チートギアス ~反則のルルーシュ~   作:ベルゼバビデブ

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第二十一話です。

※安定のギャグ回、驚く程に何も起きません


第二十一話 学園祭完遂宣言!

 ディートハルトとの電話を事前の根回しと打ち合わせ、指示書の手配によって短めに切り上げた俺はこの学園祭スケジュールと睨めっこをしながら会長を待ち構えていた。

「ルルーシュ!大変よ!ピンチよピンチ!」

「分かりました会長、今行きますよ。」

 この俺の事前の準備を持ってしても万全に…というか、早く準備しすぎて張り切った会長が追加の催しを追加したことにより俺の計画は大いに狂った。流石は会長、イレギュラー作りはお手の物だ。

「3班は運営の支援を、16班はそのまま、もう直ぐ機材搬入班が来るからそっちを手伝え。シャーリーか?悪いが人の誘導を手伝ってくれ。ニーナ!進捗率の報告だ、何?3%の遅れ?問題ない、誤差の範囲だ。」

「はー…ルルーシュってやっぱすごいのねぇ…」

 俺が各班に指示を飛ばしている間、ミレイは机に腰掛けて俺を眺めているだけである。仕事を増やしておいて何もしないところが会長らしいと言えば会長らしい。

「…よし。会長、これで大体スケジュール通りに持っていけましたよ。」

「やーん、ありがとルルーシュ!できる部下を持って私幸せ!」

 そんなことを言いながら抱きついてくる会長を引き剥がしつつ、距離を取ろうと試みる。残念なことに腕力で劣っている俺では引き剥がすのにそれなりの時間が掛かってしまうが、進行スケジュール上は問題ない。どうにか引き剥がし服の乱れを治していると

「黒の騎士団とか、キュウシュウとか、色々あったけどさー、無事に開催できて安心したわ。」

「何言ってるんですか会長。祭りは大事なんでしょう?どんな時でも、どんな人にも。それに会長が色々手を回したから無事に開催できたんじゃないですか」

 前回は気づかなかった会長の奮闘、関係各所に連日頼み込み、時には何日でも折れずに頼みに行ったらしい、そのせいで出席日数が足りない科目が出たというのは実に会長らしいことだと思う。

「へ〜ぇ!ルルーシュもようやく分かってきたみたいねぇ〜!」

「流石に分かりますよ、何年の付き合いだと思ってるんですか」

 暫く駄弁った後、クラスの方があるからと一旦別れる。暫く歩いていると物陰から見慣れたニヤケ顔の黒髪の女が現れる。

「おやおやルルーシュ、モテモテじゃないか」

「茶化すな。会長はああいう人なだけだ。。」

 世界一巨大なピザの件ならば問題無く進行中なのだから大人しく待っていて欲しいというのが本音である。

「分かってないなルルーシュ、ピザというのはだな、食べる前にその作る工程を見ることで味、食感、匂いをだな…」

 C.C.のピザ談義に耳を貸す気は毛頭ない。カレンに手配して貰った制服を着せ、耳にはよく分からない何かを取り付け、ついでに黒髪のカツラを被せておいたので変装は完璧である。更には俺の邪魔をすればピザが台無しになると脅してあるので、ピザを食べるまでは大人しくしているだろう。今のうちにニーナから届いた現在の進捗率データを確認する。スザクの奴が珍しく遅れているなと思い、今尚ピザの旨さを語るC.C.を放置して倉庫へと向かう。

 

…因みに、うっかりとこの場をシャーリーに見られ、シャーリーは嫉妬の念を燃やすのだが、前回同様今回もそんなことはルルーシュにとっては預かり知らぬ事であった。

 

「スザク、進捗が遅れているようだが、何かトラブルでもあったか?」

「あっ、ルルーシュ。ごめん、流石に数が多くてさ…」

 そんなはずはない。前回のスザクは扇やカレンの騒動がありつつも問題無く準備を完了させていたはずだ。何かあったに違いない。それとなく探りを入れてみるのが良いだろう。

「仕方ない、手伝ってやる。ほら、少しズレろよな。」

「あぁ、ごめんルルーシュ。悪いね、手伝って貰っちゃって」

「気にするな、俺達友達だろ?」

 スザクもなかなかの包丁捌きであった。だがしかし俺も負けていない。愛するナナリーの為に極めた包丁術を持ってすればこの程度造作もないのだ。

「うわっ!ルルーシュ、君包丁使うの上手いね…」

「スザク、お前もなかなかだぞ。」

 タタタタタタタン‼︎と素早く動かされる包丁と切り刻まれる食材、ふとスザクの方を見ると、僅かながらにスザクの方が早く終わりそうだ。馬鹿な!この俺が料理でもスザクに負けるだと!?あり得ない!

「うぉぉぉぉぉ!!!」

 ここからは俺も本気だ。愛するナナリーのための料理だと自分にギアスを掛け…本当は掛けていないが…包丁の動きを加速させる。

「ルルーシュ!?まだ早くなるのかい!?僕だって…!」

 スザクも更にスピードを増す、この体力馬鹿め!ペースが全く落ちない!なんて奴だ!

「うぉぉぉぉ!!!スザァク!!!!」

「ルルーシュ!!!」

 

…ちなみに、この壮絶な闘いを後ろから眺めていたシャーリーはというと、「あそこには混ざれないな…」とトボトボと帰って行ったのだが、勿論二人には分からない事であった。

 

 途中から競い始めていた気がするが、お陰でスケジュールを30分早めての作業完了となった。

「流石だなスザク…俺と引き分けとは」

「違うよルルーシュ!僕は既に始めていたんだからその分を考慮すれば僕の勝ちだよ。」

「なっ…!…確かにな、もしあのまま続けていれば体力の尽きた俺のペースは落ちる、つまりは俺の負けか、ふっ…次は負けないぞ」

 ゆっくりと右手を差し出す。するとスザクも右手を出し、俺の手を握る。

「これで2勝3敗だね。次も勝たせてもらうよ。」

 ナリタ、収容所、神根島、キュウシュウ、今回、なるほど、最近負け続きなのか、だが、こんな勝負くらいは負けてやっても良いと思えるのだった。

 

 暫くすると、ナナリーの車椅子を押すユーフェミアと出会い、話をする。今回は俺の方からはゼロが俺であると言っていないが、もしかしたらスザクから聞いている可能性はある。とはいえ、会話ではそんな素振りはなく、隠し事ができるタイプではないユーフェミアの態度を見るにまだ知らないのだろう。不意に突風が吹くが、ユーフェミアの帽子を抑える事でユーフェミアによる混乱を防ぐ。これによりピザは問題なく焼けるという作戦だ。

「あ、ルルーシュありがとう。でも凄いのね、まるで風が来るのがわかってたみたい」

「そんなわけないだろ?偶然だよ。」

 ユーフェミア相手ならば偶然のゴリ押しで事足りる。

「そっかぁ、なら普段の行いがいいのかも」

 クスクスと手を口元に持っていき笑う仕草はどことなくナナリーに似ている。…それは少し複雑な気持ちだった。そんなことを思っていると、視界の端に鮮やかなオレンジの髪が映った。シャーリーだ。

「ルル…また別の人とお話ししてる…!」

 拳を握り締め、肩を震わせるシャーリーは流石の俺でも怒っているのだと分かる。怒っているのは分かるが、何故怒っているのかまでは俺の頭脳をもってしても分からない。

「あー…シャーリー…?な、なにをそんなに怒ってるんだい…?」

「ルルの浮気者ー!!」

 全く会話にならないシャーリーはカレンと比べれば比較的可愛いレベルの、しかしながら水泳部で鍛えた肉体から放たれるそれがひよひ弱である筈もなく、強烈なビンタを一発貰い、シャーリーは走り去ってしまう。

「ルルーシュ、追いかけなくて良いの?」

「やはり追いかけるべきなのか?」

 頬を刺さりながらユーフェミアに尋ねると、当たり前じゃない!と怒られてしまう。今更追いかけても俺ではシャーリーには追いつけないんだがと思いながらシャーリーを見つける。案外すぐ近くで止まってくれていたようでありがたい。

「ここに…フヒィ…居たのか、ガフッ…シャーリー…ブフッ」

「る、ルル…もう少し息整えてからで良いよ…流石になんか悪い気がしてくるから…」

 お言葉に甘えてそうしよう。三分ほどで息を整え、シャーリーに向き合う。

「その、さっきは…あー…いや、済まない。色々考えたんだが、何故シャーリーが怒っているのかが俺には分からないんだ…。」

「あぁ…まぁ、そうだよね、ルルだもんね…はぁ…」

 何やらものすごく失礼なことを言われている気がするが、この場は黙っている方が良いだろう。

「ねぇルル、さっきの女の人とはどんな関係?」

 その言葉でようやく理解する。寧ろ俺にしてはやけに感づくのが遅い気もするが、もしかしたら俺は恋愛関係は非常に鈍いのではないだろうか。「その通りだ、ようやく気付いたか童貞坊や」ええい黙れ。

「妹だよ。」

「妹!?嘘言わないで!だってルルの妹はナナちゃんでしょ!」

「腹違いの妹なんだ。その、家の事情で離れ離れに…向こうの親の目もあってさ、その…なかなかおおっぴらに会ったりできないんだ。」

 さっきの女性がユーフェミアだとバレたら大変な事になるのだが、恐らくその辺は鋭いシャーリーの事だ、完全にでっち上げた嘘ではバレてしまう。ギリギリ本当か嘘か判断に困るラインの嘘でこの場を切り抜けるほかない。というか、ほぼ真実だった。

「そうなんだ…ごめんね、家の事情に首突っ込んじゃって…」

 急にバツが悪そうにしてくれたのでひとまずユーフェミアの件はクリアだ。

「じゃ、じゃあ黒髪の人は?あの人も妹さんなの?」

「ん?あぁ、黒髪の…あいつは、ただのピザ好きの女だ。世界一のピザ作るだろ?アレについて聞かれてただけだよ」

 こちらもほぼ事実だ。というかまるっきり事実だった。俺のそのあまりにも自然な言い方にシャーリーは疑う素振りをせず、胸を撫で下ろしているように見える。

「そ、そうなんだ。なんかちょっと安心したな…」

「そろそろピザが完成する頃だな。切り分けと配膳の協力に行こう、シャーリー」

 そろそろスケジュール的にはピザの完成だろう。忙しくなる配膳に備え協力は必須だ。

「あ、うん。」

 シャーリーは短く答えると、俺の横に立ち、協力してくれるようだった。

 

 あまりにでかいピザは、会場に来た参加者に配り切っても尚残る程であり、生徒会の打ち上げでも振る舞われたが、どこぞのピザ女と違い大半の人間は数枚も食べればピザは満足である。そうなると結局大量のピザが残る訳なのだが、会長に上手いこと処理しておくと言い大量のピザを持ち帰った俺は、ピザ女にピザを与えるのだった。

「ふふ、ルルーシュ。今回は素直に褒めてやるぞ。はむっ…」

 満足気にピザにかぶりつき、舌鼓を打っている様子だった。俺としてもこのピザ女のピザ代が多少浮くこの世界一のピザの食べ残しはありがたいものであった。

「まぁ、俺の言いつけ通りお前には大人しくして貰っていた。それくらいの約束は果たして当然だろう。」

「殊勝な心がけだな。これからもその調子で頼むぞ。」

 そう言って一体その体にどうやって格納したのか不明なほどの大量のピザを腹に収めたC.C.は満足…

 

 しなかった。電話を持ち出し、ピザの名前を取り始める。

「今日は5箱で十分だ。」

 普通の人間の基準では一人で5箱は大食いの部類である。この女はまだ買うのかと思っていると、届いたピザの箱が一箱俺に差し出される。

「ほら、ルルーシュ。これはお前の分だ。ありがたく受け取れ」

「あ、あぁ…珍しいなC.C.…お前が俺に…………って!」

 

「ええい!もともと俺の金で買ったピザだろうが!このピザ女!!!」

 




〜言い訳〜
シャーリーが行政特区の宣言をするユーフェミアを見たらやばいのでは→服装が変わった事により気付きません。多分。

カレンはホラーハウス手伝ったの?→スザクに正体をばらさなかったので最初から最後までグラスゴーの初期型並みに熱い塗壁役をやり通しました。

毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?

  • 面白い。今後も続けてほしい。
  • 面白い。でも二度とやるなクソが。
  • 面白くない。でも今後も続けて欲しい。
  • 面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
  • 普通。好きにして欲しい。
  • どうでもいい。
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