無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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2話 彼女は狩人

 

 倉庫から出てきたのは、先ほどまでターフを走っていたシンボリルドルフであった。

 

(なんでここに…、でも聞くしかないか)

 

 自分は彼女の元へと歩み寄っていく。

 

(あの、少しいいかな?)

 

 自分がそう話しかけると、彼女は書類に向けていた顔をこちらに向けてくる。

 

「…ん、どうされました?」

 

 彼女に「迷ってしまったみたいなんだ」と話すと彼女は丁寧に返してくれる。

 

「そうですか…、確かにこの学校広いから迷いますよね…。

 

 三女神様の像のとこまでならご案内できますよ。

 

 俺も、作業はもう終わったんでね」

 

 三女神様像まで連れて行ってくれるのであればその後は大体わかる。

 

 自分は彼女に「ありがとう」と伝えて、彼女の後ろを着いて行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …しばらくの間、自分は彼女の後ろを着いて行っていた。

 

 静寂が辺りを支配する中、我慢できなくなった自分は彼女に話しかける。

 

(…あの、さっきの走りは凄かったよ)

 

 そう話すと彼女は怪訝そうな表情を見せる・

 

「え、俺は走ってないっすよ。

 

 今日はずっと備品の管理してますし…」

 

 その言葉を受けて、自分の中に?マークが浮かんでいく。

 

 一瞬の沈黙が流れて、彼女は何かに気づいた表情を見せる。

 

「…もしかしてあなた、俺じゃなくてルドルフのことを言ってるんじゃないですか?」

 

(え…?)

 

 自分がそう声を発すると、改めて彼女は話してくる。

 

「…そういや言ってなかったっすね。

 

 俺、シンボリルドルフの妹、シンボリハンターです。

 

 紛らわしくて申し訳ないっすね」

 

(あ、ご、ごめん!)

 

「いや良いんすよ。よく言われるので慣れてます」

 

 自分は慌ててそう頭を下げると、彼女は手をヒラヒラとさせて「大丈夫」という態度をみせる。

 

 シンボリ、ハンター。

 

 

 

 確か最近カサマツから移籍してきたウマ娘だったはずだ。

 

 さっき走っていたシンボリルドルフの双子の妹だと聞いている。

 

 …にしても、シンボリハンターと言えばだ。

 

(トレードマークのサングラスはどうしたんだ?)

 

「実はさっき片付けしてるときに割れちゃったんですよ。

 

 自分には怪我なかったのは不幸中の幸いでしたけど。

 

 部屋に戻れば予備があるんすけど、いちいち戻るのは面倒くさいですし無くても支障はないんでね」

 

 ハンターはそう言ってポケットにしまっていたレンズが割れてしまったサングラスを見せてくれる。

 

「にしても、ルドルフの奴の走りを見て来たんですか?」

 

 自分は彼女の言葉に「うん」と返す。

 

(スピード、足捌き…、すべてが今まで見たウマ娘とは違っていた。

 

 凄かったよ…)

 

 自分の言葉にハンターは「そうでしょう?」と肯定する。

 

「…それに加えて生徒会にも入っていて、次期会長は間違いないとまで言われてます。

 

 抜けている所もほとんどないですし、俺の自慢の姉ですよ」

 

 ハンターはルドルフのことをそう賞賛して行き、そのまま話を続けていく。

 

「…でも、俺はそんなアイツとずっと比較されてきたんですよ。

 

 アイツに出来て俺に出来ないってことがずっと続いてたんすよ。

 

 姉妹って、嫌でも比べられるんすよね…。」

 

 そう話す彼女の目には悲壮感があった。

 

(…あ、ごめん…)

 

 自分は改めて彼女に謝ると彼女は「こちらこそです」と返してくる。

 

「愚痴に付き合わせて申し訳ないです。

 

 ホント、すみません」

 

 彼女がそう歩きながら頭を下げると、見知った像がみえてきた。

 

「…着いたみたいっすね」

 

 彼女は自分にそう話してくる。

 

(…助かったよ、ありがとうなハンター。)

 

「いえいえ、愚痴に付き合わせて申し訳ないです。

 

 お気をつけて行って下さいね」

 

 彼女とそう話して別れようとすると、彼女は改めて話してきた。

 

「…そうだ。この日って空いていますか?」

 

 彼女が示してくれたのは近日に存在する選抜レースの日程である。

 

「…この日、走る予定なんですよ。

 

 見たところここに来たばっかりの新人トレーナーさんっすよね?

 

 実は俺、こっちでのデビューのためにトレーナー探してるんですよ。

 

 良ければ見に来てくださいませんか?」

 

 彼女はそう聞いてくる。

 

 もとより、この選抜レースはサブになるかどうか関係なく見に行こうとすでに決めていた。

 

 学園所属のトレーナーとして、断る理由などないだろう。

 

 自分は彼女の言葉に二つ返事で首を縦に振った。

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