<サイド:カレン>
電車の窓は変わり果てた富士山を映す。日本は負けたのだと思い知らされるそれは屈辱の象徴だった。いつか日本を取り戻した暁には…でもその時はこうやって彼女達と語らいながら旅行も出来なくなるのかと思うと…。だからルルーシュは行けと言ったのだろう。楽しめる時に楽しめ、そう言いたいのだ。
「カレン?聞いてる?」
気がつくと隣に座っている会長がこちらを覗き込んでいる。何か話しかけられていたようだ。
「あっ、すみません…ちょっとボーッとしちゃって…」
こういう時病弱設定が役に立つ。こう言っておけば大抵なとかなる…はず…。
「大丈夫?無理しないでね?」
シャーリーの心配そうな顔を見ると嘘を吐いている事に罪悪感を覚えてしまう。大丈夫だからと軽く手を動かして答えると、良かったと言って笑顔を向ける。ルルーシュが昔言っていた敵を間違えるなと言う言葉はこう言う事なのだろう。シャーリーや会長が敵だとは思えない。ルルーシュはいけすかないが、そういう意味では感謝するべきだろう。
「そういえばそのブローチ可愛いね、どこで買ったの?」
「えっ…?あー…これは…」
不味い…ルルーシュに聞いておけば良かった。
「これは…これはね…」
ブローチに手を当て、スイッチを押す。
「このブローチ、どこで買ったものかしら…えーっと…」
頼むルルーシュ、助けてと心の中で叫ぶ。
『駅前の雑貨店だ。値段は1300円※』 ※日本円に自動翻訳しています。
「駅前の雑貨店で買ったの…1300円くらい…だったかな」
スイッチを切り、ルルーシュに心の中で感謝をする。…ん?アイツずっと通信機にへばりついているのだろうか?だったらちょっと気持ち悪いな…
「えー!いいなぁ…私も買おうかなぁ…今度お店案内してよ!」
シャーリーのお願いに分かったと頷きながら、今度ルルーシュに相談しなければと思いながら、シャーリー達との会話を楽しむのだった。
まさかルルーシュに言われた緊急事態になるとは思わなかった。咄嗟にスイッチを入れ、ルルーシュから抵抗せず指示通りにしろと言われる。
『聞こえるかカレン。安心しろ、必ず助けてやる。生徒会のみんなもだ。』
返事は出来ないので無言を貫く。ルルーシュが生徒会のみんなも助けてくれると言ってくれた。今まで数々の奇跡を起こしてくれたゼロ…ルルーシュなら、今回もきっと私には思い付かないとびっきりの策で助け出してくれるはずだ。
『カレン、できる限りでいい。怪しまれない程度に他の人質を映してくれないか?』
きっとこれも救出の為に必要な事なのだろう。病弱設定をうまく利用しながら怯えた演技で上手く周りを見渡していく。
『カレン、ご苦労だった。これから黒の騎士団を使い救出作戦を実行する。生徒会のみんなを励ましながら俺たちの助けを待っていてほしい。間違っても抵抗したりするな。もうすぐ電池が切れる。俺を信じろ、分かったな。』
自信過剰な態度は相変わらずだが、今ではそれが頼もしい。ここはルルーシュを信じて待つとしよう。イレブン…日本人に怯えるニーナを優しく抱き締めながら、できるだけ目立たないように努めるのだ。
<サイド:ルルーシュ>
記憶通り日本解放戦線が動いたようだ。ここまでは予定通り、むしろ今回はカレンを内通者として送っている。内部の情報が知れるのが1時間とはいえ…途中でまさかブローチを買った場所を聞かれるとは思わなかったが、まぁ今度教えるとしよう。場所も値段も嘘ではないのだから問題はないだろう。…確認ができたのはありがたい事だった。ユーフェミアが居る事を確認できたのだから。
「おいゼロ!本当にブリタニア人なんて助けるのかよぉ?」
文句を垂れているのは玉城だ。コイツの視野の狭さには驚かされる。
「よく見ろ、人質の中にカレンが居る。仲間を見捨てるような者は黒の騎士団には必要無いが?」
げっ!?本当だ!と画面を確認する玉城は放っておく。
「しかしゼロ、俺達もカレンは助けたい。でもあの状況じゃ…」
コーネリア軍のことを言っているのだろう。事情を知らない者からすれば仕方のない事だと言える。
「安心しろ扇。私を信じて欲しい。シンジュクでも、枢木の解放も、サイタマでも、私は必ず勝ってきた。何故かわかるか?」
「そ、それは…君がブリタニアのスパイから情報を…」
確かにそれはあるだろう。情報戦で圧倒的に勝利している。ギアスと記憶の二つがあるからだ。だが、ここでの答えでそれを言うわけにはいかない。
「違うな、間違っているぞ扇。私が今まで勝って来れたのはお前達が私を信じて共に闘ってくれたからだ。」
「ゼロ…」
ゆっくりと扇に右手を差し伸べる。扇はその手をしっかりと握り返すと
「今度も君を信じる。必ず彼らを助け出そう。」
これで条件はクリアされた。
因みに、この後リヴァルから電話がかかってきたので、適当にブリタニア軍がなんとか来てくれるさと返すと、そんな無責任な!と言われた。じゃあどうしろと言うのか。
中継車を強奪し、ブリタニア軍に接近する。コーネリアがこちらを睨み付けている。しかもハッチから出ているとは好都合だ。
「ゼロ…!まさかお前の方から出てきてくれるとは思わなかったぞ…貴様も日本開放戦線の一員だったのか?それとも協力を?」
コーネリアが銃を構える。
「クロヴィスの敵、ここで討たせてせてもらうぞ!」
「コーネリア、どちらを選ぶ?死んだクロヴィスか、生きているユーフェミア。」
コーネリアの表情が驚きへと変わる。相変わらずポーカーフェイスは苦手なようだ。
「ユーフェミアもその他の人質も救ってみせよう!私が!だから!」
相変わらずコーネリアはこちらを睨み付けているが、関係がない。
「私に従って欲しい。」
「…良いだろう。私はどうすれば良い。」
コーネリアが銃を下ろす。
「私が人質を救出するまで待っていてくれれば良い。あとはコーネリア、君のしたいようにしたまえ。」
その後は記憶通りだ。カレンが居ないがその程度問題ない。黒の騎士団は既に十分な練度を積んでいる。その為のシンジュク、その為のリフレイン取り締まり、その為のサイタマだ。シンジュクで早期から信頼を勝ち取り、リフレインの取り締まりを始めとする行動で経験値を積み、サイタマで実戦経験を積んだ。ナリタ戦までにもう少し練度を上げる必要はあるが…今の段階では十分だ。
しかし、そこにイレギュラーが入る。スザクからの連絡だ。スザクがナナリーに連絡する目的で渡しておいた携帯から連絡が来ている。アイツも作戦行動中だろうに…何かあったのだろうか。
「もしもし?なんだこんな時に」
『ごめんよルルーシュ。作戦行動中にこんな事しちゃいけないのは分かってるんだけどさ…聞いたよ。人質を助けにいくんだって?』
そんな事を確かめる為にわざわざ電話をしたのだろうか?それにしては声が落ち着いている。
「生徒会のみんなが居るからな。それに黒の騎士団は正義の味方だ。民間人を見殺しには出来ない、相手がブリタニアでも日本人でも、俺は正義をなす。」
『黒の騎士団?ルルーシュらしいネーミングだね』
スザクの声は相変わらず堅い。何か…何か変だ。
「ところで…何があった?わざわざ俺に電話なんて」
『実はね、地下のトンネルにリニアカノンがあるらしくて、今からそれに突っ込むんだ。だから、死ぬかもしれないと思ったらルルーシュに連絡しなきゃなって」
思い出した。何故忘れていたのか、あの事件で確かに爆発と同時にスザクを見た。ブリタニアめ、そんな強硬策を…いや待て、あの時のスザクはやってのけたんだ…今回だってやらないはずがない。
「スザク…生きろ。」
『…また、それかい?』
これはあの忌々しい日の…呪いの言葉ではない。この前と同じ…願いの言葉だ。
「俺の知ってる体力馬鹿なら、成し遂げるはずだ。」
『馬鹿って…酷いなぁ…。昔も僕に言ってたよね、この馬鹿って』
『でも…ありがとう。』
電話の音はそこで途絶えた。そこからの流れはほぼ同じだった。草壁がしょうもない男であるのは分かりきったことだったのでギアスを使うまでもなく黒の騎士団で制圧し、人質の下へ急ぐ。カレンの存在が何か違いを起こしたのだろう。あの日と違い、ユーフェミアは人質の中に混ざっていた。
「我が名はゼロ!ブリタニアの諸君!どうか安心して欲しい、ご覧の通り君たちを人質とした非道な輩は排除した。この場は我らの先導に従い避難を開始して欲しい。」
人質は困惑している様子だったが、渋々と言った様子で言う通りに従う。安心しろと言ってもサングラスで顔を隠した人間が銃を構えていたら当然だろう。
タワーから脱出した後、強奪した中継車を用いて華々しいテレビデビューを飾るとしよう。
「人々よ!我らを恐れ求めるが良い!我らの名は…黒の騎士団!」
「世界は我々黒の騎士団が裁く!…か、これまた大きく出たな?ルルーシュ。」
「当然だ。イメージは大切だろ?わざわざあの場でリフレインの取り締まりをやったって事まで言ったんだ。実際に人々の為になる活動を言えば良くも悪くも注目せざるを得ない。みんな大好きだろ?正義の味方は。」
わざわざ真夜中のプールに飛び込み、プールサイドまで泳いできたC.C.がニヤリと微笑む。
「そうだな。そんな困ってる人を助ける正義の味方にお願いしたいことがあるのだが?」
「なんだ?言ってみろ。」
言ってみたが嫌な予感しかしない。そしてそれは的中するだろう。
「運動して腹が減った。ピザを恵んでくれ。」
「ええい!もう遅いから3枚までだぞ!このピザ女!!!」
〜言い訳〜
今回はほぼ原作通りの流れです。違いもカレンの旅行参加とルルーシュとスザクが連絡してるくらいですね。あと、地味にユフィとニーナの接触フラグをカレンに叩き割って貰ってます。
毎話最後に(半ば無理矢理)入れている「ピザ女!」byルルーシュor「この飲んだくれ!」byカレン)について、正直…?
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面白い。今後も続けてほしい。
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面白い。でも二度とやるなクソが。
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面白くない。でも今後も続けて欲しい。
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面白くない。二度とやるなクソが。○ね。
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普通。好きにして欲しい。
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どうでもいい。