ありふれたFGOで世界最強-リメイク-   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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奈落

 ガーン!

洞窟内にトータスではありえない音が響く。

ハジメが手にしている物を見れば、それが地球では銃と気付くだろう。

ただし、纏雷で電磁銃と化している点が違うが。

「だいぶ慣れてきたねハジメ。いい感じだよ」

「立夏の援護もあるからだよ。指示も的確だし」

ハジメはあれから技能が上がり、拳銃であるドンナーをはじめとした武器を、

様々な鉱石から作り出していた。

立夏は『王の財宝』(ゲート・オブ・バビロン)から武器を射出して援護している。

先程この階層の主と思われる爪熊をハジメ達は倒していた。

「さて、これの毒抜きをしなくちゃ」

立夏は毒抜きの作業を開始する。

(こういうのを見ると、財閥のお嬢様だと言うのが嘘みたいだ)

ハジメは失礼だと思いつつも思ってしまう。

(まあ、こういう風にお嬢様らしくないのも魅力の一つなんだけど)

「ハジメ。どうかした?」

「いや、何でもないよ」

「まあ、いいけど。とりあえず毒抜き終わったから、焼いて食べよ」

「うん」

二人は爪熊を焼いて食べ始めた。

 

 「んー、これは不味いわね」

立夏達が考え込む。爪熊を倒して三日。

上層階への階段がないのだ。

下へ降りる階段は二日前に発見している。

マッピングもほぼ終えた。

「これは下へ行くしかないわね」

「やっぱりそうなるのか」

ハジメはげんなりした表情を浮かべる。

「私が前衛に回るね。ハジメは後衛で援護を」

「わかったよ」

役割を決め、下へ降りる。

その階層はとにかく暗かった。

そんな中でも立夏の命中精度は高かった。

ある程度進んで、ルーン魔術で魔物除けを施す。

その中で調理を始めた。

食べた後、階下への階段を探し、発見した。

 

 この階層は足元がびちゃびちゃしていた。

このタール状の物が火気厳禁だとハジメから告げられた。

この階層ではサメが襲ってきたが、立夏があっという間に魔術で凍らせた。

立夏達の迷宮攻略は続く。

タールザメの階層から五十階層は進んだ。

時間感覚がないのでどの位時間が経ったのかわからないが、

驚異的なスピードで進んだことは確かである。

立夏達はこの五十階層で拠点を作り、お互いに鍛錬を重ねた。

というのもこの階層には明らかに異質な場所があったからだ。

準備を終えた立夏達はその場所へと向かった。

 

 その扉の中央には魔法陣があった。

「見たこともない魔法陣だね。ハジメはどう?」

「僕も見たことないよ」

「じゃあ宝具で開けるかな。術理、摂理、世の理、その万象…一切を原初に還さん。『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』!」

魔法陣が消滅すると同時に両側のサイクロプス像が動き出した。

「邪魔」

王の財宝』(ゲート・オブ・バビロン)がサイクロプスを串刺しにした。

哀れサイクロプスは何もできず倒された。

「さて、何が出て来るかな?」

そう言って立夏は扉をバンと開ける。

「……だれ」

弱々しい女の子の声に、立夏達は声の方向を凝視する。

「……人なの?」

立夏は声を上げる。

立方体から人の頭だけが出ていた。

あまりのことに両者が固まる中、いち早く立夏が戻った。

「あの、何か悪いことしたの?」

「違う……悪いことしてない! 騙されただけ!」

「ふうん」

立夏は蔵から黄金の天秤を取り出した。

「この天秤は嘘発見器で嘘ついたら傾く仕掛けになってるから。

正直に全て答えて」

そこから女の子が何者なのか? 何故封印されたのか?

立夏は様々な質問を女の子にした。

そして、天秤が水平を保ったままなのを確認し、ハジメに聞いた。

「ハジメ。この子助ける?」

「うん。助けたい」

「ハジメならそう言うと思った」

立夏は宝具を取り出す。

「術理、摂理、世の理、その万象…一切を原初に還さん。『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』!」

立方体に『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』を突き刺すと、立方体がドロッと溶けた。

女の子の裸があらわになる。

立夏は蔵からマントを取り出し、女の子に渡した。

「……名前、何?」

「私は藤丸立夏だよ。こっちが南雲ハジメ。あなたの名前は?」

「……名前付けて」

「んー、……ハジメ任せた!」

「えっ!? ぼ、僕!? じゃあユエなんてどうかな?」

「ユエね。いいんじゃないかな。それじゃああなたの名前はユエで決定!」

「んっ。今日からユエ。ありがとう」

「さて、それじゃあ一度拠点に……」

帰ろうと立夏が言いかけた時、立夏が叫ぶ。

「上! みんな避けて!」

立夏達が縮地で上からの落下物を避ける。

落下してきたのは大型のサソリモドキだった。

ユエを逃さないための最後の仕掛けなのだろう。

ドンナーを構えるハジメに待ったをかける立夏。

「ここは任せて。固有結界展開」

すると一瞬で無数の刀が突き刺さった、燃える荒野に世界が切り替わった。

「え!? なにこれ立夏!?」

「固有結界。術者の心象風景を世界にする魔術の最奥。すなわちここは私の心の中であり、私が作り出した世界!」

「此処に至るはあらゆる収斂。縁を切り、定めを切り、業を切り。我をも断たん無元の剣製(つむかりむらまさ)――即ち。宿業からの解放なり!」

すべての剣が砕けて雪の結晶のように散り、立夏の手にただ一本の刀が残る。

立夏はその刀を振りぬいた。

途端、地面から凄まじい炎が上がり、サソリモドキを焼いていく。

「固有結界解除」

振り向いて笑顔を見せる立夏に呆然となる二人であった。

 

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