チートギアス ~反則のルルーシュ~   作:ベルゼバビデブ

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第十二話です。

久しぶりのルルーシュ視点単独話です。

※普段以上のコメディ回です。嫌いな人は嫌いかと、ごめんなさい。更にタイトル通り、本編はさらっと終わるのでほぼオリジナルエピソードです。


第十二話 キョウトからの使者はオマケ

『もしもし。ルルーシュかい。』

「スザクか。今日は軍の仕事で休みだと聞いていたが…」

 おおよその検討は付く、ナリタでの土石流からの発掘作業でもしているのだろう、となれば犠牲になったもの達について何か言いたいに違いない。

『酷い有様だよ、ナリタは。沢山の人が死んでる。君はこんな事をして何がしたいんだい?』

「日本の解放だよ。その為にブリタニア軍を攻撃した。これは戦争だ、敵の兵力を削る立派な策だよ。」

『こんなやり方じゃ何も変えられない。君はただの人殺しだ。』

 これでも前回よりは規模を抑えて助けられる民間人は助けたんだが、そんなことを言ったら流石にスザクに見限られてしまうだろうから黙っておく。もっと他にやりようがあったのだろうか。未来の記憶を頼りに日本解放戦線を取り込み一致団結していれば勝てたのだろうか。スザクをもっと強引に仲間に引き入れ、一緒に戦っていればこうはならなかったのだろうか。

『君の願いは知っているつもりだ。一緒に叶えたいとも思っている。でも、君のやり方には賛同出来ない。』

 君の願いは叶えてはいけない。あの時はそう言われた。

「分かっている。全て終わったら償いはするさ。」

『その時は生きて罰を受けて貰うよ。ルルーシュ。』

 償いなど、後でいくらでもできると言った俺に君には無理だと返したスザク。あの時に比べればまだ俺とスザクはやり直せる。そう確信した瞬間だった。

『あと、ルルーシュ。もう一つ君に言っておきたいことがあるんだ。』

「うん?なんだ?」

 スザクの声は先程までに比べると、幾分柔らかくなっている。

『次は勝たせて貰うよ』

 前回俺はスザクに負けないように戦った。つまり、今度こそ俺を止めると言っているのだろう。そして俺は…

「次も負けないさ。」

 そう言えばスザクと正面からぶつかり合うのはいつぶりだっただろう?未来の記憶と過去の記憶を辿りながら、思考の海に沈んでいった。

 

 思考の海から帰ってくると、体調を崩してしまったナナリーを看病するため、必要な道具を片手にナナリーの部屋に入る。

「調子はどうだい?ナナリー。」

「お兄様。はい、大分良くなりました。」

 そう言ってベッドから体を起こすナナリーに手を添え手助けする。ありがとうお兄様と笑うナナリーはとても可愛らしく、日頃の疲れもストレスもブリタニア辺りまで吹っ飛んでいく感覚だ。額に手を当て熱を確認すると、大分下がったようで安心する。

「熱は下がったようだな、でもあまり無理はするなよ、ナナリー。」

「えぇ、でも少し…お兄様、悪いのですけれど、汗を拭いてくれませんか?」

 熱のせいで汗をかいたのだろう、分かったと返事をし、タオルで軽く拭き取る。普段なら自分で汗くらい拭けるからだろうか、なされるがまま身体を拭かれるナナリーは少し恥ずかしそうにしているが、熱で体力を奪われているのだから、こんな時くらい兄に甘えてくれる方が兄冥利に尽きるというものだろう。しかし…おや?ナナリー…?少し太ったか?

「…なぁ、ナナリー、もしかしてお前最近少し…」

「お 兄 様 ?」

 ナナリーの顔が爆速でこちらを向く。俺は太ったかと言いかけるのをナナリーに止められた気分になった。いや、厳密には…物理的には止められていないが、なんというか精神的に圧を感じたというか…馬鹿な!?ナナリーが俺に圧を…?ありえない。よく見ると、ナナリーの顔は笑っているが、目が笑っていない。いや、ナナリーの目は閉じているのでその表現は正しく無いのだが、とにかく笑っていないのだ。十中八九太った原因はピザ女のせいだろう、おのれ魔女め…!

「さ、さぁ、ナナリー…ゆっくり横になって休むんだ。」

「はい、お兄様。」

 身体を支え、ゆっくりと寝かせ、もう一度頭を撫でる。

「それにしてもナナリー、熱を出すなんて、何かあったのかい?」

 何かがストレスになって熱を出したのだとしたら、そのストレスの元を取り除かねばならない。前回は忙しさから少しナナリーの元を離れる時間が多かったためだったが、今回は前回より幾分余裕のある時間をなるべくナナリーに割いてきたのだ。

「少し拗ねてみただけなのかも」

「拗ねる?」

「はい、最近少し出番が無かったので…」

「ナナリー???出番???」

 

…!?えっ!?俺!?俺に言ってる!?仕方なく無い?原作でも大体こんな流れでナナリーの出番少なかったじゃん???いや、確かにオリジナルエピソード入れるとかやりようはあったんだろうけどさ…マジか…

 

 きっとナナリーは疲れているのだ。

「ナナリー、ほら、もう今日はゆっくり休むんだ。」

 布団を優しく掛け直し、ナナリーの小さな手を両手で優しく包む。

「ありがとうございます、お兄様。このまま、眠るまで手を握っていてください。」

「もちろん。今日はこのまま、ずっとそばにいるよ。ナナリー」

 今だけは。今日だけは…このまま…

 

 

「ゼロ、これを」

「ほう?私宛のラブレターか。お相手はどこのどなたかな?」

 扇から受け取った手紙はキョウトからのものだ。このイベントは気楽でいい。

「はははは!ゼロも冗談とかいうんだな!」

「玉城笑いすぎ。」

 カレンが玉城をビンタすると、玉城は沈黙した。あぁ、玉城、今回だけはお前に同情するよ…。

 その後、念の為扇に黒の騎士団の懐事情を確認し、問題ないことを確認する。玉城は不満げだったが、その辺は上手く扇が躱してくれたのだろう。しかし、人は機械ではない。更に俺は未来の記憶を持ち、現在予定が全て上手く行っているという実感を持っている。しかし団員はどうだろう、ここで息抜きも必要なのではないだろうか。時には気を緩めることも大切だろう。張りすぎた弦はいつか切れてしまうものだから。

「扇、我々は既に大所帯の組織となった。人数が増えれば予定外の出費も増えるだろう。」

「ゼロ…?」

「これより黒の騎士団による懇親会を開催する!」

「「「「「「「???????」」」」」」」

 

…カレンも、扇も、杉山も、井上も、南も、吉田も、泉も、その他の団員も、普段ゼロなら言いそうにもない発言に目を丸くして居た。ちなみに玉城は大喜びで、普段からは想像できない驚くべき速度と熱意で食材と酒の手配をしていた。(勿論足のつかないルートで)結果、この功績を認められ、ルルーシュは宴会太政大臣の役職を与えるのだが、それは別の話。

 

「ゼロが懇親会をやるなんていうとは思わなかったよな…」

「あぁ…普段のゼロなら逆に懇親会なんぞ不要!っていうタイプだもんな…」

 団員達は食事と酒を楽しみながら、時には身内で、時には普段あまり関わりのない者と交流を楽しんでいた。どうやら「顔も見せられないのか」という不満勃発は防げたようだ。

 その後、キョウト代表の桐原と会う一連の流れは実に単調な出来事だった。何故なら一度経験済みだからである。最初からC.C.に同行させ、俺はナイトメアパイロットと入れ替わる。あの時と同じやりとりを行い、桐原が俺を信じて良いと高々に叫ぶ。

「行くか、修羅の道を」

「修羅の道?いえいえ、私にとってはこの程度、修羅の道にはなりませんよ。」

「ほう、言うでは無いか…!ハッハッハ!」

 そうだ。俺の道は修羅の道などではない。ギアスと記憶、この二つを使い修羅の道でなくするのだ。そのために手を回してきたのだから…。

 

 まぁ、キョウトの事なんてのはどうでも良い、今は…シャーリーと行くコンサートだ!時間に遅れるわけには行かない。事前に用意していた34のルートのうち、最短のルートを選ぶか、最も安全なルートを選ぶか、それが問題だ。

「カレン、すまないが私はこれから用事がある。ここらで失礼するとしよう。」

 事前にカレンには今日の夜にシャーリーの誘いでコンサートに行くことになっていると伝えてある。その際カレンには女の子の約束に遅れるなんて最低だからね。と釘を刺されている。遅れたら恐らくビンタだろう。…ええい!カレン!そんな目で俺を見るな!少々時間は押しているが、まだ許容範囲内だ。今回の為に隠しておいた移動用の無頼を使い、最短ルートを直線距離でひたすら進む、これだ…!

 しかし、イレギュラーが発生する。

「馬鹿な!こんなところにブリタニア軍だと!?」

 ええい!一体何が起こっている!?こんな場所で…誰かを追っているようだな。ナイトメアを使って居ないのは追っている相手の脅威度が低いからだろうか。…追われているのは藤堂と四聖剣だ…。ナリタで逃走のための囮に使ったのでアイツらは本隊と合流できず、それで今追われているのか…どうせ前回のように最終的に助け出すので、今ここで助ける必要は無い。寧ろ、下手に助けて日本開放戦線に合流された場合、片瀬と一緒に爆死してしまう。目の前で見た後だと寝覚が悪いが仕方がない、彼らを囮にしつつ、その場を後にした。

 

 待ち合わせ場所でつまらなそうに石を蹴っ飛ばすシャーリーを見つけ、破裂しそうな心臓に鞭を打ち、砕けそうな脚に喝を飛ばして走る。

「済ま…ハヒィ…!シャ…ハァッ…!遅…」

「あ、ルルー!…だ、大丈夫?」

 大丈夫では無い。そう答えたいが、そんな余裕はなかった。

「そんなに焦らなくても大丈夫だよ。ほら、肩貸してあげるから…ゆっくり行こ?ね?」

「済…ホヒィ…な…ハフッ…ありが…ヒフッ…シャーリー。」

 いいのいいのと笑ってくれるシャーリーに支えられて、少し遅れてコンサート会場に入る。あの日と少し違うのは、不思議と雨が降って居なかったことだ。

 

「シャーリーとのデートはどうだった?ルルーシュ。」

 相変わらずC.C.はピザを頬張っている。毎食ピザでよく飽きないものだ。

「デートじゃ無い。一緒にコンサートに行っただけだ。」

「こんな男に惚れてしまうなんてシャーリーは不幸な女だ。」

「…それは否定しない。」

 実際彼女は不幸だった。父を亡くし、マオに心を読まれた挙句操られ、俺によって記憶を消された…。不幸だ。いや、不幸だった。今回はそんな不幸とは無縁に生きて欲しい。何故だかそう思う。

「そういえばC.C.、お前最近ナナリーに何か食わせて無いだろうな?」

「ほう?よく分かったな。ナナリーにはもう少し肉をつけて欲しいからな。2人でよくピザとコーラのお茶会を開いている。」

 

「ええい!やはり貴様が元凶か!このピザ女!!!」




〜感謝の言葉〜
まず、これを書いている12/4時点で、こんな稚拙な物語を読んでくださる皆様から沢山のお気に入り登録をして頂き、大変嬉しく思っています。
また、評価に色がつきました!それだけたくさんの方が評価してくれていると言うのは嬉しいものです。残念なことに低評価もありますが、よくよく考えると何が悪くて低評価なのかわからないのでどうしようもないですね!(言い訳)
こんなことならコメント付き評価にすればよかったと思う次第。

これからも皆様の期待を裏切らないようにエタる事だけは避け、毎日更新を続けたいと思います。では、毎回恒例の言い訳コーナーに続きます。

〜言い訳〜
現在のスザクからのルルーシュへの印象は今回の土石流がニーナバフの掛かったルルーシュの必死のシミュレーションの結果、民間人に被害が無い・シャーリーパパを巻き込んでいないので、原作よりは幾分マシです。あと、タイマンで勝てなくて若干悔しがってます。

私の登場→嫌いな人は嫌いですよね。ごめんなさい。

ナナリーが恥ずかしがってる理由→本当に自分で汗も拭けないことを恥じてるんでしょうかね?あと、ナナリーは太ってしまいました。二の腕のところなんてぷにぷにーって。おやおや、ナナリーは可愛いですね。

懇親会を開くルルーシュ→本当は団員が横領してる流れをやっても良かったんですが、実は一度書いた後に消えてしまって萎えたのでこの流れになりました。心に余裕があるルルーシュは冗談を言ったりします。ですが全ては「顔も見せられないのか」のイベントをスルーするためのガス抜きです。

二週目なら桐原と最初からわかっているので、運転手とのやり取りは無く、最初からC.C.がゼロになりすまし、ルルーシュは単身乗り込んで成り代わるような流れになるかと思います。まぁ、このイベントはオマケなのでどうでもいいですがね。

藤堂と四聖剣→まだ逃げ切れてます。但し、片瀬には合流できていません

シャーリーとのコンサート→パパが死んで無いので多少遅れはしましたが無事に行くことができました。雨が降ってないのは…そりゃねぇ?あと、相変わらずめちゃくちゃ体力がないです。

毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?

  • 面白い。今後も続けてほしい。
  • 面白い。でも二度とやるなクソが。
  • 面白くない。でも今後も続けて欲しい。
  • 面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
  • 普通。好きにして欲しい。
  • どうでもいい。
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