9-nine- After短編    作:パドル

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9-nine-の二次創作読んでみたいなぁ。
誰か書いてくれないかなぁ。

……。

俺が書く!

まずは王道を行く都ルートから

プレイしたことないって方はネタバレ無しverを読むか原作をプレイしてね。

まだ間に合うぞぉ!


都ルート(ネタバレあり)
都の新海家訪問 上※ネタバレ注意


Day9.25

 

 

 

輪廻転生(りんねてんせい)のメビウスリング』というアニメがあった。

 

 

 俺の住む町、白巳津川(しろみつがわ)がスポンサーとなり制作されたいわゆる町興しアニメである。

 

 

 しかし、アニメは大失敗。白巳津川(しろみつがわ)の伝承をもとに作られたそれはあまりにも難解すぎるストーリーが展開され悪い意味でアニメファンに強烈な印象を残し『結局何がしたかったの?』となった完全なる地域振興の失敗例になってしまった。

 

 

 だが上はその失敗を認めたくないのか、この町ゆかりの神社である白蛇九十九神社にてリアルイベント『メビウスフェス』が今年も行われた。通算2回目である。

 

 

 通常通りに行われれば、ごく一部のモノ好き……『メビウスリング』のアニメファンたちにより細々と盛り上がり、細々と終了するはずだった。

 

 

 しかしそんなフェスの途中で地震が発生し神社に伝わる由緒正しき神器がころんと落下し砕けてしまったのだ。ついでにその片付け最中に割れた神器の欠片で俺は怪我をしてしまった。

 

 

 神社の巫女兼昔馴染み兼わが校の教師である成瀬沙月(なるせさつき)先生に頼まれ、神器担当の係員に任命されていた身としてはまさしく失態そのものである。これだけならオカルトを信じない沙月先生以外の神社関係者が落ち込んで終わりなのだが……。

 

 神器が壊れた後、俺たちは非日常へと足を踏み入れることになる。

 

 

 人が石に変わる『人体石化事件』、

 幻の炎により校舎が火の海となった『幻の火事事件』

 おおよそ現代社会における常識からは全く外れた事件が俺たちの周りで立て続けに起こったのである。

 

 

 そしてその原因は神器が壊れたことにより異世界からこの世界に流出した不思議な力を持ったアクセサリー『アーティファクト』そしてそれに選ばれた者たち『アーティファクトユーザー』たちだった。

 

 

 俺たちは異世界の住人ソフィーティア、通称ソフィからアーティファクトの回収を頼まれた。特に『人体石化事件』の主犯『魔眼』のユーザーを最優先で追跡するよう頼まれ。クラスメイトの九條都(くじょうみやこ)、俺の妹の(そら)と共にアーティファクト回収の任務にあたることになった。

 

 

 

 

 

 それが大体半年くらい前の話だ、それから簡単には語りつくせないほどの紆余曲折があった。

世界の眼、並行世界、イーリス、大切な恋人との思い出、そしてオーバーロード。今では最大の脅威、魔眼のユーザーは去り、平穏な毎日が戻ってきた。

 

 

 香坂春風(こうさかはるか)先輩や結城希亜(ゆうきのあ)といった仲間も加わり、残りの散らばったアーティファクトを探しに町中を行脚する日々、気づけば夏休みの大半がアーティファクト探しに費やされていた、

じりじりとした日照りが未だに収まらぬ中、学校生活も2学期に突入、アーティファクト探しもペースを落としながらも続行、いつも通りの学校生活に戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 チャイムが鳴った。起立、礼をして昼食の時間である。

 

 

「うぅ~っと」

 

 

 背伸びをし、体をほぐす。体のしこりがほぐれていくようである。使っていた教科書とノート類をしまい、コンビニの買い物袋に手を伸ばす。

 

 

(かける)君」

 

 

 後ろから声がかかる。声の主は俺の交友関係の狭さから一人しかいない。

 

 

(みやこ)、今日は友達と一緒か?」

 

 

「うん、今日はお弁当作ってこられなくてごめんね」

 

 

「ああ、大丈夫。今日はコンビニでパン買ってきてるから」

 

 

「お詫びに何かできればいいと思うんだけど……」

 

 

「じゃあ今日の夕食、ハンバーグがいいな」

 

 

「わかった、腕によりをかけて作るね」

 

 

 何故だろうか今日は(みやこ)の笑顔がまぶしく感じる。

 

 

 九條都(くじょうみやこ)。俺の通う白泉学園(はくせんがくえん)の2年生。同じ学年、同じクラス。つまりクラスメイト、アーティファクト探しの大事な仲間、そして最愛の彼女である。

 

 

 この町、白巳津川(しろみつがわ)に本拠を置く世界的企業『コロナグループ』の社長令嬢。いわゆるお嬢様だ。そんな肩書を持つ一方、金銭感覚はかなりの庶民派でモックのハンバーガーが月1の贅沢であり1週間に何度も祖父の経営する喫茶店ナインボールでバイトをしている。

 

 

 日々節約をモットーとし、安い食材を求めスーパーを練り歩く。そして料理の腕も相当のものでどれも絶品であるが個人的にはハンバーグの出来はおかんには悪いが比較にならない。

 

 

それでもって10人中10人が振り返るような美少女で身長は低いが抜群のプロポーション……。

要するに容姿端麗でお金持ちで料理上手という(そら)曰く『パーフェクト超人』である。

 

 

立ち振る舞いも気品にあふれ、友人も多く、学年問わず男子生徒のあこがれの的。まさしく学園のアイドルである。

 

 

 本来なら俺なんかとは住む世界が違うのだが……。

 先日のアーティファクト騒動で共同調査を開始してから調査を進めるにつれ俺と(みやこ)の距離はだんだんと近くなっていった。

 

 

そしてそんなこんなで友達以上恋人未満ともいえるような関係が続いていく中で俺の(みやこ)に対する好意がばれてしまう。

 

 

その後紆余曲折の末、両思いであることに気づいた俺たちは晴れた恋人になったのである。

それから定期的にお弁当を作ってきたりや夕食を俺の家に作りに来たりと恋人との青春を満喫している。

 

 

「じゃあ後で」

 

 

「ああ、あっそれと!」

 

 

「何?(かける)君」

 

 

「……いや、また後で話すよ。放課後に」

 

 

「……うん分かった、待ってるね」

 

 

 (みやこ)は友人の輪の中に戻っていった。

 

 

 同時にクラス中の視線が俺に集まる。

 

 

「……」

 

 

 なんだろう。俺と(みやこ)が付き合っているとクラスにはまだばれてないはずなのだが、「実は付き合っているのでは?」という疑惑の眼が絶えない。

 

 

 ばれてない……。

 

 

 ばれてないよな?

 

 

 俺が割とぼっち気味な存在であるためか、その手の質問はだいたい(みやこ)に行く。

 

 

 そういう問いに対して(みやこ)は微笑みながらも微妙に濁しながら答えていった。具体的には「『まだ』付き合っているわけじゃないよ』とか「どうかな~」とか。

 

 

 正直ごまかすのも限界に近い。(みやこ)の希望で付き合っていることは周りに言ってないが。

 

 

 もうカミングアウトした方が俺たちにとっては気が楽な気がするんだよな……。

 

 

「やあやあ、新海(にいみ)くん」

 

 

 すると俺に話しかけてくる数少ない人物がまた現れた。山崎。眼鏡をクイッと上げながら、メモ帳とボールペンを手に近づき、椅子に座った。

 

 

「あ~、山崎さん?」

 

 

「そう、新聞記者の山崎です。僭越ながら、新海くんにお聞きしたいことが……」

 

 

「俺と(みやこ)の関係について話すつもりはないぞ」

 

 

「あぅん、ひどい、まだ何も言ってないのに」

 

 

「最近その話しか聞いてこないだろ」

 

 

 山崎、わが校の部活、新聞部の部長である。毎月何かしらのまとまった記事を刊行したり、外部に取材に出たり、突如号外を出したりとなかなか忙しい部活のはずなのだが……。

 

 

「俺らのことを取材しても時間の無駄だと思うんだがなぁ……」

 

 

「いえいえ、あなたと九條さんの関係については我が部の最優先取材対象なんで、なんとしても口を割ってもらいますよ~」

 

 

「最優先取材対象ね~」

 

 

 まあ、注目される理由はわかる。学園のアイドルの恋愛事情なんて、新聞部にとって格好のネタだろう。

 

 

「だからって俺からいうことなんて……」

 

 

「言っておきますが……」

 

 

「なに」

 

 

「バレバレですよ」

 

 

「……」

 

 

「よくラウンドツーでデートしてますよね」

 

 

「なんでそれを……」

 

 

「ストーキングしてるんで」

 

 

 臆面もなく言い放ちやがったなこいつ。

 

 

「……だったらそれを記事にすればいいじゃないか」

 

 

「駄目ですよ、ストーキングしたことを記事にするなんて」

 

 

「じゃあなんでストーキングしてんだよ」

 

 

「ストーキングはあくまで情報を集めるための手段の一つでしかありません。記事にするにはちゃんと真っ当な方法で取材しないと」

 

 

「……そこらへんはちゃんとしてるんだな。要するに。記事にするには俺たちがデートしている場面を密かにすっぱ抜くだけでは駄目だと」

 

 

「そういうことです。私にも記者としてのポリシーがあります。相手に同意を得ぬまま憶測で記事を飛ばすなんてことはしませんよ」

 

 

 一応、記者としての矜持みたいなものはあるってことか。正直助かる。芸能人でもないのに○○砲とかごめんだぞ。

 

 

「それに……」

 

 

「それに?」

 

 

「パンチが足りません」

 

 

「ん?」

 

 

「パンチが足りないんですよ」

 

 

「パンチ?」

 

 

「そうですよ、特にこのクラスのみんなは薄々気づいてますからね、お二人が付き合ってること」

 

 

「……マジで?」

 

 

「マジです」

 

 

「…………」

 

 

 は、恥ずかしい。いや、薄々分かってはいたけどさ……。

 

 

「ですから、みんなが今更お二人がデートしていることを知ったところで『知ってた』ってなりません?」

 

 

「まあ……」

 

 

「私はこのクラス、学年、いや全校生徒があっと驚くような記事が書きたいんです。だから……もうカミングアウトしません?」

 

 

「……」

 

 

 悪くない提案ではある。どうせ、(みやこ)との関係は隠せない段階まで進んでいる…だが。

 

 

「やっぱり恥ずかしいわあ」

 

 

「まあそうでしょうね」

 

 

 全校生徒に交際発表するとか俺たちは芸能人にでもなったのか?

 

 

「……はぁ」

 

 

「ため息をつくと幸せが逃げていきますよ。あなたは十分すぎるほど幸せじゃないですか。あの九條都(くじょうみやこ)さんと交際できてるんですよ」

 

 

「それはそうなんだがなあ」

 

 

「カミングアウトするならなるべく早い方がいいですよ。私としても今が一番記事に脂がのりそうで好ましいのですが」

 

 

「……考えとくよ」

 

 

「あっ、どうせやるならもっとインパクトのある発表にした方がいいですね」

 

 

「例えばどんな」

 

 

「そうですね……交際発表ではなく、婚約発表とか」

 

 

「アホか」

 

 

「ひどい!」

 

 

 ちらりと時計を見ると。もう昼休みが半分過ぎようとしていた。

 

 

「あ~、さすがに昼食をとりたいんだがいいか?」

 

 

「もうそんな時間ですか、分かりました」

 

 

 そういって、山崎は一礼して自分の席に戻っていった。

 

 

「妙に律儀なところはあるんだよな」

 

 

 俺はいつものようにコンビニで買ってきたパンに食らいついた。たまに(みやこ)が弁当を作ってくれることもあるが、さすがに毎日というわけにはいかない。そして俺は今、喫緊の課題に直面している。

 

 

 先ほどの交際カミングアウトのことではない。確かにそれも重要な問題ではあるのだが。

 

 

「……さてどうしたものか」

 

 

 俺は学友と仲良く昼食を囲む(みやこ)を遠目に見ながら悩んでいた。

 

 

 話はつい昨日に遡る。

 

 

 

 

 

Day9.24

 

「やっき肉~、やっき肉~」

 

 

「あんまり食いすぎると太るぞ~」

 

 

「うっさいな、にいに、余計なお世話です~」

 

 

「あんたたち喧嘩してないでさっさと選んでちょうだい、ほらメニューはこれ」

 

 

「ははは、いいじゃないか」

 

 

 俺は妹の(そら)とおとんとおかん、要するに家族4人で焼肉に来ていた。

 

 

「いやー、半年で3回も焼肉行けるなんてほんと贅沢ですわ~、お父上さまさまですな~」

 

 

「俺は1回はぶられたけどな~」

 

 

「……」

「……」

「……」

 

 

「おい、なんだその顔!俺知ってるんだからな。俺抜きでちょっといい焼肉行ってたこと!」

 

 

「まあまあ、落ち着きなさいよにぃに」

 

 

「あ~今日の焼肉パーティーはそこらへんも含めて(かける)に詫びる会だ。食べ飲み放題だから遠慮なく頼むといい」

 

 

「これでも本当に悪かったと思ってるのよ」

 

 

「……」

 

 

 本当だろうか。

 

 

「ほらほら、今日はパーッといきましょうパーッっと!」

 

 

「いやあ、久しぶりの家族団欒だなぁ」

 

 

「ほんとほんと、ホホホ」

 

 

「……」

 

 

 こいつら、全力でなかったことにしようとしている。場を流そうとしている……。

 ……まあいいか。俺にも寛容の心というものがある。それに、俺は最近非常に気分がいいからな。

 

 

 とはいえ。

 

 

「分かった分かった。俺も水に流すから……はぶった理由だけ教えてくれ」

 

 

 一応理由ぐらいは聞いておかねばなんか納得いかない。

 

 

「……本当は(かける)も入れて4人で行くつもりだったんだ。だが3人暮らしになれてしまったせいだろうな、私は完全に失念していた」

 

 

「何を」

 

 

 なんだか嫌な予感がする。

 

 

「我が家の家族は4人じゃなかったか?とな」

 

 

「やっぱり俺の存在忘れてんじゃね~か!」

 

 

「すまない(かける)、3人で予約してしまったんだそして気づいたのは当日の数時間前…後は(そら)から聞いている通りだ」

 

 

「はぁ~」

 

 

 やっぱり俺家族内からはぶられてないか?家族がもう一人いたことにぎりぎりまで気づかないって。

 ……でもせっかくの焼肉に何か懸案事項を残して楽しめなくなっては本末転倒だ、うん、楽しもう、今を。

 

 

「あ~、わかったわかったもう今からまっさら、懸案事項なし、この焼肉を楽しんで行こう」

 

 

「そうそう、楽しもう~、うお~腹減ってきた、食うぞ~、超食うぞ~」

 

 

「はいはい」

 

 

 そうこうしているうちに(そら)が注文用のパッドを手にした。

 

 

「まっずは~、王道を行くカルビでしょ~、そして~時間のかかりそうな上ホルモンに~」

 

 

「あ、ごはん大盛り、おとんとおかんは?」

 

 

「私にも聞けよ!」

 

 

「お前が注文パッド握ってんだから自分で決めればいいだろ」

 

 

「なんだよぅも~」

 

 

 ご飯を忘れたら困るので頼んでおく。注文パッドをポチポチしながら(そら)がぶー垂れているが気にしないでおこう。

 

 

「私も」

 

 

「俺も」

 

 

「へいへい、4人前ね」

 

 

「あ、ソーセージとサラダも2人前注文してちょうだい」

 

 

「あいよ~」

 

 

「後飲み物もな~、ウーロン茶」

 

 

「あ~はいはい、忙しいなこれ」

 

 

そうして各々の注文が終わり、待つことしばらく。

 

 

「お、きたきた、さあ焼くぞ焼くぞ~」

 

 

 そんなこんなで焼肉に舌鼓を打つ中、何だかんだで家族4人での団欒というのも久しぶりだったもので自然と最近の俺のことに話題が振られてきた。最近どうだとか、勉強はできてるかとか、家族内でする当たり前の会話。

 

 

 そんな中で。

 

 

「それで(かける)、何があったんだ?」

 

 

「え、突然何」

 

 

 おとんがいきなり話を振ってきた。

 

 

「いや、今日のパーティーは(そら)に頼まれたってのもあるが、(かける)から非常にめでたい報告があると聞いたからそれを聞くためにだな、そのための焼肉だ」

 

 

「そうそう、(そら)が「絶対喜ぶから!」っていうから結構いい店にしたのよ」

 

 

 めでたい報告?そのための焼肉?

 

 

「……(そら)?」

 

 

「フフン……ちょいちょい」

 

 

 こいつ……笑ってやがる。そして俺だけに聞こえる声で話してきた。

 

 

「お兄様や、私ひじょーに重要なことに気づいてしまってですね」

 

 

「重要なこと?何だよ」

 

 

「ここ半年で、にぃにの身に大きな変化がございませんでした?」

 

 

「……まあ、あったな」

 

 

「それで~、親に報告しないといけないこと、あるんじゃないですか?」

 

 

「……」

 

 

 確かに、ある。(みやこ)のことだ。

 

 

「みゃーこ先輩が作ってくれるご飯代はお父さんたちからでてるから、そろそろね……本当のこと言った方がいいかなぁ~と思いまして」

 

 

「まぁ、そうだな……」

 

 

 俺は(みやこ)からちょくちょく夕食を作ってもらっているわけだが、その代金は(みやこ)も含めてうちの親から出ている。

 

 

 だから、そろそろ本当のこと親に告げないと、それは不誠実だろう。

 

 

 とはいえ。

 

 

「最初に俺をホモ呼ばわりしたお前が言うことかね……」

 

 

「あの時はそれが最善だったのは……お兄様がよく分かっているのでは?」

 

 

「……最善……最善かねぇ……」

 

 

 (みやこ)に作ってもらう料理代を親に出してもらおうと発案したのは(そら)である。まあそれはいい、見事な発想だったと思う。ただ、作る人物を彼氏(・・)と偽ったせいで俺にあらぬ疑惑がかかったのも事実で……。

 

 

「それで、おめでたいことって何?」

 

 

「あ……えっと」

 

 

 業を煮やしたおかんから質問が飛んだ。

 

 

 息を整える、簡単だ。クラスメイトの女の子と正式にお付き合いを始めましたと言えばいいだけ。

 

 

「……」

 

 

 ……集中できん、というか恥ずかしい。

 

 

 その様子に(そら)が首をかしげ耳打ちしてくる。

 

 

「ちょいちょい、にぃに、クラスメイトと付き合い始めましたーっていうだけっしょ」

 

 

「恥ずかしい」

 

 

「おい」

 

 

 ドクンと心臓が震える。俺と(みやこ)が彼氏彼女の関係。それを親に伝える。意識するだけで動機が荒くなる。そんな時期は越えたと思ってたんだがなあ。

 

 

「にぃに」

 

 

「なんだ?」

 

 

「このままじゃお父さんとお母さんにホモ認定されるけどにぃに的にはそれでOKなの?」

 

 

「……というより本当に信じてるのかそれ?あからさまにウソっぽいだろ。彼氏とか、ホモとか」

 

 

「どうだろ、最初に説明した時以来、少なくとも私の前ではろくに話題に出てないから、たぶん……いや、どうだろ。にぃにの方には特に話はないんだよね」

 

 

「あぁ、金払ってるわけだしもしかしたら話を詰められるかもって思ったけど、よく考えたら突っ込まれたこと一度もないわ」

 

 

 正直不気味だ、息子がクラスメイトの彼氏から料理を作ってもらうからその分お金を出してほしい?どう考えても追及されるだろ。

 

 

「……おとんとおかんが何考えているか分からん」

 

 

「それをはっきりさせるためにさっさと言っちゃいなよ、彼女ができましたってさ」

 

 

 (そら)の言うことはもっともだ。だから俺も。覚悟を決める。よし、大丈夫だ。

 

 

「……その、なんだ、あの……」

 

 

「どうした、言ってみなさい」

 

 

「彼女が……できました」

 

 

「……」

 

 

「……もう一度、言ってくれ」

 

 

「彼女ができました……」

 

 

「……彼氏じゃないんだな」

 

 

「え」

 

 

「彼氏じゃなくて彼女なんだな?……信じていいんだな?」

 

 

 ……。

 

 

「……」

 

 

「“彼女”なんだな!」

 

 

 彼女の部分を強調してしゃべるおとんを見てあっけにとられる。

 

 

 まさか。

 

 

 ……まさか、まさか。

 

 

「本当に信じてたのかよ、それ!」

 

 

「いや、信じていたというか半信半疑とも言うべきか」

 

 

「今や、多様な関係が認められている昨今の情勢を鑑みて、(かける)がホモであるという可能性について、私たちの間では激しい議論が重ねられたの」

 

 

「あぁ~私の見てないところで真剣に議論してたってわけね」

 

 

 思ったより真剣に考えられていたんだな……。

 

 

(かける)がホモなら私たちにできることは静観することしかできない……だから援助の件は続行しつつホモの疑いはとりあえず棚に上げた。デリケートな問題だからな」

 

 

「……要するに、デリケートな問題には触りたくないから援助は続けつつ、様子見してたってこと?」

 

 

「ああ、その手の問題に踏み入るのが怖い」

 

 

(かける)に直接聞くのも何だか憚れたのよね」

 

 

 両親としては思春期の息子がもしかしてホモなのではという疑惑は割とアンタッチャブルな事柄だったかもしれない。

 

 

 ……だが、やることは決まった。それでおとんとおかんの心を苛んでいるとしたらやるべきことはもう一つしかない。

 

 

「おとん、おかん、俺は彼女ができた、彼氏じゃない。安心してくれ」

 

 

(かける)に彼女ができた」

 

 

(かける)に彼女……」

 

 

 両親とも固まっている。まだ情報を整理しきれていないのだろう。

 

 

「お、おめでとう」

 

 

「おめでとう、(かける)

 

 

「ありがとう、おとん、おかん」

 

 

 ギクシャクした会話だがほどなく元に戻るだろう。いつもの家族団欒に。

 

 

 

 

 

 

 

 まったく、疑惑一つ解消するのにすげ~疲れた気がする。とはいえここからが本番なのだが。

 

 

 そして

 

 

 いつの間にか質問の雨あられが飛ぶようになっていた。

 

 

「彼女さんの名前は?名前!」

 

 

「え~っと九條都(くじょうみやこ)さん」

 

 

「どんな感じで出会ったの?」

 

 

「同級生でクラスメイトなのと、ちょうど行きつけの喫茶店でバイトしてたから地味に接点があったのが春先のことで……」

 

 

「どんな子なんだ?」

 

 

「……」

 

 

 説明することが多い。俺だけでは捌ききれない。

 

 

 俺は(そら)に目配せする。要するに“助けてくれ”

 

 

「……うむ、私もにぃにの彼女さんとは友達だから私も一緒に説明しますよ~」

 

 

 (そら)はニッと笑い、話始める。さすがわが妹、気が利くじゃないか。

 

 

「みゃーこ先輩……私はそう呼んでるんだけどね…これがなんと可愛くてお金持ちで料理も上手っていう完璧超人なんですよ」

 

 

「か……完璧超人」

 

 

「想像がつかないな……」

 

 

「そして、なんと……!あの、『コロナグループ』の社長令嬢にあらせられるのです!」

 

 

「……コロナ?あの大企業の?」

 

 

「そうですそうです」

 

 

「……」

「……」

 

 

 おとんとおかんが固まってる。まあそりゃそうか。

 

 

「か、(かける)、あんた……」

 

 

「……(かける)

 

 

 なんかすごくただならぬ顔でこっち見てるんだが。

 

 

「何だよ」

 

 

「あんた、そんな子のどんな弱みを……」

 

 

「握ってね~よ、失礼な」

 

 

「じゃあそういう設定のレンタル……」

 

 

「レンタルでもね~よ!」

 

 

 あ~、やっぱり許すのやめようかな……。

 

 

「だっていくらなんでも都合がよすぎるじゃない。美人でお金持ちで料理も上手って何その男の理想欲張りセット」

 

 

「ちなみにめっちゃスタイル抜群で、気品にあふれてて、成績もいいです」

 

 

 (そら)がさらに付け加える。

 

 

「ほら~、いくらなんでも盛りすぎでしょ、ちなみに美人てどれくらい?」

 

 

「ん~、国民的アイドルグループのセンター張れるくらい」

 

 

(かける)、自分の妄想、彼女さんに押し付けるのはよしなさいよ、長続きしないから」

 

 

「いやいや、本当に嘘はついてないんだって!」

 

 

(かける)

 

 

「なに」

 

 

「彼女さん、……本当にいるのか?」

 

 

「いるし!ちゃんといるし!」

 

 

 存在自体怪しまれてる!

 

 

「ねえ、にぃに」

 

 

「なんだ」

 

 

「改めて考えると、みゃーこ先輩って完璧すぎて現実味無いよね」

 

 

「……」

 

 

 美人、上品、グラマー、成績優秀、料理上手、お金持ち。

 

 

「女性としてのあらゆるステータスがカンストして、現実にいると不自然な存在になってるんですよ」

 

 

 彼女がハイスペックすぎて、存在を信じてもらえねぇ。

 

 

 どうすればいい。ここから(みやこ)が実在して俺の彼女だと信じてもらうにはどうしたらいい。

 

 

「そうだ!にぃに、みゃーこ先輩の写真ない?」

 

 

(みやこ)の写真?」

 

 

「そう、写真があればこんな人ですよ~って説明しやすいじゃん」

 

 

「そうか、なら…」

 

 

 俺はスマートフォンのアルバムから(みやこ)の写真を探し始めたのだが……。

 

 

「ない……」

 

 

「ない?」

 

 

「いろいろあったからな~、それで写真撮る機会は何だかんだでなかった」

 

 

「こいつ、彼女の写真1枚も持ってないとかないわ~」

 

 

「うっせえわ、お前は(みやこ)の写真とか持ってたりしないのか?」

 

 

「ん~、ちょっと待ってね~」

 

 

 今度は(そら)が自分のスマホから写真を探し始める。

 

 

「ふ~ん、う~ん、確かにないな」

 

 

「だろ?」

 

 

「あ、いや、一枚だけあった」

 

 

「マジで?」

 

 

「そう、これこれ」

 

 

 (そら)がズイっと俺に見せつけたのは…。

 

 

「おい、これは……」

 

 

「じゃじゃ~ん、フェスでコスプレしてるみゃーこ先輩でした!」

 

 

 (そら)のやつ、いつか何らかの機会に脅しの道具として使えるとかのたまってたがここで出してくるか。

 

 

「それで、お父さん、お母さん、これがみゃーこ……」

 

 

 (そら)が両親に写真を見せかけた手を素早く俺は止めた。

 

 

「待て、(そら)

 

 

「どうしたの、にぃに」

 

 

「どうしたのじゃね~よ、どうなの?」

 

 

「何が?」

 

 

「両親に最初に見せる彼女の写真がコスプレ写真ってのはどうなの?」

 

 

「いや、だってこれだけしかないし」

 

 

「だからってコスプレ写真見せることはないだろう?写真はちゃんとしたのを必ず持ってくる、だからそれを見せるのはナシだナシ」

 

 

 両親に見せる彼女の初写真をコスプレ写真にするわけにはいかない。だいたい(みやこ)も嫌だろう。

 

 

「あのさ、にぃに」

 

 

「何だ」

 

 

「わざわざ写真撮ってくるなんてまどろっこしいことせずにさ、連れてくればいいじゃんみゃーこ先輩」

 

 

「……(みやこ)を連れてくる、実家にか?」

 

 

「そうそう、そしたらさ直接挨拶できるじゃん、確かみゃーこ先輩もお父さんとお母さんに会いたがってたと思うけど」

 

 

「……確かにそうだったな」

 

 

 盲点だった、(みやこ)の存在を半信半疑な思いで見ている両親には直接会ってもらった方が分かってもらえるだろう。

 

 

「でしょでしょ。お父さんとお母さんもいいよね」

 

 

(かける)が彼女を連れてくるなんて夢みたいねえ」

 

 

「そうと決まれば日程の調整だ、(かける)、ぬかるなよ」

 

 

「それはとりあえず(みやこ)に聞いておく、だけど肝心なこと忘れてない?」

 

 

「何を?」

 

 

「今、焼肉食ってるってる途中」

 

 

「あ」

 

 

「まったく、せっかくのパーティで満足いくまで食べられませんでしたなんて中途半端な落ちはやめてくれよ」

 

 

「ははは、パーティの始まりだ、(かける)の初彼女に乾杯!」

 

 

 その後も家族団欒に花を咲かせ、うっぷんを晴らすように食いまくった。

 

 

 こうして焼肉パーティは幕を閉じた。

 

 

 (みやこ)を実家に誘うという至上命題を残して。

 

 

 

 

 

 

 

(みやこ)、ちょっと中庭で話さないか」

 

 

「うん、いいよ」

 

 

 今日の授業が終了し、放課後となった。あるものは部活動へまたある者は帰宅の途につく中、俺と(みやこ)は中庭に向かった。

 

 

「どうしたの、(かける)君」

 

 

「えっとだな……」

 

 

「今度さ、俺の……家にだな来てほしい」

 

 

「?(かける)君のお部屋なら、今日もこの後買い物の後に行くよ?」

 

 

「いや、俺の部屋にじゃなくて俺の家に来てほしいんだ」

 

 

「……もしかして、ご実家に?」

 

 

「ああ」

 

 

「……」

 

 

(みやこ)?」

 

 

「いよいよ、来たかなぁと思って。前々から思ってたの。お、お父様と、お母様に挨拶したいなぁって」

 

 

「そ、それで来てくれるか?」

 

 

(かける)君のご家族に不都合がなければ、いつでも、あ、でもバイトの日とかぶらないように気を付けないと」

 

 

「日程はこれから調整だな」

 

 

思った以上にスムーズに誘うことができた。緊張しすぎたな。

 

 

「うん」

 

 

「それとさ、もう一つ」

 

 

「うん?」

 

 

「俺たちの関係ってその、一応周囲には言ってないわけだけど」

 

 

「あ、うん」

 

 

「なんかもうクラス中にばれてるっぽいんだよな」

 

 

「……だよね、私もなんとなくそう思ってた」

 

 

「最近はバレないように気を使いすぎて逆に疲れてしまってると思うんだ」

 

 

「だから(かける)君は私たちの関係を公にした方がいいって思うの?」

 

 

「公にするだけじゃない、俺たちの関係もそろそろ次の段階へ進むべきだと思うんだ」

 

 

「次の段階?」

 

 

「なんというか……『密かに二人だけで恋人生活を送る段階』から、『周囲にからかわれながらも自由に自分たちの時間を過ごすことができる段階』というべきか……」

 

「まあ、クラスから認められた恋人関係って言うべきなのか。そういうステップアップが必要なんじゃないかと思ってさ」

 

「そうすれば、ごまかす必要はなくなるし、周囲とも自然に溶け込める。みんなで笑いあいながら、もっと楽しい学校生活が送れるかもしない……」

 

 

 一通り話して気が付く、俺しか喋っていない。一方通行だ。

 

 

「あ~、すまん。俺の勝手な推測だ。(みやこ)がどうしてもと言うなら……」

 

 

「……やっぱりすごいね、(かける)君は」

 

 

「え?」

 

 

「私は今の関係が長く続けばいいなあ……としか考えてなかったのに、(かける)君は先を見ている」

 

「関係を暴露することでステップアップを狙うだなんて私には考えられない」

 

「最終的にそうして学校生活を楽しくしようだなんて。私にはできない発想。……やっぱり(かける)君は私を導いてくれる」

 

 

「あ~、だから今のは俺の勝手な推測だって」

 

 

(かける)君」

 

 

 (みやこ)がこちらを向く。

 

 

「私も勇気を出してみようと思う。もっと先の関係へ(かける)君と進みたい……」

 

 

(みやこ)……」

 

 

 夕日が中にはに差し込む中、2つの影が1つになった。

 

 

 

 

 

Day 10.9

 

 

 

(みやこ)、準備いいか?」

 

 

「うん、ばっちり」

 

 

 そして当日、(みやこ)と共に起床した。

 

 

 ……なんで(みやこ)と一緒に朝を迎えているかというと。実家訪問に合わせて前日に俺の部屋でお泊りデートを敢行したからである。

 

 

 ……一緒に朝を迎えたからって、いやらしいことは一切してないぞ。本当だからな。

 

 

 ……誰に向かって言ってるんだ俺は。

 

 

 いや、確かに背中を流してもらったり、結局一緒に湯船につかったり、一緒のベッドで寝たりしたけれども。

 

 

「……」

 

 

 今思うと、なんで俺は手を出さなかったんだろう。付き合った直後だったら間違いなくR18コースだったのは間違いない。

 

 

 あの頃は(みやこ)の命がかかってたり、恋人になった直後だったのもあるが我ながらかなり大胆なことをしていた気がする。

 

 

 ……(みやこ)の能力があるからってのを免罪符に平然と最後までやってたなぁ……。さすがに今はゴムとか使用して細心の注意を払っているが…。

 

 

 ……本当に俺は誰に言ってるんだ。

 

 

「……?どうしたの(かける)君」

 

 

「いや、何でもない。行こう(みやこ)

 

 

 そう言って俺は部屋の鍵を閉めた。

 

 

「そういえば、(そら)ちゃんからのメッセージはどういうことなんだろう?」

 

 

「ああ、『二人ともなるべくラフな服装で来るように』だっけか」

 

 

「何するんだろう、バーベキューとかかな」

 

 

「この前焼肉食ったばっかりだからなあ、よく分からんけど従っとくか」

 

 

 このメッセージを受けて、俺たちの服装は若干ラフめになっている。

 

 

 マンションを降りて二人で駅に向かう、道中はとりとめもない話をしながら、尺をつなぐ、移動するのはたった一駅。だが、異様に長く感じた。彼女を実家に連れていく。その事実があまりにも俺の頭を占拠していた。

 

 

「……」

「……」

 

 

 (みやこ)も俺の雰囲気を察してか何もしゃべらない。……が最寄り駅(といっても一駅だが)に降りたところでようやく口を開いた。

 

 

(かける)君…」

 

 

「な、なんだ」

 

 

どもってしまう。

 

 

「やっぱり、緊張してる?」

 

 

「え?」

 

 

「私ね、お母様にどうやって挨拶するかずっと考えてたんだけど…」

 

 

「お、おう」

 

 

昨日のお泊りデートの時にも挨拶の練習してたな…。だいぶ緊張していたが。

 

 

「一応何をしゃべるのかは決めたけど…」

 

 

「けど?」

 

 

「うぅ……あれでもない、これでもないって後から後から代案が出てきて混乱しちゃう」

 

 

「俺も」

 

 

「え」

 

 

「親にどうやって(みやこ)を紹介するのか、後から後から代案が出てくるんだ」

 

 

「それって……」

 

 

「ああ、お互い様ってことさ」

 

 

「ふふ、お互い様」

 

 

「もう当たって砕けろだ。さっさと行こう」

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

そうしてついに俺たちは実家へとたどり着いたのだった。

 

 

「ここだ」

 

 

「ここが……(かける)君のご実家……」

 

 

「普通の一軒家だろ、特別なことはない、むしろ狭いぐらいだ」

 

 

「でも……ここで(かける)君が育ったんだって考えると何だか感慨深いよね」

 

 

「それは……まあ」

 

 

 なんだろう、最近はあまり帰ってこないから実感が薄れていたがここが俺の家なんだな……。あと……。

 

 

「なんか…。自分の家のはずなのに、城を訪れているような気分だ」

 

 

「ははは…」

 

 

 やっぱり俺も緊張してるな。

 

 

「一応、鍵持ってるけど、インターフォン鳴らせって言われてるからそうするか……(みやこ)、準備はいいか?」

 

 

「うん…!」

 

 

 意を決して。

 俺はインターフォンを鳴らした。

 

 

「……」

「……」

 

 

インターフォンの音が響く。

 

 

「………」

「………」

 

 

ん?

 

 

もう一度インターフォンを鳴らす。

 

 

「…………」

「…………」

 

 

 反応がない。

 

「ご不在?」

 

 

「いや、そんなはずは、時間通りのはずだぞ」

 

 

「スマホを素早く起動し、時間を確認する」

 

 

 十二時ちょっと過ぎ。

 時間はばっちりなはずだ。

 

 

「どうしたんだろうね……」

 

 

 (みやこ)が玄関ドアに手をかける。

 

 

 すると。

 

 

「あっ……」

 

 

ドアにはカギが掛かっていなかったようであっさり開き。

 

 

「いっえ~い、にいやんの幸せ者め!これでもくらえ~」

 

 

と言って玄関内でスタンバってたであろう(そら)が。

 

 

 

 

(みやこ)の顔面に向けて全力のパイをぶちかました。

 

 

 

 

「どうだ、にいやん、これがアメリカンスタイルの挨拶だ、私の日ごろの恨みつらみを思い知れ……ってあれ?」

 

 

「……」

 

 

 あまりの惨状に俺は言葉を失った。

 

 

「にぃに、なんでそこにいるの?」

 

 

(そら)……早くその手をどけろ」

 

 

 そう言うことしかできなかった。普段ならデコピン一発ぶちかますところだが、今はそれどころではない。(そら)はいったい誰に対してパイをぶちかましたのか遅れて理解した。

 

 

「そ……そら……ちゃ……」

 

 

「みゃ……みゃーこ先輩ぃぃぃぃぃ!!」

 




始めちゃった。続きます。

今回の話は最後まで書ききってるので完結保証します。
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