〜あらすじ〜
ブラックリベリオンの最中、神根島にてスザクに敗北したルルーシュは皇帝シャルルの前に引き摺り出されていた。
「シャルル・ジ・ブリタニアが刻む偽りの記憶!全てを忘れ直人となるが良い!!」
黒の騎士団、母であるマリアンヌ、ギアス、そして最愛の妹であるナナリー
次々と記憶が消される中、ルルーシュは妹の名を叫んだ。
第一話 魔神がやっぱり生まれる日
「ナナリィィーーーー!!!」
眼を見開き、手を伸ばし、ベッドから上半身を勢いよく起き上がらせながら叫んだ。
どうやら室内のようだが、電気を消している為部屋は暗い。
少し冷静になり、暗さに目も慣れた為、周りを見渡すと住み慣れたクラブハウスの自室であると気付く。
「…俺はスザクに捕らえられ、シャルルにギアスを掛けられたはず。だがこの状況はなんだ?」
黒の騎士団のリーダー”ゼロ”としてスザクに捕まり、シャルルの前に引き摺り出された。それにしては拘束されていないところが気になるが、ベッドから立ち上がるとそのまま部屋を出た。
…余談だが、この際ルルーシュは無意識下で完璧なベッドメイクを行ったことは言うまでもない。
部屋に軟禁されている訳では無いのだなと思い、次にクラブハウスの中に軟禁されているのか?などと考えていた。ならば確かめるべきはナナリーの部屋だ。
罠の可能性を一瞬思い浮かんだが、一度捕らえられた上にシャルルによって何かしらのギアスを受けている以上、罠の必要がないと考えたので、ゆっくりと扉を開ける。
そこには天使のような…否、天使の笑顔があった。
ナナリーの誘拐、C.C.との別れ、ナナリーの誘拐、ナナリーの誘拐、スザクに敗北したこと、ナナリーの誘拐、シャルルにギアスを掛けられたこと、ナナリーの誘拐、そして…ナナリーの誘拐などの様々な事柄が一瞬にして頭から吹き飛び、すぅすぅと可愛らしい寝息を立てているナナリーに駆け寄り、抱きしめる。我ながら短絡的な行動だ。
「ナナリー…!」
噛み締めるように名前を呼ぶが、抱き締められたナナリーはというと、困惑した声音と表情で返事をした。抱き締めているので当然表情は見えない角度だが、俺にはわかる。わかると言ったらわかる。
「お、お兄様…?」
…これまた余談だが、この時ナナリーは困惑した態度とは反対にしっかりとルルーシュを抱き締め返している。この辺がこの兄にしてこの妹ありといったところだろう。
困惑した声もかわいいななどという呑気なことを考えていたが、再度状況確認の為に頭を働かせる。
「すまないナナリー、お前が誘拐される夢を見てしまってな。夢から覚めた後に不安になって確かめに来たんだ。」
ナナリーが偽物という線も考えたが、この抱き心地、香り、声音どれも本物のナナリーに間違いない。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの名に賭けて間違いないと断言できる。
だが、ある違和感を覚える。最後に抱き締めた時よりも僅かに身体が小さいのだ。ナナリーは足が不自由で車椅子での生活を余儀なくされているが、俺、もしくは咲世子さんによってしっかりとした食事を徹底しているはず。やはり軟禁等の原因によって食生活が乱れているのだろうか。
「まぁ、変なお兄様。」
困惑した声音からどこか嬉しそうな声音に変えたナナリーはクスクスと笑いながら俺の嘘に返事をする。ナナリーに嘘は吐きたくないが、無駄に不安を煽るのは避けたい。…優しい嘘なら問題はないだろう。
そろそろ状況を整理し、行動に出るためにも仮説を立てる必要がある。我ながら間抜けな質問をすることになるが、今ここで確かめる必要がある。
「ナナリー、今日は何年の何月何日だ?」
お兄様がそんなことを聞くなんて珍しい、と驚いた声に続いて聞いた年月日は俺の記憶から随分と前の日付だ。
「そうか、変なことを聞いて悪かったな。」
心惜しいが、抱き締めていたナナリーからゆっくりと身体を離しながらいくつかの仮説を立てる。
…お互いに抱き締めあっていたランペルージ兄妹を家政婦(咲世子)は見ていたが、無論声を掛けるなどという無粋な真似はしない。できる女、咲世子である。
自室に戻った俺は携帯と家計簿を確認した。携帯や、俺の筆跡で書かれた日付も、ナナリーの答えと完全に一致している。
「…時を遡っている…?それにこの日付は…シンジュク事変の日か。」
鏡で確認したが現在ギアスは使えない。
「まだC.C.に会っていないからギアスは無いというわけか。」
この現象の原因がシャルルのギアスであるとすればC.C.に会えば確認できるかもしれない。ギアスが効かないあの魔女ならもしかしたらタイムリープしても記憶を保持しているかもしれない。
「…だが、奴のギアスだとすれば目的はなんだ?奴が時を戻してまでやり直さなければならない事態があったのか?それにしても俺の記憶が残っているのがおかしい。デメリットが大きすぎる。…駄目だ、情報が足りない。」
ユーフェミアの死など奴にとっては些末事だろう、仮説はいくつか立てられるが決定打に欠ける。
そうなればとるべき行動は1つ。罠という可能性もあるが、できるだけ過去に経験したシンジュク事変の日と同じ行動をとり、C.C.と会うべきである。
「貴族最高!プライドもあるから支払いも確実!それに5分30秒の新記録!」
あの日と同じように違法な賭けチェスを行いリヴァルのバイクのサイドカーに乗る。ちなみにチェスの内容はあの日と同じ内容だった。最初にキングを指し、そこからも全てお互いに同じ手…途中から次の手が完全に決まっている状態になったと確信し相手が指した瞬間に指し返したお陰であの日よりも早く終わった。
上機嫌なリヴァルに適当に相槌を打っているとあの魔女が入っているカプセルを運んでいるトラックと一悶着あり、トラックが道を逸れ停車、リヴァルのバイクも故障した。
「リヴァル!俺はちょっと様子を見てくるから先に帰っててくれ!」
エナジーの線が切れたとかなんとか言っているリヴァルを放置し、トラックへと走る。これで置いて行ったことにはならないだろう。
トラックに乗り込み、カレンをやり過ごす。落ちているトランシーバーを拾い上げ、衝撃に備える。
大きな衝撃と共にトラックが揺れスザクを待ち構える。この後スザクは撃たれることになるが、どういう訳かは知らないがランスロットに乗り俺の作戦を台無しにしてくれるのだから対策はしない。悪いなスザク。
スザクの蹴りを何とか防ぎ…あの日、ランスロットによる俺が乗るサザーランドへの最初の一撃は今のと同じ蹴りだったななどと思い出しながら、スザクとの問答を終える。俺を捕らえ、シャルルに売り渡し、地位を得ようとした男。だが、ギアスを使いスザクを歪め、ユーフェミアを殺したのは俺だ。先に裏切ったのは俺なのだからスザクを憎むのは筋違いだろう。この世界がタイムリープだというのなら、今度こそ懐柔…いや、協力する道を模索するべきだ。
…不意打ち気味の蹴りを完璧に防がれ。スザクは若干ショックを受けたことはルルーシュは知る由もない。
トラックが爆発した後、C.C.を連れ出口へと走る。躓き、転倒しかけるC.C.をなんとか抱き留め、改めて拘束を緩める。
「おい、C.C.そろそろこの状況を教えてくれないか?」
呼びかけた瞬間目を見開き、C.C.が半歩下がる。
「…お前…何故私の名を知っている。」
見開いていた目を細めている。警戒しているという事だろう。
「…先に言っておくが俺はお前の敵ではない。そうだな…俺はお前の共犯者だ。」
両手を挙げ、無害であるとアピールをする。からかっているという線もこの魔女であれば十分考えられるが、そうではない場合、警戒されて逃げられると困る。何故なら俺は体力が無いのだ。
「共犯者?何のことだ?」
敵であるならばそもそも拘束を緩める必要もないと分かったのか、首を傾げている辺り、困惑しているという様子である。これが演技であるならばこいつは大した役者だなと思いながら、何を言おうかと思考を巡らす。
「不老不死の魔女、C.C.よ。力だ。王の力であるギアスを渡せ。異なる摂理だろうが孤独だろうが俺は乗り越える。…俺にはその覚悟がある。…結局お前の願いは聞けずじまいだったが、お前の望みは俺が叶えてやる。これは契約だ。」
再度目を見開き、何故それを…と呟くC.C.だったが、どうやら覚悟を決めた様子で口を開いた。
「ふん、契約を持ち掛けられたのは初めてだよ。」
「いいだろう…結ぼう、その契約。」
ギアスを受け取り、タイムリープのこと、これから起こる大まかな事柄について話した。その間に邪魔が入ったので、ギアスを使い、あの日と同じ命令を下した。
「ほう、シャルルのギアスを受けて…か、その可能性はあるかもしれない。だが生憎彼奴のギアスの能力までは知らん。それにお前と会った記憶などというものも無い。」
タイムリープについて話したとき、始めは完全に疑っている様子だったが、ナリタ連山での出来事を話したときに本名を言うと信じた様子だった。そして二度と呼ぶなと釘を刺された。
というかこの魔女、あの日の出会った頃は無口だった癖に口調が随分慣れ慣れしいな…まぁ、この方がC.C.らしいと言えばらしくはあるが。
「ところでルルーシュ、お前がタイムリープしているというのは他の誰かには話したのか?」
暇潰しのためだろう、さほど興味なさそうにC.C.が訊いてくる。
「ふん、言う筈がないだろう。お前に言ったのもギアス能力であればお前には効かないだろうという考えがあってのことだ。ギアスや俺の目的…「私との契約も忘れるなよ」…お前の願いを達成する上でこの秘密は共有しておくべきという考えも…待て、そろそろ来る。」
何がだ?とC.C.が言いかけた瞬間、音が鳴った。事前に親衛隊から奪っていた銃で音源を破壊し、更に待っていると着信音が鳴った。シャーリーからの電話である。
『もしもしルルー?今どこにいるの?サボってばっかりじゃ留年しちゃうよ?』
あの時の着信はやはりシャーリーだったか、と思いながら考えていた台詞を返す。
「心配要らないよシャーリー。悪いんだけど、会長に予算審査って伝えておいてくれないか?」
質問には答えず、かつ話を逸らす。するとシャーリーは「あっ」と驚いた声を上げた。
『あぁー!もしかして予算審査をサボろうt…』
電話を切る。これでシャーリー達は俺が予算審査をサボるため、遅くまで帰るまいとしているように見えるはず。ちなみにナナリーには今朝遅くなると告げ、咲世子さんにもお願いしてある。
「…どうやら本当に経験済みのようだな。それにしても驚いたぞ。迷いなく撃つとはな。」
音源のことを言っているのだろうが、この後の戦闘を考えれば結果は同じだろう。ならば電話中に音が入らないように処理しておいた方がいいに決まっている。
「それよりもうすぐナイトメアがくる。お前は少し隠れていろ。」
そう言って階段を指差す。動き出さないC.C.にどうした?と訊くとニヤニヤとしたいやらしい笑みを浮かべながらその口を開いた。
「いや、さっき言ったことだが…お前は未経験だったな…ふふ、童 貞 坊 や」
「…ええい!黙れこのピザ女!!!」
〜言い訳〜
「C.C.がシャルルのギアスを知らない」と言うのは想像です。
V.V.から授かったギアスでしょうし…
まぁ、知っていて嘘をついたと言う言い訳も出来ますが
C.C.って嘘言わないしなぁ…
毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?
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面白い。今後も続けてほしい。
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面白い。でも二度とやるなクソが。
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面白くない。でも今後も続けて欲しい。
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面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
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普通。好きにして欲しい。
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どうでもいい。