チートギアス ~反則のルルーシュ~   作:ベルゼバビデブ

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第五話です。

※ルルーシュ目線に戻ります。


第五話 皇女と騎士と魔女と魔神

「久しぶり…いや、つい先日会ったばかりだったか?スザク」

「ルルーシュ…!?生きていてくれた事は嬉しいけれど…こんな再会はしたく無かったよ。」

 仮面を脱ぎ、スザクと向き合う。今度こそスザクにギアスを使う訳にはいかない。であればこの時点から向き合うべきだと考えたのだ。

「…ナナリーの、為かい?」

「…半分はそうだ。そして半分は俺自身の為だ。」

 スザクは葛藤しているのだろう、その歪めた顔を見ればわかる。

「…どうして、助けてくれたんだい?友達だから?」

「…半分はそうだ。そして半分は…あの日の借りを返す為だ。ほら、俺を庇って銃で撃たれたろ?」

 ギアスを使わなければここでの説得は恐らく失敗するだろう。だが、スザクにギアスを使わず、ユーフェミアを殺さず、俺が日本開放のために動いていれば…きっといつかは首を縦に振ってくれる。俺はスザクを信じている。俺がスザクを裏切らなければ、スザクも俺を裏切らないはずだ。

「…君がテロリストってことは黙っておくよ。」

「…それが間違った手段だとしてもか?」

 スザクの表情が更に歪む。恐らく父を殺した自分に重ねているのだろう。

「…命がけで助けてくれた友達をすぐさま売るようなことは出来ないよ。それに…ナナリーを悲しませたくない。なにより…戦場以外では説得を選びたい。」

 スザクが歩き始める。恐らく軍事法廷に行くのだろう。十数歩歩いたスザクはゆっくりとこちらを振り返り、

「ありがとう。助けてくれて」

 と言って去っていった。

「助けてやるさ。今度こそ。」

 俺の声を聞いたものは居ない。

 

 今頃ニュースではジェレミアが緊急謝罪会見をしているだろう。ジェレミアとヴィレッタの手引きでキューエル・ソレイシィとかいう奴にギアスをかけ、今回の騒動を引き起こした。奴の所属していた純血派のリーダーであるジェレミアに責任を取ると言う名目で辺境伯の地位を返上させる。これで純血派の発言力が無くなり、名誉ブリタニア人のスザクがある程度軍でも動けるようになるはずだ。

 今回"オレンジ"を使わなかったのは本人達を余りにも貶めるとその後の動きが狭まるからだ。部下の責任を取る上司…案外人気が出るかもしれないな。

「ただいま、ナナリー」

「お帰りなさい、お兄様」

 一仕事終えた後のナナリーは格別だ。この瞬間のためにテロ活動を頑張ってると言っても過言ではない。

「お帰り、ルルーシュ」

「お前もいたのか、C.C.」

 あえて無視していたのに…話しかけられてはナナリーの前では返事をせざるを得ない。ナナリーにはC.C.を紹介済みである。もっとも、ナナリーのことなので最初から誰かがいると言うことはわかっていたようだが。C.C.が子供っぽい事もあって案外気が合うのだろう。

「今お前失礼な事を考えていなかったか?」

 チッ!勘が鋭い…こう言うところもナナリーと似ているのか…。ここは一つからかってやろう。

「ナナリー、留守の間C.C.の面倒を見てくれてありがとう。すまなかったな。」

 そう言ってナナリーの頭を撫でてやる。

「おいルルーシュ。逆だろう。私が、ナナリーの面倒を見ていたんだ。」

「C.C.さん、お昼にピザを食べたいって仰ってたから私が注文してあげたんですよ」

 ふふふと悪戯っぽく笑ったナナリーは流石俺の妹である。この俺の援護をしてくれたのだ。偉いぞと更に頭を撫でてやる。

「ふん…シスコン兄とブラコン妹め…」

「何か言ったか?」「何か言いましたか?」

 

…C.C.は激怒した。必ず、この相思相愛な兄妹を別れさせねばならぬと決意した。C.C.には常識がわからぬ。C.C.は、不老不死の魔女である。ギアスを渡し、嚮団の主に据えられ暮らして来た。けれども、兄妹での恋愛に対しては、人並みに否定的であった。

 

 不本意だが、ナナリーにはC.C.は恋人という事にしてしまっている。今後二人で一緒に外出することが多くなるため、苦渋の選択だった。

 いずれ紅蓮弐式を手に入れる事になるが、それまでは隠してあるサザーランドを活用して行動する。いずれ起こるであろう河口湖まで大々的な宣伝は行わないが、この時点から黒の騎士団として活動を始めておきたいのだ。

 スザクを解放した翌日から早速次の仕事である。

「今回我々はリフレインの取引現場を制圧する」

「リフレイン…麻薬か」

 記憶を頼りにリフレインの取引をしているであろう貴族を探り、その周辺での怪しい動きを扇達に見張らせておいた。かつての黒の騎士団のような情報網はまだないが、俺には記憶がある。コーネリアが来る前に実績を作っておくことでコイツらに自信を付けさせる。

「黒の騎士団参上!」

 玉城は相変わらず調子が良い。かつてコイツにリフレインの下見をさせたことがあったな…どう考えても人選ミスだ。俺はあの頃疲れて判断を間違えたのだろう。あとコイツに金の管理は絶対にさせない。

 売人達が逃げ出すとシャッターを突き破りナイトポリスが現れる。真昼間から麻薬の密売、そしてそれに加担する警察…いつ見てもこの国は腐っている…。

『ナイトポリス!?ゼロの言った通りね…!』

 カレンが乗るサザーランドがナイトポリスを迎え撃つ。型落ちのグラスゴーでも勝てた相手だ、今のカレンに負ける要素はない。

 ナイトポリスのリボルバーを回避し………何で銃弾を見てから回避できるんだ?訳がわからない…。…スラッシュハーケンで叩き落とす。ナイトポリスはランドスピナーで接近しながら左手のナイフによる刺突を繰り出すが、機体を右に捻り回避すると同時にトンファーを展開した左手で顔面を殴り付ける。動きが止まった後はナイトポリスのパイロットを引き摺り出し、適当に拘束して晒し者にする。

「流石だな、カレン」

『ゼロの情報のおかげです。』

 カレンは俺がゼロとして話しかけると敬語で対応する。カレンは公私を分けられる奴なのかもしれないな。ネットを媒介に黒の騎士団による正義が発信されるだろう。

 

…その頃、ゼロが犯人を名乗り出た事と、キューエルが功を焦って証拠を偽装したことが明らかになり、証拠不十分としてスザクは不起訴とされた。ジェレミアとヴィレッタによるキューエル粛清とか何やかんやがあるのだが、キューエルがこの時点で退場と言うことくらいしか原作と違わないのでカットする。

「お、おい記せ!二次創作者に端折られてしまう!」(爆散)

 

 黒の騎士団としての活動は夕方頃には終了し、カレンとは事前に落ち合う場所を決めていたため、並んで帰路に就く。

「どうだカレン。黒の騎士団としての初仕事は」

「あれくらい楽勝よ。」

 流石にコーネリアのグロースターやスザクのランスロットにぶつけるわけには行かないが、大抵の相手ならサザーランドでも事足りるだろう。

「…頼りにしている。」

 スザクに負けたあの日、カレンが俺を見捨てたのは恐らく信頼が足りなかったからだと考えている。予算審査をサボれなかったように、もしかしたら神根島でのスザクとの対決の未来は変えられないかもしれない。その時カレンだけでも俺の味方をしてくれたなら…という気持ちがないわけでもないのだ。

 

…ちなみにそのあとルルーシュとカレンは兄妹の話題で割と盛り上がったし、カレンは少しナナリーのことを気にするようになったのだが、ルルーシュは知る由もないことである。

 

「あれ?もしかしてルルーシュ?」

 背後からスザクの声がしたので振り返ると私服に大量の荷物を抱えるスザクの姿があった。こんなイベントは記憶にない…当然だ。前の俺はギアスの能力の解析に躍起になっている頃だからだ。

「あれ…もしかしてデート中だった?だったらごめん、邪魔しちゃったね。」

 そう思うなら最初から話しかけるべきではないのだが、今回は特にデートではないので言葉を飲み込む。

「気にするなスザク、それにしても凄い荷物だな…なにがあった?」

「実は明日から学校に行く事になったんだ。」

 明日転校してきたスザクと会うのは分かっていた事だが、まさかここで会うとは思わなかった。チラリとカレンを見ると警戒しているのが丸分かりだった。なんだか不安になってきた。

「スザクが学校ね、なんて学校なんだい?」

 分かりきったことを訊く事になるが、自然な流れというものがある。

「えーっと、私立アッシュフォード学園ってところなんだけど…」

「嘘…」

 流石にカレンは驚いたようである。ついでに俺も驚いたと言う演技をしてはいる。

「奇遇だな、俺もその学校に通っているんだ。」

「本当かい!?…いや待てよ?じゃあなんで二人はこんなところにいるんだい?学校からだいぶ距離があるところだけど…」

 スザクは俺がゼロだと言うことを完全に忘れ去っているのか、パァっとした笑顔を浮かべた後にあれあれ?と不思議そうに顎に手をやり首を捻っている。カレンはと言うと難しい顔をしている。必死に何と答えるか考えているのだろう。

「デートだよ」

「ちょっ!?」

 何でもないようにサラッと返す。カレンの首が凄い勢いでこちらを向いたが無視しておこう。カレンの奴はもう少しポーカーフェイスができた方が良いななどと考えていると

「じゃあやっぱり邪魔しちゃったんだね!ごめんよ!また明日学校でね!」

 言うが早いか、スザクは重そうな荷物を抱えて走り去ってしまった。体力馬鹿め…。

 その後、カレンは一言も喋らなくなったので無言のまま別れ、クラブハウスの自室に戻った。

「何だルルーシュ。今日も床で寝るのか?」

 挑発的な態度を取るC.C.の顔は非常に腹立たしい。

「誰のせいだ魔女め…」

 どうにかしてベッドで、寝れないか作戦を考える…。

 ギアスを使って…バカな。C.C.が相手では通用しない。…とすると他の誰かに…無理だ!こんな時間になんと言って呼び寄せる?いや可能か?ナナリーを呼んでしまえば…しかし目が…なら腕力で強行突破…ありえない。俺よりも腕力のあるC.C.相手に自殺行為だ…。

 今の俺に残された手段はこれしかない。…負け惜しみを言って床で不貞寝だ。

「フン!最近は暑いからな、床の方がひんやりしてて気持ちよく寝られるんだよ」

「そうか、おやすみルルーシュ」

 

「ええい!味の好みの割に反応薄いな!このピザ女!!!」

 




〜言い訳〜
スザクがゼロ(ルルーシュ)の事黙ってくれるの?という問いにはご都合展開と言う回答をします()
便利だなぁ〜ご都合展開!
まぁ、父親殺しのスザクとしてはブリタニアに捨てられた皇子のルルーシュがクロヴィス殺ししてもあんまり強く言えないのでは?という気持ちがあります。それに無実の罪で処刑される自分を救ってくれた友達だしね…この時点で差し出したら割と畜生だと思うんですよ…(まぁ、そもそもの原因がルルーシュなんだけどね)

毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?

  • 面白い。今後も続けてほしい。
  • 面白い。でも二度とやるなクソが。
  • 面白くない。でも今後も続けて欲しい。
  • 面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
  • 普通。好きにして欲しい。
  • どうでもいい。
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