「いいねぇ!似合う似合う!」
既に剣を新調したカイナは、一息つく間もなく装備品の調達に勤しんでいた。
今現在、カイナが携えている剣は2本。一本は今回の戦いで使う新たな剣、もう一本の予備は最初にニスモから譲り受けた剣だ。
「人間ってさぁ、ホント金髪に白い服が似合うよねぇ」
「…そうか」
露店で衣服を試着しているカイナは、興奮気味のアラクネに対して、興味無さげに短く返す。
どころか、生気すら薄く見える。旅を始めて漸く、寝間着からまともな冒険服に着替えられたと言うのに。似合うからと、半ば強制的に着せられたからだろうか。
それもあるのだが、大本の部分はそうではない。自分一人だとこんなにも静かなのかと、カイナは今になって思っていたのだ。
「勿論、優れてんのは見た目だけじゃあないさ。ヤンピーの皮とベスの樹皮の合成だかんね。間接まで隈無く、対魔対物効果有りさね。胸部に至ってはソイツを三重にしてるから、プレートアーマーにも匹敵するよ。流石に兜までは容易できないけど、そこは勘弁してくれな」
「…不気味な程に軽くて動き易いが、本当なんだろうな」
「お姉さんを信じなさいな。夏服もどうだい?防御力はだいぶ落ちちまうが」
「ああ、頼…」
言おうとして、カイナは鏡に映る自身を再度見る。本革作りのロングブーツとベルト以外は、ほぼ白で統一されている。
嘗てのカイナも、似た様な白い恰好でクエストに挑んでいた。そんな充実した日々を、微かに思い出していたのだ。
そしてカイナは、薄らと笑った。それは諦めたとも、吹っ切れたとも取れる顔だった。
「…これと同じので、黒っぽいのはあるか?」
「?…まぁダークグレーなら、夏冬両方あるね。絶っ対似合わないと思うけど」
「いいんだ、それで頼む。…お代なんだが、本当にタダでいいのだな?」
「団の危機なんだ、しゃあないさ。あ、でも夏服の分は払いなよ?どうせ今回の戦いじゃ着ないだろ?」
「う、うむ…」
こうして、漸く冒険者らしい恰好となったカイナは、アラクネの店を後にした。
が、それからはどうにも途方に暮れ、所在無さげに市場を彷徨うしか無かった。その様は、まるで誰かを探しているようにも見えた。
途中、時折自身の携えている剣が視界に入り、その都度カイナは悪寒に襲われた。
同時に、ハーピーの少女が脳裏へと浮かんだ。
バイゼルが力無く座り込むカイナを目の当たりにしたのは、丁度店終いの直後であった。
何故一人で居るのか大方察しが付いている彼は、一先ずその事を伝えるべくカイナの隣に座る。
「お疲れ様です。恰好、様になってますよ」
「…」
「さっき、イゼラが団長に食ってかかってましたよ。カイナ殿とニスモ殿を、東の果てまで逃がせと」
「…無駄な事を」
今更過ぎるイゼラのそれは、無意味で誰の益にもならない抵抗であった。
当然、そんな抗議が受け入れられる筈もないし、引き返すなんて他ならぬカイナとニスモも望んではいない。
ただ、何故イゼラがそんな愚行に及んだのか、カイナには十分な心当たりがあった。
「本当、困った娘です。今テントで塞ぎ込んでて…宥めようとしたら「失せろ根暗親父」の一蹴で、もう泣きそうになりました」
父親がそんな事で泣くなと言いたいカイナだが、正直それどころではなかった。
恐らくバイゼルは、遠回しにこう聞いているのだろう、イゼラと何かあったのかと。今カイナは、それに対する返答を纏めている所であった。
カイナとしても自分の失敗故に言いたくなかったが、何が起きたか知る権利くらい父親にはあるだろう、とも思ってしまった。
よって、仕方なく話した。
「……「死なないよね」と聞かれて「分からない」と答えてしまったのだ」
「…成程」
カイナを死なせたくないから、カイナが死んだら自分も悲しいから、恐らくそれらがイゼラを動かしてしまったのだろう。カイナの為と、イゼラ自身の為、その両方の感情が。
それ以外の要因が浮かばなかったバイゼルは、次なる言葉を贈る。
「でしたら、イゼラに「死なない」と言って頂ければ済む話かと」
「…もしそれで死ねば、彼女に嘘を付く事になる。戦場に絶対は無い」
「そうですね…」
流石に、バイゼルもその点は否定出来なかった。戦場ではないにせよ、彼も目の前で数多くの仲間を失ってきたのだから。
そしてそれは、イゼラも同じだ。
「ですがイゼラも、本当は分かっているんじゃないかと思います。それが所詮「口約束」に過ぎない事は」
例え嘘でもイゼラは言って欲しかったのだ。ただ一言「死なない」と。
「それでもアナタは、
バイゼルの言う「怖い」とは、何に対しての事か。単に、カイナの中で育ってきた嘘に対する抵抗か。それとも、「死」そのものに対してか。
「イゼラもずっと、アナタを失うのが怖かったんです。賊軍の存在を知ったあの時から。アナタにだけはバレないよう、懸命に隠していたみたいですが」
「…え?」
そんな事、カイナはまるで気付かなかった。辛い過去があっても、元気で前向きな少女。イゼラの影なんて、眩し過ぎるその像に隠れてしまっていた。
湯船での抱擁も、市場での気丈な振る舞いも、イゼラの内心は恐怖でいっぱいだったのだ。カイナを失う事への。
そこでカイナは、漸く思い至る。武器屋でのイゼラが、どうして泣いていたのか。あの時、何を思っていたのか。
(そうか…アレは、溜め込んでいた恐怖が溢れてしまって…)
あの時の自分の馬鹿さ加減に、カイナはうんざりする。
カイナが居なくなってしまうのが、怖い。そんな当たり前な事、あっさり思い至れた筈なのに、どうして何も言えなかった。イゼラがカイナに抱く、好意をも超えた尋常ならざる想いなんて、薄々気付いていたのに。
いや、目を反らしたのだ。カイナが死ねばイゼラがどうにかなってしまう、という未来から。それでも結局カイナは逃れられなかった。自身の死によってイゼラが壊れる、という恐怖に。
「嘘を付く訳にはいかないから」というのは、さぞかしカイナにとって都合の良い隠れ蓑だったろう。
今更になってカイナが気付いたイゼラの恐怖も、父親だけは分かっていたのだろう。
それでも、バイゼルにはただ見守る事しか出来なかった。「カイナは死なないから大丈夫」と、安寧に身を任せている自分がそう言った所で、何の説得力があろうか。そんな諦観が、バイゼルの心を押し留めてしまった。
では、今のカイナはどうか。自分自身から逃げておいて、果たしてイゼラに言葉を贈れるのか。
それに関しては、バイゼルがお墨付きをくれた。
「もしアナタも何かに怯えているのなら、イゼラの気持ちが分かる筈です。…さて、私はそろそろ行きます。あとは若い者同士、どうぞご自由に」
最後にそう言い放って、イゼラの父親は行ってしまった。
底知れぬ恐怖に苛まれている、それが何なのか明確に理解している、今のカイナだからこそ。
そう考えてしまうと、流石にもう逃げ道は無かった。
テントの外から、頼りなさげな足音が聞こえてくる。
また根暗親父かと、体育座りのまま微動だにしないイゼラは溜息を吐く。
そして足音は、入口前で止まった。
「イゼラ、入るぞ?」
(……カイナ!?やばっ)
予想していた相手と違ったので、慌てて姿勢を正すイゼラ。
これ以上、カイナに弱い姿を見せては駄目。イゼラの慌てようからは、そんな意思が見え隠れしていた。
「い、いいよ!入って入って!」
イゼラがそう促すと、幕を上げてカイナが入ってくる。その姿は、黒い様で辛うじて黒ではない様な、黒騎士と呼ぶには中途半端な外見であった。
「さっきはゴメンね、急に出てったりして。もう大丈夫だから!…それよりカイナ!冒険着、ダークグレーにしたんだね!ちょっと似合わないけど、新調できて良かったね!」
そう普段通りを装いながら接しても、カイナは変わらずただ静かにイゼラを見ているだけだ。それは、イゼラの内心を見透かしているかの様であった。
だが、そこから放たれる声は、酷く弱り切ったものだった。
「……私は怖い、イゼラ」
「えっ?」
突然そう切り出すと、カイナは困惑するイゼラの手を握った。それは縋る様にも、イゼラの手を温める様にも見えた。
そして尚も足りないとばかりに、弱音に満ちた言葉を繰り出し続ける。
「死ぬのが…怖い。死にたくない…」
「…」
悲痛に尽きる声だった。川辺で始めて出会った時も、本心ではこんな声を出したかったに違いないと、イゼラは思ってしまった。
だが、カイナの瞳は曇っていなかった。怖い筈なのに逃げもせず、目の前のイゼラを逃がしもしない、そんな意志が滲み出た瞳だった。
その声と瞳で、イゼラを懸命に覆っていた快活さも困惑も、次第に離散していった。まるで光にでも当てられたみたいに。
「何より…君を悲しませたくない」
そんな瞳のまま、カイナはイゼラを見つめる。己が感情の全てを共有しようとするその瞳は、イゼラの中に潜む感情をも引きずり出そうとする。
それでもイゼラは、構わず女騎士の震える瞳を見つめ返す。その帰結として、感情が目から零れ落ちそうになる。
「だから…言おう。私は死なない。必ず…生き残る」
「……カイナ…ッ」
この言葉を、決して嘘になどしない。何も道を定められない自分でも、それくらいは出来る。
そんな覚悟を乗せてそう言うと、カイナはイゼラを強く抱き締めた。イゼラの抱擁と違い無骨ながらも、それでも何かから守る様に。
抱き締められ、もう感情を隠す必要性すら完全に失ったイゼラの瞳から、大粒の涙が止めどなく流れ出た。黄金の球体が、カイナの温もりにより、優しくジワジワと溶かされる。
「…君も…怖いか?」
耳元で問われると、イゼラはカイナの首を包む様に、両腕で抱き締め返す。そして、零れる雫を惜しむ事無く、今にも萎れそうな声で答える。
「怖い…怖いよ…カイナ。こうして抱き合えなくなるのが…怖い…」
同時に、イゼラは嬉しかった。カイナが本音を言ってくれた事と、それに対してイゼラ自身が本音で返せた事が。
イゼラもまた、カイナと同じ勘違いをしていたのだ。きっと怯えているのは自分だけだと、それでカイナを心配させてはいけないと。
互いの恐怖を紛らわす様に、そして喜びを分かち合う様に、2人はただ抱き締め合った。誰の目も無い密室の中、時間という概念を彼方へと置きやって、いつまでもどこまでも。
賊軍の接近を知ったあの時、イゼラは守ってあげると言った。それが冗談かどうかは分からないが、カイナはお節介だと思ってしまった。事実、イゼラは非戦闘員だ。
その実、守るどころではなかった。もうカイナは、とっくに守られていたのだ。イゼラという存在そのものによって。
イゼラが居なければ、死を恐れる事すらなかった。
だからもう、死ぬ訳にはいかないのだ。今この時も、これからも、イゼラが守ってくれるのだから。
もしこれで死ねば、カイナは本当の本当に騎士失格だ。
今、何も無かった騎士見習いは、漸く一つの小さな目的を定めた。
生きる。自分と同じく泣き合っている、このハーピーの少女を悲しませない為に。ただそれだけの為に。
行商団を見渡せる、小高い丘。
お気に入りの場所であるそこから、ニスモは黄昏れる様に見ていた。星も見えない曇り空の下、暗黒と僅かな光が織り成す西のずっと先を。
或いはその更に先、ユートリアン大陸西端のもっと奥まで、その黒眼で捉えようとしているのかもしれない。
思いを馳せるのは、やはりこの世界の事だろう。未だ2つの大陸しか判明しておらず、数多くすら生温い程の謎を抱えているのだから。
今も雲の上に浮いているであろう月は、登る事が一日の合図である太陽は、何処から来て何処へと帰るのだろうか。同じ時期、どうしてあの地は震え上がるほど寒いのに、その地は蒸し上がるほど暖かいのか。それらすら、誰も何も解らない。
「…何をしている?」
「やぁ」
バイゼルから居場所を聞きつけたのだろうカイナが、後ろから声を掛けてくる。ダークグレーの冒険着に2本の長剣を挿すその姿は、これまでの姿とは対照的だ。
新しい剣はどうやら、ニスモが洞窟で与えた長剣とほぼ同サイズの様だ。柄に埋め込まれている注入石からして、魔力注入に優れているのだろう。肉体への切れ味を除けば、ニスモが与えた剣の上位互換と言った所か。
それらに身を包んでいるカイナの顔は、決して浮かれた表情ではなかった。疲れた目つきこそ相変わらずだが、その瞳には確かな芯が通っている様な淡い光があった。
「ゴメンよ。稽古の時間だったね」
「…で?」
「ただ遠くを眺めていただけさ」
「遠く?」
まさか賊軍がもう来たのかと、カイナは懸命に目を細める。当然そんな集団は見えず、ただ青黒い横線が視界の端から端を横断していた。
そんなカイナが面白かったのか、ニスモは一瞬だけ口元を綻ばすと、何を思ったのか少女に問い始める。
「あの先は彼方まで平面になっているのか、それともどこかで途切れているのか、若しくは一周して僕たちの居る場所に繋がっているのか…君はどう思うカイナ」
突然の問い掛けというのもあったが、そんな事なんて考えた事もなかったカイナは、唸るように頭を回してしまう。カイナにとっては、2つの大陸の事でも十分お腹いっぱいだ。
だからこそ考えてしまった、というよりは願ってしまったのが次の言葉だった。
「…世界なんて、貴様の地図で十分だ。それ以上を考えたら、気が遠くなる」
いたちごっこだと、カイナは思っていた。
ユートリアン大陸での常識は、ギヤ大陸では通用しない。では更に新しい大陸が見つかれば、今度はギヤ大陸で培った常識が通らないかもしれない。
それはどうにも、キリの無い話ではないか。
「私はこの大陸に来て、色んな事を学んだ。それすら否定されたら…今度こそ何も信じられなくなる」
「そうだね。けど…」
ニスモは再び、地平線とも分からない世界の彼方を見ながら言う。
「愛だけは、どの世界でも通用すると、僕は信じたいけどね」
「…」
愛。その単語を聞くと、どうにもカイナはむず痒くなる。タクトに会えない事が、欲求不満となって現れているのだろうか。
思えば、どうして自分はタクトを愛したのだろうか。ここ最近、カイナはその切っ掛けを細かく思い出す事が出来ない。或いは思い出せているのかもしれないが、それで赤面する事もなくなった。それは大人になったというより、別の何かに意識が囚われているかの様だった。
人を愛するとは、どういう感覚だったか。タクトに会えば、また思い出せるのだろうか。
一人黙考するカイナを置いて、ニスモは続ける。
「君だってイゼラと出会い、分かった筈だよ。自分の原動力となる愛だけは、どの世界も変わらないと」
「…誰が誰を愛してると?」
カイナのそれは怒っているとかではなく、何の事か本気で分からないという表情だった。
予想とは全く違う反応が返ってきたからか、流石のニスモも困惑する。
「…イゼラの事、好きなんでしょ。自覚ないのかい?」
「いや何故そうなる?確かに、イゼラの方は私の事が好きかもしれないが、私は…。まぁ友達としてなら…」
「…」
思わず絶句するニスモ。イゼラに対するカイナのアレコレを、単なる友情で片付ろと言うのか。
ニスモの内にあった困惑は、ドン引きに変わっていた。自分の事は他者の視点でないと分からない、とは良く言ったものだが、これ程の症例はニスモも見た事がない。団の誰もが気付いていると言うのに。
(そうだった…この子、馬鹿だった)
色々と思い出し、強引に納得するしかないニスモ。戦いの才能は抜きん出ているのに、どうしてこういう所だけ駄目なのか。
(けど…)
「…今度は何だ?」
出会ってから今までを思い返すべく、ニスモは改めてカイナを見る。
やはり、少しだけ大人びた様に見える。
(ただの馬鹿ではなくなったかな)
そう思ったニスモは、自虐じみた笑みを僅かに浮かべる。結局自分では、カイナを成長させる事が出来なかったと。
無論、ニスモの役割は大きかったと言えよう。
もしカイナがいきなりこの丘に転移していたら、訳も分からぬままこの行商団と敵対していた可能性が高い。そうなれば、イゼラも殺されていたかもしれない。他ならぬカイナの手によって。
ニスモと相対し、学び、悩む事がある程度の準備となったからこそ、カイナは異種族と打ち解ける事が出来たのだ。
ただ、どうしてもニスモは「もしも」を考えてしまう。例え自分と会わずとも、カイナが団の誰かを殺める事なんてなかったのではないかと。
そうなれば、後はお人好しのイゼラ辺りと打ち解けて、勝手に成長していったのではないかと。
そこは、もう心の中で割り切るしかなかった。そんな都合の良い展開、そうあるものではないと。
故にニスモは、溜息の如く言葉を吐き出した。まるで己を説き伏せる様に。
「不運にも賊とかち合う事になったけど、やっぱり君をこの団に連れて来て正解だった…と思ってね」
言葉で直接肯定する事はしなかったが、そこはカイナも同意だった。
人間に善人と悪人が居るのと同じく、異種族にだって様々な思想の持ち主がいる。中にはかの賊共の様に、人間を歓迎しない連中だって居る。だからカイナは、出会ったのがこの行商団で良かったと思っている。
ならば、何かニスモに言う事がある筈だと、照れくさそうに頭を掻く。
「…一応、感謝はしている。貴様は相変わらず気に食わないが、貴様が居なければ、イゼラたちと出会えなかったのも事実だ」
「直接此処に転移していたら」なんて、そんな発想カイナの頭には最初から無いらしい。馬鹿なだけなのか、それとも成長したからこそなのか。
いずれにせよ、カイナに一本取られた様な気がして、自分もまだまだだなとニスモは反省する。出会った当初は、何を言ってもニスモに言い負かされていたのに。
「それより、早く稽古に付き合え!今回からは本身でだ!」
いや、やはり馬鹿なだけなのかもしれない。
「…死ぬよ?」
「上等だ」
強気な言葉と裏腹に震え上がっている声を聞いて、馬鹿さ加減に拍車が掛かっている様に、ニスモには思えた。
今のカイナを見ていて、ニスモは深く考えるのが馬鹿らしく思えてきた。
考えないのは馬鹿、考えるのも馬鹿、世の中馬鹿ばかりなのだろうか。
ただ、己が定めた到達点に突き進むのであれば、敢えて考えない方が上手く事を運べたりする。成長した眼前の馬鹿からも、似た様なものをニスモは感じていた。
ならばもう、ニスモもこれ以上考えまい。
折角カイナが、これまでに無い程のやる気を帯びているのだから。その原動力が生きている内に、付き合ってやるのが道理だ。
それは最早、泣きそうなほど怖いモノへ自ら突っ込むくらいには、カイナの意志を尖らせていた。
ご感想、お待ちしております。