人が一人。

 亀仙人。なんかいろいろ変わってる怖いお爺さんだ。……でも、俺も強くなる必要があるからなぁ……。

 

「あれが武天老師さまだか?」

「おう。間違いねーよ。亀仙人の爺さん! 起きろー!」

「……む?」

 

 眠りが浅かったのか、俺の一声で亀仙人は目を覚ます。

 俺の方を見てズレたサングラスを直し、僅かに驚いたように声をかけてくる。

 

「ほう、お前さんか。わしの弟子になる気になったのか?」

「……それはまた今度で。今はあれだ、芭蕉扇が欲しいんだよ」

 

 俺は牛魔王の城の事情を話し、亀仙人に芭蕉扇を取ってきてもらう。まあ、無駄だがな。

 確か亀仙人は芭蕉扇を鍋敷き替わりに使って捨てていたはずだ。

 ……改めて何やってるんだろうこの爺さん。まあ、かめはめ波を見せるための前振りだったんだろうが……。

 と、俺がいろいろ考えている間に亀仙人が再び姿を現す。その表情は複雑そうで、いかにも困ってますと言った風だ。

 

「どうしたべか? 武天老師さま」

「いやぁ……実は――」

 

 と言う訳で。

 やはり芭蕉扇を無くしていた亀仙人だった。

 なのでなんやかんやの末に亀仙人本人が火を消すということで本人を連れて行くことになった。

 と言うか今更だが、風で火を消そうとしても余計に燃え盛るだけなんじゃ……。

 そして、俺たちは再び牛魔王たちの元へと帰還する。亀仙人付きで。

 途中やはりブルマでパフパフな案件が発生したが、興味ないので俺はスルーする。

 やがて瓦礫に乗り、上の衣服を脱ぎ捨てた亀仙人の姿を注視する。

 

「か――め――」

 

 来た‼

 多分ドラゴンボールを知るものなら誰もがやったであろう必殺技。

 亀仙人の肉体が、今までの枯葉のような印象の瘦せ細った筋肉が一変。

 筋骨隆々と言った風に様変わりする。

 同時にスカウターの数字が跳ね上がる。

 

「は――め――」

 

 両の掌を右腰のあたりで止め、まるでボールを掴むように指の関節を曲げる。

 瞬間。膨大なエネルギーがその中心に圧縮され、青白い光を放つ。

 

 

「波ァ――――‼」

 

 

 限界ギリギリまで溜まったエネルギーを、一瞬で開放し放出する。

 青い閃光の柱は燃え盛る城の中心へと吸い込まれるように突き進んでいき。

 バッ‼ 着弾と同時に目も眩む強烈な光を放ち。

 再び目を開けた頃には、炎は跡形もなく消火されていた。

 ただし、城ごとであるが。

 

「……てへっ」

 

 ちっともかわいくないてへぺろを披露する亀仙人。

 いや、分かってはいたけど……改めて間近で見るととんでもないな、かめはめ波。

 如何にも全力で撃ってますって感じを出す亀仙人だが、この人が本当に本気を出せば、月だろうと吹っ飛ばせるから恐ろしい。

 ……そういえば、悟空はこれ見てかめはめ波を習得してたな。

 

「かめはめ波!」

 

 見よう見まねで、俺もかめはめ波を撃とうとする。

 突き出した掌からは、毛先ほどの光線も出なかった。

 そういえば今更だが、俺一度も気功波を打ったことないわ。気弾も出したことないわ。なんだったらオーラすら出てないわ。

 ……エリートサイヤ人とは?

 

「修行するしかねえのか……」

 

 嫌だな……とは、もう言えないな。

 俺にはできないことが多すぎる。それはもう、十分実感させられた。

 幸い、目標はとっくに決まっているんだ。あとは駆け上がるだけ。

 

「かめはめ波‼」

 

 景気づけに、俺は再びかめはめ波を試す。

 やはり、エネルギー砲はセンチ単位で出ることもなかった。

 

 

 




ちょっと短い……許してください、何でもしますから(なんでもするとは言ってない)
実は、昨日久しぶりにドラゴンボールヒーローズの台を目にしまして……プレイしようと思って100円入れたらカードが出てきたんですよ。
それが孫悟空:超サイヤ人ブルーの気の融合とかいうカードだったんですけど……ナニコレ?(ちな星四つ)
ヒーローズの情報まったく仕入れてなかったんですけど……何が起きてるんでしょうか? 
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