ありふれたFGOで世界最強-リメイク- 作:ヘルメス・トリスメギスタス
光が収まった後、立夏は自分達が広間にいることに気付いた。
立夏達は台座の上に立っていた。
どうやら教室にいた全員がこの事態に巻き込まれたようである。
台座の周りには三十人近い法衣の集団がいた。
その中で一番偉そうな老人が進み出てきた。
老人は聖教教会教皇イシュタル・ランゴバルドと名乗った。
イシュタルは生徒達を長テーブルと椅子のある別室へと案内した。
メイド達が持って来た飲み物が全員に行き渡るとイシュタルは話し始めた。
それは立夏を不快にさせるのに充分なものだった。
この世界はトータスと呼ばれ、人間族、亜人族、魔人族が暮らしている。
人間族と魔人族は数百年戦争をしている。
召喚したのはエヒト神であり、戦争を人間族の勝利に導いて欲しいと。
この言葉に畑山愛子先生が激怒。
生徒を還すよう要求した。
立夏も『カリスマ』をオンにし同調する。
「私も先生の意見に賛成です。戦争? ふざけてるんですか?
早急な帰還を求めます」
『カリスマ』の力もあり、生徒達に立夏の声が響く。
二人の意見にイシュタルは無慈悲な答えを返した。
現状帰還は不可能だと。エヒト神次第だと。
愛子先生が椅子にストンと座り、立夏はイシュタルをねめつけた。
生徒達が混乱する中、光輝が机をバンと叩き、注目を集める。
戦争に参加することにしようと。勝利すれば還れるはずだと。
これに龍太郎、雫、香織が同調。他のクラスメート達も賛成に回る中、
これに反対する者がいた。立夏である。
「光輝。正気? 戦争を遊びに思ってない?」
「俺達はイシュタルさんによると、こっちの人達よりも強いんだ。なんで反対する?」
「還れるか確実じゃないから。それにいくら強くても死ぬ時は死ぬし」
「こっちの人を助けてあげたいと思わないのか!?」
「それはこっちの人間がやること。少なくとも私の知ったことじゃない」
「立夏! じゃあどうしろというんだ!」
「まずは情報。私達の能力、相手の能力。少なくともそれがわからないとダメ」
「そうすれば賛成するのか?」
「私はそれでも反対。でも皆が賛成ならやむを得ないかな」
言うことは言ったという感じで席に座る立夏。
結局、戦争に参加することに決まった。
立夏達はすぐに戦場に投入されることではなく、
神山の麓のハイリヒ王国で受け入れ態勢が整っているとのこと。
麓におり玉座の間まで一直線に通された。
そこで国王や地位の高い者が紹介された。
立夏は興味なさげに見ていた。
その後晩餐会が開かれ異世界料理を堪能した。
晩餐が終わり解散になると、各自に一室与えられた部屋に案内された。
立夏は思った。
戦争自体は立夏が全力を出せば恐らく勝てるだろう。
問題はその後だ。そんな危険人物を野放しにするとは思えない。
暗殺されるなどごめん極まる。
光輝達に出来るだけ任せて、自分は黒子に徹する。
それが一番安全なプラン。
そんなことを考えつつ、立夏は眠りについた。
翌日から早速座学と訓練が始まった。
生徒達に銀色のプレートが配られた。
騎士団長メルド・ロギンスが説明を始める。
このプレートはステータスプレートというらしく、
ステータスを見れる物らしい。
立夏はプレートの解析を行い、ステータスの改ざんを出来るようにした
立夏は指示された通りに、プレートに血をたらす。
するとプレートの色が黄金になり、ステータスが表示された。
藤丸立夏 17歳 女 レベル:1
天職:英雄
筋力:EX 耐久:EX
敏捷:EX 魔力:EX
幸運:EX 宝具:EX
技能:カリスマ 黄金律 バビロンの蔵 言語理解
(技能は隠ぺいと改ざん済み)
へえ、こうやってでるのかと立夏が感心していると、
メルド団長がプレートの内容を報告するようにとの指示があった。
早速光輝が見せにいった。
やはり勇者のせいか高いらしい。
その後次々と申告してゆき、残るは立夏とハジメのみとなった。
立夏はメルド団長に促されプレートを見せた。
「……何だこれは? 技能や天職はわかるが他はEXだと?」
メルド団長の言葉に周りがざわつきだす。
私達と表示が違うやバビロンの蔵って何だ? という者まで。
立夏も、ああ、これみんなと表記が違うんだと思った。
最後のハジメのステータスは立夏も気の毒に思った。
「立夏。この表記は一体……」
「メルド団長。簡単にいうとEXは規格外という意味です」
「規格外?」
「ええ。E-~EXまでのランクがあります」
「宝具というのは?」
「私の持つアーティファクトのことです。バビロンの蔵に保管しています」
「立夏。君は何者なんだ?」
立夏は煩わしく答える。
「簡単に言うと私は地球の魔術師です」
立夏の言葉にざわつく生徒達。
立夏は空中にルーンを刻み、炎を見せた。
突然のことに驚く一同。
「ではなぜ天職が英雄なんだ? 魔術師ではなく?」
「わかりません。推測で物を言いたくないかな」
「わかった。これ以上は聞かない」
「ありがとうございます」
立夏はあえて推測を言わなかった。これ以上は目立ちたく無かったからである。