流浪人の帰り着く先   作:ゆごりー

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霜明「ベネット殿。先日はご苦労であった。」

ベネット「ああ!お互い大きなけがもなくてよかったな!」

霜明「誠にそうでござるな。ベネット殿はあれからどうでござる?」

ベネット「あれからガンガン仕事が舞い込んで来るようになったんだ!霜明のおかげだよ。」

霜明「それはめでたい。しかしあまり無理はせぬようにするのだぞ?不幸が重なれば命を落とすこともあるのだからな?」

ベネット「っはは、ありがとうな?また何かあったらよろしく頼む!」

霜明「拙者としてもまたお主と共に剣を振るいたいでござる。モンドで何かあって拙者が駆り出されることがあれば相棒として推薦させてもらおう。」

あの件以降、2人の中は親友クラスで近くなったのでした。それではどうぞ


モンドでの日常

風魔竜の襲来からしばらく、モンドには束の間の平和が訪れた。あれほどのヒルチャールの集団が襲ってきたに関わらず被害がこれほどに済んだのは霜明とベネットの力が大きいだろう。あれから冒険者教会にベネットへの討伐依頼が殺到するようになりモンド城外を走り回るベネットの姿がよう見られるようになった。秘境を抑圧し騎士達(1人は司書)達と共に帰還した空はジンに栄誉騎士の称号を与えられ風魔竜事件に協力をすると言ってくれた。そしてもう1人、霜明はと言うと

 

霜明「うむ、やはりモンドの茶も美味でござるな♪それとも入れる者が良いからであろうか?」

 

ノエル「め、滅相もないです。私なんてまだまだで・・・」

 

現在騎士団の休憩室でテーブルを囲み少女と茶を飲んでいた。少女の名はノエル。西風騎士団唯一のメイドにして騎士の卵でもある。現在2人はノエルの入れた紅茶と中央に置かれたお菓子を程々につまみながら談笑していた。

 

霜明「はは、謙虚になる必要なんてないでござるよ。茶というのは入れようによってどんな高い物でも台無しにしてしまうのだ。ここまでの香りと味を出せるのは一重にお主の入れる腕が高いということでござるよ。」

 

ノエル「勿体ないお言葉、ありがとうございます。しかしそうですね。こうした家事などは淡々とこなせるようになってきたのですが最近剣の腕が伸び悩んでいるのを感じてしまっていて・・・」

 

霜明「うむ、俗に言うスランプと言うやつでござるな?ふむ、そういう事態はなにかの道を極めようとするなら誰しも訪れるであろうし気にしなくても・・・と言っても気になってしまうものであろう?」

 

困ったように笑いかけるとこくり、とノエルが頷いた。事実上ノエルは討伐任務もこなしメイド業により手先も器用なため場外任務にはもってこいの人材である、と霜明は思っているのだが騎士団としての霜明が知りえない何かが足りないのだろうか、と毎回結論付けていた。

 

ノエル「なにかいい方法は無いのでしょうか・・・焦ってもいいことは無いのは理屈ではわかっているのですが、どうしても今の感じが嫌で・・・」

 

ふむ、と顎に手を当てて考えていると2人の人影がこちらに近づいてきた。

 

アンバー「あ!ノエルと霜明!あんた達も休憩?」

 

霜明「む?アンバーと、あぁ、エウルア殿であったか。しばらくでござるな。」

 

エウルア「ええ、そうね。久しぶり。それにしても最近あなたの噂をよく聞くわ。この前の出来事なんか特にね?私たちみたいに神の目を持ってる人に知らせてから行ってくれても良かったのに、この恨み、覚えておくわ。」

 

霜明「はは、手厳しい。」

 

アンバーの隣にいる氷のような美しい水色の髪色をした女性はエウルア・ローレンス。騎士団の遊撃小隊隊長を勤めていて霜明の飲み仲間でもあった。ローレンス、という名はモンドでは忌み嫌われるという噂を霜明はモンドに来て早々に耳に挟んだがエウルアの人柄や仕事ぶりを見てそんなことは全く意に返していなかった。

 

エウルア「それで、2人して唸ってたけどどうかしたのかしら?」

 

2人も同じテーブルを4人で加工用に座った。すぐさまノエルが新しい2つのカップを用意して紅茶を注ぐと2人はありがとう、といい飲みながらノエルの話を聞いた。

 

アンバー「スランプかぁ、ねえ?最近はどんなトレーニングをしてるの?」

 

ノエル「剣の素振りを200本やった後に1人でしたら打ち込み台稽古、騎士見習いの人がいらっしゃれば試合形式の稽古と言った形です。」

 

霜明「ふむ・・・であればノエル殿?最近伸び悩んでおるのは技術、と言うよりも戦術ではないか?」

 

ノエル「戦術、ですか?」

 

エウルア「貴方は見習いの中ではトップクラスの実力があるし同じような人と戦ってると自分の戦い方に限りが出てきてしまうんじゃないかしら?」

 

アンバー「じゃあ見習いだけじゃなくて騎士の人とか協会の人と手合わせしてみたら?きっといい刺激になるよ!」

 

ノエルを覗く3人がこくこくと頷く。ノエルはそんなことでいいのだろうか、と首を傾げていた。

 

エウルア「あら?疑うなんていい度胸ね?この恨み、しかと覚えたわ。ノエル、後で復讐するからこの時間に顔を貸しなさい。」

 

ノエル「ふ、復讐??」

 

霜明「・・・・・・なるほど。はは、エウルア殿は優しいのでござるな。」

 

エウルア「余計なお世話よ。なんなら今でも私はいいのよ?ノエル、どうするの?」

 

ノエル「え、ええっと、」

 

霜明「ノエル殿、是非とも行ってくると良いでござるよ。エウルア殿の戦い方は面白いでござるからな、きっと良いものが手に入るであろう。」

 

そこまで言うとようやく復讐の意味を理解したのかこくこくとノエルが頷いた。

 

ノエル「で、ではこれらを片付けたら直ぐに向かわせていただきます!」

 

霜明「よいよい、そのくらいは拙者がやっておこう。エウルア殿の気が変わらぬうちに稽古をつけてもらうといい。」

 

ノエル「霜明様・・・ありがとうございます!」

 

そしてノエルとエウルアは修練場に向かいこちらに背を向けた。私も行くーとアンバーもカチューシャをぴょこぴょこと弾ませながら掛けて言った。そして直ぐにテーブルを片付け洗い物も終わらせ外に出ると見覚えのある人物が見えた。

 

霜明「・・・あれは、空殿?」

 

空ともう1人、緑の装束にみをつつんだ中性的な印象を受ける少年が騎士団を横切りすぐ後ろにある階段を駆け上がって言った。

 

霜明(あれは確か、詩人をやっている・・・そうだ、ウェンティどのであった。なぜあの2人が?あの先は教会しかないはずであるが?)

 

そして数秒悩み込み、うむと頷くと

 

霜明「少し同行させて貰うとしよう。」

 

そして2人の後を跳びながら追ったが、これが霜明のモンド生活の大きな山場の入口になるとは本人は想像もしていなかった。




桜坂霜明

固有天賦2、武士の心得
自らが受ける上昇効果を10%上昇。弱体化効果をマイナス5%
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