※今回はほぼオリジナルエピソードです。というか、タイトル詐欺です。
<サイド:スザク>
ナリタ攻防戦、コーネリア総督の窮地を救ったという功績を認められ、僕の所属する特派…と言うよりも、ランスロットというナイトメアフレームへの評価は非常に高いものとなった。目立った問題点も無い…まぁ、僕が名誉ブリタニア人であることを除けばだけど…通常よりも性能の高いナイトメアとなれば当然の事だろう。ロイドさんも予算が増えると喜んでいた。
あのナンバーズ嫌いの総督でも流石に評価をせざるを得なかったらしく、今回も作戦に呼ばれることとなった。日本開放戦線の生き残りと思わしき船に関わる作戦だった。しかし、作戦の内容はほぼ無抵抗な人をナイトメアで撃ち殺す酷いものだった。
「これは命令なんだ。だから…」
仕方がない。そんな言い訳をしていると電子音が聞こえてくるわ、
「…あれ!?ルルーシュから電話だ…珍しいな…。」
本当は作戦行動中に私用の携帯を使うのはルール違反だが、既に何回かやっている。今更だろう。
『スザク、それがお前のやりたかったことか?』
「ッ…」
ゼロである彼ならば…日本開放戦線を助けるためか、コーネリアを総督を狙ってか、どちらにせよこの場を知っていても…いや、この場に居てもおかしくないだろう。僕の行いも見られているに違いない。
『無抵抗な人間をナイトメアで撃ち殺す。命令だから従っている。そんなところか?なぁ、スザク、それでどうやって中から変えるんだ?』
「今は…今は無理でも!」
その時、日本開放戦線の船は巨大な爆発を起こす。爆発の光は眩しく、とてもではないが目を開けていられなかった。
『日本開放戦線…流石だな、最後までブリタニアに対抗する、日本人の矜持のような強い意志を感じさせられたよ。』
今の爆発を見ればわかる。僕がいても居なくてもブリタニアがやる事は変わらなかっただろうし、日本開放戦線のやる事も変わらなかっただろう。
『なぁ、スザク。スザクは中から変えると言っておきながら、本当はその気がないんじゃないか?』
「…何を言っているんだルルーシュ!?僕は!」
『実際にどうやれば中から変わるかもわからないが、とりあえずとにかく今は目の前の物事にがむしゃらに取り組んでるだけじゃないのか?いつもいつも、命令に従ってるだけじゃないのか?スザク。』
そこまで言われて気付いてしまう。僕はシンジュクでは殆ど自分の裁量で動けたにも関わらず大した戦果を残残せず、河口湖では言われた通りにトンネルを突破しただけ、この前のナリタ攻防戦でもユフィーにお願いしてもらってようやく動けたのだ。これでどうやって国を変えれるのだろう。主体的に動いている…外から変えようとしているルルーシュのやり方が如何に間違っているとしても、余程変えようという意思は感じられる。僕は何をやっているのだろうか。何もやっていないのではないか。命令に従っているだけの僕に意思はあるのだろうか。
「違う!僕は…僕は!」そ、そうだ、僕だけじゃ変えられなくても、一緒に変えようとしてくれる人がいれば…」
『いるじゃないか。俺が』
ルルーシュの声音は実に優しい。甘い音色だ。でもそれは悪魔の囁きに違い。たしかにブリタニア皇族でありながら、国に捨てられた彼ならば。僕よりも遥かに賢く、河口湖やナリタで無謀に思える状況で何かを成し遂げてきた彼ならば…。
「皇族…誰かと一緒に…?」
『そうだ。だから俺が…』
ユフィだ。あの、日本という国を知ろうとしてくれて、名誉ブリタニア人の僕を学校に行かせてくれた彼女なら…コーネリア総督を助けられたのは彼女の命令あっての事だ、ならば今後も彼女の命令でブリタニアを内側から変えていけば良い。心優しいユフィならきっと今のブリタニアを変えたいと思っているはずだ。
「ありがとう、ルルーシュ。」
『そうか、ようやく仲間に…』
「違うよ、ルルーシュ。僕はやっぱり君のやり方には賛同できない。でも、君のおかげでどうすればいいのか分かったよ。」
ルルーシュは暫く黙ってから、小さく、そうかと寂しそうに呟いてから通話は途切れた。
<サイド:シャーリー>
この前、パパにルルを紹介した時、パパもルルを気に入っていたようだったし、ルルもパパに興味を持ったのか色んな話をしていた気がする。まずは二人が仲良くなってくれたみたいで安心した。二人の仲が悪くて、今後が気不味いなんて事になるのだけは避けたかったから。
そんなパパはあの黒の騎士団って人達に、お仕事中に攫われたらしい。無事に帰ってきてくれたとはいえ、その話を聞いた時はすごく驚いた。聞けばパパのお仕事で調査したデータを欲しがってたらしい。でも、パパは怪我も痛い思いも全くせず、寧ろ丁寧に扱われたと言う話を聞けば、正義の味方ってのを本気でやろうとしている人達なのかも知れないと思った。河口湖でも助けてくれたし。…ゼロって人のセンスは、なんか、ちょっと疑うけど…。
パパがくれたチケットでルルとコンサートデートも出来たし…そういえば何であの日ルルは遅れてきたんだろう?しかもあんなに息を切らして…でも、あの体力の無さはルルらしいと思った。
カレンさんに教えて貰った駅前の雑貨屋は可愛い小物が多くてつい長居してしまう。そろそろ寮に戻ろうと店を出ると、よく知る背中を見つけた。
「あれ?ルル?」
ルルが歩いている。…しかも、隣に銀髪の女性を連れているのだ。
「何よ、誰!?あの人…!」
私というものがありながら…ルルには悪いが、後をつける。二人が大通りを通るならともかく、人混みのない方へない方へ行くのだ、どう考えたって怪しい。
「あっ!もしかしてまた賭け事!?ルルったら…ほんと頭の使い方おかしいんだから…」
賭け事してる場に乗り込んで注意してやろう、そうしよう。小さく頷いて、ふと視線を上げると、よく知る目と目が合う。
「やぁ、シャーリー。こんなところに一人で何してるんだい?」
「えっ!?あれ!?ルル!?えっ、えっとね…」
これでは不意打ちだ。なんて嘘を言えば良いのだろう?後をつけるなんて言えないし…
「もしかして俺の後を…?」
「えっ?…う、うん…」
流石のルルだ。考えていることはお見通しらしい。ここは諦めて認めてしまおう。
「だって、怪しい女の人と一緒に人混みのない方に歩いていくのが見えたから…」
「あぁ…あの人、道に迷ってたみたいだからさ。案内してたんだよ、この辺は複雑だろ?この辺は賭けチェスとかでよく来てるから場所も分かってたし。シャーリーも心配性だな。」
フッと鼻で笑われた。ただの道案内の親切だったらしい。そう思えば後をつけたのはとても失礼なことに思えてくる。…ん?
「ルル…賭けチェスでよく来るって事は、ここって危ないところだったりするの…?」
「いいや、ここはまだそこまで危険じゃないよ。」
「それなりには危険なんだね…」
思わず苦笑いしてしまう。知らなかったとは言え危険なところに1人でいたのだ。その時に何かあったらと思ってしまう。ルルがいれば安し…ん…。スザクくんなら兎も角、ルルじゃちょっと頼りないかも…体力なら私の方がありそうだし。
「ん?な、なんだい?その表情…」
「いや、ルルじゃ頼りにならないなって…」
確かになとルルが自嘲気味に笑い、スタスタと歩き始めてしまう。
「待ってよルル!女の子を置いてくなんて酷いよ!」
「何かあったら守ってくれよ?お姫様」
姫に守られることを期待するなんて情けなさすぎる。…とはいえルルらしいといえばルルらしいだろう。
幸いこの日は何もなく、ついでにさっきまでいた雑貨店に2人で寄るなどをした。ナナちゃんにお土産を一つ買い、帰りに寮ではなくクラブハウスに向かう。
「はいこれ、ナナちゃんに」
「まぁ…なんでしょう…………これは、紙…折紙ですか?シャーリーさん、ありがとうございます。ふふっ、紙の表面が凸凹してて面白いですね」
「最近折紙やってるみたいだったから、珍しい紙でもやってみたら面白いかなって。また今度折り方教えてね」
勿論ですとニコニコ笑うナナちゃんの頭を少し撫で、ルルとナナちゃんに別れの挨拶をした。喜んでくれたようで何よりだ。
<サイド:ルルーシュ>
スザクとの通話を終える。元から本格的な勧誘はこのタイミングからと決めていた。ナリタ攻防戦であの惨状を引き起こす以上、それまでに熱烈な勧誘をしていても無駄だと考えたからだ。そこで日本開放戦線を利用した。この一方的な殲滅作戦にスザクは自身の正義が揺らぐだろう。そこにつけ込むのだ。まぁ、結果は失敗に終わってしまったが。明言はしなかったが、おおよその見当はつく。心優しいユーフェミアに協力し、彼女と中から変えようとするのだろう。
「まずは条件クリアといったところか」
前回の俺はコーネリアの捕縛に躍起になり、日本開放戦線を囮にした襲撃を行ったが、コーネリアに母の情報が無い以上、捕縛する必要はない。捕らえるべきはシュナイゼル、だがそれには十分な準備が必要だ。今のままでは足りない。現在は潜伏と今後の準備に時間を当てている。確認すればディートハルトは前回より規模が大きな黒の騎士団でも、問題なく組織化できているようだった。ふむ、相変わらず優秀だな。
「やはり楽だな。未来を知れているというのは。」
何より、コーネリアを捕らえる必要がなく、聞き出すためにギアスを使うため、その後の活用法が縛られる前回と異なり、今回は何も気にせず殺害しても良いし、ギアスを使って都合の良い駒にもできる、その点だけでも未来の記憶は有用だった。
「なぁ、ルルーシュ。その未来の記憶の私もピザが好きだったのか?」
思い出してみれば今よりは食べる量が少なかったような。現在、6人のチーズくんが部屋の一角で組体操をしているような事は少なくとも記憶になかった。ただ、今も記憶もチーズくんを抱きしめている印象はあったが。
「あぁ。好きそうだったぞ。」
「そうかそうか」
そう言ってC.C.は寝転がった。そういえばこの女、俺がいくつか用意した…と言うか、会長に無理やり着せられた女装用の服の数々なのだが…服を着ず、白い拘束着を好んで着ている印象が強い。理由を聞いてみてもどうせはぐらかされるだけだろう、この疑問は心にしまっておくことにした。
突然、無言になった部屋に機械音が轟く。黒の騎士団からの連絡だ。
『ゼロ、ご報告です。』
「どうした井上、何があった。」
井上に任せていた案件は複数あったが、急な連絡であるならば2パターンに絞り込める。だが、井上の声に焦った様子がないのであれば大体の予想はつく。
『以前からゼロより捜索依頼のあった人物が見つかりました。例の場所でお待ち頂いています。』
「そうか、ご苦労だった。彼に会いたいという女性を連れて行く。準備や予定があるから数日程待ってもらうことになるが、許してほしいと伝えてくれ。」
これでやつは例の場所から動かない。条件はクリアされたと言えるだろう。
『わかりました。ゼロ』
「あぁ、それと…彼は中々鋭い観察眼を持っている。多少揶揄われるかも知れないが気を悪くするな。」
念の為、井上のメンタルを確認する。おそらく大丈夫だとは思うが…
『観察眼…なるほど…』
「…その様子だと既に多少揶揄われたようだな。先に忠告すべきだった。済まない」
『いえ、大丈夫です。』
大方、杉山との事で揶揄われたに違いない。その程度奴で無くてもわかる事だが…まぁ、いいだろう。特にメンタルケアの必要はなさそうだ。これで全ての仕込みは終わった。後はあの女に任せれば良い…。
仕込みの途中、シャーリーに姿を見られたらしい。うまく誤魔化せたらしく、ギアスを使う必要はなさそうだ。途中でカレンに教えた雑貨屋に寄る。聞けば河口湖の後、カレンと一緒に来たらしい。すぐさまカレンに教えておいて正解だったようだ。
シャーリーと別れた後、ナナリーに誘われ一緒に折り鶴を折る。シャーリーのくれた折紙は表面が凸凹して様々な模様の紙があるようだ。…折紙には不向きではないのだろうか?ナナリーはピンクにハート模様、俺は黒にダイヤの模様、ナナリーの手元を見たり教えて貰いながら折鶴を折る。中々難しい。
「初めてにしては上手だと思いますよ?お兄様」
「そうかい?ありがとうナナリー、作ってみると中々難しいもんだな」
出来上がった黒の折り鶴を触り形を確かめながら講評を頂いた。ナナリーはそう言うが、手順通りに折る事に上手い下手があるのだろうか?そんなことを思いながら、ふと棚を見るとナナリーが折ったであろう色とりどりの鶴の中に一つ、中々不恰好な白い鶴があった。察した。これを作ったのはスザクだ。見ればしっかりと端を合わせて折っていないことが見て取れる。折紙発祥の日本人であれば誰でも上手に作れる訳ではないらしい。
ナナリーを寝かしつけ、深いため息を吐き自室に入る。普通自室に入る時はもっと心が落ち着きそうなものだが、ここは自室であって自室でない。ピザの城だ。
「ルルーシュ、おかえり。私たちの愛の巣へ」
「お前に愛だと?悪い冗談もピザも程々にしておけ。」
俺の部屋の真ん中に柱などなかったはずだとよく見れば積み上げられたピザの箱が柱となっているようだ。ふざけている。どうすれば1日でこんなに食えるのだろう。
「ふふっ、これほどの量を食べるのは流石にキツかったぞ。」
満足げにお腹をさすりながら言うC.C.にムカついたので、後が大変と理解しながら柱を蹴っ飛ばす。
「ええい!人の金で無理してまで食うんじゃない!このピザ女!!!」
皆様、アンケートへのご協力ありがとうございます。
意外と二度とやらないで欲しいという意見は少なかったので、今後も無理矢理ねじ込んでいきたいと思います。二度と見たくないと言う方には大変申し訳ありませんが、今後ともお付き合いいただければと思います。
※アンケート自体は継続いたします。
あと、なんか今日めちゃくちゃアクセス数増えてて嬉しくもあり、怖くもあるんですけど、何かあったんですか…(震え声)
私燃えるんですか…???
〜言い訳〜
ぶっちゃけスザクパートは蛇足だったかもしれません。
本来ならヴィレッタに唆されたシャーリーがゼロの正体を知ってしまう回ですが、パパ生存により回避。ならばディートハルトが動きそうですが、ヴィレッタが内通者であることを聞いているので勝手なことをしません。なのでヴィレッタは撃たれません。ヴィレッタ救済だよ!やったね!(ギアスに操られてるので救済できてない)
時系列がわかりにくくて申し訳ありませんが、
スザク→ルルーシュの途中まで→シャーリー→ルルーシュの最後の方
の順番です。
原作タイトルを使用したタイトルにしてるので乖離が酷くなってくると中々辛いものがあります。
毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?
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面白い。今後も続けてほしい。
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面白い。でも二度とやるなクソが。
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面白くない。でも今後も続けて欲しい。
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面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
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普通。好きにして欲しい。
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どうでもいい。