新幹線と在来線を乗り継ぎ、トレセン学園に到着した。
「…ようやく、着いたな」
入り口の前で俺はそう呟く。
ここまで長かったな…。
そう思いながら、俺は校内へ入っていく。
校内は広々とし、いくつもの校舎が立ち並んでいる。
そんな中、俺の目の前に大きな像が立っていた。
「…これが3女神様の像、か」
俺たちの先祖をモチーフにした三女神像。
何か不思議なオーラを漂わせる像の前で、俺は一度立ち止まる、
「…どうか、俺を見守っててください」
像に向かってそう呟き、俺は再び歩き始めた。
◇ ◇ ◇
「ありがとうございました、失礼します」
書類を理事長に渡した後、俺は一礼してその部屋を出る。
理事長の隣にいたたずなさんから、様々な書類を受け取った。
そしてカサマツから直接学校に送り届けて置いた荷物は全て寮の部屋に届けられているらしい。
ちなみにここには栗東寮と美浦寮の2つの寮があり、俺が配属されたのは美浦寮の方である。
授業やトレーニングが始まるのはこの週明けで今日は土曜日。
それまでは部屋でゆっくりさせてもらうとしようか。
そう思いながら、俺は案内された寮への道を進んで行った。
◇ ◇ ◇
「シンボリハンターね。噂には聞いてるよ。ルドルフの妹なんだってね?」
「まあ一応。どうっすかあいつは?」
俺が寮長にそう聞くと、「ヤバいよ?」と返してきた。
「この前の皐月もそうだったけど、同期の子たちとは一線画してるね。
お前も大変だね、あんな姉持って」
「まあ慣れましたよ。
…それで、荷物は部屋に届いてるんですよね?」
「ああ。段ボールで部屋の中に積んであるよ。
食品とか、すぐに開けないと駄目なものは無かったよね?」
「なかったはずです」
「それなら良かったよ。
部屋、案内するから着いてきて」
俺は寮長に言われるまま、部屋へと向けて歩いていく。
「カサマツでどうだったかは知らないけど、ウチは全部2人部屋なんだ。
卒業とか転校で一人になったりすることはあるけど、そこは分かっておいてね」
「了解です」
俺がそう答えると、寮長はある部屋の前で止まる。
「…ここだよ。
もう1人は今は外に出てるから、この後話しておいてね」
そう言って寮長は鍵を使って部屋のドアを開ける。
部屋を開けると、そこには誰かが使っているであろうベッドと机、そして何も使われた形跡の無いベッドと机、そして隅に固められた段ボールの山があった。
「ここが俺の部屋…」
「…満足してくれた?
それじゃ私は寮長室に戻るけど、何かあったらいいに来てね」
寮長はそう言って寮長室へと戻っていく。
「…それじゃ、荷物開けていくとしますか」
俺はベッドに座って、いくつかの段ボールを開けていった。
まあ、送っておいてもらったのはトレーニングシューズや予備のサングラスなど。明日まで余裕はある。
こっちに来た時に手渡された制服や体操服もしっかりと俺の体に合っている。
正直、明日からでもトレーニングは始められるだろう。
…ただ、この辺りの知識はほぼ0に近い。
聞けるなら、同室のウマ娘に色々と聞いてもいいだろう。
そう思いながら荷物を開封していると、ドアが開く気配がした。
「…そういえば、新しいウマ娘が来ると言っていたな…」
そう呟きながら入ってきたウマ娘の声は、俺が一番耳馴染みのあるものだった。
「…久しぶりだな、ルナ」
俺の双子の姉、シンボリルドルフに向けて俺はそう話した。