…授業が終わり、俺はグラウンドへと出向いていた。
「…やっぱ、ココの奴らは一段階違うな…」
理由はチームに関する情報収集。
俺の選抜レースはまだ先だが、敵を知っておくことに損はない。
ルナからも「行っておいで」と言われ、行くことにした。
ちなみにルナはチームリギルに所属しているそうだ。
確か、ルナ以外にはマルゼンスキーも所属していたはずだ。
理由はリギルのトレーナーと自分のやりたいことが合致したから…らしい。
…そういや、俺のやりたいことに賛同してくれる人こっちにもいるのだろうか…。
カサマツでも俺の夢を「できる」って言ってくれたのはジョーさんだけだったし。
そして、ここにいるトレーナーはカサマツのトレーナーたちよりもルドルフの実力を目の当たりにしている。
…もしかしたら、いないかもしれないな。
ルナからは「何かあれば私のチームに入れてもらえるよう相談するよ」とは言われているが、出来る限りルナの力は借りたくない。
…というか、出来る限りルナとは別のチームに入りたい。
そっちの方が、ルナとうまい具合に高め合えると思っているからだ。
後、ルナと一緒のチームだとルナより上には行けないと自分は思っている。
そのためにもルナとは違うチームに入る必要があるのだが…。
「…めぼしいの、見当たらないな…」
それぞれのチームの練習を見ていても、何か違う…と思っていた。
…とはいえ時間は限られてる。
目標は今年の秋のジャパンカップ、最悪でも有マ記念。
そこまでにルナを越えられるようなウマ娘にならなければ…。
…そう思っていながらグラウンドを眺めていると、俺の目の前の視界が一気に暗くなる。
「…は!?」
何かの袋に入れられたのか、包まれた俺はそのまま担ぎ上げられて運ばれていく。
「…ちょ、何か話せ!
っていうか俺をどこに連れて行く気だ!?」
俺がそう暴れるが、俺の耳に聞こえてくるのは「えっほ、えっほ」という息遣いだけだ。
…ちょっと待て。
この声、さっき聞いたような…。
そう思っていると、何か扉を開ける音がして、俺は地面に降ろされる。
「トレーナー、こいつでいいんだよなっ!」
その声と共に俺の視界が開けていく。
そこは、どこかの部室みたいだった。
「ああ、ありがとな。
すまねえな、こんなやり方させてもらって。
…シンボリハンターだよな」
俺の目の前に立っていた男性はそう話してくる。
「は、はい…」
俺はそう答えてキョロキョロと周りを見渡すと、そこには見知った顔があった。
「…やっ。ちょっと連れて来させてもらったよ」
「すまねえ、ハンター。
アタシは止めたんだが…」
「シービー!?エース!?
…ってことは…!」
「うん、チームスピカへようこそ、ハンター」
…俺が拉致されたのは、シービーとエースが所属する、チームスピカの部室だった。