無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

138 / 148
126話

 

 それからしばらくして。

 

「…うん、もう大丈夫そうだね。

 

 走り始めても大丈夫だよ」

 

「分かりました、ここまで付き合ってくれてありがとうございます」

 

 俺は担当医さんにそう話していく。

 

 とりあえず怪我を完治、リハビリで普通に動く程度には戻ってきた。

 

 …宝塚記念に向けて、何とかギリギリ間に合いそうである。

 

「…それと、君に伝えておきたいことがある」

 

「…なんですか?」

 

 担当医さんは改めてそう俺に話してくる。

 

「…君の怪我は、酷使に耐え切れずに発生したと考えられる可能性が非常に高い。

 

 君の末脚は専門外の僕から見ても素晴らしいものだって思うよ。

 

 …ただね、その末脚の使用には君の脚に大幅な負荷がかかってる。

 

 一応他の部位も見てみたけど、結構怪我になりそうなところが多い。

 

 今まで君がしっかりケアを続けてきてたから、ここまで続けてこれたと思ってる」

 

 担当医さんは「改めて」と話してくる。

 

「君たちの担当医として言わせてもらうよ。

 

 君が凱旋門賞を獲りに行くとしたら、宝塚記念で無理をさせることはできない。

 

 

 

 いつもの急な末脚の発動はドクターストップとさせてもらってもいいかな?

 

 

 

「…マジっすか」

 

 俺がそう答えると、担当医さんは「うん」と返答してくる。

 

「怪我明けだからね、万が一にも備えて様子を見たいんだ。

 

 ホントならG2かG3の一戦を挟んて宝塚記念って行かせたいんだけど…。

 

 今のところは宝塚記念、選ばれる予定なんだよね?」

 

「…今のところは、ですけどね」

 

 俺の怪我は対外的に「宝塚には間に合う」と発表されており、怪我明けの俺にも票を入れてくれた人たちが多数いる。

 

 さすがに1番人気…とまではいかないが、このままなら選ばれると思う。

 

「…僕から話せるのは「急加速はやめてほしい」ってことだけ。

 

 いつもよりスピードを徐々に上げていくなら問題はないよ」

 

 担当医さんも色々と考えてくれた上でのこの考えなのだろう。

 

 …確かに俺の最終目標は凱旋門賞の制覇だ。

 

 そのためにもこの宝塚記念で怪我をするわけにはいかない。

 

「…分かりました」

 

 俺は担当医さんにそう返していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ってなわけで、いつもの追い込みはドクターストップで使えなくなりました」

 

 久しぶりの練習で、俺はトレーナーにそう話す。

 

「なるほどな…」

 

 俺の言葉に残念がるのはシービーだ。

 

「残念だなー。

 

 また君との追い込み対決できるかなって思ってたんだけど」

 

「ああ、ちょっとの間辛抱しておいてくれ、シービー」

 

 そんな中、トレーナーは俺に話してくる。

 

「…それで、ハンター。

 

 宝塚でどういう走りをするつもりなんだ?」

 

 俺はそれに答えていく。

 

「それなんですけどね…、エース一ついいか?」

 

「ん、どうした?」

 

 エースがそう返してきた後、俺は彼女に向けてこう話した。

 

 

 

「…逃げのやり方、俺に教えてくれないか?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。