「…4月〇日皐月賞出走!みなさん、ぜひ来てくださいねー!」
俺はテレビカメラに向かって手を振る。
「…はい、オッケーでーす!」
そして今、収録が完了した。
俺が行っているのがなんなのか…、というと皐月賞を含むクラシックのPR活動だ。
既に多くの方にトゥインクルシリーズを知ってもらってはいるが、さらなる知名度アップのためにウマ娘代表として俺が出向いている。
クラシック前の恒例行事と化しており、ルナがスポーツ番組などの固い番組に、俺がバラエティ番組などの緩い番組に出演するのが鉄板である。
…というよりかはバラエティの方は固い雰囲気のルナよりかはいくらかマシな俺が行かざるを得ないというのが正しいか。
ルナはあの雰囲気を持ってこそのルナだろうし。
一通りの収録を終え、地下の駐車場に止めてある車に俺は乗り込む。
「…で、どうだったよ。タイシン」
「…どうもこうも、いつもの感じ。もう少し辛くてもよかったかな」
助手席に座っているナリタタイシンが俺の言葉にそう答える。
今日の収録は激辛料理チャレンジであり、タイシンにはよく付き合ってもらっている。
なお、大食いチャレンジの時はここがオグリになって後ろにタマとクリークとなる布陣が定番だ。
「ハンターさん的にも今日のは大丈夫でしょ?」
「確かに、いつものあそこに比べたら刺激は足りなかったなー。
あそこが俺達に対抗してるっていうのもあるけど」
俺は苦笑いしながらそう答える。
いつものとこ…、というのは俺・タイシン・エルの3人でよく行く激辛料理店だ。
車で10分ぐらいの所にあるため、よく通っている。
「付き合ってくれてありがとな、タイシン。また何かお礼はさせてもらうよ」
「別にいいよ、アタシもハンターさんには世話になってるしさ」
そう話しながら、俺は車を走らせて行った。
◇ ◇ ◇
「…戻ったぞ」
俺は生徒会室の扉を開ける。
「ハンターか。テレビ収録、ご苦労様だったな」
椅子に座っていたルナが俺に向けてそう話す。
「まあ、いつものことだしな。もう慣れたもんよ」
「…スピカからはスペシャルウィークがクラシックに出るらしいな」
俺はクッションに座り、ルナの言葉に続けていく。
「ああ。順調に勝ててるしな。
ウチのトレーナー曰く弥生獲ってそのまま皐月に乗り込む予定だとよ」
「そうか」
ルナはそう言って立ち上がり、窓の外を眺めながら俺に話しかける。
「なあ、ハンター。ドリームトロフィーダートで新たな計画が進んでいるというのは本当か?」
「本当も何も前からずっと進行中だよルナ。上の許可はとれたし、サポーターも喜んで賛成してくれたし。順調に行けば試験的に俺が出る予選のレースで初導入する予定かな」
「…自身のトレーニングと同時進行なのか?」
「俺達ができることは終わってるから大丈夫だよ。後はサポーターの方たちに任せるだけ」
そう答える俺を見てルナが話す。
「やはり、ハンターはダートの率先垂範となる存在だな」
「…お前ほどじゃねーよ、ルナ。俺はダートの面子を引っ張るので一杯だからな。
ウマ娘全員を引っ張るお前には追い付けねーよ」
俺はルナの言葉にそう返した。