今回は個人的な解釈が大幅に含まれています…。
後、いつもに比べると倍くらいの長さがありますのでご注意を。
「ホラよ、シリウス」
アオハル杯が終わった後、俺はシリウスにペットボトルを渡す。
辺りは暗くなっており、俺とシリウス以外に人気はない。
「…ちっ、今回は私とお前の利害が一致しただけだハンター」
シリウスはペットボトルを受け取ってそう返してくる。
「お前のおかげで勝てたよ。
手伝ってくれてありがとな」
「私がそこらのウマ娘に負けるなんてありえねえ。
お前もそれが分かってて私を呼んだんだろ?」
「ああ、良く分かってるな」
俺が微笑みながらそう返していくと、シリウスは「会長サマ以外でお前を一番知っているのは私だからな」と返してくる。
俺はシリウスの横に座ってスポドリを飲んで話しかける。
「…シリウス、色々話させてもらうけどいいか?」
「別に構わねえさ、ここには私達しかいねえしな」
シリウスはそう返してくるので、俺は続けていく。
「…正直、お前を誘ったときはああいわせてもらったけど、お前は俺の誘いに乗ってこないって思ってたんだ。
終わった後だから言わせてもらうけど、オグリやタマ辺りを誘う準備も同時並行でしてたしな。
…シリウス、お前はなんで俺の誘いを受けてくれたんだ?
ルナがいることはお前も予想したって言ってただろ?」
俺がそう聞くとシリウスは「さっきも言ったはずだ」と続けてくる。
「私とお前の利害が一致した、それだけのことだ。
会長サマがいるとかいねえとかは問題じゃねえよ。
理事長代理の管理教育プログラムを潰すためには、お前の策を利用させてもらうのが一番だと思ったからな」
俺はそう話すシリウスに向けて続けていく。
「…それだけじゃねえだろ?」
「ああ?」
そう聞き返してくるシリウスに俺は返していく。
「俺とお前の利害が一致した…。
お前がそれだけで動くウマ娘じゃねえってことは俺が一番知ってるよ。
…正直なところ、何が原因だったんだ?」
俺がそう話していくと、シリウスは夜空を見上げる。
「…久々にお前と走って見たいって思ったんだよ」
シリウスはそう言いながら続けてくる。
「…覚えてるか?お前がカサマツに行くって決めたときの私の顔を」
俺は苦笑いしながら話していく。
「ああ。あの時のお前はみっともなかったよな」
俺がカサマツへ行くとシリウスに伝えた時、シリウスは俺に「ざけんじゃねえ!」と涙を浮かべながら叫んできた。
今のシリウスからは予想できないような表情だったと記憶している。
「あのときの私は、ルナのやつはもちろん、お前にも勝つことが出来なかった。
ルナに全く勝つことができなかったころのお前によ。
…そんなお前がカサマツに行くって知った時、私は逃げたと思ったんだ。
ルナに勝てないお前自身、そしてお前に勝てない私からな。
いずれこっちに帰ってくると思ってても、その気持ちはずっと晴れなかった。
やっとこっちに来て戦えると思ったら今度は世界への挑戦、おまけにトゥインクルを引退する大怪我と来た。
私がようやくダービーを取ったってのに、また逃げんのかって思ったよ。
それで大怪我から引退した後はダートに移籍だと?」
シリウスはそこで少し言葉を止めると、改めて俺に叫んでくる。
「…ふざけんのも大概にしやがれ!
お前がルナっていう存在を追いかけていたのと同時に、私はルナとお前、2人の存在をずっと追いかけてんだ!
お前が追跡者だと思うんじゃねえ!
お前は追跡するものと同時に追跡されるものなんだよ!」
シリウスはそう叫んだあと、俺に改めて話してくる。
「お前に誘われたあの瞬間、…私は嬉しかった。
…久々にお前と一緒に走れるのかってな。
併走トレーニングも、生徒会副会長って役職を持ったお前と、落ちこぼれどもをまとめる私とじゃ出来る筈がねえからな。
…レース前日、5人全員がガチで走ったあの模擬レースの感触。
あの時、久々にルナやお前と走れて私の中の心が少し満足した気がしたんだよ。
それだけでもお前の誘いを受けた価値があった。今の私はそう感じてるよ。
…ありがとう、ハンター」
…シリウスがこんな言葉をいうのは滅多にない。
それだけ感謝してくれてるのだろう。
「そんな言われるほどじゃねえよ、感謝を伝えるのは俺の方だ。
…それに生徒副会長って役職を持ってるってのにお前の気持ちにも気づいていなかった。
すまなかったな、シリウス」
俺はそうシリウスに返していく。
「…お前がルナの奴に思ってる感情と一緒だよ。
追いかけられる奴には追いかけるやつの気持ちは分からねえ。
お前が一番知ってるはずだ」
「ああ、その通りだな」
俺が苦笑いしながらそう話していくと、シリウスは続けてくる。
「それに、お前よ。
わざわざ私たちのために時間作ってくれてるんだろ?
…自分のトレーニングの時間を削ってまでよ」
「…ん、なんの話だ?」
俺がそう聞くと、シリウスは「とぼけんじゃねえよ」と返してくる。
「1週間に1回あるかないかぐらいで、走るには絶好の時間なのに誰もいない時がある。
お前が調整して、私達のための時間を作ってくれたんだろ?
あいつらは「ちょうど誰もいない時間があるんです!」って言ってるけど、バレバレなんだよ。
私にしたらな」
…シリウスの言っていることは事実である。
いま俺が出来る最大限のサポートがこれである。
アイツらは確かに罰則などでまともに練習できなくなった、だが走りたいっていう気持ちを捨てたわけじゃない。
少しでもサポートするために俺のトレーニング時間の一部をこうさせてもらった。
「…お前がそう思うなら、そう思ってもらったらいいよ」
俺はシリウスにそう返していく。
…そんな中、俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
「…ここにいたか、ハンター」
「…ルナか」
「…ちっ、会長サマか」
ルナである。
「ルナ、どうしたんだ?」
俺がそう聞くと、ルナは話してくる。
「…門限だからな。ヒシアマゾンにどこにいるか知らないかって言われたんだ」
「そうか、もうこんな時間か」
時計を見るともう遅くなっており、門限の時間はとっくに過ぎていた。
俺がそう話すと、ルナはシリウスに話してくる。
「…シリウス」
「…なんだよ」
ルナがそう話すと、シリウスは不機嫌そうに返していく。
「…改めて言わせてもらうよ。
私達を手伝ってくれてありがとうな、シリウス。
生徒会長、そしてシンボリハンターの姉として礼を言わせてもらうよ」
「…ハッ、利害が一致しただけだ。
お前と一緒のチームになることは二度とねーよ」
シリウスの言葉にルナは「そう言わないでくれ」と続けていく。
「…ここには私達3人しかいない。
色々話そうではないか。
シリウス、ハンター」
「別にいいけど、門限は守らなくていいのかよ?」
「ああ、生徒会長であるお前が守らなかったら、門限なんてルール、破り放題になるぜ?」
俺とシリウスがそう言うと、ルナは苦笑いしながら話してくる。
「…生徒会長ではなく一人のウマ娘、シンボリルドルフとして君たち二人と話したいと思ったんだ。
聞いたらハンターの他にシリウスも帰ってきていないと言うことだったからね。
私も、こっそりと抜け出してきたんだよ」
それを受けて俺とシリウスはルナに返していく。
「そうか。なら、思う存分話そうぜ、ルナ」
「お前の改善点、思う存分追及してやるよ。…ルナ」
「…シリウスにそう呼ばれるのはいつぶりだろうか」
ルナは笑みを浮かべながら、俺達の言葉にそう返した。
アオハル杯編、これにて終了です。
なかなか構想が思いつかなかったんですよね…。
シンボリハンターというウマ娘視点で書いていく都合上、シリウスは絶対に入れたいと思っていたので。
…これからの展開ですが、この作品はひとまずここで一区切りとさせてもらいます。
これからのストーリーはイベントストーリーで面白そうなものがあれば絡ませていく予定です。
更新頻度は大幅に低下すると思ってもらって結構です。
読んでいる皆さんと私とでは、解釈違いが色々とあったと思います。
…それでも今まで、この作品を読んでいただいたみなさん。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!