無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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13話

 

 スぺのレースがスタートした。

 

 スぺはスタートが周りのウマ娘たちに比べると少し遅れていた。

 

 まあ、ジュニアで走ってきてないスぺにとってレース場で走ること自体初めてだ。

 

 ある程度、仕方ない部分はある。

 

 …とはいえスぺはその後一気にスピードを上げていき、…5番手争いぐらいか?の位置に付けて行く。

 

「スペ先輩、先行の位置ね」

 

 スぺの走りを見て、スカーレットがそう話す。

 

 …沖野さんはミーティング通りスぺに作戦とかを話してる素振りはなかった。

 

 恐らくスぺはそういうタイプだ。

 

 …まあ先行型有利の阪神ならちょうどいいだろう。

 

 そのままレースは動いて行ったが、スぺの近くにいたクイーンベレーが仕掛けてきた。

 

「…体、当てに来たか」

 

 俺はそう呟く。

 

 クイーンベレーにぶつけられるスぺだが、スぺはなんとか耐えている。

 

 …まあ、これでこそレースって感じではあるけど。

 

 レースはそのまま進み、第3コーナー。

 

 クイーンベレーがスぺの前に出て、後ろに足を勢いよく振り払うようなフォームになる。

 

 土飛ばしてくるか。

 

 …だがスぺはというと。

 

「…へえ、アレ避けれるのか」

 

「…お母ちゃんとの練習の成果ね」

 

 スズカがそう呟く。…寮の部屋でなにか話したのだろうか。

 

 最終コーナーを回り、最後のストレート。

 

 先に仕掛けてきたのはクイーンベレー。

 

 …そしてスぺも同じようにスパートをかけていく。

 

 スぺは一気に抜かしていき、2番手へと順位を上げる。

 

 少しずつクイーンベレーとの距離感も縮まってきた。

 

 …クイーンベレーの方を見ると手の振り方が変わっていった。

 

 さっきみたいに走りながら軽くぶつけに来る程度じゃない、思いっきりぶつけに来るつもりだ。

 

 …ウマ娘の速度でぶつけられたら、ひとたまりもない。怪我は免れないだろう。

 

 …だが、俺の心配は杞憂だった。

 

 スぺはクイーンベレーのタックルを前傾姿勢になることで躱していく。

 

 …タックルを躱され体勢を崩すクイーンベレー、そのまま加速していくスぺ。結果は明らかだった。

 

 スぺは大きく両手を広げてゴールし、阪神は歓喜の渦に包まれていった。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 レースが終わり、スぺのウイニングライブとなった。

 

 

 

 …そういえばだ。

 

 俺はある考えに気づいた。

 

 あれ、スぺってウイニングライブの練習してたっけ…と。

 

 少なくとも俺は生徒会の仕事やら個人特訓やらであまりスぺにはかかわっていない。一応レースについての心構えとかは教えさせてもらったけど。

 

 ウチのチームの面々を見ても、踊れるが多分あまりスぺと話せていないスズカ、まだまだ未熟で踊れないスカーレットとウオッカ、…一応踊れるがの自由人ゴルシ。

 

 …うん、大丈夫じゃねーな。

 

 さすがに、沖野さんは何かしら対策してるだろう。一応聞いておこう。

 

「…トレーナー、スぺのウイニングライブの練習ってしましたよね?」

 

 俺の言葉を聞いた瞬間、沖野さんの足が止まる。

 

「…やっべ、ウイニングライブの練習マジでやってなかった…」

 

「うっそでしょ!?」

 

 俺の叫びが示す通り、スぺのウイニングライブは棒立ち状態となっていた。

 

 …ライブまで重要視するルドルフに何て言われるのだろうか、頭が痛いな…。

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