「…これなんだけど、使い方分かる?」
ルーヴルはVRウマレーターの機材を前にそう話してくる。
「…ああ、これぐらいなら大丈夫だな」
俺はそう言って操作マニュアルを傍に置いて機材を操作していく。
…今回の研修において、俺の役割はここにいるウマ娘の情報収集と機材や日程の調整である。
日本にいる際にサトノ家の2人から操作方法はある程度教えてもらった。
…ちなみにだが、ローレルの役割はここの授業やトレーニング方法についての情報収集である。
俺が機材を操作すること数分、ほぼほぼ準備は完了した。
…それと。
「じーっ…」
…うん、何か見られてる。気のせいじゃないよね。
俺の背中からは後ろの壁に隠れて誰かの視線を感じる。
「ルーヴル、ちょっといいか?」
「…ん、どうかしたの?」
俺はほぼほぼ準備が終わっていたルーヴルに話しかける。
「あのさ、あそこにいるやつって…」
「…ああ、あの子ね」
ルーヴルはそう話して、「ヴェニュスパーク、こっちにいらっしゃい」とそのウマ娘を呼び寄せる。
「あの、会長。この人って…」
「ええ、シンボリハンターよ。
…紹介するわハンター。
ヴェニュスパーク、ウチで今一番調子がいいウマ娘…とでも言おうかしら?」
「ヴェ、ヴェニュスパーク…です!
これからよろしくお願いする…です!」
ヴェニュスパークはそう話しながら頭を下げる。
…そうか、こいつがヴェニュスパークか。
名前は聞いたことがある。次代のフランスを背負うウマ娘だと。
「よろしくな、俺はシンボリハンター。
…日本語話せるみたいだけど、フランス語でも大丈夫だぜ?」
「そ、そうなんですね、ではフランス語でお願いしてもいいですか?」
ヴェニュスパークはそう話すが、ルーヴルは「ダメよ」と言い放つ。
「…ハンター、このヴェニュスパークは日本のウマ娘に興味があるみたいなの。
いずれは日本に行かせるつもりではあるわ。
折角の機会だし、このハンターと今モンジューが案内をしてるサクラローレルの前ではできる限り日本語で話しなさい」
ルーヴルの言葉に俺は「大丈夫なのか?」と聞いていく。
「…いいのか?」
「ええ、最悪あなたたちならフランス語も分かるからね。
日本語の良い練習になるわ」
ルーヴルはそうきっぱりと話してくる。
「わ、分かりました!できる限り…日本ゴで話すようにするです!」
…まあぎこちないところはあるが、日本で普通に過ごすなら合格圏内か。
そう思っていると、俺たちの後ろから俺とルーヴルのことを呼ぶ声が聞こえてきた。
…ローレルとモンジューである。
「会長、サクラローレルに校内の案内、終了しました」
「お疲れ様モンジュー。…サクラローレル、分からないことがあれば遠慮なく聞きなさい」
「あ、はい!ありがとうございます!」
ローレルはルーヴルにそう頭を下げる。
「どうだった、ローレル。
ここの設備はよ」
俺がそう聞くと、ローレルは「凄かったです!」と返してきた。
「日本とは違ったトレーニング器具や施設があったり、日本のものより進んだものがあったり…、これがフランスなんですね…」
ローレルはそう興奮した表情で俺に話してくる。
「そうか、それでローレル。
今からVRウマレーダー動かそうと思うんだが、大丈夫か?」
俺がそう聞くとローレルは「はい!」と答えてくれる。
「さっきの見学で自分の中のやる気が出てるので!
すぐにでもやらせて下さい!」
ローレルはそう鼻息荒く俺に話してくる。
「ローレル、お前は中に入ってルーヴル達を案内してくれるか?
外側の装置は俺が操作するよ。
…それとルーヴルとモンジュー、それにヴェニュスパーク。
お前ら全員この中入ってくれ。
せっかくの機会だ。やっておいた方がいいだろ?」
俺がそう話すとモンジューは「そうですね」と話し、ヴェニュスパークも「お願いします!」と話してくる。
俺は4人全員が入っことを確認してヘッドセットを装着する。
「よし、お前ら!
日本が生み出したこのトレーニング方法、しっかりと楽しんでくれよ」
俺はそう話して、電源のボタンを押して、VRウマレーターを起動させた。