チートギアス ~反則のルルーシュ~   作:ベルゼバビデブ

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第十七話です。

※後半は視点がややこしくなります。予めご了承ください。


第十七話 白き騎士と黒き策士

<サイド:ルルーシュ>

 

「なぁ、スザク。今度ナナリーと一緒に食事に行かないか?」

「え?勿論良いよ!」

「まぁ!嬉しいです。」

 その時にはスザクがユーフェミアの騎士になることが決まり、それを祝う目的も追加されるのだが、現時点でそれを口には出せない。前回の俺はナナリーの騎士をスザクに任せるつもりで計画を練っており、この出来事で計画が狂うが、今回はそうではない。

「…あ!でも、良いのかな?僕とルルーシュが仲良くしてるのを見られたら…」

「何言ってんだスザク。お互い生徒会に所属しているし、それなりに時間が経ってる。もう仲良くなってご飯くらい一緒に行ってても不思議には思わないさ」

「嬉しい、やっとスザクさんとお兄様が学園内でも仲良く出来るんですね!」

 学園内…特に教室などでは最初のうちはスザクとは初対面の設定で接していたが、もうそれも必要ない。…尤も、ナナリーは初対面の人とでも仲良くできても誰も怪しまなかったため、早い段階から普段通りに接していたのだが、それもナナリーと仲がいいのだからその兄とも仲良くなったと言い訳ができて良いだろう。

 スザクの名を呼ぶ軍服の女が走ってくると、スザクは申し訳なさそうに行かなくちゃと言い、その後俺を睨みつける。当然だ。俺はゼロなのだから。そしてナナリーへ笑いながら別れの言葉をかけるとスザクは軍の女について行った。

 

 ナナリーの世話を咲世子さんに任せ、自室で待機していると扇から連絡が入る。全てが計画通りだと心の中で笑っていると、四聖剣が訪ねてきたのだろう。つくづく未来の記憶というのは便利だと思い、電話に出ると、案の定扇だった。

「どうした扇、何があった?」

「ゼロ、大変だ!日本解放戦線の四聖剣と藤堂 鏡志朗が捕まってしまった!」

 電話の内容は予測通りであったが、詳細は異なっていた。久しく感じるイレギュラーに流石に驚きを隠せない。

「…何!?四聖剣も全員捕まっているのか!?」

 今の発言は迂闊だった。前回の俺なら冷静に対処できたのかもしれない。しかし、今回は未来の記憶が仇となった。今までうまくいっていた分、前回との悪い方向での違いには必要以上に狼狽えてしまう。

「あぁ…いや、朝比奈って人だけはなんとか逃げられたみたいだ。その人がキョウトの仲介書をもってきたからその話が聞けたんです…え?あぁ、はい、大丈夫です、私からゼロに頼んでみますから…」

 朝比奈…あの糞生意気なデカ眼鏡オカッパマンか。一人でも残っているなら条件はクリアされる、ラクシャータに速い段階から協力を得られたお陰で、藤堂達の月下用の他に、廻転刃刀を3つ受け取っている。練度は劣るが、杉山達にでも持たせて運用すればランスロット以外はなんとかなるだろう。

「無論助け出す。…我々は正義の味方だからな。」

 

…ルルーシュは気付かなかった。前回に比べて黒の騎士団という組織はあまりにもただのテロリストグループとしては勢力を持ち過ぎていたのだ。結果、藤堂と四聖剣という旧日本軍の猛者達までもが黒の騎士団に合流することを恐れたブリタニアは、ルルーシュにとっての前回よりも多くの戦力を投入して藤堂達を捕らえようとしていたのだ。そしてそれを阻止することが出来た機会が彼にはあったのだが、それを「前回も大丈夫だったから」で放置し、シャーリーとのデートを優先したのはルルーシュ自身であった。

 

 守備部隊を廻転刃刀を持たせたサザーランド部隊と朝比奈の乗る月下に相手をさせ、その隙に藤堂を救出する。ブリタニアはまさか攻められるなど思っていなかったのか、都合良く藤堂の近くの檻に四聖剣も収監されていたので探す手間はあまり掛からなかった。

「C2、目標は4名とも見つかった。そちらの状況は?」

『問題ないぞルルーシュ。あの朝比奈とか言う小僧が中々張り切ってくれている。楽ができて良い。』

「そうか、なら報酬のピザは1割減らしておこう。」

 一方的にC.C.への通信を切り、目の前の藤堂と四聖剣に向き直る。

「俺に日本人に見せた奇跡という名の夢の責任を取れというのか」

「いいや、違うな。間違っているぞ藤堂!私にとってはそれは夢ではない、現実だ!必ず叶えてみせる、必ず救ってみせる、日本人を!だからお願いだ。私を信じてついてきて欲しい。」

 藤堂は少し考えてから、まずはこの状況を突破してから考えると保留の回答を行い、俺の乗るサザーランドに同乗した。これで条件はクリアされたな。

 

 場を制圧し、藤堂と他の四聖剣の下へ朝比奈の乗る月下が近づく。

「藤堂さん!みんな!無事でよかった!」

「朝比奈か、恩にきるぞ。」

「手間をかけさせたな。」

「すまない」

「我々はこれよりゼロに協力し、この場を突破する。ゼロの予測ではランスロットなるブリタニアの最新ナイトメアが現れるとの事だ。我々はそれを迎撃し他の援軍が来る前に撤退する。」

 藤堂が指示を出し、今のうちにサザーランド部隊を退路に退かせ警戒に当たらせる。

 暫くして現れるランスロットに四聖剣は本当に来たなどと呟く。これで少しは俺の信用も高まるだろう。

『ゼロ!あの機体に対する策があると言っていたな?我々は君の指示下に入る。我々を使って対処して見せろ。』

「理解が早くて助かるぞ藤堂。奴の行動には法則性がある。私の指示通り戦えば絶対に負けることはないと保証しよう。」

 そしてその後、藤堂と四聖剣達に指示を飛ばすのだった。

 

 

<サイド:スザク&ルルーシュ>

 

 初めに指示を与えるのはカレン。ランスロットのパイロットがスザクであると教えた手前、無理に戦う必要はないと言ったが関係ないと割り切ってくれている。

「奴の最初の一撃目は手に持った剣による斬撃だ。だがそれはフェイント、本命の攻撃は恐らく蹴りだ、注意しろ!」

『分かりました!』

 

 相手はルルーシュと赤いエース機、そして新型が5機だ。油断はできない。前回、ナリタ連山で僕がルルーシュに勝てなかった理由をロイドさんに尋ねたところ、僕の闘い方の癖を突かれたかららしい、確かにルルーシュならそれくらいやったのかそうだ。ロイドさんがいうには僕は最初の一撃にフェイントを入らないらしい。そこを意識すれば…!MVSの斬撃をフェイントとし、後ろ廻転蹴りを叩き込む!ランスロットの運動性能ならばあの赤いナイトメアでもただでは済まない筈だ。

「何!?避けられた!?」

 おかしい、まるでフェイントを見抜かれたかのような動きだ。慣れない動きのせいでバレていたのだろうか?ここにいるのはまずい、まずは距離を取らなければ…

 

「フハハハ!スザクめ、やはりフェイントを挟んだな。お前の考えなどお見通しなんだよ。」

 ランスロットを使ったプリン伯爵とやらの事はラクシャータから聞いている。俺に勝てなかった理由を尋ね、対策を練ることくらい簡単に予想がつく。

「千葉!卜部!ポイントF9に銃撃し考える暇を与えるな!仙波はランスロットに近接戦を挑め!」

「「「承知!」」」

 

 距離を取るために動いた場所にすぐさま銃弾が飛んでくる。ブレイズルミナスで防ぐものの、すぐさま1機が近接戦を仕掛けてきた為、MVSでいなす。近接戦の最中、ふと銃撃が止まったと気がつくと銃撃していた2機からも近接戦を仕掛けられ、ヴァリスをはたき落とされてしまう。どうにかスラッシュハーケンとMVSで攻撃を捌くが流石に限界だ。地面を蹴って一旦再度距離を取る。…いけない!これは完全にナリタの時と同じだ!ルルーシュの盤上で踊らされている…!すぐさま空中でスラッシュハーケンを建物に打ち込み、空中で方向転換を行う。しかし、建物が近付くとランスロットのスラッシュハーケンとは別のスラッシュハーケンが新たに2つ打ち込まれる。

「まさかルルーシュ!これまで読んでいたのか!?」

 現れたのは赤いナイトメアと新型のウチの1体、明らかな迎撃姿勢を取っている。このままでは不味い!

 

『本当に来たよ。凄いんだな、ゼロって奴は。』

「私はポイントに誘導しているだけだ。近接戦などのアドリブは君達の技術と経験あってのものだよ。」

『はいはい、それを織り込み済みでの作戦ってわけね。』

 朝比奈とか言う糞生意気オカッパ丸メガネ藤堂崇拝マンは軽口を叩く余裕が有るらしい。それは俺もだが。空中でスラッシュハーケンを解除し、着地したランスロットの背後から藤堂に襲わせる。これでチェックだ。

 

 どうやら迎撃を警戒しての着地もルルーシュにはお見通しだったらしく、背後から剣を構えた黒いナイトメアに襲われた。

「…!?あの構えは…!!」

 何故赤いナイトメア以外も強く闘い慣れているかがようやくわかった。この人達は藤堂さんと四聖剣とか言う手練れ達なのだろう。軍での要注意人物リストで見た存在だ。

「これは三段突き…!やはり藤堂さんなのか!」

 ナイトメアのコクピット部分は人体と異なり大きく背中に出っ張っている。躱したつもりがコクピットの壁に3段目が突き刺さり、天井を切り取られる。

『矢張り読んでいたようだな、三段突きを。』

 黒いナイトメアから聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら蹴りを叩き込まれる。

「本命はこちらか…!」

 6体のナイトメアに完全に囲まれ、ロイドさんから悲鳴のような通信が入る。

『ハーケンブースター解除!パスワードは僕の好物!』

 

『ゼロ、君の言う通り三段突きは躱されたよ。言われていなければその後の蹴りは動揺して出せなかっただろうな。』

「いや、見事だ藤堂。私の出した指示は君の剣技は見切られるという曖昧なものだった。それを理解して対策を講じたのは君の実力だよ。」

 ここで四聖剣と藤堂、カレンに囲まれたスザクという構図が生まれる。前回の俺はランスロットがスザクという事実に動揺してしまったが今回はそうではない。

「旋回活殺自在陣を仕掛けろ!これで奴を追い詰めるぞ!」

『何故その技を…いや、君ならそれくらいの調べはつくと言うことか』

 

 色が同じ4機がランスロットの周りを旋回しながら銃撃を仕掛けて来る。更に時折接近戦やスラッシュハーケンを織り交ぜた生殺しのような攻撃だ。赤と黒は近接戦を仕掛けた機体の穴埋めをし、その機体が元の位置に戻れば再度包囲から離脱する。迂闊に攻撃を仕掛ければすぐさま戦力を集中され討ち取られてしまうだろう。ハーケンブースターが解除されてもランスロットのスラッシュハーケンは4つしか無いのだ。無闇に使えばルルーシュにこちらの手を明かすだけ、彼の頭ならすぐさま対策されてしまう。チャンスは一瞬…そしてそのチャンスはようやく訪れた。近接戦を仕掛けるナイトメアが戻り切る前に、再度別のナイトメアが近接線を仕掛けようとして陣が乱れる。そこをすかさず旋回する4機に向け、スラッシュハーケンを叩き込む。接近するナイトメアはMVSで防げば問題無いだろう。

 

『はっ!?』

『なっ!?』

『ほう!』

『こんなもの!』

 驚く声はスラッシュハーケンを打ち込まれた4機から、しかしいずれも躱すか防ぐが破壊して対処を行う。

「馬鹿めスザク!お前の奥の手は前回体験済みなんだよ…!」

 この6機による逃げ場のない陣形に持ち込み、その中で一瞬だけわざと隙を見せる。闘いのセンスに秀でたスザクならそれを見逃すことはないが、それこそが罠なのだ。

『包囲しても脱出する素振りが無ければ奥の手を隠し持っている…なるほど、確かに君の読み通りだったようだな。ゼロ。』

「何度も言わせるな。私にもどんな奥の手かまでは分からなかった。それに見事対処できた君達の方こそ流石と言わざるを得ない。」

 本当はハーケンに仕掛けがある事は未来の記憶で分かっていたので確定事項なのだが、それを言い当てるのは流石に不自然すぎる。四聖剣の仙波辺りがしくじると踏んでいたがどうやら過小評価をしすぎて居たようだ。

 奥の手が通じず、動揺した隙に近接戦を仕掛けた千葉に気を取られたランスロットのランドスピナーを朝比奈が破壊する。

『ゼロ、指示通りランドスピナーを破壊したけど本当にこれだけで良いの?今なら破壊も鹵獲もできると思うけど?』

「あの機体とパイロットには利用価値がある、作戦通り追えないようにランドスピナーを破壊することには成功した。ブリタニアの援軍が来る前にチャフを散布し撤退する。」

『良いだろう。今回我々は君に救われた身だ。君にも考えがあるのだろう、指示に従い撤退する!』

 

 自室に戻ると同時に凄まじく濃厚なピザの匂いが鼻をつく…いや、最早鼻をぶん殴られるレベルだ。

「帰ったかルルーシュ。ふふ、今の私は機嫌がいいからな。お前の言いつけ通り報酬のピザを1割減らすことにしたんだ。」

 そう言ってはむはむと幸せそうに…俺の金で買った…ピザを食い散らすC.C.だが、とてつもなく嫌な予感がした。何故機嫌がいいのか、何故いつもと匂いが違うのか。理由は簡単だ。いつものピザより高いピザなのだ。恐る恐る地面に落ちているしわくちゃの領収書を確認する。目眩がした。値段にしていつもの2倍、これでは量を多少減らしたとて本来の目的であるピザ代の減少には繋がらない。

「お前なぁ…」

「おいおいルルーシュ。私はお前の言いつけを守ったぞ?だから量は減らしたんだ。文句を言うのは筋違いというものだぞ?」

 

「ええい!屁理屈をこねるな!このピザ女!!!」

 




〜言い訳〜
四聖剣が月下でスザクのランスロットと近接戦渡り合えるの?→一応多対一なので渡り合えているという設定です。

藤堂と四聖剣のアドリブ力に頼りすぎでは?→ルルーシュは前回大丈夫だったから精神を多くに孕んでるので今回みたいな雑な指示が多いです。

ハーケンブースターの対処法→警戒して居たのでか技な不意打ちにならず、なんとか対応できました。

毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?

  • 面白い。今後も続けてほしい。
  • 面白い。でも二度とやるなクソが。
  • 面白くない。でも今後も続けて欲しい。
  • 面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
  • 普通。好きにして欲しい。
  • どうでもいい。
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