チートギアス ~反則のルルーシュ~   作:ベルゼバビデブ

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第十五話です。

※結局オリジナルエピソードだよ。おいおい低評価が加速するな!


第十五話 粉砕玉砕大喝采のマオ

<サイド:俯瞰>

 

「C.C.、どこだい?必ず探し出すからね…」

 心を読むギアスを持つマオにとって、唯一安らげるのはギアスの効かない彼女の元だけだった。孤独は嫌だが、人の心の声が聞こえてしまう以上、人とは普通に接することが出来ない。誰かと一緒にいながら煩い声も聞こえない、そんな安らぎを求めてC.C.を探しにエリア11に来た時、人里に降りて来た事を心底後悔したのは言うまでも無い。

『結局世の中金金金…』

『試験だるいなー授業サボっちゃおうかな…』

『ちくわ大明神』

『誰だ今の』

 聞こえてくる様々な声を必死に我慢し、C.C.の録音された声を聞くためにヘッドホンへと意識を集中し、音量を上げる。

『おはよう、マオ』

 

 そんなマオにとって幸運だったのは、C.C.を探す為にあちこちを周っていた時、ブリタニア人っぽい女が東洋人のマオという男を探しているという話を聞いた事だった。情報収集は心が読めるマオにとってお手の物、心は嘘を吐かないのだから当然だ。あっという間に話の出どころを抑えると、裏社会を牛耳る黒の騎士団の組織に辿り着いた。

『この人がC.C.さんの探してたマオって人なのかな?』

 そんな心の声を聞いたマオは有頂天だった。

「はい、はい!そうです!僕はマオ!僕がきっとそのマオだ!C.C.も僕を探してくれてたんだ!ひゃはははは!」

 喜びの余り手を叩く。

『探してる人が見つかってC.C.さんも良かったなぁ』と言った心の声を聞き、久しく人混みでも上機嫌になれたマオは、その後にもう数日待って欲しいと言う言葉にも二つ返事で了承した。意外にも思える判断だったが、素直に自分とC.C.の再会を喜ぶ声に囲まれると言うのも気分が良かったというのもあるのだろう。これまでの孤独や、苦痛な人混みに比べれば質が少々粗末ではあったが寝床も食事も用意されるだけ幾分マシであった。

「すぐに君を迎えに行くからね、待っててよC.C.…」

 

 黒の騎士団の団員、井上に言われマオは指定された人気のない港の倉庫へと向かっていた。人気がないのは恐らく、C.C.が自分を気遣ってのことだとマオは思ったので怪しむようなことはしなかった。

 海に浮かぶ船を見たマオは、C.C.と2人で湖にボートを浮かべ、ゆったりと釣りをしたり、これまでの苦労やこれからのことを話し合うのも良いかもしれないと目を細めた。

 指定されていた倉庫を開けると、美しい緑の髪が特徴的な彼の探し求めていた人物、C.C.が立っている。マオは思わず駆け出し、C.C.へ近づいて行く。ギアスの目を隠すサングラスも、気を紛らわすためのヘッドホンも取っ払う。こんなものはもう要らないのだ。

「C.C.!僕ね!オーストリアに家を建てたんだ!白くて、静かで…」

 再会を喜ぶマオの顔が一瞬にして苦痛で歪む。一瞬何が起きたのか理解できなかったが、遅れてやって来た発砲を聞き、マオは驚愕する。

「狙撃された!?どこから!?」

 痛みに耐えかね、思わず膝を着いてしまう、撃たれた肩を抑えつけるが血は止まらない。心の声は聞こえてこない、ならばそれよりも遠くから狙撃されていることになる。そんな相手にマオは無力だった。

「ぐあっ!?」

 痛みのせいでその場を動かなかったのはマオにとって最大の失策なのだが、マオにはそれに気付く余裕はない。その場から動かず、自分をただ申し訳なさそうに見下ろすC.C.がマオには理解ができなかった。

「本当はもっと早く…こうするべきだったんだ。」

「ど、どうしてC.C.…!助けて…助け…」

 続く銃弾に頭を貫かれ、マオが動くことは二度となかった。C.C.は倒れたマオに近づき、見開いた瞼を優しく閉じてやり、耳元でゆっくりと囁いた。

「おやすみ、マオ…」

 

「私です。ヴィレッタです。ご命令の通り、例の人物を半径1kmに入ることなく殺害しました。」

『そうか、良くやった。あぁ、あとは例の通り進めて普段通りにしていたまえ。』

 海に浮かぶ船の上でヴィレッタは銃で携帯を破壊し、携帯の残骸と銃を海を捨てると自身で船を操作し、港に戻った。

 

 

<サイド:ルルーシュ>

 

 未来の記憶を持つ俺にとっての最大の脅威、マオを問題なく始末出来た。流石に喜びを隠しきれない。

「まぁ、お兄様?何か良いことでも合ったんですか?」

 マオを始末した翌日、久しぶりにナナリーの車椅子を押しながら散歩していると、俺の雰囲気を感じ取ったのか、ナナリーが振り返りながら首を傾げている。可愛い。

「あぁ、実はそうなんだ。この前の試験、張ってたヤマが見事当たってね」

「それは良かったです。」

 試験…いや、試練といったところか。マオという課題を処理する為、タイムリープ初期からマオを探していると言う情報を広め下地を作り、マオを誘い込む罠を作った。そして最後はギアスの効かないC.Cと何も知らずギアスで動かせるヴィレッタを使い、人気のないところに誘い込んだマオを殺害する。この作戦において重要なのは俺自身が奴に触れないことと、団員達の心からマオとC.C.の再会が喜ばしいものと刷り込むことだ。一見日本人でないC.C.が組織に入ったのも、人を探す為に組織力を頼ったと言う言い訳が立つ上、団員達も仲間の望みならと心から善意で協力する。マオは単純な男だ。罠とも知らずまんまと食い付き、死んだのだ。奴を人知れず処理することで今後はC.C.も願いを叶えてくれたからその恩に報いるということで今後も活用できるし、周りの団員はマオが始末されたとは知らない。殺害したヴィレッタはそもそもギアスの駒なので考慮に値しない。シャーリーやナナリー、スザクを巻き込むことなく穏便に済んだのだ、大成功と言えるだろう。それに、今回はしっかりとヴィレッタに殺せと命令をしている。撃てではなく、殺せと。

 ナナリーの前でなら機嫌が良い事を隠す必要はない、俺が喜んでいることをナナリーも喜んでくれているし、微笑むナナリーは可愛いのでさらに機嫌が良くなってしまう。

「さぁ、ナナリー。そろそろ戻ろうか、お茶でも飲みながら話でもしよう」

「はい、お兄様。」

 

 ナナリーとのお茶会を終え、やってきた咲世子さんとナナリーが話したいことがあると言っていたので、席を外す。女性にしか相談できないこともあるだろうと思ってのことだ。

「… 咲世子さんか。」

「何だ?ルルーシュ、お前はああいった女がお好みか?」

 我が物顔で部屋を占領する魔女、C.C.はトランプタワーに興じているようだった。尤も、使用しているのはトランプではなくピザの空き箱なのだが。

「あぁこれか?トランプピザミッドとでも呼ぼうか。」

 やかましいわ。

「…いや、咲世子さんなんだが、実はディートハルトのラインで潜入している工作員…に、なる予定の人物なんだ。」

 ブラックリベリオンの日にディートハルトから聞かされた時は驚いたものだ。彼女がこちら側なら、学園での動きやすさが大きく違う。だが、ここで問題なのは彼女がいつからそうなのかという点だ。何度も頭の中で棚上げした問題なのである。タイミングを誤れば不味いことになるし、かと言って何もしなくても協力してくれる彼女にギアスをかけるのもギアスの無駄遣いだ。それに、ギアスでナナリーの世話をさせようにも、ナナリーは咲世子さんの違和感に気付いてしまうだろう。

「なるほど、未来の記憶でそうなるのはわかっているが、いつからそうなのかは分からない…と」

「そう言うことだ。」

 C.C.にしては偉く鋭い。まぁ、ピザが絡まなければ意外と優秀だと言うことは記憶で知っているので驚きはしないが、どうせならいつもそれくらいやる気を出していて欲しいと思わなくもない。

「前回はギリギリまで咲世子がいなくても何とかなったんだろう?なら、無理して確かめる必要もないんじゃないか?」

「確かにそれもそうか…」

 少なくとも、鬼門であるマオの件を省略できたのは大きい。心を読む相手とチェスで勝つにはどうするか、簡単な話だ。チェスで対決する前に相手を始末して不戦勝になれば良いのだ。更に、ナナリーが攫われるなどという屈辱を避けられただけで十分だろう。

「フッ…未来の記憶のせいだろうか、少し我儘になっていたようだな。」

 マオの件が上手く行きすぎたため、なんでも思い通りにしないと気が済まなくなっているのかも知れない。ナナリーの安全を考えれば咲世子を抑えるのも悪くはないが、前回うまく行ったのだ、ならばそれで良しとするのも良いだろう。

「あっ」

 そう結論付け頷くと、C.C.の間抜けな声が耳に入る。いつのまにか5段目に突入していたピザミッドが崩壊していることに気がつく。そしてその残骸が今まさに俺の眼前に迫っていると言うことにも…

「ほあぁ!?」

 空き箱の衝撃を覚悟していると、顔面に熱い何かが纏わりつく。この匂いはチーズだろうか、何故チーズが…分からないが熱いのでそれどころではない。

「運が悪いなルルーシュ。それは完成したら食べようととっておいたピザだ。もったいない」

 空き箱の上に中身の入っている箱を乗せたら崩れる事くらいわかりきったことだろう、熱々のチーズとトマトソースを拭い、一息つく。そうしてC.C.の方を見ながら思い切り叫んだ。

 

「ええい!食べ物で遊ぶんじゃない!このピザ女!!!」

 




〜言い訳〜
はい、安定のタイトル詐欺。タイトル通り爆殺でも良かったんですけど、派手さは必要ないかなって

マオは結局どうやって死んだの?→ヴィレッタから狙撃され、次弾で頭を撃たれて死にました。

マオの出番少な過ぎない?→コイツがルルーシュの心を読むと一気に作品難易度が上がるので、爆速退場して貰いました。

C.C.ってマオの瞼閉じてあげたりするの?→それくらいの申し訳なさとかは感じてると思いたい。解釈違いならごめんなさい

毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?

  • 面白い。今後も続けてほしい。
  • 面白い。でも二度とやるなクソが。
  • 面白くない。でも今後も続けて欲しい。
  • 面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
  • 普通。好きにして欲しい。
  • どうでもいい。
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