無敗の狩人と呼ばれるウマ娘になった   作:W297

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129話

 

 …夏の到来を告げる強い日差しが照り付ける阪神レース場。

 

 俺はこの舞台にようやく帰ってこれた。

 

 俺の登場と同時にスタンドからは大きな歓声が響いてくる。

 

 俺はその歓声に応えるようにスタンドに向けて頭を下げる。

 

 そしてその後、俺はトレーナーの元へと駆け寄っていく。

 

「…ハンター、調子はどうだ?」

 

「大丈夫っすよ、とりあえずは心配いらないです。

 

 ここで待っておいてくださいよ」

 

 俺がそう返すと、トレーナーは俺に続けてくる。

 

「…その口叩けるのなら心配はいらなそうだな。

 

 行ってこい!」

 

「了解です!」

 

 トレーナーにそう見送られて、俺はゲートへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ファンファーレが響き渡る中、俺はゲートの中に入っていく。

 

 …ここに来る前、周りのウマ娘からはキツい視線が注がれていた。

 

 正直追い込みはマークされているだろうし、ブロックしに来るウマ娘たちもいるだろう。

 

 …だが、今の俺には関係ない。

 

 俺はパンッと両頬を叩き、ふぅっと大きく息を吐く。

 

 …そして。

 

 

 

 

 

 …ガタンッ!

 

 

 

 

 ゲートが開くと同時にウマ娘たちが一斉にスタートしていく。

 

 そんな中、俺は周りを気にせずに徐々にスピードを上げていく。

 

 俺が先頭に立って走る中、スタンドとほかのウマ娘たちからは驚きの声が上がっている。

 

 正直、本番で俺が仕掛けてくるとは思っていなかっただろう。

 

 バックストレートに入ったときには、俺とほかのウマ娘には10バ身以上の差がついていた。

 

 …というより、やっぱり風が凄い。

 

 いつもはこの辺までほかのウマ娘を盾にして空気抵抗を抑えてスタミナ消費を少なくしていた。

 

 ただ、今回は最初から先頭に立って走ったその分、俺のスタミナ消費量は多い。

 

 とはいえ、宝塚記念の距離は2200。有馬や予定していた春天に比べたらその距離は短い。

 

 今の俺ならスタミナ管理はそこまで必要ない。

 

 そして俺は先頭を維持したまま、第4コーナーへと差し掛かる。

 

 …俺の頭の中に、サンケイ大阪杯の怪我がフラッシュバックしてきた。

 

 あの時も痛みはここに来るまで全くなかった。

 

 …だけど。

 

 

 

 

 

「…俺はもう、こんなとこで立ち止まってるわけにはいかねえんだ!」

 

 

 

 

 

 若干スピードが落ちていた俺は改めてギアを上げて再加速する。

 

 他のウマ娘との差は5~7バ身ぐらいになっていたが、そこからの差は縮まらない。

 

 後ろから俺への鋭い視線が突き刺さってくる中、レースは最終直線に入る。

 

 阪神はここからの直線が短い。

 

 観客の大きな声援を背に、俺は坂を上っていく。

 

 この坂はきついが、長くはない。

 

 後ろのウマ娘たちから聞こえてくる息遣い的には5バ身ぐらいか。

 

 もうここまで来たら大丈夫だろう。

 

 俺は右手を天に突き刺して、そのままゴール板を通過した。

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