チートギアス ~反則のルルーシュ~   作:ベルゼバビデブ

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第十六話です。

今回はルルーシュ視点オンリー回
※例の如くほぼオリジナルエピソードです。次回はまた原作寄りの話に戻るはずです。


第十六話 囚われることのないナナリー

 ラクシャータの伝手を利用し、本格的に中華連邦と協力関係を結んでいく。いずれインド軍区からラクシャータのチームが作ったナイトメアといくつかのオプションとラクシャータが研究で使う機材や材料が総領事館に届く手筈となっている。費用はキョウト持ちだ。

 合衆国日本…フッ…我ながら捻りのないネーミングセンスだな。

「それにしてもルルーシュ、本当に日本解放に中華連邦の手は借りなくて良かったのか?」

「当たり前だ。それではその後の関係が対等でなくなる。それでは意味がない。」

 日本を解放し、独立した暁には中華連邦と同盟を結ぶ手筈となる。今回はマオの邪魔が入らず、C.C.に交渉を行わせたのが上手くいったらしい。尤も、中華連邦としてはブリタニアとの間に薄皮ができた程度にしか思わないだろうが、黎星刻との密約により、彼のクーデターに協力することで中華連邦は合衆国中華連に生まれ変わる予定だ。その後は周辺諸国をまとめ上げ、アジアを掌握した後、E.U.に対して友好的に接すれば自然とブリタニアに対し2対1の構図をなせるだろう。国力的には0.8対1程度かもしれないが、俺の知略とギアスがあれば覆せるはず…いや、覆してみせる。藤堂と四聖剣の確保、ガウェインの確保、シュナイゼルへの尋問、キュウシュウ、そして行政特区とブラックリベリオン。残す重要なイベントはそれだけだ。それが終われば俺の記憶は終わってしまう、後の切り札はギアスのみ。スザクの勧誘が上手くいきさえすれば舞台に立つための条件はクリアしているも同然…。問題はブリタニア本国との戦争だが…。

「やはりアドリブが必要か、こればかりはな。」

「お前の話…つまり、未来の記憶の話を聞く限りお前はアドリブに弱いようだが?」

「違うなC.C.間違っているぞ、俺が弱いのはアドリブではなくイレギュラー…だっ!」

 気分転換にダーツを投げる。矢は既に刺さっていた矢に当たり、地面へ落ちる。

「ゼロ…か…」

 

「あれぇ?ルルったらもう学園祭の準備?まだまだ先だし、今から準備しなくても良いんじゃないの?」

 生徒会室で学園祭の準備を進めていると、シャーリーに声をかけられる。普通の学生で生徒会をやっているだけなら無論余裕はあるが、こちらはゼロとして学校を空ける日が多い。そうなると学園祭を完遂させるには今からでもギリギリ間に合うか間に合わないかなのだ。

「あぁ…ほら、カレンはいつ体調が悪化して長期休学するかも分からないし、スザクは軍に動きがあれば呼び出しが掛かるだろ?急なトラブルに備えて準備しておこうと思ってさ」

「流石はルルーシュ!私の学園祭の為にそこまで手を回してくれるなんて、出来た部下を持って感激!」

「学園祭は会長のものじゃないですよ…」

 シャーリーは文句を言っているが、実際のところ半分…いや、経費の8割は会長の趣味であるピザ作り完成に取られるため、費用面で言えば会長の学園祭といっても過言では無い。勿論その経費もアッシュフォード家からの持ち出しが多く含まれるので、そうなると理事長の孫であり、生徒会長たるミレイ・アッシュフォードに逆らうことは出来ないのである。更にC.C.に未来の記憶の学園祭におけるピザ作りが失敗した話をしたところ、全力で完遂させてくれ頼むと珍しく真面目に懇願されたため、共犯者のよしみもあるので完遂させてやりたい気持ちはあるのだ。

「でも、ミレイさんが考えて下さる企画って、私でも楽しめるものが多くて楽しいですよ」

 ナナリーは足が悪く、目も見えない。そんな彼女でも楽しめるようにと企画してくれているのは感謝をしている。それはナナリーも一緒なのだろう。ただ、絶対無言パーティのナナリーはものすごく不安そうな顔をしていたので二度とやらないで欲しいと思っている。

「ナナリーは学園祭でどんなことをやってみたいんだい?」

「そうですね…私、文化祭開始の号令とかしてみたいです。」

「良いわねぇ!じゃぁ、やって貰おうかしら!掛け声は普通じゃつまらないし…」

 その後もナナリーを含む生徒会メンバーによる学園祭の計画は進む、カレンも、スザクも、この俺も、その時ばかりは学生をやっていた。

 軍に呼ばれたからと席を離れたスザクを契機に、今日はお開きとなりシャーリーやニーナが部屋から出ていく。片付けだなんだと理由をつけ部屋に残る。

「じゃあ会長、片付けとかはやっておくのでナナリーのこと、頼みます。」

「お兄様も程々にして早く帰ってきてくださいね?」

 軽く頭を撫でてから別れの挨拶をし、ナナリーと会長が部屋を出て行く。暫くしてから一度は帰るといって部屋を出て行ったカレンが戻ってきた。

「ルルーシュ、話って何?態々2人きりって事は…」

「あぁ。"ゲーム"の話だ。」

 ここで言うゲームとは、カレンとの取り決めた、2人は戦争ゲームのフレンドと言う設定である。他の生徒会メンバーが忘れ物等で帰ってくることを考慮してのことだった。

「ハンドルネーム"白兜"の正体がわかった。」

「!?それって…」

 

「おやおやぁ?2人で何やらこそこそ…ずいぶん仲がいいと思ったら…そう言うことですか」

 ここで現れるのはイレギュラーであるリヴァル。スザクでなかったことは僥倖と言える。隣で明らかな殺意を剥き出しにするカレンを手で制して一瞬だけ目を合わせる、するとカレンは即座に理解したように殺意を抑え…ナイフ入りポシェットを握る腕を下げる。

「なんだいリヴァル?忘れ物でもしたのか?」

「いやいや、最近付き合いが悪いと思ったら…俺にも一口噛ませてくれよなぁ」

 そう言って腕を回してくるリヴァルの様子を見るに今の会話をそのままの意味で捉えたようだった。

「そんなんじゃないって言ったろ?」

「それじゃ…私帰るから…」

 俺とのアドリブを合わせる自信がなかったのか、カレンは部屋を後にする。良い判断だと言っておこう。内容は後でカレンに共有するとしよう。

「カレンとはネット戦争ゲームでたまたま知り合いだったんだよ。ほら、彼女身体が弱いだろ?」

「あぁ、なるほど」

 一度それらしい理由を立ててしまえばリヴァル程度ならいくらでも言いくるめられる。その後も真実味のある嘘を並べてリヴァルの追求を逃れる。納得した様子のリヴァルは時計を見てヤバいバイトだとバタバタと走り去り、また暫くするとカレンが再度戻ってきた。

「…流石にもう大丈夫よね?」

「…流石にな」

 この時間でも来ないのであればミレイが来ることは無いだろう。それはシャーリーも同じ事だ。他のメンバーであれば単体なら対処も可能なので問題はない。

「…あれ?ルルーシュくんにカレンさん?2人ともまだ残ってたんだ。」

 カレンはこちらの顔色を伺っているようにチラチラと見てくるが、それには敢えて反応せず、ニーナにかかる言葉を考える。

「やぁ、ニーナ。もしかしてまた実験かい?」

「あ、うん。晩御飯食べてる時に試したいことが浮かんじゃって…つい」

 普段は大人しいニーナだが、こと実験となると割とアクティブになるようだ。

「そうかい、じゃぁ…まぁ、"今この時間に俺とカレンが一緒にいるって事は忘れてくれ"。」

 ニーナにそう"お願い"をすると、ニーナはこちらに関心をなくし、パソコンへ向き合いカタカタとキーボードを入力してはブツブツと考察を述べ始める。良い言い訳さえ見つかれば黒の騎士団に引き入れ、ラクシャータの下で働かせれば意外と良い働きをするかもしれないなどと考えていると、カレンが小声で話しかけてくる。

「ねぇ、大丈夫なの…?その、彼女のこと」

「あぁ、問題無いよ。このまま小声で話せば実験に夢中になってるニーナには聞こえないよ。」

 それらしい言葉を並べ、カレンを納得させる。ニーナに掛けた「俺に協力する」というギアスにより、俺とカレンの存在は忘れ去られるので問題はない。しかしそれをそのまま言うのは流石にまずいので、こう言った言い方になる。

「それで?ランス…あー、ハンドルネーム白兜の正体って?」

「スザクだ。」

「嘘ッ!?』

 小声で話し合っていたため、必然的にカレンとの距離は近い。カレンの大声に顔を顰めながら人差し指を唇に当て、静かにしろと小声で話しかける。勿論その必要は無いのだが、演技をしないと今度はカレンに怪しまれてしまう。

「ご、ごめん…でも、そっか…スザクが…」

「この事は誰にも言うな。」

 カレンが勝手な行動をしないように釘を刺す。恐らくディートハルトに唆されなければそんなことをしないとは思うが、暗殺などの短絡的な行動をとられては困るからだ。

「でも…!」

「あいつは日本人だぞ。俺がなんとかして仲間に引き入れる。俺を信じてくれ。」

 理由は日本人だからではなく、友達だからなのだが、仲間に引き入れたいのは事実だ。俺の本気を感じ取ったのかカレンはわかったと頷いてくれる。

「…ところで、いつからわかってたの?そして、なんで今私にだけ教えてくれたの?」

「…最初からだ。今まで教えなかった理由は、教える必要がなかったからだ。そして、今お前にだけ教えるのは、教える必要が出たからだ。」

「…理由になってないじゃない。」

 カレンの言い分は実にもっともな意見だったが、意外なことにそれ以上の追求はしなかった。しかし、暫く考えるような素振りの後

「まさか、アンタがゼロ…ってハンドルネームでプレイしてるってバレてないわよね?」

 カレンの言い方はギリギリアウトと言いたいが、今回は最初からセーフなので見逃しておくことにした。

「いいや。奪還作戦の時に俺が話した。」

「はぁ!?」

 二度目の大声にカレンはハッとしたように手で口を押さえる。無論声を出した後にしてもなんの意味もない行為なのだが、それを見るに自身で反省はしているようなので追及はしない。寧ろ追求をされるのはこちらなので黙っておく。

「なんで自分からバラすのよ…!ブリ…あー…相手のギルドにバレたらどうすんのよ!」

「あいつはそんなことしない。」

 そう言い切る俺にカレンは言葉を飲み込むような素振りをして黙ってしまう。そのまま別れの挨拶をすると、カレンは部屋を出て行った。

 

「ほう?カレンはそんな杜撰な説明で納得してくれたのか、意外だな。」

「あぁ、俺としても追求に対しての反論をいくつか用意していたんだがな。」

 カレンが出て行ってから暫くしてから部屋を出て自室に戻り、C.C.へ今日の報告を行っていた。

「やれやれ、理論武装の堅苦しい男は女にモテないぞ、童貞坊や」

「黙れ。ピザばかり食い散らかしてろくに家事も出来ない女だってモテないだろう。この魔女め。」

「勘違いしているようだが、私は結構モテる。モテすぎてモテすぎて凄く困ったこともあるし、家事だって家畜の世話から掃除洗濯料理もできるぞ。」

 全く説得力のない話だ。嘘に決まっている。C.C.の話に鼻笑いで返す。

 

…ルルーシュは当然知り得ない事だが、C.C.はその昔愛されるギアスにより破茶滅茶にモテまくった事があるし、マオを世話していた頃は当然今のルルーシュばりに家事をドチャクソにこなしていた。その中でも料理は中々多彩に作れる方なのである。

 

「そういえば学園祭の準備、上手くいきそうか?どうしてもと言うのなら私が手を貸してやらんこともないぞ?」

「そうだな。是非ともお前には何もしないと言うことに全力で協力して欲しい。」

 そしてその後にお前が出てくるとろくなことにならないと付け足すことを忘れない。

「分かった。何もしないとしよう。」

「偉く聞き分けがいいな。」

 いつもならもう少し意地になっても良さそうなものだと重い、勘繰ってしまう。

「いや、確かに私が手伝ってしまったらお前による私への供物では無くなってしまうと思ってな。」

 勘繰って声に出したことには心底後悔した。カレンが口に手を当てた気持ちがわかる気がする。

「お前は何を言っている。俺は前回のお前に食わせると約束して、結局それが出来なかったのが悔しいだけだ。」

 前回はユフィの騒動でピザ生地が駄目になりピザ作りは中止となった。アレがなければピザは完成していただろうし、何よりこの女にピザを食わせてやれば恩義を感じ、多少は素直になるかもしれない。いや、ならないな…

「そうかそうか、そこまでして私にピザを献上したいとは…。やれやれ、素直じゃないなルルーシュ、さては私に惚れたな?だが、済まないな、私はお前のような童貞坊やはタイプではない。」

 

「ええい!こっちだって頼まれても願い下げだ!このピザ女!!!」

 




〜言い訳〜
戦争の知識がないので、中華連邦絡みの戦略が正しいかは適当です。それっぽいと思ってもらえさえすれば良いのですが…

この時点で文化祭の準備ってしてるの?→文化祭自体は時期が決まってますし、ピザ作り関係で早めに動いててもおかしくないかなと

学園祭の予算云々は全て捏造です。

ニーナへはギアスをかけています。かけたタイミングは第九話ですね。

毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?

  • 面白い。今後も続けてほしい。
  • 面白い。でも二度とやるなクソが。
  • 面白くない。でも今後も続けて欲しい。
  • 面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
  • 普通。好きにして欲しい。
  • どうでもいい。
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