「…シンボリハンターです。
カサマツから来ました」
俺は黒板の前でそう話していく。
「…地方出身だけど、そんなこと関係なく頂点獲るつもりでいるんで。
そこんとこ、よろしく」
俺はそう言いながら、頭を下げる。
…その言葉で教室内の空気は一気にピリッとする。
俺はそのまま椅子に座る。
周りからの目はにらみつけるようなものが多い。
「地方出身の奴に負けてられるか」…だろうか。
このクラスはルナと同期のやつも多いから、悔しさはあるだろうし。
席は一番窓側の一番後ろ。
後から来たから仕方ないだろう。
ちなみにルナの奴もこのクラスにいるが、席は少し離れ気味。
まあ、アイツがいるかどうかなんて正直関係ない。
俺は俺のやるべきことをやるだけだ。
…そう思いながら、俺は授業を受けていった。
◇ ◇ ◇
「…どうだ、こっちの授業は?」
昼食時、ルナからそう話しかけられる。
「まあ、丁度いいかな。
ついていけねえってほどじゃねえよ。
お前に見せてもらったノートもわかりやすかったしな」
俺はそう返していく。
「…そういや、ルナ。
シリウスのやつもここにいるんだよな?
アイツってどうしてるんだ?」
シリウスシンボリ、俺やルナと同じシンボリ家の生まれだ。
その性格はアウトローよりだが、俺が大きく影響を受けた1人でもある。
「シリウスは相変わらずって言った方がいいかな。
確かデビューは今年と言っていたはずだが。
まあ、この学校にいるなら、お前もいずれ会うことになると思うよ」
ルナは俺にそう話してくる。
そんな中、俺に話しかけてくるウマ娘が2人。
「…お、君がルドルフがずっと話してくれていた妹君かな?」
「…邪魔して悪いな、ちょっと座らせてもらうぜ」
俺とルナが一緒に座っているところに来たこの2人。確か…。
「君たちか。
ハンター、ミスターシービーとカツラギエースだ。
シービーはカサマツにいたお前でも、名前は聞いたことがある筈だ」
その2人か。
去年のクラシック3冠を獲ったのがこのシービーだ。
そしてカツラギエースは、次の宝塚の有力候補だったはずだ。
「初めまして、私はミスターシービー。
君のことはルドルフから聞いてるよ。
『末脚がもの凄い』んだってね?」
「ルドルフのやつ、地方に行ったお前をすっげえ評価してたからな。
…あ、アタシはカツラギエースだ、よろしくな!」
「シンボリハンター、ルn…ルドルフの奴が世話になってるようで」
俺は2人にそう返していくと、ルドルフは若干しょんぼりとした表情を見せる。
「…ハンター、ルナとは言ってくれないんだな…」
「そりゃそうだろうがよ…。
元からお前と話す時以外はルドルフ呼びにしてるよ、俺は。
そうしないとお前だと分からねえことあるだろ?」
こうしたのは俺がカサマツに行ってからだ。
ルドルフ呼びの方が定着した今、スムーズに話をするにはこっちの方がいい。
「私は別にいいよ。
教えてもらったら分かるしね」
「アタシも構わねえよ。
そう呼ぶのが2人の関係性なんだろ?」
「…そうか?それならお前らの前ではルナ呼びさせてもらうよ」
そう返していくと、エースが話しかけてくる。
「ハンター、お前ってどのチームに入るつもりなんだ?」
ルナに聞かせてもらったが、中央だとチームに所属することが出走の条件らしい。
カフェテリアの周りを見渡しても、ところどころにチームメンバー募集の張り紙が貼ってある。
「…それならウチのチームに入るか?
ウチのチームはまだ余裕があったはずだ。
ハンターの実力なら文句なしで入れると思うが」
「待ったルドルフ、それならウチのチームの方がいいんじゃない?
ウチ、まだ人数少なくてさ」
ルナの言葉に、シービーがそう遮ってくる。
その後も2人がお互いに話していく中、エースが俺に話しかけてくる。
「…まあ、ハンター。
アタシはお前がどこに入ろうがいいんだけどよ。
お前が納得できるとこが一番良いと思うぜ?」
「ああ、ありがとな」
俺はエースの言葉にそう返していった。