1話
京王電鉄京王線府中駅。
俺はある人を待っていた。
…多分、もうすぐ来るんだろうけど。
「えーと、来るのは北海道出身の…」
そう資料を漁る俺に声がかかる。
「お、君が来てるってことは今日も新しい子が来るのかい?」
声の主は今となっては顔なじみであるここの駅員さんだ。
「ええ、毎回の恒例行事ですしね。編入生ですけど中々な力持ってるみたいです」
俺は駅員さんにそう返す。
まあ、問題はないことはないが、問題のない方がおかしいだろうし。
駅の電光掲示板を見て、俺は時計を確かめる。
それと時を同じくして、列車の到着するチャイムが聞こえてくる。
…もうすぐか。
俺は首元のリボンを締め直して、身だしなみを整える。最低限は整えとかないと。
…そういえば、俺のことを話してなかった。
俺の名前はシンボリハンター。
かの有名な七冠ウマ娘、シンボリルドルフの双子の妹で、転生者だ。
◇ ◇ ◇
俺が生まれた頃からいつだって昔からルドルフ…、いやルナは俺の前を進んでいた。
小さい頃からルナに勝てたことは一度もなかった。
同じ年齢で優劣があるものが二人いたとして、どっちを優先するかと言われれば、優秀な方を選ぶのは自明の理だ。
…とはいっても特に寵愛してたのがルナであって、俺にも両親はそれなりに愛情は注いでくれた。
いじめられたとか、そんなことはなかったから問題はない。
とはいえ、いくら俺が頑張ったところで周りからの評価は「ルドルフの妹だから出来て当然」というのが最大だった。
できなかったときは、「ルドルフの妹のくせになんでできないんだ」というのが俺の日常だった。
そして中学校進学時、ルナに「学校はどこにするんだ?」と聞くと、「トレセン学園に決まっているだろう」と返された。
もとより、ルナは象徴となれるようなウマ娘を目指した英才教育がされていた。そう考えることは当然だろう。
ちなみにだが、俺はそんな教育は最低限…、といった所だ。
俺がこのままルナと同じようにトレセン学園に進んだところで、ルナを越えることはできない。
俺が中央ではなく地方のカサマツトレセン学園に入学を希望するのに理由はそれだけで十分であった。
そのことをルナに告げると、俺はルナに壁に押し付けられた。
「なあ、ハンター。今なんて言ったんだ?」
「二度も言わせんなよ、ルナ。…カサマツに行く。中央には行かない」
俺の言葉にルナは強い口調で言い返してきた。
「何故だ、お前の実力なら間違いなく入学できるはずだろう!トゥインクルシリーズでも活躍できるはずだ!お前が地方に行く必要はない!」
「それがあるんだよ、ルナ」
俺はそう言いながら話を続けていく。
「ルナ、俺がお前を越えるためにはお前と同じところじゃダメなんだよ。
いくら俺が頑張ったところで、ルナが同じくらい頑張ってたら意味がないんだ。
そのために手っ取り早くできるのは環境を変えること。
あえて厳しい環境に置いた方が俺は成長できると思ってるし」
俺の言葉にルナは「だが…!」と唇を噛みしめながら続けるが俺はそれを遮るように話す。
「…それに、俺は必ず中央に入る。ローカルシリーズで俺という実力を見せつけてな。
スカウトは入学試験とか編入試験より厳しいらしいけど、そんな壁を越えれなくてお前という壁を越えれるかよ」
「…地方に行ったらクラシック三冠は参加できないぞ。それでもいいのか?」
俺は「もちろん」とルナの言葉に続けていく。
「どうせ、3つともルナが取るだろ?…ルナを越えるためなら三冠なんてどうでもいい」
「…必ず、中央に来てくれるんだな?」
「ああ。それだけはな。
約束するよルナ、必ず」
俺の真剣な表情で、ルナは分かってくれたみたいだった。
◇ ◇ ◇
その後、デビューから10戦10勝という怒涛の快進撃を見せ、中央のスカウトを受け、今に至るという訳である。
…少し自分語りが長くなってしまったか。
そう考えているうちに今日来る編入生が乗って来たであろう電車は発車していった。
…さあ、ご対面させてもらいますか。
未来の日本総大将とやら。
俺は『スペシャルウィーク』と書かれた資料に目を通しながら改札に現れるのを待った。
…シンプルな作品単体を書くのはこれが初めてです。
ちなみにゲーム未経験で2期のテイオーを見て「テイオー!」と叫んだだけのにわかですので解釈違いなど様々な違いが出ることが多数だと思います。
終了目標は1期の完走。合間合間やアニメ終了後にうまよんネタやアプリネタを入れていきたいなと。
BNWの誓いは自身の金がないのでできるかどうかは不明です…。なんでウマ箱って1万近くするんだよ…。