「いやー、珍しいもん見れたぜー」
カラオケボックスからの帰り道、ゴルシが俺に向けてそう話す。
「…まあ、一回しか使ってねえ曲だからな。…テイオーも来てくれて助かったよ」
俺の言葉にテイオーは「気にしないでいいよ!」と返してくる。
「テイオーさんに教われば、ライブでも恥をかかなくていいですよね!」
スぺはそう話す。…まあ今日のレッスンで大分上達したみたいだし、次のライブは何とかなりそうか。
「ウチに来たら、可愛がってやるぞ?」
「えー、どうしよっかなー」
ゴルシの言葉にテイオーは笑顔でそう話す。
「ま、テイオーにも考えがあるさ。
俺としてはテイオーのようなエリートこそ、のびのびとやってほしいんだがな」
沖野さんはそう話し、スぺに向けて続けていく。
「スペシャルウィーク、3冠ウマ娘獲るぞー!」
「えええー!?」
その言葉にスぺは驚きの表情を見せる。
「…スぺを出すんすね、クラシックに」
「ああ。お前はこのチームで唯一、今年の3冠ウマ娘に挑戦できるんだから当然だろ?」
沖野さんの言葉にスぺは「わ、私が3冠ウマ娘…」と声を小さくする。
「この時期に2勝してれば当然の流れだ。ホラ、お前の目標はなんだ?」
「それは日本一のウマ娘に…」
「だろ?」と沖野さんはスぺの言葉に続けていく。
「皐月賞・日本ダービー・菊花賞、この三冠制覇は日本一のウマ娘になるための最短ルートだ」
「最短ルート…」とスぺは呟く。
「スズカさん、私…」
「チャンスがあるのなら、挑戦するのがいいんじゃないかしら」
スズカはそうスぺに返す。
「は、ハンターさんは…」
「チャレンジしないことに意味はねーよ。
それに、挑戦したくても挑戦できないやつもいるんだ。参加しないってなるならお前はその権利をわざわざ捨てることになるんだぜ?
俺も挑戦すべきだと思うよ」
「挑戦…」と呟くスぺに沖野さんが話す。
「そのために、皐月賞の前戦、弥生賞を獲るぞ!」
「は、はい!」
スぺは元気よく返事をする。
「それとハンター!お前のドリームトロフィー予選ももうすぐだ。登録はダートでよかったよな?」
「ええ。もちろんですよ」
「明日は収録だから仕方ないとして、明後日からか。通常用メニューから直前用メニューに変えていく。しっかり調整して行け」
「了解です。…おそらくですけど、その辺りになれば俺たちの新たな試みも始まる頃ですかね」
「え、ハンターさんまたなんかやるんですか?」
ウオッカの言葉に俺は「まあな」と返す。
「見せるのは当日にはなるけど、俺達だけじゃなくて観客も満足できるものになるよう調整してくよ。期待しててくれ」
「あとさらっと言いましたけど収録って何のことですか?」
スカーレットが俺に聞いてくる。
…そういえば言ってなかったな。
俺や出演する他のウマ娘のレースもあるからギリギリ明日になったんだっけか。
まあ、まだ言う必要もないだろう。
「それも秘密だ。スカーレット。まあそのうちお前らもわかるよ。…まあ皐月にかかわるとだけは言っとこうか」
俺達はそう話しながら寮への道を帰って行った。